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小説、作りませんか?

8紅月島作家・U:2007/05/26(土) 13:45:07 ID:LhdCyzt.
二十分後……
共和国海軍廻林艦隊旗艦・戦艦雲河……
「射程、まだか。」
「射程……入りました!」
矢柳が叫ぶ。
「戦艦及び水雷戦隊に打電!全艦、我ニ続ケ。」
三池はてきぱきと廻林艦隊の指揮を執る。
「レーダー射撃、一番、二番ヨーイ、撃てーッ。」
爆発音とともに砲弾が放たれる。他の戦艦も次々と主砲を唸らせている。
前方の水雷戦隊からも次々と魚雷が放たれ、白い軌跡となって敵艦へ向かっていく。
穂坂「面舵一杯。三番、四番急げ!」
そのとき、蟻のように見える点が光った。撃ってきた……
「敵戦艦砲撃開始!弾数、二十五。内四発直撃軌道!」
レーダー担当が叫ぶ。もはや選択の猶予は無かった。
「取り舵一杯、かわせ!」
そのとき、前方の点が光った。
「自弾、敵艦に命中!敵弾直撃まであと十、九、八、七、六……。」
レーダー担当がカウントダウンをする中、艦橋内の時間は止まった。
「総員衝撃に備えよ!」
「駄目です!三発直撃します!」
直後に予測どおり三つの爆発音が連続で聞こえ、同時に凄まじい揺れが襲ってくる。
立っている者は転倒し、座っている者も振り落とされた。
穂坂は頭に強い衝撃を感じ気を失った……

気付いた場所は医務室の一角にあるベッドだった。
カーテンで仕切られてはいるものの、向こう側からはうめき声が聞こえる……。
「大丈夫かね。」
目の前に三池が座っていた。
「ちょっ、長官殿。わざわざこの私を?」
「被害を調べていたのだ。」
直後、後頭部に鈍い痛みが走り、思わず頭を抱え込んだ。
「本当に大丈夫かね?」
「大丈夫です。これしきのことで死にはしませんよ。それより、私はどうなったのですか?記憶が無いので分かりませんが教えてもらえたら幸いかと……。」
三池はあの後のことを話した。穂坂は三発の直撃弾のショックで転倒し、気を失ったこと。
最初に撃った弾十発と後に撃った砲弾七発、水雷戦隊が放った魚雷九本が敵戦艦に直撃、二隻を撃沈、一隻を大破させ大勝利を収めたこと、
激しい揺れは三番砲塔の砲弾の誘爆であったこと等……
「そうだったのですか……。申し訳ありません。こんなときに艦長である自分がこのようでは、艦長失格ですよね。」
「いやいや、そんなことはないよ。君はこの船と大勢の乗組員守ってくれた。もしあのとき、ほんの数メートル砲弾がずれていたら……
敵艦と同じ目に会うことになっていた。君の正確でかつスピーディーな判断で大勢の命を救ったのだ。君は英雄だよ。」
「そのようなことを……。身に余るお言葉です。」
「いいのだ。それが私の、そして君の義務だからな。」
いくら長官といえ、もとは普通の人間なのだ……
いつの間にか廻林艦隊司令長官の真剣すぎる顔はほころび、いつもの親しい老人の顔になっていた……。

その頃、ドイツ第三帝国領、エジプト……
この頃ヨーロッパのほとんどを手中に収めたナチス第三帝国は
考古学者のルーベンス・シュトリウスを筆頭にある物の発掘を進めていた。
ルーベンス「古代アトランティスの者どもは何を考えていたのか分からん……。」
始まりは一年半前。地中海コルシカ島沿岸に突然消息を絶った独潜水艦・Uボートの捜索からだった……
初めのうちは撃沈されたものと思われたが、そこ一帯の制海権は第三帝国のものだった。
しかもレーダーなどによれば、当時船は航行しておらず、また機雷や暗礁なども無く、
救難信号なども一切無くさらに最後の電信に刻まれた言葉は『不思議な音がする……』だけであった……
これを不審に思ったナチス上層部は極秘で事故海域を調査、そして木っ端微塵に粉砕されたUボートの破片と巨大な黄金の石盤を発見、
調査の結果それは約2万年前の物ということが判明し石盤にはこう刻まれていた。
『……これを見つけし大いなる支配者に死の魔物を授ける……。
それを使うとき、世界は血に染まり、大いなる支配者はやがてすべてを支配し、神の称号を得るであろう……。』
果たして、死の魔物とは何なのであろうか……

そして、二ヵ月後。
ルーベンス「つ、遂に見つけた。これでナチス第三帝国が世界の覇者とならんことを!!!」
その日、古代文明が生んだ最悪の兵器が発見された……。その名は、デストロイア……。


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