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第2回東方最萌トーナメント 13本目
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「ウドンゲ、準備はいいかしら?」
「はい、いつでもOKです」
ウドンゲこと、鈴仙の控え室。
「そういえば師匠、今日の私の相手って、男の人らしいですけど、
どんな人か、ご存知ですか?」
「んー、そうねぇ。霊夢や魔理沙に教えてもらってあの人の店に行ったことあるけど、
本好きの文化人、って感じで、あんまり戦い慣れはしていない風だったわ」
「……それはつまり、弱そう、ということですよね……ほっ……」
鈴仙は安堵の入った眼差しで永琳を見やる。当然だが、その目に狂気は込めていない。
「こらこらウドンゲ、いつも言ってるでしょ?
相手の力量を見た目で決めてかからないの。痛い目を見ることになるわよ?」
「ご、ごめんなさい」
「分かったなら、ほら、そろそろ時間よ。行ってらっしゃい」
「あ、本当だ……それじゃ、行ってきますね、師匠、姫」
「健闘を、祈っているわ」
「私の分も、任せたわよ、イナバ」
控え室を出てステージへ向かう鈴仙。と。
「……あら?てゐ?」
通路に、永遠亭の兎、因幡てゐの姿があった。
「控え室にいないからどこ行ったのかと思ってたけど。どうしたの?」
「……今はあんまりえーりんに会いたくないから」
「……次の、試合のこと?」
こくりと頷くてゐ。
「控え室にいると、ついそのこと考えちゃって、つらいから……。
でも、れーせんには、応援してるってこと、伝えたくて、
だから、ここで、待ってたの」
「てゐ……」
きゅっ、と鈴仙の胸が熱くなる。
次の瞬間、思わず、鈴仙はてゐの体を抱きしめていた。
「……ありがとうね、てゐ。私、頑張るから」
「うん、れーせん、勝ってね、絶対……。
……そして、次は、わたしと……」
「え?」
「う、うーんっ、なんでもないのっ!
それじゃ、応援席で見てるからねーっ!」
それだけ言って、てゐはさっと体を離すと通路を駆けていってしまった。
「ちょ、ちょっと、てゐー!? …………」
後に残された鈴仙は、今の一言を頭の中で反芻する。
私のこの耳がおかしくなっていなければ。
あの子は確か「次は、わたしと」と言った。
その意味するところは、つまり……今日、私が、勝って、
そして、明日……そういう、ことなのか?
「……あ、あはは、まさか、ねぇ。考えても仕方ないよね、うん」
とりあえず、そのことは脳内の隅のほうに追いやって。
ひとまずは、自分を応援してくれた、その事実に対して。
「……ありがとう、てゐ」
鈴仙は一人、つぶやいた。
「さぁて、哀れな店主さんに、月の狂気を見せてあげるとしましょうか」
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