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第2回東方最萌トーナメント 39本目
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「……あ」
いつの間に、眠ってしまっていたのだろう。藍は目をこすりながら少し伸びをした。
太陽は西に赤々とその存在を誇示し、夕闇が幻想郷に降りていた。
「……すぅ……すぅ……」
「ん?」
自分は起きているはずなのに、まだ寝息が聞こえた。
藍は、その寝息の聞こえる方を振り返る。自分の真後ろ、もっと言うなら九本の尻尾の中。
「ふにゅ……らん、さまぁ……くぅ……」
「……くすっ」
遊びつかれたのか、藍の尻尾に包まって寝息を立てる橙。それを起こさないように、そっと
藍は上体を起こす。
橙の幸せそうな寝顔を眺めながら、藍は頬撫でる風の音に聞き入った。
さわさわという草の音、橙の寝息。それだけが聞こえる。
「ふふ……橙」
橙の髪をなでる。優しく、梳くように。
「んん……ふにゃ……♪」
少しくすぐったそうに橙は身をひねる。藍の手はそのまま橙の頭から顎をつたって、顔に。
橙の柔らかなほっぺをつんつん、とつつく。
「ん……にゃ……藍、さま……?」
「ああ、すまない。起こしてしまったか?」
うすぼんやりと焦点の定まらない瞳で藍を見上げる橙に、藍は少しだけ申し訳なさそうに頭
を撫でた。
「あっ!」
突然、橙は目を見開いて立ち上がる。と思ったら、ぽろぽろと涙を流した。
「ど、どうした橙!?」
「ごめんなさい、ごめんなさい藍様……」
突然の橙の行動に、藍は慌てふためく。
「なんだ、どうしたというんだ?」
「だって、だって私……一人だけで楽しんじゃって……藍様、ごめんなさい」
橙の言葉に、藍は一瞬面食らった顔をした。そして、その頭が橙の言葉を理解した途端、
藍はぷっと吹き出した。
「なんだ……橙?」
藍は、橙の体をそっと抱き寄せた。
「私は、今日すごく楽しかったぞ?」
「ほんと……?」
「ああ。だって、橙は楽しんでいたんだろう? そんな橙の姿を見るのは、私も楽しいんだ」
にっこり笑って、藍は橙の顔についた雫を拭う。
「藍様……」
「ほら、橙に泣き顔は似合わないぞ? 笑ってごらん?」
「え、えへへ……藍様……大好きっ♪」
ぎゅっと、橙は藍に抱きついた。
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