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【シナリオ】『薔薇の花弁は隠されて』
1
:
『SeekRedGarden』
:2006/05/27(土) 16:13:17
求めよ、されば奪われん。
62
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/11(日) 16:03:32
>>61
簡単に道路横断してたどり着いた先は何やら怪しい建物前。
「ひゃあ」
すげぇなぁ、と言いたかったところを悲鳴でお届けした。
来ちゃったからには、覚悟を決めよう。
まずは進んで行こう。
63
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/11(日) 18:46:02
>>62
門の前まで進む。
一体何の目的の建物なのか、表札のような物は存在しない。
門から建物の玄関まではかなり遠く、10mは軽く超えているだろう。
そのスペースが駐車場も兼ねているらしく、数台の乗用車、そして真っ白なバンが二台ある。
建物の横のほうには、貯水タンクのような物が三つほどあった。
玄関の自動扉は大部分に色が付いており、建物内を窺うことは出来ない。
そして、門は金属の柵のような、格子のような物で閉ざされていた。
傍らにはカメラ付きのインターフォンが有る。
64
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/11(日) 20:08:22
>>63
でっかい門とか、嫌いじゃないよ。
でっかい建物も、嫌いじゃないよ。
いや、嫌いじゃないんだけどさぁ。
じゃないんだけどさ。
「どこの豪邸だよっ!」
まずはそこ突っ込んでおいた。
春海市で売れとる科学者、飼い犬に手噛まれろ!位念じておく。
インターホンにつかつか近寄って行き、呼び出しボタンを押しちゃいたい。
「あのー…『秘密の花園』からー…」
65
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/11(日) 22:56:14
>>64
グ……
インターフォンのボタンを押し込んだ。
「はい……?」
不信感を隠そうともしない、男の低い声がスピーカーから聞こえる。
それに対して、原西は『秘密の花園』の名を出した。
「………………」
ゴ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ ゴゴ
沈黙が落ちる。
やがて、スピーカーから再び声が聞こえた。
声に含まれている不信は、警戒までその色を強めていた。
「………何だって? 今何と言った?
一体何の用だ…………?」
原西がいるのはほぼ門の真正面である。
玄関扉の向こうに、人影が動くのが見えた。
66
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/12(月) 08:15:19
>>65
え?…えー?
秘密の花園ってそんなヤバい言葉ですかそうですか。
「だから『秘密の花園』から、デリバリーするべきもんを届けに来たの。
詳しい事は一切知らないし『興味』もないから、それだけ置いたら帰るわよ。
だから門開けてくださいよ」
最悪溶かすつもりだったけど。
一応は警戒しておくが、門が開いたら入るだけ。
67
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/14(水) 05:13:02
>>66
「……………」
ギ ギギ スゥゥ――――ッ
少し軋んだ後、静かに門がスライドし、開いた。
一歩入るが、特に異変はない。
玄関扉の向こうにはやはり人影がある。
68
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/14(水) 13:56:53
>>67
色々考えても仕方が無い…。
「お邪魔します!」
頭下げーの、中入りーの、トツギーノ!
とにかくまずは荷物を渡してしまいたい。
69
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/14(水) 18:40:46
>>68
原西は玄関へと向かう。
スゥッ
音を立てずに玄関の扉が開いた。
そこには一人の男が立っている……。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「……『秘密の花園』から、だそうですね。」
インターフォンで話した相手より、声も姿ももっと神経質そうだった。
皺の無いスーツに撫で付けた頭、
『マトリックス』のエージェントスミスがサングラスを外したような風体の男だ。
フォーマルな服装であるのに、スーツの前のボタンを閉めていないのがアンバランスだった。
「そして貴女は何も知らない……ということでしたが、失礼ですが本当でしょうか」
鋭い目で原西を見てくる。
互いの距離は現在『5m』。
70
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/14(水) 23:16:06
>>69
足を進めて中に入る。
男の姿を認めて、険しい顔つきに変わり。
右手に鞄とお届け物を、左手には安全ピンを一つ握る。
「貴方が納得するまで何度だって言ってあげるわ。
私は『秘密の花園』から、こいつを届けに。
その花園とやらは人不足か分からないけど、バイトとして私を雇っただけ。
詳しい事も、お届け物の中身も、こっから帰れるかどうかも聞いてないわ。
ま、お金がもらえるらしいから、これあげるからさっさとお家に返して?」
反論をさせないように出来るだけ早口に言いたい。
71
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/16(金) 10:40:09
>>70
男は原西を中にリードするように奥に下がる。
二人の距離は現在『3m』。
建物の中は綺麗だが薄暗く人がいない。
利用者のいない公民館を思わせた。
「ふむ……」
男は原西の険しい表情にも動じず、無表情に言葉を聞く。
ちらりと原西の両手を見るも、手を伸ばしてこない。
「その『秘密の花園』というのは、具体的に『どこのどなた』でしょうか?
いや、名前を騙る相手もいましてね……確認が必要なんですよ」
72
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/16(金) 14:06:03
>>71
あぁ…税金の無駄で立てられた豪勢な場所みたい。
皮肉かどうかは、言葉にしなかったので分からない。
しかし、警戒しているにもかかわらず何も言わないのもまた不気味。
かと言って今以上不可解な行動を取るのは命取り。
問い掛けには素直に
「そうね…『ケイト』とか名乗ってたかしら。『樫宮ケイト』。
『樫宮生花店』の店員なのか店長なのかは分からなかったけど」
73
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/16(金) 21:59:48
>>72
原西の言葉を聞くと、それまで無表情だった男が――不気味に笑った。
ニカァァ
「『樫宮生花店』の! 『樫宮ケイト』!
ほう! そうですか、それはそれは!
おっと失礼……なるほど、ケイトさんですね、確かにね。
少々お待ちください」
そう言い残すと、男は建物の奥へと走っていった。
シィ―――――ィイン
原西は、静まり返った玄関ホールに一人残される……。
74
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 00:58:30
>>73
不気味、超不気味。
そりゃ口には出さないが。
引いたからね、と背中に告げ口。
「………」
静か過ぎやしないか?
いつどうなってもいいよう心構えは準備。
左手の安全ピンも準備。
75
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/17(土) 01:05:27
>>74
ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ
暫く待っていると、奥から五人の人間が出てきた。
地味なスーツの男が三人、洒落た私服の男女が一人ずつ。
先ほど原西と応対した男は見当たらない。
原西のことを無表情、或いは蔑むような薄笑いでちらりと見て、
早足で原西の脇を抜け外へ出て行く。
「……お使いありがとさん」
すれ違いざまに、私服の男が唇をにやけさせながらそう言ってきた。
76
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 10:56:13
>>75
退屈です。
誰もこないから。
と思えば五人も来た?
意味分かんないなぁ…。
「…はい、ありがとうございます」
ぺこり頭を下げてからしばし待つ。
なんかあるまで待つ。
ついでに安全ピン用意!!
77
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/17(土) 11:14:01
>>76
五人は、二台の車に分かれて乗ると飛び出していった。
向かったのは街の方だ……。
待つまでもなく、すぐに先ほどまで話していたスーツの男がやってきた。
「いや、失礼しましたね。
……まあ、こんな外れたところまで来て疲れたでしょう。
お茶をお出ししますよ、いかがですか?」
にこやかに誘ってくる。
二人の距離は『5m』。
78
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 11:30:23
>>77
準備した安全ピンは…しまう、振りして針を出したままポケットにしまう。
スーツの男に笑みを返し
「いやいや…でもこっちはそんなつもりなかったんで、いいですよ。
ほんとすぐ、すぐに帰りますからね」
一度は断っておく…しかしまだ誘うならば丁寧に、ご丁重に。
「…えぇっと…ちょっとだけ…」
79
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/17(土) 11:53:50
>>78
ス…
原西は密かに『安全ピン』をポケットに仕込んだ。
男がちらりとその手つきを見た。
「そうおっしゃらずに、折角来ていただいたのですから……。
ああ、失礼、私の『竹元』と申します、どうぞよろしく」
スーツの男――竹元はさらに誘ってきた。
原西は其れに応じる。
「では、こちらへどうぞ。
ああ、『荷物』は重いでしょう、
係りの物に取りに越させますからその辺りに置いてください」
そう言って竹元は原西を奥へと進み始める……。
80
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/17(土) 11:54:42
>>79
失礼、最後の一文を訂正。
正しくは、
そう言って竹元は原西を奥へと案内し始める……。
81
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 12:07:49
>>79
「ありがとうございます、それじゃあ…」
ここまで言ってくださるなら、喜んで行きましょう。
荷物…お届け物の事かな?
「あ、いや重くないし大丈夫ですから持ってっちゃいますよ」
首を振り相手の後を追いたい。
82
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/17(土) 12:11:18
>>81
―――ピタッ
竹元が足を止めた。
ゆっくりと振り返る……原西は笑顔の奥に威圧感を感じた。
「いえ、こちらにも『手続き』がありますので。
『贈り物』とはいえ簡単に中に入れるのは問題なのですよ。
どうぞ置いていってください」
83
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 12:23:06
>>82
(な、なになにぃ…超怖い)
冷や汗を感じながらも頭を下げ。
「そうですね、確かにそうです。
じゃあ…置いて行きます」
荷物を置いてさらに付いて行く。
こうなったら厳重に警戒して置く。
84
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/17(土) 12:32:04
>>83
「『GOOD』です……」
荷物を置くと、竹元の笑みが深くなった。
再び前を向いて歩き始める。
その後姿は全くの無防備に見えた。
玄関ホールから、横幅2m強ほどの通路に入る。
蛍光灯が白々しい明りを放っている。
両側にはいくつか扉が並んでいた。
85
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 12:55:00
>>84
怪しいし逃げたいし仕掛けたい。
だが…今はまだ時期じゃない。
だからまだ様子を伺いつつ行く。
ホール全体を見回し逃げ道を覚えておく。
86
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/17(土) 13:01:43
>>85
迷うような道は通っていない、通路は覚えられた。
距離も大した物ではなく、階段も使っていない。走れば玄関まで三十秒とかからないだろう。
と、竹元が一つの扉の前で足を止めた。
ガチャ…
「どうぞ」
開かれたドアの中は応接室のようだった。
ごく普通の低い椅子とテーブルがある。
空調で湿度も気温も丁度良く調整されている。
大きな窓から、駐車場が見えた。
「今お茶とお菓子が来ますから、どうぞお座りになってください。
……あの、失礼ですがお名前をお聞かせいただいて宜しいですか?」
87
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 13:03:41
>>86
88
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 13:30:06
>>87
途中送信失礼。
>>86
道を記憶した。…忘れないよう覚えておこう。
部屋の中へと入って行き、
「名前は…銘。二宮銘。メイは金偏に名で」
偽名を名乗っておく。
用心するに越したことはない。
89
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/17(土) 13:39:56
>>88
「あ、二宮さんですか、はい。
では二宮さん、どうぞお掛けください」
竹元が偽名を疑った様子は無い。
元々どこか裏がありそうな男だから違いが見えない、というだけかもしれないが。
「いやあ、今日は良い天気ですねぇ。
梅雨になる前の最後の日差し、という感じですか」
椅子に座った竹元は他愛も無い話を始める。
……少しすると、扉がノックされ、OL風の女性がカップとポット、
それにチョコケーキを持って入ってきた。
淡々とテーブルの上に並べていくと、ポットから二人のカップに紅茶を注いだ。
心地よい香りが広がる……。
「ささ、どうぞどうぞ二宮さん」
そう言って竹元は自分の分の紅茶を口に運んだ。
OL風の女性は一礼をして部屋を出て行く。
90
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 14:02:15
>>89
「どうも…」
一礼して座ると他愛もない話に相槌を打つ。
「…ですね、私は日が出ている方が嬉しいんですがね。
雨に当たると…ね」
歯切れ悪い台詞で答える。
(今のところおかしな動きはないか…)
やがてやって来た紅茶に顔を綻ばせた。紅茶大好き。
「これは『ダージリン』?『アッサム』?…一体何の紅茶ですか?
あ、匂いが良いからフレーバードティーかな」
蘊蓄など語りそうな勢いで言葉を紡ぐ。
91
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/17(土) 15:29:08
>>90
「ええ、フレーバーの『アールグレイ』ですよ。
うちにも『お茶好き』がいましてね、中々良い葉を買ってくるんです」
テーブルの上には、牛乳と角砂糖も用意されている。
「ご入用でしたらどうぞ。
ミルクティーなら、本当は煮出すところから牛乳を加えた方が美味しいんでしょうが、
そこはまあご勘弁ください」
そしてまた、竹元は世間話を始める。
「中々雨がすきという方は少ないですよね。
詩人などには居そうですが、普通のサラリーマンとしては雨は敵ですよ……」
92
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/17(土) 16:21:14
>>91
「なるほど。こりゃまたなかなかいい茶葉をお選びだ。
『アールグレイ』と言えば、他の種類とはまた少し違ってかなり濃く出る種類。
同じ量でも茶の濃さはかなり変わります。
ミルクがよく合うそうですね?アイスでもまた良い。
『午後の紅茶』も確か『アールグレイ』のミルクティーのような記憶がありましたが、どうでしたかな」
何これ。蘊蓄?すらすら出て来た言葉を述べて紅茶好きアピール。
さしもの蘊蓄四天王だってここまで語れまい!
手にミルクと角砂糖いくつかを取り紅茶へ。
「しかし私は冷たい牛乳を混ぜるのが好きですよ?
猫舌だもんで」
へらりと笑った。
「雨はね、まぁ…仕事の敵でしょうから」
同情するような声色で頷いた。
93
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/18(日) 11:37:03
>>92
「安い物でもそれなりの色と香りにはなりますから、
大量生産には向いているのでしょう……。
そういえば、ミルクに紅茶を注ぐべきか、紅茶にミルクを注ぐべきか、
という論争がイギリスではあるそうですよ」
手に取ったミルクは冷たい物ではなく、人肌程度に温められていた。
「ケーキもどうぞ。
はは、薬などはもちろん盛っていませんよ。
なんなら取り替えましょうか」
竹元はケーキを勧め、当たり障りの無い話を続ける。
94
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/18(日) 17:36:08
>>93
「あはは、さすが英国はやる事がド派手ですね。
紅茶と言えばイギリス…スコーンを口に運びながらお茶を楽しみ
乗馬に庭園にトランプみたいなイメージしかありませんけどね。
しかし近年のイギリスではコーヒー豆の消費量が紅茶のそれを上回ったとか。
時代は変わるべきなのかも知れませんが、
紅茶をたしなむ事が無くなるのはやはり寂しいものです」
何歳だよ!みたいな台詞を返して紅茶を一口飲む。
苦みに含ませた甘みはやはり口にいい。美味しい。
「…あ、あぁ…」
あら警戒してたのバレた?ビンゴ、超ビンゴ、東京ビンゴビンゴダイナマイトジャパン。
「…いえ、お気遣い無く。いただきます」
ケーキを一口いただいて、素直に美味しいと言えたらいいな。
辺りの不審な動きには警戒。
95
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/18(日) 19:19:50
>>94
「そうなのですか、良くご存知ですね」
竹元に軽く薀蓄を流された。
ケーキの味は素直に美味しかった。
周囲には何の動きも無い。
動きの無いことが不信だと言えるかも知れない。
五分、十分、十五分……時間が過ぎていく。
96
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/18(日) 22:03:35
>>95
「…そうですそうなんですだったんです」
こんなに軽く流されると決めポーズ取る余裕さえないじゃないか。
お前は有田か、と突っ込みたいのはやまやまだが
よく考えたら今更ブームなんか流れたしそんなんどうだってよかった。
カチカチ時計の針が時を刻むのが脳裏で分かる。
「あのっ…」
突然口火を切ると、立上がり礼をする。
「結構長居してしまいましたし、そろそろお暇します」
97
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/20(火) 19:58:47
>>96
「そうですか……」
ズズ、と残った紅茶を飲むと、竹元も立ち上がった。
「ではお送りしましょう」
そう言って扉を開け、原西を促した。
98
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/20(火) 20:48:37
>>97
(どうせダメとか言われちゃうだろYou…あら?)
「へ?」
思いがけず変な声を出した。
「あ…あぁ、はい…じゃあ…」
促されるままに出て行こうとする。
99
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/20(火) 21:23:22
>>98
「……その、『樫宮ケイト』という方とですが」
二人で玄関に向かう間に問いかけられた。
「どんなことを話したんです?
その、『彼』だか『彼女』だかとは」
100
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/21(水) 01:43:41
>>99
「あぁ『彼女』とは」
歩く過程に話しかけれれば、足が止まりかける。
けれど、今を逃したら逃げられない気がして。
「バイトに来たって言ったら運んで欲しいものがあるとかって。
中身に関してもなんで運ぶのもしらないから、安心してよ」
101
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/21(水) 11:56:18
>>100
「はは、『安心』とは、ははは」
竹元は乾いた笑いをこぼした。
「では、これから、彼女のところへ?」
二人は玄関ホールまで来た。
102
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/21(水) 16:33:24
>>101
素直にそうだと言うか、嘘を吐いて帰るか。
二つに一つ。
「えぇ…バイト代を取りに行かなきゃ。」
答えは『戻る』だった。
103
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/21(水) 23:37:26
>>102
「ああ、そうなんですか」
竹元は何度か頷く。
二人は建物を出ると、日光が全身に突き刺さってきた。
門は閉められている。
……駐車場の中ほどまで来た時、竹元が足を止めた。
「一つ相談ですが……ウチで働きませんか?
『秘密の花園』を裏切って……」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
104
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/22(木) 09:26:06
>>103
光が降って来る。
ちょうど足を止めた相手を怪訝そうに見つめて。
「…え?」
驚いた。まさかこんな帰りの最中に言われるとは…よっぽどの事か?
「そうね…幾つか教えてくれたら考える。
まず、断ったら『どうなる』?
ただのバイトにも『給料』いいのかしら?
それから―――」
一旦区切ってもったいぶってから
「向こうよりこちらが『安全だ』という保証は?
こっちに来る時『四肢を切られてもおかしくない』って言われてね」
105
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/22(木) 15:18:09
>>104
竹元は余裕のある笑みを浮かべる。
どこか攻撃的な笑みだった。
「……逆から順番に答えていきましょうか。
まずこちらの方が『安全』という保証ですが、
原西さん、今あなたが無事であるということが何よりの証拠じゃあないですか。
紅茶とーキに毒を盛る事だってできた、ということを思い出していただきたいですね」
竹元の手がゆっくりと、
ボタンを外されたスーツの内ポケットへと伸びる。
「『給料』は、まあ『そこそこ』といった所ですかね。
最近流行りの『実力成果主義』をバイトにも適用してまして……
良い仕事をすればするほど、給料も上がっていきますよ。
『樫宮ケイト』に貰うよりは、『間違いなく』多いでしょう」
互いの距離は現在『2m』ほど。
閉じた門までは約『6m』。
竹元の方が門に近い。
「そしてもし『断る』というのでしたら……
今ごろ『樫宮ケイト』がなっているような状態に……
『給料を支払うことも出来ないような状態』になってもらいます」
ゴゴゴ ゴ ゴ ゴ ゴゴゴゴゴゴ ゴゴ ゴゴゴゴゴゴゴ
106
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/22(木) 18:02:25
>>105
なるほど。こいつ、なかなかな策士。
私が名前を言った段階ですでに片棒担いでるわね、これは。
「…私の負けね。ま、断る理由は無いし命は大切にしたい。
そしてお金も欲しいし自分を効率良く使って欲しい。
いいわよ、貴方に手を貸しましょう。で」
自分の右手の親指をちらり見てから、言葉を継ぎ。
「私は『強くない』。自分が『傷つかなければ』戦えない。
貴方にとってマイナスじゃないでしょうね?
…話を詳しく聞きたいわ」
強がって笑って見せた。
107
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/25(日) 16:01:12
>>106
「…………」
竹元は眼を細め、笑みを作った。
背広の内ポケットに手を残している。
「物分りが良くて結構……。
話は簡単ですよ、こちらが頼んだ仕事をする、それ以外は気にする必要はありません。
給料も……寮も準備しますよ。
ああ、ただ、『仕事内容』や『ここの事』について、
ホイホイと他人に話すのは勘弁してほしいですね。勿論裏切りも厳禁です」
最後の一言に、原西への揶揄が含まれていた。
108
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/25(日) 20:53:30
>>107
「抗う必要も術もない飼い犬は、銃で脅されない限り裏切らないわ」
なんか微妙なセリフだった。
とにかく自分は従うつもりがある事を相手に伝えよう、と言う事。
「私は友達もいない身、話し相手は貴方くらいしかいなくてよ?」
喋る気も無い。
とりあえず次の展開を待つ。
109
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/06/28(水) 01:56:05
>>108
「銃で脅されても裏切るな……そう言っているのです。
……ここは暑い、中に入りましょうか」
竹元は原西に歩み寄り、横を通り過ぎる。
原西に無防備な背中を見せ、建物へと戻っていく。
原西を振り返る様子はない。
110
:
原西 真鈴『スリザー』
:2006/06/28(水) 23:13:58
>>109
拳銃?もらった拳銃があったけどいるかな。
―――じゃなかった。
「…はい」
自分も付いて行こう。特にやる事は無い。
これ以上の裏切りは、意味を成さない。
111
:
『郵便配達は二度ベルを鳴らす』
:2006/07/02(日) 05:35:43
>>110
二人は研究所のような建物へと向かう。
入り口前で、ふと竹元が足を止めた。
「……まあ、名前くらいは教えておきましょう」
そう言って振り向く。
ビジネスマンスタイルに不似合いに、芝居がかった仕草で大きく腕を広げた。
「ようこそ『WHG』―――『ウィンターハーツ・ギルド』へ」
その表情に、もう笑みはなかった。
/l___________
< TO BE CONTINUED・・・ ||_//][]
\l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
○原西真鈴 ――『WHG』に所属、ろくな説明をされず社員バッジと寮の一室をあてがわれた。
○樫宮ケイト――樫宮生花店が爆破されたが、家の人間は見つからなかったと報道された。消息不明。
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