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4紅月島作家・U:2007/05/21(月) 20:48:23 ID:i1LOwIUM
第一章・始まりの炎

全ての始まりは世歴(西暦)1941年12月10日。
真珠湾奇襲の5時間後だった……

午前七時八分 大火炎帝国、帝都・火京。軍総司令部、レーダー監視室……
「ん?機影確認。変だな、この時間哨戒機は飛ばないはずですよね。」
レーダー監視員の一人が異変に気付いた。
「演習中の大日本帝国の偵察機が迷ったんじゃないか?」
同僚がそう言って監視レーダーの画面に視点を戻した。
しかし、そこにはあり得ないものが映っていた。
「機影多数出現! まさか!」
異常に気付いた主任が駆け寄ってくる。
「何だ!?ちょっと見せてみ……。たっ、大変だ。すぐ総合司令室へ連絡!まずいぞ……。」
そこに映っているものは、まぎれも無く多数の大日本帝国の飛行隊だった。

五分後、軍総司令部総合司令室……
普段は落ち着きのある司令室だが、今回はかなり慌しかった。
「敵戦闘部隊確認!数は、50!否、100!」
「防衛艦隊をそっちへ向かわせろ!」
「駆逐艦・日暮、戦闘開始!」
「哨戒機、撃墜されました!」
管制官、各司令官たちが困惑している中、総司令と副司令だけは冷静だった。
「とうとうきましたな、司令。やはり・・・」
副総司令官の早見が表情も変えず、聞いてきた。
軍総司令官、ケン・久村(国民のほとんどが日系アメリカ人)は
腕組をして黙り込んでいる。よく見ると何か考え事をしている。
「司令!迎撃部隊の出撃許可を。」
管制官の一人が聞いてきた。
「許可する。ただ、十機余り草津山脈へ向かわせろ。」
総司令室が一瞬のどよめく。しかし、副司令の一喝ですぐ元に戻った。
「しかし、草津山脈は反対方向ですよ。」
管制官は反論した。
「これは!大日本帝国海軍機動艦隊です!」
「数確認!空母3、戦艦2、巡洋艦3、駆逐艦5!」
「報告だと確か空母四隻のはず・・・まさか!」
他の管制官達の状況報告でその管制官は久村が何を考えているのかを悟った。
「勘があたりましたな、司令。すぐに出撃させろ!急げ!!」
「あと、響艦隊と廻林艦隊を出せ。相手は攻撃が終わる前に引き上げるが、
また戻ってくるだろう。」
そう言って、入れたてのコーヒーを飲んだ。
「アッツィィィィィ!!」
久村の勘はかなりの高確率で当たる。ただし、勘で熱々のコーヒーを飲むのは危険すぎた。結局、久村の叫びは軍令部中に響き、舌にやけどを負い、以来ホットコーヒーを飲まなくなったのは言うまでもないだろう。

同時刻、第一航空艦隊旗艦・空母赤城、艦橋・・・
「第二波空中攻撃部隊の準備だ。急げ!」
第一航空艦隊司令長官、南雲忠一は紺碧の海を眺め、自信たっぷりに言った。
真珠湾攻撃があまりに見事に終わったのですこし浮かれていたのだ。
「もうじき第一波空中攻撃部隊が作戦を開始する時刻だ。作戦開始後すぐに
第二波攻撃部隊を上げ、それぞれの目標に向かわせろ。また、別働隊は南部へ行かせ、
空母蒼龍の飛行隊を草津山脈から進入させ、首都へ向かわせろ。
大火炎帝国などと下賎者どもの集まりが。叩き潰してくれるわ。」
しかし、南雲の作戦を久村総司令は完全に予測していた。
ただ、南雲が大火炎帝国のレーダー技術と久村の勘を知らなかっただけである。


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