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【個】津縁火針法律相談事務所
1
:
土屋みなと
:2005/09/17(土) 10:20:56
(駅前から少し歩くと、静かな住宅街に入る。その境界辺り)
ようこそ、おいでなさいませ。
ここは愛と正義と、若干の偽証を友とする津縁弁護士の事務所。
私は留守を預かっている、土屋でございます。
(訪ねて来た者は、みな、この、やけに若い土屋秘書に迎えられる)
津縁所長は、ビジネスよりも信義を重んじる方ですので。
どのような方の相談もお受けになります。お気軽にどうぞ。
……もっとも、最低限相場は守っていただけますよう。
そのための目付け役としても、私はここに控えておりますので。
特に、若い女性の方相手ですと、所長は無料で引き受けたがるので
こちらも少々難儀しておりますので、ね。
法律相談、などと銘打ってはおりますが。
所長はフィールドワーク向きの性分をしてらっしゃいます。
たいがいのトラブルは、自らの行動で解決なさいますよ。
探偵、ではどちらかというとやることは犯罪に近い。
面白い方でしょう? 彼の弁護士免許は、正義のシンボル。
文字通り、そのためだけに用意したものなんです。
偽造でも良さそうなものを、正義に関する偽りだけは、許さない。
日本中で、所長以外にいるんでしょうかね。
見栄と外聞のためだけに弁護士になり、営利は一切目もくれない。
どうぞ、憩いの場としてお気軽にお使いください。
コーヒーお持ちしましょう。
17
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/09/21(水) 22:45:36
>>16
思慮深そうな眉を顰め、ヒバリは階下へ。多分、彼はコーヒーと一緒に彼の『正義』を探
しに行ったんだ。そう思った。
彼を待つ間、わたしの心臓はどきどきと鳴りっぱなしだった。男性に対して、これほどま
でに胸が高鳴るのは本当に久しぶりのことだった。…もちろんこの緊張が、恋慕や愛情の
たぐいからくるものではないとはいえ、だ。
呼吸を落ち着けていると、ヒバリはコーヒーセットを乗せたトレイと…そして一冊のノー
トを持ってきた。そして語られてゆく彼の『正義』…。誇り、血縁、平和、秩序…そして
邪悪。日常生活ではついぞみることのなかった、まるで抒情詩のような言葉たちが彼の口
によって語られてゆく。
では、わたしは?
わたしは彼にとって『邪悪』だろうか?
…いや、そうとは考えづらい。そうではないと信じたい。
ノートの背表紙を眺めながら、わたしは彼に恐る恐る、尋ねてみる。
「…その、『邪悪』って言うのは…『呪い屋』のこと?」
言いながらわたしはあの夜のことを思い出す。『彼』が去り際に口にしたその言葉が、閃く
ように脳裏に浮かんだ。
“『新たな君』の生誕を、祝いたい。が、惜しいことに私は『呪い屋』だ。”
18
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/09/21(水) 23:00:48
>>17
「ノロイ……なんだって?」
呪い屋。むろん、そんな商売が成立するとは思えない。
そもそも、オカルトは信じていない。いや、宗旨替えも時間の問題だが。
『スタンド』という超常識の能力がこの街を蝕んでいることは、そろそろ確実。
まだ、この目で拝見したことは無い。
神志那啓介に言わせるなら、『スタンド』使いにしか見えないのだ。
そして自分の『波紋法』や『回転』はオカルトではない。
きちんとシステムがあって発揮するテクニックなのだ。
「この街に起きている怪事件の犯人こそが、倒すべき『最悪』なのだ……。
まだその情報は少ない。ただ確実に言える事が一つ」
少し、躊躇う。はたして、理解してもらえるかどうか。
「『そいつ』はッ! 人智を超えた恐るべき『能力』の持ち主だ。
倒せるのは、僕の『技』か、『そいつ』と同等の『力』しかない」
19
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/09/21(水) 23:37:11
自分の心当たりのある『それ』は、どうやら彼の言っている『邪悪』ではないらしい。確
かに、彼の出現は奇妙でこそあったが、今考えてみれば彼の人となりは邪悪とは言いがた
い。職業こそ呪い屋ではあるが、なかなかに気さくな一面も持っているのだ。
「…ううん。なんでもない。ちょっと最近、変なことがあって…」
唐突に『呪い屋』の話題を切り出され、頭の上に?マークを浮かべているヒバリに応える。
『呪い屋』を知らない…ということは、彼は『スタンド使い』ではないということなのだ
ろうか。しかしそれならば、あの回転はどうやって説明する?
そしてヒバリは躊躇いがちに言葉を続ける。『能力』という言葉が出た瞬間、わたしはハッ
とする。やはり、この人は『スタンド』を知っている。…『同等の力』と彼の『技』をひ
とくくりにしなかった、ということは、彼は『スタンド使い』ではないのだろうか?
なににしろわたしが当初危険視していた、彼が『悪』である可能性は限りなく薄くなった。
そして彼が『スタンド』を知っているのなら…もはやわたしは、その正体を隠しておく必
要はない。
「…『スタンド』」
彼の説明につけくわえるように…また最後の確認の意味もこめて、ヒバリに聞こえるよう
にわたしはひとこと呟いた。
20
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/09/22(木) 00:00:26
>>19
「――っ!」
思わず、意外な単語の発信源――玲の顔を見つめる。『スタンド』だと?
「『スタンド』……神志那君と同じ呼称だな……彼をご存知で?」
『スタンド』能力。それがこの街を覆う、謎という名の『闇』の正体。
それは、自分を除けば神志那しか関係者を知らない。
「そう、この街で暗躍する人物は『スタンド』使いと呼ばれる異能者だ。
その者が『呪い屋』と呼ばれているのかどうか……それは知らないが」
21
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/09/22(木) 00:21:55
>>20
神志那とは、誰のことだろう。その人間も誰かに『スタンド』を授けられた一人だろうか。
「ううん、その人は知らない。…でも、『スタンド』は知っているわ。わたしは『呪い屋』
から、その言葉を聞いたの。
…話をする前に、言っておくわ。『わたしは決して、あなたの敵ではない』」
そしてわたしは、『呪い屋』から『スタンド』を授けられるまでのいきさつをあらかた話す。
「そして…わたしは、『スタンド使い』になったわ」
ズ ズ ズ … 。
その言葉とともに、わたしは『コールド・プレイ』を発現させてみせる。ソファに座って
いるわたしの傍らにしなだれかかる『コールド・プレイ』が、『スタンド使い』であれば
見えるだろう。
「『呪い屋』は…『自分はスタンド能力を持たない』と言っていたわ。
だから、あなたが探している『その人物』は、たぶん、『呪い屋』じゃあない。
彼、意外とチャーミングなのよ。少なくとも『邪悪』な人間ではなかった」
何の根拠もなく、わたしはそう言いきった。
22
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/09/22(木) 07:55:50
>>21
『スタンド』能力は持たないこちらは、『コールド・プレイ』を見えない。
ただ、微妙に室内の緊張感が増幅したことをかろうじて感じながら。
「部屋、ほんのちょっぴり……息苦しいというのか? 雰囲気、変わったかな」
意味も無く吹き出る汗を拭いながら、考える。『スタンド』使い。
こんなに話していて楽しい、知的な女性なのに、異能者とは。
はっきり言ってショックだ。
「それにしても、最近になって急に出会うようになってきたな……。
『スタンド』使い……この街に、増えてきている、ということか?」
そこまで考え、人為的に増やされているという゜言葉に注目する。
「いずれにせよ使い方次第で警察を出し抜ける犯罪が行える能力。
“そんな能力をばら撒いている”『呪い屋』という人物の行為は止めるべきだ。
……玲さんにチャーミングと言われる男にジェラシーを感じなくも無いし」
最後に、昂ぶりつつあった自分のテンションをジョークで落とす。
23
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/09/22(木) 17:23:24
「うーん、この辺の筈なんだが…。」
名刺に書かれた事務所の住所を見ながら歩いてきたが、
地図も無く、番地のみでは場所は特定しづらい。
「こっちか?」
電信柱に記された住所と照らし合わせながら
路地を曲がり、見事に事務所を素通りする。
(…む、どこだ?)
神志那は道に迷っていた。
24
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/09/22(木) 21:53:21
ド ド ド ド
ド ド ド
ド ド
『コールド・プレイ』はヒバリを前にしてゆっくりと立ち上がった。その姿をヒバリは目
で追えていない。彼は『スタンド使い』ではないのだ。『コールド・プレイ』を視覚的に認
知することはできない。ただ、――長年の経験、あるいは彼の言う『技』のおかげだろう
か。『スタンド』が放つ『プレッシャー』とでもいうようなものをヒバリは敏感に察知して
いるようだ。彼の額から、汗の雫が一筋流れてゆく。
「今、あなたの前にいるわ。わたしの『スタンド』――『コールド・プレイ』が」
わたしは『コールド・プレイ』を操りテーブルに置かれたコーヒーカップを持ち上げてみ
せ、それをソファにもたれかかるわたしの手元にまで運ぶ。わたしはコーヒーを口にしな
がら『スタンド』を解除した。部屋の雰囲気は再び『正常』に戻る。
「『スタンドはスタンド使いにしか見えない』。…あなたは『彼女』を見ることはできないのね」
そう、それはスタンド使いたちの間での『基本ルール』だ。…そして春海市にスタンド使
いが増えている理由は、もう一つの『ルール』によって説明がつく。
「『呪い屋』はこうも言っていたわ。――『スタンド使い同士は“ひかれあう”』。
あなたの追っているその事件の犯人が『スタンド使い』だった時点で。…ううん、もし
かしたらもっともっと以前から、『運命は決定していた』のよ。――きっとね」
『呪い屋』を止める…そんなことが本当にできるだろうか?
『彼』は自分の行為を『生業』と言っていた。そして彼の持つ『石』は、『運命的パワー』
に左右されている、とも。
それを中断させることは、わたしたち人間にとって可能なことなのだろうか。できたとし
たら、…結局のところ、それは本当に『中断』だったのだろうか。考えると頭が痛くなっ
てくる。わたしはどう考えたらいいのだろう。どこからが『運命』で、どこからがそれを
『打ち破った』ことになるのだろう?
終わりのない思考のループに陥っていたところに、すかさずヒバリのジョークが飛んでく
る。実に間のいい男だ。強張っていた顔がみるみる打ち解けていくのがわかる。
「ありがとう。…あなたの煎れたコーヒーも、とっても美味しい」
と、わたしは手にしたコーヒーカップを再び口元に運んだ。
25
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/09/22(木) 23:07:21
>>24
「脅かさないでもらえるかい。
見えない力……神志那君曰く『スタンド』でしか対抗できない……。
僕は鵜呑みにするほど気弱ではないつもりだがね。怖れが無くはない」
ウソは女性に言わないと公言しているが。
しかし真実全てを語ることもまた、少ない。
大概のことははぐらかしてきたものだ。
だが、不思議と、玲にはなんでも話せてしまう。
きっと今のこの感情は、安らぎ、なのだろう。
彼女に母性でも見たか? 十歳も違わない女性に。
少なくとも、普段の長兄としての重圧は今は無い。
「運命論者なのかい? 僕の意見は違う。
正しい心から出た強い行動は、時に運命よりも重い。
僕はそう信じているから、戦うコトができる……」
26
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/09/22(木) 23:43:00
>>25
「ごめんなさい。脅かすつもりはなかったわ。実践しなければ…信じてもらえないかと思って」
わたしだって当初は、こんな話をするためにこの館に足を踏み入れたわけじゃない。今こう
していることが不思議ですらある。すべては『偶然』に、起こった話なのだ。
「『運命は決定していた』。それも『彼』が言ったことよ。…わたし自身、人に流されやす
いタイプでもあるしね。信じたくもなるのよ。魔法みたいな力を突然授かったり、ひき合
わされるように今こうしてあなたと会って、スタンドについて喋っていたりするとついね」
それに…と、ジョークとも本気ともつかない調子でつけくわえる。
「ロマンチックでしょ。『あなたとわたしが出会うのは運命だった』なんて。
言っているだけで、かみさまにふれた気分になるわ。そう思わない?」
27
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/09/23(金) 00:21:30
>>26
「ロマンティックというのは重要だね。それについては異論は無いよ」
実際、彼女と出会うのは運命だったと信じたい。
玲と出会わなかった可能性なんて、どうせろくなもんじゃない。
だが同時に、それで彼女に傾倒しすぎるほど子供のつもりも、無い。
「でも、僕達が運命で出会ったとしても、『スタンド』は関係ない。
それは悪用もできる力で、実際に事件は起こっている。
邪悪は排除しなければ終らない。だから僕は、『スタンド』を克服する。
それが必要であるなら。『スタンド』は『運命』で守られているとしても。
……僕は愚直かな?」
ちっともそうは思っていないような晴れやかな微笑みを向ける。
28
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/09/23(金) 00:48:34
異論はないと言われ、わたしは満足げに微笑みを作った。ヒバリの発言から、他意を感じ
とることはできなかった。無論、私自身も言葉以上の意味はない。
「『運命』は…少なくともわたしの考える『運命』は、未来にある『結果』。何かを守るも
のでも、責めるものでもない――気づけば『そこにある』だけのものよ。あなたが『スタ
ンドを克服するか否か』は、結局のところ誰も知らない。『かみさま』以外はね。だからこ
そがむしゃらに生きて、抗って、良い結果に向くように努力する価値があるの。あなたの
していることは『結果』を生み出すまでの積み重ねよ。愚直だなんて思わない。
――気をつけて。『スタンド能力』は強大よ。わたしも何かあったら協力するわ」
29
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/09/23(金) 01:26:15
(お?ここか?)
散々歩き回り結局一軒一軒虱潰しに探して、
漸く「津縁火針法律相談事務所」の看板を見つける。
名刺の番地と照らし合わせても間違い無い様だ。
(明かり点いてるし、誰か居るだろう)
「ポチっとな…っと。」
妙なセリフと共にインターフォンを鳴らした。
30
:
土屋みなと
:2005/09/23(金) 01:36:39
>>29
インターフォンを操作してるユニークな台詞回しをしっかりと聞きつつ。
「津縁所長にご用ですか?」
真っ赤なスーツの若い女性が真後ろから声をかける。
「ちょうど私が来たところでよかった……私が伺いますよ。上がってください」
31
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/09/23(金) 02:23:03
>>30
「うぉぅ!!」
突然背後から声を掛けられて驚いて振り向く。
声の主は真っ赤なスーツの女性だ。
「シャ、シャア専用…、いやスンマセン。
事務雑用のバイトの件で…。
前、話だけで履歴書も何も渡していなかったんで、
その確認と、まぁ後色々と伝えなきゃいけない事が…。」
表向きな立場で用件を告げる。
(事務所の人でもいきなりスタンドの話は出来ないよなぁ…)
「じゃあ、お邪魔します。」
頭を下げて事務所の扉をくぐった。
32
:
土屋みなと
:2005/09/23(金) 03:40:19
>>31
「残念でしたね、私にマスクが無くて」
にこりともせずに冗談を返す。
「事務員でしたら、私が先輩ということになりますか。秘書の土屋です。
それにしても、スタッフを増やすという話は私には初耳ですね……」
言いつつコーヒーを出そうとして、顔をしかめる。
「……よくも私が大事にしてるエリックを出しっ放しに……」
どうせ所長の仕業だろう。他には考えられない。
ちなみにエリックというのは手ずから挽いた自慢の焙煎コーヒー豆だ。
戸棚の置くのマイクロフトとアリシアの中間が定位置なのに。
その二つの名前も、やはり豆に与えた名である。
この仕事の鬼と言われる秘書の唯一の娯楽を、雑な作法で台無しにされた。
愛しい息子の亡骸のような心地できつく豆の瓶を握り締める。
「ちょっとろくでなし……いえ、所長にいろいろ確かめたいことが、私にも」
33
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/09/25(日) 23:05:06
>>32
「えっと、俺は神志那啓祐といいます。
仕事の件は口約束だけだったんで…自分もそれ確認しに来たんですよ。」
薦められた椅子に腰を掛け、自分の状況を説明しつつ、
土屋の動きを目で追う。
(…俺と同じ位の年齢なのに事務所持ってて
こんな秘書まで居て、…津縁って何者?)
そんな事を考えていると秘書の「…〜エルリックを〜…」という
声が耳に入る。この土屋という秘書、
初対面相手に口走ってしまった事にリアクション返してくれたが、
無反応で言われると怖い物がある。
真っ赤なスーツがよく似合い、三次に興味が無くとも
美人と思える容姿だが妙に近寄りがたい。
コーヒー豆の瓶を握り締めているようだが、
何だろう…、この寒気は。
「ちょっとろくでなし……いえ、所長にいろいろ確かめたいことが、私にも」
こちらに向かって語る秘書の言葉には沸々と湧き上がる怒りの片鱗を感じる。
「は、はいっ!」
思わず直立して返事をする。
(…この人怒らせるとヤバそうだ…)
もしこの秘書にスタンドが発動したなら間違い無く、阿修羅か仁王が
後に控えているだろう。
大人しく秘書の後に続く事にした。
34
:
土屋みなと
:2005/09/26(月) 20:34:29
>>33
「神志那君? ああ、その名前は所長が繋ぎを取れと言ってましたね」
そうか。でも、あの一言だけで事務員の補充だと気づけと言われても無理だ。
「所長がご存知なら、まあいいでしょう。後ほど簡単に面接します」
どうせ雇用するだろうが、来客時に毎度アニメ関連の口癖を漏らされては困る。
問題の無い人格と断定できない場合は、所長には意見提出した方が良い。
三階に内線を繋ぐ。
「早く出なさい火針くん……じゃなかった、所長」
彼が学生だった頃からの馴染みなのだが現在は上司と部下だ。
親しみは大事だが基本他人の目がある場合は上下関係は厳密にしなければ。
「まったく……女性の来客がある時は無駄ね」
就業規約には、2コールジャストで電話に応答するというのが明記されている。
35
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/09/26(月) 21:03:28
>>28
「本来なら、ここで僕が悩みを聞く商売をしているんだがね。
すっかりと僕が甘える形で話し込んでしまったようだ……。
どうだね、長くなってしまったし、これから食事でも――」
ぴろりろりろ、ぴろりろりろ。ぴろりろりろ、ぴろりろりろ。
いきなり電話が内線の音色でコールする。
「土屋さんか、涼芽か……? よもやあの愚弟ということはないと思うが」
しかし業務用の電話には違いないが、携帯のような手段での無視はできない。
土屋秘書にすぐバレてしまうし、巧い言い訳もすぐにはできない。
彼女は仕事を最低限サボらないことを条件に、女性関係は黙認してくれる。
あらゆる意味でデキた秘書なのだ。そして師でもあり、気心も知れている。
彼女より有能な『津縁火針の秘書』というのは望むべくも無い。
見捨てられると色々と不便なので、申し訳なさそうに玲に目配せを送った。
36
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/09/27(火) 00:51:21
『コールド・プレイ』であの耳障りな電子音を消してやろうか、なんてよこしまな考えが
頭をよぎらないことはなかったがやめておいた。うるわしきジェントルメンとのお食事が
ご破算になったのは、たしかに残念ではあるけれども。わたしは肩をすくめヒバリと目を
合わせた。
「どうぞ。…それもあなたの『正義』なんでしょう?」
言って、立ち上がる。さて、邪魔にならないようにお暇しなくては。
「行くわ。…出口忘れちゃったから、もう一度案内お願い」
37
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/09/27(火) 11:09:33
>>36
受話器を取って一言。
「用件は下で聞くので、待っていて欲しい」
がちゃり。
「済まない。続きはまたの機会に是非、お願いしたいものだ。
そうだ、連絡先を教えておこう」
名刺を取り出し、裏面に万年筆を使ってプライベート専用の番号も記す。
「なんだか、こんな風に渡すなんてホストっぽい気もするが。
できれば玲さんとは長いお付き合いになりたいからね」
その名刺を玲に差し出した。
応接室の扉を開けて、エスコートを快諾する。
38
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/09/30(金) 02:17:34
名刺を受け取り、裏表と内容を確認。
「ありがとう。電話するわ。きっとね」
と応じつつ開いた扉をくぐり、応接室を出る。
39
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/10/02(日) 13:07:58
>>38
玲さんを玄関までエスコートし、にこやかにさらに挨拶。
「近くまで送って行くよ。知人に安く譲ってもらったいい車があるし」
はっきり言って、かなり『良すぎ』て悪目立ちの感は否めない。
実は悪意の贈り物ではないかと勘繰りたくもなる。
実際のところ、本来なら車のオーナーになることも当分先という台所事情だ。
あんなものに乗っててヘタに金持ちと誤解されても微妙なのだが。
一階には手短に応える。
「神志那君はとりあえず雇用しておいてくれ。
彼は『例の事件』の捜査に必要なアシスタントなんだ。
細かい雇用形態は土屋さんに任せる」
40
:
土屋みなと
:2005/10/02(日) 16:08:33
>>39
「ああ、あの。依頼者がいないから仕事とは呼べない、所長の道楽」
この街を、『超越した』何者かがゆっくり蝕んでいると、火針はかつて言った。
そうした存在を、別段否定する気は起きない。
あえて言うなら火針の境遇だって充分ある種の『超越』を示しているのだし。
そういった意味では、真にこの街で絶対の『超越者』とは我がオーナーである。
彼は自分も知らないところで火針になんらかの力を見出していた。
ゆえに若干21歳の、本来ならいまだ学生であるべき青年に全てを与えた。
事務所に適当な物件も、飛び級に寛容な海外の大学の推薦状もである。
ついでにエンツォ・フェラーリも彼の贈呈物だ。
留学先では単位ギリギリまで行方をくらませていたりもしたというのに。
「……まあ、いいでしょう。啓君は学生のかたですか?」
41
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/10/03(月) 01:20:23
>>40
「はい、現在は市内の大学に通ってます。」
改めて座りなおして素直に答える。
(…しかし、いきなり下の名前で呼びますか…)
などと微妙に小恥ずかしさを覚えるうちに、
津縁は玄関の方に行ってしまっている。
「ちょい、スイマセン」
一言断って返事を待たずに席を立ち津縁の後を追いかける。
此処に来た本来の目的は津縁に
悪意あるスタンド使いに遭遇したことを伝える為だ。
「ちょっと待て、津縁。」
追いかけて声を掛けるも一緒に居る女性に集中しているのか、
此方を見向きもしない。
(ったく…MF頼む)
MFを発現させ玄関先に居る二人の脇をすり抜け、
扉に軽く触れ、能力を発動させた。
42
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/10/03(月) 11:47:13
>>40-41
「道楽とはひどい言われようとも思うが、容認されてるのだからいいか」
楽観的に考え、というよりもさほど気に留めず、事務所を出る。
――出ようと扉に手をかけたのだが。
「バカなッ、触れない!?」
フワフワした、ゴム風船や浮輪のような反発性に富んだ見えない抵抗。
だがゴムとも空気とも違う、もっと曖昧で、それでいて力強い。
この感触に一番近い経験は、磁力のような気がする。
だが。
ドアノブは合金製だが磁石ではないし、自分の手はなにをかいわんや。
と、すれば、この常識に当てはまらない『奇妙』な現象。
(スタンド……? ケース1、玲さんの「帰りたくない」という駆け引き)
否定できない可能性だし自分としては歓迎したい。
(ケース2、神志那君の手によるもの……こっちは動機が不鮮明か)
43
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/10/03(月) 23:05:59
>>42
「悪い、ちょっと『使った』。」
足止めに成功したので、能力を解除し、MFを引っ込める。
「襲撃受けたんで、それだけ伝えとこうと思って・・・。」
何やら津縁の隣に居る女性に睨まれるような視線を感じる。
(・・・う、空気読み損ねたか・・・)
気まずそうにポリポリ頭をかく。
「・・・すまん、邪魔しちまったみたいだ、
後にしとくか?」
44
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/10/03(月) 23:33:47
>>39
「いいの?…お仕事なんでしょ?」
わたしのマンションは、駅前から歩いて七分ほど。ここから歩いてもたいした距離ではな
い。車で送迎など、用を押してもらってまでしてもらうことではないように思われた。
一階に着くと、見覚えのない男女の姿があった。ヒバリは女性の方に手早く指示を与える
と、さっさと玄関にまで歩いていってしまう。同僚…いや、部下、なんだろうか。という
ことはその隣が、さっき話していた『カミシナ』くん?
>>41-42
…と、彼の顔をはっきりと確認する暇もなく、わたしはヒバリを追い玄関に歩み寄る。
その刹那、だ。わたしの脇をなにか人影のようなものがすり抜け、ヒバリの手がドアノブ
に到達するよりも早く、ドアの前に立ちふさがった。
「ッ!!?」
顔が強張る。体が硬直する。わたしとヒバリの前に立ちはだかった『それ』、全体的な造型
は『人』の形をなしているといえる。だけれどもその姿は明らかに『尋常な』人間と一線
を画すものだ。コスプレだとか、特殊メイクだとか、そういった類のもので代用できるシ
ロモノではない『全く新しい何か』。
「『スタンド』…ですってッ!!?」
「バカなッ、触れない!?」
わたしとヒバリの言葉が発せられるタイミングはほぼ同時だった。戸惑いの表情を見せる
ヒバリは、目の前の『スタンド』を見ることができない。立ちはだかる人型の『像』。もし
あれがヒバリに襲い掛かっていったら、ヒバリの為す術はあるのだろうか。
>>42
「悪い。ちょっと『使った』」
一時我を忘れ呆然とそんなことを考えていると、背後から声をかけられた。先ほどの『カ
ミシナ』と呼ばれた青年が、ばつの悪そうな顔で立っている。…気づくと、ドアの前に立
ちはだかっていた『像』はすでに忽然と姿を消している。
「…心臓に悪いわ」
わたしはくしゃくしゃと髪をいじって大きなため息を一つ吐くと、再び青年に視線を戻す。
「ただでさえ人が神経過敏になってる時に…やってくれるわね。まったく」
45
:
土屋みなと
:2005/10/04(火) 00:20:41
>>42-44
「玄関でなにをしてらっしゃるんです?」
眠たげな半開きの目が普段の表情なのだが、その眼差しで三人を見渡す。
火針所長は戸惑っているらしかった。
啓君はうろたえているようだ。
女性は、なんだろう。状況からしたら怒り、なんだろうが。
なんにせよ、三者三様の動揺を見せている。
「どうしたというんです、いったい?
このセクハラ弁護士がなにか狼藉でも働きましたか?」
そう考えれば、三人のそれぞれの慌てぶりには説明がつく。
まあ色ボケではあるものの、火針は基本的に潔癖症だ。
万が一にもそんなバカなことは無いと知りつつも、とりあえず尋ねてみた。
46
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/10/04(火) 00:42:45
>>43-45
「襲撃? 君は人に恨まれる覚えでもあったかね? それとも辻斬りか?」
寝耳に水の言葉だ。
襲われるって、神志那啓祐を襲っていったい誰にメリットがあるというんだ。
ちなみに自分には襲われる心当たりはある。
『スタンド』使いを声高に悪と決めつけて追跡しているのはそのためだ。
こちらから手がかりを捜すだけじゃなく、相手に襲われやすい状況を作る。
その自分より先に彼を狙う理由が解らない。
「それは場所はどこだね? 目撃者はいるのかい?」
47
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/10/04(火) 22:11:36
>>44-46
「あう…、どっから説明していいものやら…。」
三人の対応に少々狼狽するも順を追って説明する。
「っとだな、襲撃はこの前別れたあの路地裏近辺でだ。
スタンド使いかもしれない少年を探しに行ったら遭遇したんだ。
…その少年を助ける事が出来なかった…。」
悔しさを思い出し、拳を握り締める。
「タチの悪い事に、相手は一般人にスタンドを取り付かせて、
操っているのか、凶暴化させるのか…そんな感じだった。
俺以外にも襲われた人がいたけど、
普通の人にはスタンド見えないから、
突然目のいっちゃった奴に襲われたって感じだろうな。
目撃者が居ても大した情報にはならないと思うぞ。
まぁ、最もタチが悪いのが相手が遠距離型ってことだ。
結局一方的に攻められて、相手を確認出来ないまま
なんとか離脱してきたんだし…。」
更に悔しさが込み上がる。
「迂闊にスタンド使い探しに行って、取り付かれたらマズイからな。
とりあえずそんな相手が居るって事だ…。」
一通り言うべき事を話して一息付き、目線を津縁の隣に居る女性に向けた。
「それと、お姉さん、俺のスタンド見えてたっぽいけど…、
やっぱりお姉さんもスタンド使いな訳?」
ストレートに質問を投げつけてみる。
48
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/10/04(火) 23:44:09
>>45-47
「わたしにも説明が欲しいところなんだけどね…」
奥から顔を覗かせた女性の問いに、現在の素直な心情を吐露する。男性二人はすでにほか
の話題に話の流れが移ってしまっていて、納得できるようなことを言ってくれる雰囲気で
はない。私は肩をすくめて女性に苦笑いを返し、
「…まあ、セクハラではないことはたしかね」
わたしのリアクションが大きかったがために、『カミシナ』はわたしがスタンド使いである
と感づいたようだ。敵ではなさそうだし、まあ、いいか。わたしは自分の背後に『コール
ド・プレイ』を発現させた。『カミシナ』がその姿を確認次第解除する。…ついで、と言っ
てはなんだけれど、先ほどの女性の反応も確かめておこう。
「ええ。わたしもよ。…あなたも『呪い屋』に会ったの?」
49
:
土屋みなと
:2005/10/05(水) 05:17:11
>>46-48
「『スタンド』……? みなさん、よくそんなものご存知ですね。
スピードワゴン財団の医療部門に隠蔽された機密中の機密でしょう?」
何年か前に北米で企業スパイとして架空のポストを持っていて偶然知った話だ。
普通にこの春海市で生活していて関与する話題だとは思わなかった。
「何年も前の話でしたし、興味も薄かったのでよく覚えていませんが……。
確か人間の可能性……あらゆる生命危機にリアクションを起こす
データとしては痕跡も残らない未知の抗体……。
いわゆる、プラシーボ効果と呼ばれるものの拡大解釈なのですよ。
“精神は肉体を支配する”というのが、現時点での有力説なので。
ただ、サンプルは生命危機の克服だけでなく念動力のような現象を起こすので
肉体のみの作用であるプラシーボ効果とはちょっと違うんですけどね」
50
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/10/05(水) 05:45:24
>>47-49
「……今の話を聞く限り、名指しで攻撃を受けたわけではないんだね?
神志那啓祐として、あるいは『スタンド』使いとして狙われたのか。
通行人の一人として、たまたま的にかけられたのか。
当面の疑問は、相手の目的だな。
それともう一つ。重要なことがある」
神妙に表情を曇らせて、続ける。
「遠距離型……ってものは、なんなんだ?
君から聞いた『スタンド』インフォにはそんなもんはなかったが。
つまり『スタンド』にはいろいろと種類があって
その中には離れた場所からパワフルに攻撃してくるタイプもあるってことかね」
51
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/10/05(水) 15:34:36
>>48-50
土屋さんがスタンドについて知っていたのに
驚いたが、言っている内容が複雑すぎてよく理解出来なかったので、
答えられるところから答える事にした。
「ああ、そういうこと。
スタンド毎に射程や特性は違うから、
離れた所から攻撃できる奴だっているさ。」
先に津縁の質問に答えて
隣に居る女性とそのスタンドに目を向ける。
「『呪い屋』?いや、俺はそんな奴には会ってはいないぞ。
俺が会ったのは『管理人』という奴だったが。
変な『矢』でスタンド能力が身に付いたんじゃないのか?」
52
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/10/06(木) 02:00:05
>>49-51
女性の説明に耳を傾ける。『コールド・プレイ』を前に何も反応を示さないところを見ると、
この人はどうやらスタンド使いではないらしい。しかし、彼女は彼女なりの『理論』とし
て『スタンド』という現象を理解しているようだ。プラシーボだか、スパシーバだか、詳
しい内容は全くのちんぷんかんぷんではあったけれども。
「スタンド能力は『魂の才能』よ」
男性二人の会話の中に横入りする。そのセリフも、『呪い屋』が言っていたことの受け売り
ではあるのだが。
「人には『個性』があるわ。『魂』や『能力』に個人差があっても不思議じゃない。実際わ
たしのスタンドと、彼の『それ』は姿かたちからして全く違う」
間違いない。どういう境遇かはわからないけれども、スタンド使い達は確実にこの街を中
心に活動をはじめている。『カミシナ』のいう『管理人』とは誰のことだろう。『呪い屋』
のような存在がこの町には少なくとももう一人いる。それだけで十分、ショッキングな話
だ。今こうしている間にもスタンド使いはどこかで一人、また一人と増え続け…そして『カ
ミシナ』が言っていることが事実ならば、それを悪用しようとしている人間がどこかに存
在しているのだ。わたしの体に身震いが走った。『スタンド使い同志は惹かれあう』。その
言葉がまた、頭をよぎった。
「…わたしはきっと、あなたとは別口」
『カミシナ』からの質問に短く応え、
「ねえ、それより、聞かせて。…『遠距離型』って…具体的にはどういうことなの?」
自分はまだまだ、『スタンドについての知識が足りない』。そう思ったからこその質問だっ
た。学ばなくては。この、一度の修羅場を潜り抜けここまでやってきた先駆者から。
53
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/10/06(木) 04:53:04
>>51-52
「やれやれ……厄介だな」
帰国子女のご多分に漏れず、ジェスチャーは大きく、肩を竦めて見せる。
「もしも数㎞離れた相手から、見えざる手で急所を一撃されたら……。
防御も相当億劫だが、反撃の手段となるとこれはもう手詰まりだ。
僕は自衛がしたいのではない。
この街を護るため、『悪』を誅殺したいのだ。
こうなると、ますます犯人を特定することが急務だな。
相手に動かれる前に、こちらが先手を取って無力化するしかない。
……情報戦、だな。当然か。最初から戦力的には不利だったんだ」
神志那君に指摘されるまでは、そんなことは知らなかった。
だが。『スタンド』は予想を上回る難敵だ。
だからこそ、こちらも『スタンド』使いを引き入れて決戦に備えたのだが。
54
:
土屋みなと
:2005/10/10(月) 05:05:40
「もしもその事件を本気で解決するつもりがあるなら、現場を調査しましょう。
少なくとも、『他の場所ではなく』、その場所で事件が起こったのです。
そして、啓君はその襲撃を実際に受けた数少ない一人。
今すぐにとは言いませんが……手がかりを得られる可能性は高まりますね」
55
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/10/11(火) 01:49:43
>>52-54
「まぁ…、俺も基礎的な知識しか無い訳だが…、
要するに射程距離の事かな。
俺は目で見える範囲の僅かな距離でしか
スタンド動かせないけど、
人によっては何十mと離れた所までスタンドを
操ることが出来る。ただ、本体から離れると
能力は低下する…そういう原則らしいんだ。」
56
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/10/11(火) 03:37:01
>>54-55
「調査の方は土屋さんのツテで頼むよ。
僕がやったって良いが、まずは神志那君の迎え入れの方が急ぎだ」
秘書に短く指示を出してから、神志那の知識とやらに耳を傾ける。
「ふむ……常識外には常識外同士のルールがあるってわけか……。
じゃあ、玲さんのスタンド、それは遠くを攻撃できるタイプなのか?
それとも、違うのかな?」
57
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/10/11(火) 19:18:06
>>53-56
『カミシナ』から得た情報を、頭の中で整理する。
大まかなところは、『コールド・プレイ』と力の基本原理は同じようだ。
『射出』か『叩き込む』かで威力は大きく変わる。
細かなところで間違っていようが構わない。そういう認識で十分だ。
「『本体から15m』」
それがわたしの能力の射程範囲だ。そう呪い屋は言っていた。
『コールド・プレイ』の射程範囲は実に確認しやすい。実際に、一度試してみたこともあるのだが。
『マイクケーブル』を思い切り伸ばして、スタンドを中心にくるりと円を描いてみればいい。
「それがわたしの『スタンド』が移動できる距離よ。
ただ…『能力』はもっと広範囲に使用することができるはずだわ。
スタンドを『中継点』として力を行使すれば、きっともっと遠くまで届く。
…『遠近両用』、って言ったほうが正しいかもしれない」
試したことはないけれどね。と付け加え、私はヒバリに向き直った。
58
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/10/11(火) 21:23:48
>>57
「『15m』……? じゃあ、そんなに遠くもないな。
僕の波紋鍼の飛投距離なら20mは届く。
なるほど、射程距離が長いというのが、犯人のスタンドの特徴か。
……だがもっとも、そんなことは僕には確認できん。
確認した時には、なんらかの形で終っているだろうね」
神志那君が勝利し、相手を再起不能にするか。
あるいは敗北し、我々が犯人に抹殺されているか。
59
:
土屋みなと
:2005/10/11(火) 21:39:46
>>55-58
「ライフル狙撃なら有効射程は1km以上です。
拳銃でも、射手の練度にも依りますが、50mから80mほどの距離でも有効です。
そう考えると、銃撃に比べるとさほど脅威となる条件ではありませんね。
もっとも、日本で銃を比較にしている時点で充分でしょうが」
60
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/10/14(金) 21:02:39
>>58-59
「だからこそ『身を隠し』、『スタンド使いであること』が露呈するのを避けて闘わなきゃいけない」
二人の言葉を受け頭の中で物事を整理する。
スタンドと争うのに重要なのは、『情報を収集する力』だ。
相手がどんなスタンドを持っているのか。能力は何か。
本体はどこにいるか。姿かたちや射程範囲。能力発動の条件にその兆候。
これらのことを相手の挙動からいち早く察知すること。それが大切なんだ。
『知らない』ことが、いつどんな致命的ダメージに繋がるかわからない。
…実に過酷な情報戦だ。
「銃器を使おうにも、『誰がスタンドを操っているか』知らなければ意味ないものね…」
誰に言うでもなく、小さく呟いた。
61
:
神志那啓佑(マイナス・ファイブ)
:2005/10/19(水) 00:21:45
>>56-60
「因みに俺の射程は『2m』だ。
距離は短い分、能力は殆ど低下しないですむけど。」
改めてMFを呼び出す。
「射程、情報も問題だけど、俺のスタンドにも問題があってな。
能力はさっき見せたように、「触れなくする」力なんだけど、
この能力ってスタンドには効果が無いんだ。
この前の戦闘で実証済み。元々戦闘向きの力じゃないしな。
相手のスタンド倒すにはガチで殴り合う以外手段がないんだ。」
ギュっと拳を握り締める。
MFの拳が唯一相手を倒せる武器なのだから。
「とりあえず、情報収集しながらでも俺は
特訓してみる。…奴を倒せるように…。」
62
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/10/19(水) 03:09:33
>>60-61
「そして隠匿について語れば、スタンドとやらは極端に有利なのだ。
なにしろ誰も知らないことだし、見える者さえも限られる。
まさに見えざる怪人ファントムといったところだ。
ゆえに、普通の人間で太刀打ちいかないがゆえに、僕の敵なのだよ」
そして神志那の決意にも頷く。
「特訓か……スタンドにはスタンドしか通用しないのだったね?
僕はスタンドを扱う術は教えてやれない。そこは君の問題だ。
だが、僕は10km走っても波紋の呼吸を乱さないだけの胆力は培ったし。
それに未知なる物から身を守る分野に関しては専門家だ。
基礎的な部分では助けにもなるだろう。
それに情報を集めるということは、スタンドの鍛え方もわかるかも知れない」
63
:
土屋みなと
:2005/10/19(水) 04:14:26
>>60-62
「前提として、スタンドは即死に類する攻撃性能はないと考えられますね。
もしそうした能力があると、後手に回った瞬間勝ち目がありませんから。
それなら隠すことより、相手を早く発見する方が効果的になってしまう。
ともかく……そんな存在、調査するには普通のやり方じゃダメでしょうね。
それこそ、街に潜伏しているかどうかも確認しようがありませんし」
ちらり、と火針を伺う。
「10km? 進歩ないですね。完全装備でも20マイルは走ってもらえませんと。
それに、秘伝を易々と教えてしまうのも問題があります。
私はそんなことを許可しましたか?」
仕事上は部下でも、そして実践レベルでの波紋を扱う素質が無かったとしても。
「私はあなたの導師である、ということ。忘れてもらっては困りますから」
先代津縁の技の後継。あるいは自分はその時点で、火針の影だったのだろう。
64
:
音無玲『コールド・プレイ』
:2005/10/19(水) 22:23:14
>>61-62
「特訓…」
『カミシナ』のその言葉に軽く反応する。特訓。特訓か。
そういえば『呪い屋』から力を授かってこの方、まともに能力を使っていない。
こんな異常な能力を人前で使う勇気はない。練習台になってくれるような人間も存在しない。
…そう。今までは、だ。
ヒバリの言葉にも耳を傾ける。そうだ。彼には彼にしか教えられないことがある。
それと同じように、わたしにも『わたしにしか教えられないことがある』のだ。
「…練習相手、必要ない?」
決意に満ちた瞳で『カミシナ』を見つめる。
「わたしでよければ、いつでも」
>>63
「『スタンド使いが単独で行動している』ことを前提として、ね」
連鎖的な効果を狙ういわゆる『コンボ』の威力は、予想するのすらおそろしい。
「…まあ、そんなこと今から考えたところでどうしようもない、か」
肩をすくめため息とともに言い放つ。今は考えるより、行動することのほうがきっと大事だ。
65
:
津縁火針“波紋使い”
:2005/10/25(火) 22:53:05
>>63-64
「世の中には不可抗力と言うものもある。
なにも手がかりが無かったスタンドをここまで解き明かせたのも。
二人に僕の方の秘密も惜しみなく明かしたからだよ。
信頼の証、としてね。そう考えれば、回転の秘密なんて安いものさ。
それほど強力に使いこなすには素質と鍛錬が必要だし。
悪用といってもなにがある?
せいぜいパチンコ球を回転で制御して全部チェッカーに入れるか?
まあ、パーラーの経営者には被害甚大かも知れないがね」
冗句を述べながら、直径4cmほどのガラス球を二つ取り出し指で弾く。
しゅるしゅると摩擦音を立てながら机の上で回転するガラス球。
「この球には、僕が力を与えた……神志那君、玲さん、手をグーにしてみよう」
従った者にだけ、手の甲へ触れる。回転するガラス球は手のひらの中へ移動。
「スタンドもいつ攻撃されるか解らないのなら、お互い様ということさ」
66
:
ナレーター
:2005/11/24(木) 02:32:33
その後、4人はしばらく話を続け、
『音無』と『神志那』は『帰宅した』
…あれから半年ほど経つが、『例の事件』の情報はあまり得られていない…
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