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【ノベール】RED STONE 小説upスレッド 七冊目【SS】
180
:
白猫
:2008/06/07(土) 19:08:56 ID:rOHiPurc0
ヴァリオルド家が貴族家として現代にまで残っている理由。
それは、莫大な経済力を持っているから……というわけではない。
いや、それも理由の一つだが、大きくはヴァリオルドの歩んできた道にある。
――ヴァリオルド家は嘗て、シュトラディヴァディ家の分家として他家の要人を暗殺する、暗殺一家だった――
――そして現代でも、ヴァリオルド家は暗殺を請け負い、大陸中を蹂躙している――
それが、ヴァリオルドが貴族家として生き残っている理由。
それが、ヴァリオルドが各国に強い権力を持っている理由。
それが――クレリア=ヴァリオルドが追放者となった理由。
「幼き頃から、俺は暗殺者になることを強く望んでいた。
ヴァリオルドの二代目当主――「スティリア=アラスター=ヴァリオルド・Ⅱ」のように、全世界を駆けるアサッシンになることを望んでいた。
だが、あの愚かな父はそれを許さなかった……自分は数多の人間を殺めたというのに、「お前にもアネットにも、暗殺術は教えん。シーフの知識だけで十分だ」などと抜かした。
妹はどうでも良さそうだったが、俺は激怒した。激怒し、自己流の暗殺術を学び、父を殺そうと目論んだ。
が、父はそれを予測し、俺は追放者――没落貴族となり、ヴァリオルドの名を失った。
その後ネリエル=ヴァリオルドが、あの愚かな父の志を継ぎ「父の遺言により、四代目――つまり私の死を以て、暗殺一家の汚名を返上する」などと裏で発表した。
親子揃って愚かなものだ……暗殺者として生きていれば、恒久の富と地位を得られたというのに。それをみすみす逃すとは」
クレリアの長話を、ルフィエは呆然としながら聞き続けた。
ネルの父が、暗殺者。
ネルの兄も、暗殺者。
そして彼は? ――彼も、暗殺者?
人を何人も、何十人も殺めてきた?
ただ家を守る――そのためだけに?
そんなはずがない。
そんなことがあるはずがない。
ネルが人を殺めるなんて、そんなことがあるはずが……無い。
「アイツの代で終わらせるものか……暗殺者は永遠に、暗殺者であり続けなければならない」
短剣を再び構え直し、ルフィエへと歩み寄る。
半ば放心状態となったルフィエは、クレリアの歩みを見、歯を食いしばる。
信じよう。
自分の中のネルを。
これまで過ごしてきた中の、ぶっきら棒で優しいネルを。
「……そろそろ、かな」
口に溜まった血を吐き、ルフィエはクレリアを見据える。
その声に目を細めたクレリアは、しかし数本の短剣を鋭く、ルフィエに向けて放った。
が。
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