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第2回東方最萌トーナメント 38本目
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[[TH20-qIRT0/ii-ZG]]
巫女の話を簡単に言うとこうだった。
外からの人間が攻め入ってこないよう、内側からより強力な結界で幻想郷を遮断してしまおう、と。
その下準備はもう整っている、後は結界を張るだけだった。
「それで私の能力でより強固な境を引けば良いのね?」
「そう。あなたが協力してくれれば、より強力が結界が生まれる筈よ」
紫は素直に協力する事にした。
安眠できる毎日が手に入るなら、それくらいの労力は吝かではない、と思ったから。
そして紫と巫女たちは各々の位置につく。
「それじゃ行くわよ」
幻想郷の境中に張られた呪符が光の柱を上げていく。
大地を揺るがすほどの凄まじい結界だった。
「二重結界!」
まずは巫女が結界を張る。
紫はそれに掛け合せるように結界を重ねる。
「四重結界!」
仕上げに二人で調整し、それぞれの結界を調和させる。
『八重結界!!』
その瞬間、幻想郷は巨大な閉鎖空間となった。
「こうして見ると、見事なものね…」
出来上がった結界を見上げ、紫は感嘆した。
「いやー、こんなにすごいのが出来るなんて、ゆかりんのおかげよ」
「ゆかりん、って…」
巫女はそう言って春満開の笑顔を向けている。
いや、顔だけでなくきっと頭の中まで春なんだろうと、紫は思う。
「よかった…、こんな悲劇はもう二度と起こらないわ」
「ええ、そうね…」
血の海となっている戦場痕に目を向けながら巫女は呟いた。
暫くこの辺りには死臭が漂うだろう。だがこれ以上増える事は無いはずだ。
「あら…?」
その中に、何か動くものを紫は見つけた。
近寄ってみると、そこには一匹の小さな妖狐が血に塗れながらも微かに息をしていた。
きっと人に化ける事も出来ない、他愛も無い妖狐だったのだろう。
「残念だけど、その子はもう助からないわ」
その妖狐を見た巫女は何の感情も含まない声色でそう言い捨てた。
紫は思わず巫女を見上げる。
確かに紫の目から見ても、妖狐は助かりそうも無かった。
だが、巫女の口からそこまで割り切った言葉が出てくるとは思わなかったのだ…。
だからなのかもしれない。紫がこの時、自分でも似合わないと思うような行動を取ったのは。
「まだ方法があるわ」
紫は懐から符を取り出し、妖狐に貼り付ける。
そしてその符に式を送り込む。
「ちょっと、まさか…」
徐々に妖狐の傷が塞がっていく。
紫が式を与える事によって、紫の力を使い肉体を修復したのだ。
「あなた…、そんなことしてどうするつもり?」
「どう…って、決まってるじゃない」
修復し終えた妖狐の身体を持ち上げ、胸に抱く紫。
血に塗れた身体を抱いた事により、服が朱に染まったが紫は気にしていない。
「今日からこの子は私の式神よ」
驚きの表情を浮かべる巫女に、紫は満面の笑顔を向ける。
妖狐の頭を撫でながら紫は思った。
もしかしたら自分はこの巫女の春に中てられたのかもしれない、と…。
自分の書く支援SSでは紫様の出演率がかなり高いわけですが、
いざ、メインで書こうとするとこれがなかなか難しい…。
こんな不思議で魅惑的な<<八雲紫>>に一票です。
原文は↓
http://thm.just-size.net/up/src/thm20131.txt
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