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第２回東方最萌トーナメント 38本目
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「だめじゃない、藍。こんなに食べ散らかして」
扇で口許を隠した、金糸の髪を持つ少女。
その動作や言葉からは想像できぬほど、楽しげな微笑みを浮かべて。
「申し訳ありません。あまりに強い力だったので、つい…」
「それも、まやかしよ」
藍、と呼ばれた、少女と同じ色の髪と尾を持った…妖だろうか、獣だろうか。
少女ほどの背丈と、その身体に不釣合いな5本の尾。
その着衣を、紅で染めて――
「今度、一点を突かずに力を破る術も教えてあげるわ…下がりなさい」
「はい」
しゅんと項垂れたまま、音も無くその場より一人が去り。
本堂の前には少女と、紅い蝶だけが残った。
そう、蝶――或いは、花と言うべきか。
夥しい両の血の翼を、壁といい柱といい、辺り一面満開に咲かせて。
一人の老婆が、本堂の扉にもたれかかっていた。
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