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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】

823803:2009/07/30(木) 15:56:31 ID:jbYrN6dg0
「ちきしょう。お前の性で全然狩れなかった。」

壁を殴りながら怒鳴ってくるジュン。何で僕の性なんだろうか。突っかかってきたのはそっちなのに
と、壁を殴りながら歩くジュンがいきなり転んだ。何かに脚を引っかけたようだ。

「いってぇ!ちきしょう!なんなんだよ一体!」

頭を上げ、自分の足元を見るジュン。アヤとリアーナも駆けつけてきた。
ジュンは足下の物体を見て、目を丸くしていた。

「なんだこれ?光ってる石だ。原石や天球の一種か?にしては形が変だな。」

原石や天球というのは、確か石に不思議な力が込められており、撫でることでその能力を解放する石のはず。
だが原石や天球は形がある程度決まっている。だがこの石はそれらと違い、ひし形の形をしていた。
妖しい光を放つそれはなんだか引き寄せられそうになる魅力を感じる。

「一体なんだろうか。ちょっと調べてみる。」

僕はそう言って、石を拾った。熱いわけでもなくかといって冷たいわけでもなく。
光っているから熱いと想っていたのだけど。でもかなりスベスベしている。
そうして4人で石を眺めていた。

すると、突然石がビカーッと光る。
洞窟の暗闇になれていた僕らはまぶしさに絶えられず、目を腕で覆った。

「うわっ!眩しい!!」

僕は想わずそう叫んだ。アヤやリアーナも悲鳴を上げている。ジュンはどうでもいい。
何とか落ち着いたところで、何が起こったのか、腕をずらし、石のことを見てみる。
すると、石は、一つの光の筋を放っていた。
その筋は洞窟の壁に向かってのびている。いったい何なんだ?

と、石の光が弱まっていく。細めていた目を徐々に大きく開けていく。もう大丈夫だ。






「いったい何だった……ん…だ…?」

言葉を最後までしっかりと放つことが出来なかった。なぜなら今の言葉を喋っている途中に
光の当たっていた壁の場所が「ゴゴゴゴゴ〜ッ」と音を立てずれて雪、大きな道が開けたのだから。

「何これ…………隠し扉なの?」

全員が沈黙する中、最初に言葉を発したのはリアーナだった。
唖然とした表情で言葉を発している。

「隠し扉みたいだね。でも一体どんな技術が………さっきの石は一体…………」

と、アヤが僕の持っている石を見る。すると、なんとさっきの光を発した石は
僕の手の中で勝手に崩れていった。粉々に。

「く、くずれた。勝手に。一体どうなっているんだろ?石といいこの道といい。」

そういっていると、なんとジュンが開いた道に入ろうとしている。
それを見た僕はあわてて制止する。

「やめろって!何があるか分からないんだよ!ダメだって!危ないって!」

ジュンは足を止めて僕の方を見る。そしてニヤリと笑いこう話した。

「何言ってるんだ。この道を見つけたのは俺らが初めてかも知れないんだぜ?中を見て他の奴らに自慢するんだ。」

そういって中に入って行ってしまう。確かに中で何か見つければ自慢できるかも知れないけど…………あぁもう!

「アヤ、リアーナ!ここにいたってしょうがない。ジュンは先に行ってしまったんだ。行こうじゃないか」

二人の方を見て蒼叫び、ジュンの後を追いかける。これでジュンが死んでたりしたら後味が悪いからね。
アヤはため息をついてやれやれと両手を上げ、ゆっくりとついてくる。
リアーナは呼び捨てにされたことに怒っているのか腕を振り回している。ジュンは呼び捨てだけど、僕はダメなのか?
こうして、僕らは非軽石によって開いたその道を、先に進んでいった。
コボルトにだけ分かる文字で「ゲリブの安息所」と書かれていたのが分かるはずもなく……………。


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