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第2回東方最萌トーナメント 63本目

13『私と彼女の系譜』2/6:2005/03/11(金) 23:32:54 ID:t4odGQRI

しかしこのトーナメントにおいて私を何より支えたのは、皮肉にも次の対戦相手である、紅美鈴の存在だった。

紅美鈴、私よりずっと昔からお嬢様に仕える、私の元・先輩、元・上司にして、現・部下。
私が紅魔館に来た直後、メイド見習い期間にさまざまな仕事を教え、世話をしてくれた恩人。
実を言えば、人間である私がメイド長という今の地位にいられるのも、その人望から次期メイド長の候補でもあったにもかかわらず、私を推薦してくれた彼女の力があればこそだ。
そして何より、見習い時代は人間という事で何かと辛いことの多かった私を守り、心の支えとなってくれた姉代わりだったのだ。

ただ、彼女の上司になってから分かったことだが、その、なんというか、部下としての彼女は、正直、見ててイラつくというか、正直いまいち頼りないのだ。。
いや、性格はまじめだし、部下に対する面倒見もいい。
親しみが持てすぎるせいだろう、多少下に舐められる嫌いはあるものの、部下の教育も行き届いている。
彼女の部下が言うにはこれ以上有能な上司もそうそう居ない、くらいに仕事もデキる、らしいのだが。
ただ、上から本人の仕事振りを見ると、これがどうしても疑わしくって仕方が無い。
居眠り、遅刻、無断欠勤はザラにあるし、最近では、すばしっこくて黒い奴、ならびにアーパー紅白等の侵入を許してしまうといった大黒星をかますという、無能っぷり。
彼女との付き合いの長い図書館の司書小悪魔が言うには、
「それは咲夜さんが見てるときだけですよ〜〜」
とのことだが、じゃあ、どうして私が見るときばかりこうも見事なまでに弛んでいるというのだろう。
おかげでここ一,二年で、彼女の額はすっかり私のナイフの的と化してしまった。
時々、私達の関係を知る者が、私のその行為を恩知らずでは無いかと諌めることもある。
でもどうか分かって欲しい。
これが私たち流のコミュニケーションだということを。
それにその、好きだからこそ、大好きだからこそきつく当たりたくもなってしまう私の気持ちを。
私だって、人の子なのだ、そこ、意外とか言うな。
やっぱり昔憧れたこともある恩人には、ずっともっとかっこよく、私の理想でいて欲しい。
そう思うのは、そんなにいけないことだろうか?
この行為だって、現にお嬢様からちゃんと許可だって頂いてるのだ

・・・失敬、愚痴になってしまった。
ただ、気付けばいつしか私と彼女は、昔のように付き合うことは、できなくなっていたのだった。

そう、思っていた。




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