したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

面白いクイズに挑戦しよう!

88染五郎 ◆6n/uuhKMeQ:2006/02/05(日) 03:27:32
【問題14・番外編】

「ふぅ…、やれやれね…」
現場に駆けつけ金庫の中を覗いた彼女は扉の前で立ち止まると深いため息を吐いた。
それと同時に笑みがこぼれたのだが次の瞬間にはまたいつもの探偵の顔に戻した。
「それで…」
彼女は現場の金庫に入ると中央の机の近くにいる男に声をかけた。
「盗まれたのは本物の金貨だけなのね?J警部。」
J警部と呼ばれた男は彼女に背を向けた状態で腕を組み、
なにやら神妙な面持ちで机の上を見ているだけで彼女の声には返事をしなかった。
「ちょっと、聞いてるの?…J!」
彼女がやや大きめの声で彼の名前を呼ぶと、ようやく彼は彼女の存在に気が付いたようだ。
「あぁ…、来てたのか。」
顔を上げて後ろを振り返り彼女を確認すると一声かけてまた机を見始めた。
「来てたのか、じゃないわよ…まったく。だから男ってやつは…」
そう言いかけて彼女は言葉を飲んだ。
男は何かに集中すると人の話をまったく聞かない、そんな持論を展開した所で
今は何の役にも立たないのは明白だったからだ。
むしろ今の状況でそんな事を言っても男ばかりのこの現場では誰も理解してくれないだろう。
「なぁF、ちょっとこれを見てくれないか。」
Jは彼女の苛立ちを気にも留めず話を続けた。
「これは何か意味があるのか?」
彼女はJのその言葉を聞くとさっきまでの苛立ちも忘れてスタスタと机に近づいていった。
「…何これ?金貨とインゴットが並んでる…」
その机の上には金貨と金の延棒が不規則に並んでいた。その並びは次のようになっていた。
(・)→金貨、(―)→延棒
 −・−・
 ・−
 −
 −・−・
 ・・・・

 −−
 ・

しばらく机を見ていた彼女から不意に言葉が洩れた。
「…なるほどね…」
そう言うと、クルッと体の向きを変えそのまま金庫の出入り口の方に向かって歩き始めた。
「お、おいおい。何がなるほどね、なんだ?何かわかったのか?」
彼女が金庫から出て行こうとするのを見て、Jは慌てて彼女に声をかけた。
しかし彼女は足を止めようとはしなかった。
「どうせここを調べても、いつも通り何も出てこないわよ」
彼女はJの方を振り向こうともせず歩きながら言った。
「いや、それよりこの机の上のもんはなんなんだ?それを教えろよ!」
Jは金庫を出かかった彼女に向かって半ば叫ぶような声で言った。
彼女は金庫から出て立ち止まると顔を少しだけ後ろに向けて、
「それはね…、あいつと私だけの秘密の暗号よ。それと偽物の金貨の袋の中を
よ〜く調べなさい。11枚だけ本物の金貨が混ざってるはずだから」
そう言うと彼女の姿は見えなくなった。
「11枚だけ本物?何言ってるんだ?偽物の袋に本物が入ってるって…?」
Jは大声で叫んだが彼女の返事はとうとう返って来なかった。
「んじゃこの机に並んでる金貨は偽物って事か?でもここには10枚しか無いぞ?
残りの1枚はどこに……?おい、F!俺に解るように説明しろ!!」
大声で叫びながら彼女を追いかけて金庫を飛び出したがその姿はどこにも無かった。

おしまい。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板