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第2回東方最萌トーナメント 56本目

203『無限の人形』 4/5:2005/03/05(土) 22:04:40 ID:3j4xD/kU


   ――――禁弾『過去を刻む時計』――――

   ――――咒詛『魔彩光の上海人形』―――
   ――――操符『乙女文楽』―――――――
   ――――咒詛『首吊り蓬莱人形』――――

 フランがより強力なスペルを展開すれば、アリスはそれに劣らぬ布陣を敷く。
 光条が光針を斬り返し、魔弾が妖弾を飲み込む。
 人形達が弾け飛ぶ音は絶えることがないが、一向にその数が減る様子はない。
 減ったそばからアリスが軍勢を補充しているのだろう。

「これならどうよ!」

 新たなスペルを取り出し、発動させる。
 幾多の挑戦者を葬ってきた必殺のスペル。

   ――――秘弾『そして誰もいなくなるか?』―――

   ―――――『アーティフルチャンター』―――――  
   ―――――『ドールクルセイダー』―――――――
   ―――――『デヴィリーライトレイ』――――――

 アリスを取り囲む妖弾。その囲いは一片の隙も無い完全密室。
 しかし人形達は、扉が無ければ壁をぶち破るまで、とばかりに火花を散らす。
 迫る攻撃を、その剣が切り払い、その光が焼き尽くし、その身を散らして主を守る。
 既に百を超える人形達が灰塵に還り、しかしなおその軍勢の守りが欠けるところを見せない。


   故にその名は『Unlimited Puppet Works(無限の人形)』


 そのいつ果てるとも知れないせめぎ合いが、突然終わりを告げた。

 敵を押しつぶそうする妖弾が消え、入れ替わりにフランが姿を現す。

「あなた……私をからかってるの?」

 その声に隠さぬ苛立ちを込めて、フランが言う。

「さあ……なんのことかしら?」
「ふざけないで。なんであなたは全力を出さないの。
 私のスペルの威力に合わせて、それを凌ぎきるだけの魔法しか使わない。
 最初から全力を出していれば、守るだけでなく、反撃に転じることもできるはずよ」

 言われて、アリスはくすりと笑った。

「それはあなたも同じことじゃないの?
 今のスペルがあなたの全力、というわけではないでしょう?
 あら、それとももう打ち止めだったかしら」

「……いいわ。次のスペルに、私は全力を込める。
 だからあなたも本気を出して。
 ……決着を、つけましょう」

 アリスは黙って微笑んだ。フランはそれを承諾と取り、スペルカードを構える。
 今までと比べ物にならない魔力をフランから感じる。
 アリスは目を瞑り、両手の指を広げる……。

   ――――QED『495年の波紋』――――


   ――――蒼符『博愛のオルレアン人形』――
   ――――白符『白亜の露西亜人形』――――
   ――――闇符『霧の倫敦人形』――――――
   ――――廻符『輪廻の西蔵人形』―――――
   ――――雅符『春の京人形』―――――――
   ――――咒詛『魔彩光の上海人形』――――
   ――――咒詛『首吊り蓬莱人形』―――――

 果てしなく広がる世界を埋め尽くす、無限の人形。
 それらが織り成す弾幕の協奏曲こそが、アリスを『七色』たらしめる所以。

 ―――両者の全てをかけた戦いが、激突した―――




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