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第2回東方最萌トーナメント 63本目
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「駄目ですよ、こんな咲夜さん、ほっとけません」
やさしく心に染み渡ってくる、鈴声。
どうやったのか、彼女は音も無く部屋に入って来ていた。
「ぃや!入ってこないで!!命令よ!すぐに出てって!!」
普段なら、この剣幕で叱れば、大抵彼女は逃げるように持ち場に戻っていくだろう。
しかし、そう思った私を包む布団が一瞬で剥ぎ取られる。
美鈴が、ベッドに乗り上げて私を覗き込んできたのだ。
なんで?!いやだ!見られたくない!こんな私!!
とっさに、さらに小さく堅く、身をすくめる私。
「ほっとけるわけないでしょう?こんなに泣きじゃくっている人を」
そう言って、背後から私の肩に手を置く美鈴。
「何しに来たの!出てって、て言ってるでしょう!」
身をよじって、その手から逃げようとする私を
「駄目です」
そう言って彼女は、馬鹿力で無理やり自分のほうに引き寄せ、そして。
ぱふんっ
突如私の頬は、甘い紅茶の匂いのする、柔らかな何かに包まれた。
いきなりの事に戸惑う私が上を見れば、そこには元・頼れる先輩にして、現・ちょっと頼りない部下の顔。
見られた!泣いてるところ!見られちゃった!
「やっ!いやぁ・・・!見ないで!見ないでよぉ・・・!放してぇ・・・!」
全力で逃げようともがく私を、けれどその手は万力みたいな力で抱え込んで離さない。
「だ〜め、暴れないでください、いい子だから」
そのくせその腕の中は暖かで、気持ちよく私を包み込む。
駄目だ・・・、こんな、こんな風にされたら私は・・・
私はもう、自分を抑えられなくなる・・・!
「まったく、何でも一人で抱え込もうとするのは、今も昔も変わらないんだから。しょうがない子だなぁ」
きゅっと、その豊満な胸に私の顔をうずめさせ、彼女はそっと優しく呟いた。
「たまには、昔の姉貴分に甘える日があったっていいでしょ、サクヤ」
その、心の奥まで染み渡る澄んだ声色は、一瞬のうちに、私の中の、最後の氷を溶かしてしまったのだった。
「何があったか知らないけど、今日は特別に、ど〜んと私の胸を貸してあげる」
「めー・・・りん、めぇ・りん・・・・ぅあっ・・ぐ・・・・・・うぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
その晩、私は数年ぶりに、美鈴の胸で思いっきり泣きじゃくった。
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