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小説、作りませんか?

7紅月島作家・U:2007/05/26(土) 13:40:34 ID:LhdCyzt.
十分後、青い空の下、無数の航空機が入り乱れ巨大な鉄の蚊柱が出来ていた。
大日本帝国と大火炎帝国双方の攻撃隊が衝突した瞬間だ。
その中に日の丸を掲げた新型機があった。
大日本帝国期待の最新鋭艦上戦闘機・烈風である。
その中の一機に城島信吾という男が乗っていた。
彼は十五歳の時海軍航空隊へ志願。その才能を開花させ、二十歳にして
大日本帝国のエースパイロットとなった。
「来たか!よし、第二小隊は右から第三小隊は回りこめ!第一、第四小隊は俺に続け!!」
そう言って城島の乗った烈風は他の烈風や零戦と一緒に
大火炎帝国の攻撃隊へ襲い掛かった。

同時、大火炎共和国主力戦闘攻撃機・青天は向かって来る無数の迎撃機を
必死でかわしていた。
「くそ!護衛の“改”(飛行機乗りの零戦改の愛称)はまだか!このままでは……。」
ジョージ・邨田が烈風の攻撃をかわしながら嘆いた。
「大丈夫です。たぶんすぐ来ますよ。」
後ろに座っているロバート・小野寺が励ましたその直後、頭上を味方の零戦改が通り過ぎた。
「やっと来たか。」

廻林艦隊旗艦・戦艦雲河、艦橋……
いつもは生新しい広々とした部屋だが、緊張のせいかかなり狭く感じられた。
艦長の穂坂はてきぱきと判断し、指示を与えていた。
「てっ、敵機接近!」
レーダー担当と見張り係が同時に叫ぶ。
「対空戦闘ヨーイ。」
前方には零戦改に落とされながらも五十機近くの爆撃、雷撃隊が見えた。
「レーダー担当、敵の動きは?」
穂坂が聞く。
「真っ直ぐこちらへ向かってきます。」
「あとどれぐらいで射程に入る?」
「レーダーによると、あと二十から三十というところです。」
そう言ったのは射撃長のブック・矢柳だ。
「よし、射程に入り次第対空レーダー射撃を開始する。弐式空中焼夷弾転送、砲撃準備!」
弐式空中焼夷弾は共和国軍が開発した対空専用のクラスター爆弾(爆弾の中に小爆弾が入っており、その中に可燃粒子が入っている。)だ。
一瞬にして敵機を焼き尽くす強力な対空砲弾だがコストが高く、一度の戦闘に十回ほどしか撃てない。
艦橋の緊張が一気に高まる。
「とうとう始まるのか……。味方航空部隊を退避させろ。」
そう命令したのは三池だった。
「射程、入ります!」
「面舵一杯!一番、二番ヨーイ!」
同時に雲河の巨大な砲塔がスムーズに動き敵航空部隊を捕らえる。
つられて別の戦艦の砲塔も動いた。
「撃てーッ!」
直後に凄まじい爆発音とともに主砲が火を噴いた。
そして、打ち上げ花火が天に昇っていくような恐ろしい音をたてながら、
砲弾は右前方で炸裂した、とともに閃光が走り航空部隊の約十分の一が消滅していた。
「レーダー射撃成功です!一気に敵の戦力を削ぎ落としました!」
レーダー担当が興奮を必死にこらえながら言った。
「うむ。全艦へ打電。ワレ、レーダー射撃に成功セリ。」
しばらくして、他の戦艦からも続々と砲弾が放たれ、そこにもう攻撃隊の姿は無かった。
さらに間一髪攻撃をかわしたものもすぐに零戦改の餌食になったのである。

同時刻……
「見えたぞ。小野寺、投下準備しておけ!」
「了解!」
そう言うと小野寺は潜望鏡のようなものを引き上げた。
これこそ青天の最大の武器である27型光学照準機である。
これは魚雷の視点から目標を狙うという画期的なもので、訓練では百発百中の命中力を誇った。
「行くぞ!全機、俺に続け!」
そう言って邨田は操縦桿を前へ倒した。

第一航空艦隊旗艦・空母赤城、艦橋……
「はっはっは、下賎者どもが。新型の烈風で叩き落してくれる!!」
南雲は余裕であった。が……。
「敵機機接近!!こちらへ向かってきます!」
「何?烈風をかわしただと?!ええぃ、対空戦闘用意だ。予備の零戦も上げろ!なぜだ……。
最強の戦闘機といわれた海軍期待の烈風からなぜ簡単に突破できるのだ?」
南雲は焦っていた。
「勝たねば……。勝たねば未来永行我々に名誉は無い。」
「敵機魚雷発射!」
副司令の言葉で南雲は我に返った。
「何?!回避!!」
遅かった……。
共和国攻撃隊、青天の放った魚雷三五本中二十本が空母赤城の
左舷へ直撃! 傾いて炎上する艦橋の中で南雲はつぶやいた。
「なぜだ。なぜ負けるのだ。なぜ……。」
直後に魚雷うちの一本が爆薬庫で炸裂、大爆発を起こし赤城は轟沈したのであった……。


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