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第3回東方最萌トーナメントまでまったりするスレ 巻之伍
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「こちらでしたか」
一巡りの内で星座が一際、美しく輝かしく明滅する冬の空に、肺腑から吐き出された吐息が白く高く昇って消える。
吸い込まれそうな深い闇色の空に、老いも若きもなく渾身を込めて瞬く幾千幾万、八百万の宝石達。
高く高く、遠い空。飛べども飛べども、届かない宇。
手を伸ばせばつかめそうなほど近く、いざ身を投げてみれば誰一人として待つことなくその果てに消えていく。
「……遠いですね」
こぼれないように、こぼれないように、掬っても掬っても、皆、指をすり抜けて通り過ぎてしまう。
切なくて、悲しくて、胸が張り裂けてしまいそうなくらい叫んで嘆いて儚んで、それでもかわらず星達は遙か彼方から、無情に非常にきらきらときらきらと輝いている。
「……これだけ寒いと、星もよく見えますね」
それでも、決して多くはない、数えるしかないくらいしか無いけれど、確かに残ったものがある。本当に、片手で数えてまだ指が余るくらいのささやかな宝物。
どんな星よりも明るくて眩しくて、どんな星よりも気高く誇り高い、暖かな暖かな冬の星。
今でもいつまでも隣にある、大切な大切な星の宝物。
<<八雲紫×八雲藍>>
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