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小説、作りませんか?

6紅月島作家・U:2007/05/26(土) 13:38:31 ID:LhdCyzt.
世歴1941年12月13日。
大火炎共和国領・ロランド島沖合一三〇キロメートル。
大火炎共和国所属廻林艦隊旗艦・戦艦雲河……
それはアメリカや帝国海軍に対抗するために共和国海軍が建造した最新鋭のハイテク戦艦である。
廻林艦隊はこの戦艦雲河の他にも雲河級戦艦三隻、正規空母二隻、護衛空母二隻、
重巡洋艦(後述重巡)三隻、軽巡洋艦(後述軽巡)二隻、駆逐艦八隻を保有する大艦隊だ。
その慌ただしい艦橋内の中央、艦長席に座っている男がいた。ルーク・穂坂艦長である。そしてその隣に座っているのは廻林艦隊司令長官のトーマス・三池だ。
「今我々は生みの親である大日本帝国所属の船を討伐しに行っているのだが、
君の心境はどうだね?私はまだ、起こっていることが信じ難いのだが……。」
三池が聞いてきた。突然の問いだったので、聞き逃すところだった。
「おっしゃる通り、私も貴方と同じ心境です。私たちには討てないかもしれません。
……申し訳ございません。このような無礼なことを長官殿の前で……。」
「いいのだ、気にするな。ただ、これが戦争ということなのは確かだ。」
戦争というものは恐ろしい。たとえそれが仲間であろうと、敵であれば容赦なく殺し合う。
普通だったら、人を殺せば当然罪を償わなくてはならない。しかし、戦争は違う。
殺戮を犯しても、罪を償うどころか母国では英雄となるのだ。そして、新たな憎しみ呼ぶ。
「誰かを殺したらその仲間が怨み復讐する。そして、また誰かが死に残ったものはまた怨み、復讐する……。それが戦争という物なのだ。それが……。」
「人間の本性ですか……。」
三池は顔しかめて頷きながら前方に広がる蒼い海を眺めた。冬の海は少し荒れており、白波が立っては消えていった。穂坂は横目で司令長官の横顔を見た。
顔には深々としわが刻み込まれてあり、老司令の勇姿にぴったりだ。
「戦争は人間だけに感染する伝染病のようなものだ。
感染すれば罪も無い人々も犠牲になる……。」
三池は表情も変えず海を見つめながら、ギリギリ聞き取れるような小声で呟いた。
その後、廻林艦隊司令長官の紺碧の目が水平線上に何かを捕らえ、大きく見開かれた。
異常に気付いた副長はすぐに双眼鏡を用意し、穂坂と三池に渡した。
そして、それを覗くと長官が見たものの正体が鮮明に分かった。
「第一種戦闘配備!!急げ!敵はすぐそこだぞ!レーダーはどうした?」
穂坂が叫ぶ。この最新型戦艦には他の艦船を遥かに上回る高性能レーダーが備わっているのだ。
しかし、その高性能レーダーも一度敵を捕捉しないと使えないという欠点があった。
「範囲外です。あと二キロメートル近づかないと!」
レーダー担当が叫んだ。
穂坂は舌打ちをして、
「最大戦速!取り舵一杯!」
副長が復唱し、艦は左へ傾き、曲がり始めた。
「とうとう来たか。全空母に打電。航空機部隊を出させろ。
ほとんど同じ人間同士戦い合うとは……。」
双眼鏡に映ったもの、それは紛れも無く大日本帝国所属の第一航空艦隊であった。
「他にも艦影多数!」
見張り係が叫ぶ。このころ艦搭載型レーダーの信頼度は低く、まだ見張り係を配置させていた。
「レーダーに反応あり!これによると、新たに戦艦四、重巡三、軽空母一、駆逐艦十!
内戦艦は全て金剛型です。」
レーダー担当がおおよその大きさを読み取り、報告する。
「第一艦隊か。結構な戦力を出してきたな。」
そう言ってスクリーンの中の移動している点を見つめた。

第一航空艦隊旗艦・空母赤城、艦橋……
「来るなら来い。新型機で出迎えてやる。」
南雲はそう言って殺気立った不気味な笑みをもらした。
「攻撃部隊出撃!」
第一航空艦隊から次々と攻撃隊が放たれていく……。

一方遠くに見える響艦隊からも次々と航空機部隊が飛び立って行く。
廻林艦隊旗艦・戦艦雲河、艦橋……
「全速で敵艦隊へ向かえ。最終試験だ。」
「了解。機関最大全速前進!対空、対潜警戒厳に!」


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