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第2回東方最萌トーナメント 13本目

895</b><font color=#FF0000>(HtnecUB6)</font><b>:2005/02/01(火) 23:57:52 ID:dm11tFOs
「ウドンゲ、準備はいいかしら?」
「はい、いつでもOKです」
ウドンゲこと、鈴仙の控え室。
「そういえば師匠、今日の私の相手って、男の人らしいですけど、
 どんな人か、ご存知ですか?」
「んー、そうねぇ。霊夢や魔理沙に教えてもらってあの人の店に行ったことあるけど、
 本好きの文化人、って感じで、あんまり戦い慣れはしていない風だったわ」
「……それはつまり、弱そう、ということですよね……ほっ……」
鈴仙は安堵の入った眼差しで永琳を見やる。当然だが、その目に狂気は込めていない。
「こらこらウドンゲ、いつも言ってるでしょ?
 相手の力量を見た目で決めてかからないの。痛い目を見ることになるわよ?」
「ご、ごめんなさい」
「分かったなら、ほら、そろそろ時間よ。行ってらっしゃい」
「あ、本当だ……それじゃ、行ってきますね、師匠、姫」
「健闘を、祈っているわ」
「私の分も、任せたわよ、イナバ」

 控え室を出てステージへ向かう鈴仙。と。
「……あら?てゐ?」
通路に、永遠亭の兎、因幡てゐの姿があった。
「控え室にいないからどこ行ったのかと思ってたけど。どうしたの?」
「……今はあんまりえーりんに会いたくないから」
「……次の、試合のこと?」
こくりと頷くてゐ。
「控え室にいると、ついそのこと考えちゃって、つらいから……。
 でも、れーせんには、応援してるってこと、伝えたくて、
 だから、ここで、待ってたの」
「てゐ……」
きゅっ、と鈴仙の胸が熱くなる。
次の瞬間、思わず、鈴仙はてゐの体を抱きしめていた。
「……ありがとうね、てゐ。私、頑張るから」
「うん、れーせん、勝ってね、絶対……。
 ……そして、次は、わたしと……」
「え?」
「う、うーんっ、なんでもないのっ!
 それじゃ、応援席で見てるからねーっ!」
それだけ言って、てゐはさっと体を離すと通路を駆けていってしまった。
「ちょ、ちょっと、てゐー!? …………」
後に残された鈴仙は、今の一言を頭の中で反芻する。
私のこの耳がおかしくなっていなければ。
あの子は確か「次は、わたしと」と言った。
その意味するところは、つまり……今日、私が、勝って、
そして、明日……そういう、ことなのか?
「……あ、あはは、まさか、ねぇ。考えても仕方ないよね、うん」
とりあえず、そのことは脳内の隅のほうに追いやって。
ひとまずは、自分を応援してくれた、その事実に対して。
「……ありがとう、てゐ」
鈴仙は一人、つぶやいた。

「さぁて、哀れな店主さんに、月の狂気を見せてあげるとしましょうか」




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