レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。
第2回東方最萌トーナメント 八本目
-
私も声に出して答えると、引かれていた手が離れていくのを感じた。
思わずそのまま白澤さまに走って抱きつくと、しっかりと抱き返してくれた。
「全く、勝手に里を抜け出して……。村中大騒ぎだったんだぞ」
「……ごめんなさい」
白澤さまの胸に顔を埋めて、私は謝罪の言葉を口にした。
「しかし、夜雀が人間を守るとはな。何の気まぐれだ?」
「失礼ね……。私たちも見境なく人を襲っているわけじゃないわ」
「ふん……まあいい。この子は私の里の人間だ。引き取って構わないな?」
「それは当然。そうじゃなきゃつれてきたりしないわよ」
そんな二人のやり取りに私ははっと顔を上げた。
ここまで一緒にいてくれたあの娘に……私は何も言っていなかったから。
「あの……」
私には相変わらず姿は見えなかったけど、その気配の方向に私は声をかけた。
「ん、何かしら?」
「……えっと、ありがとう」
その言葉をどう受け取ったのかは分からなかったけど……。
「あなたが夜遊びするのは、まだまだ早いみたいね。大人になったら、私が遊んであげるわ」
――チッチッチッ
最後にそう言って、声は遠ざかっていき……。
次第に鳥のような鳴き声も小さくなっていった。
それからは、里では竹林の噂はめっきりと途絶えていた。
里の誰に聞いても「覚えてない」と言われたのは少し驚いたけど、何だか今ではそれも納得で
きる。
(私が夜遊びをしていたことは覚えていたので、たっぷりお説教を食らったけどね……)
白澤さまにあの夜の話を聞いたら、あの娘は夜雀という妖怪だということも分かった。
同じ鳥でも、鳳凰に思いを馳せるのは分相応ではなかったということか。
私には雀くらいがちょうど良いのだろう。
『大人になったら、私が遊んであげるわ』
あの娘はそう言っていたけど……。
私が大人になったら、もう一度あの娘に会えるのかしら……なんてね。
【了】
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板