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第2回東方最萌トーナメント 56本目
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いつの間にか、景色は元の紅魔館に戻っていた。
最初のリターンイナニメトネスの焼け跡こそあるものの、
先ほどの激戦が行われたことを思わせる傷はない。
あれは、やはりこことは別の空間だったのだろう。
もしあの戦いがこの部屋で繰り広げられたものだったなら、
紅魔館は土台から崩落していたに違いない。
「……ひとつ、聞いてもいいかな」
フランの声がした。
「なにかしら?」
既に立ち去りかけていたアリスが、呼び止められて振り返る。
「なんでその魔導書を使わなかったの?
それを使えば、引き分けなんかじゃなくって、あなたの勝ちだったでしょ?」
その本の秘める力にフランが気付いたのは、彼女の能力に通じるものがあったためか。
この世界を七度滅ぼしてなお余りあるという、究極のグリモワールを指して言う。
「ああ、これ?」
アリスは、言われて初めて気付いた、というような顔をした。
「だって全力出しちゃったら、勝利とは言えないでしょ?」
フランはきょとんとする。
「本気は出さずに勝利する。それが相手に心から負けを認めさせる方法。
全力出して勝っても、出さずに負けても、私にとっては同じことなの」
そういうと、アリスは手を振りながら去っていった。
しばらくの間、あっけにとられて呆けていたフランが、ぽつりと呟いた。
「嘘つき。本気出すって言ったじゃないかぁ……」
……いやまぁ、実際にはアリスはそんなこと一言も口にしてはいないのではあるが。
「やっぱりあの人嫌いだぁーーー!!」
と、また自身の孤独記録(?)を更新するアリスなのであった。
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