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「Sammy社立ギルティ専門高等学校5時限目」

309670:2006/10/21(土) 06:22:36 ID:eNxyfzak
初めてPCでギャルゲーをプレイ
最近、再アニメ化した『kanon』なんだけど……これエロシーンいらないよーな気が(;´-`)


前回は>>266

数日後の昼休み。
教室の一角が異様な空気に包まれていた。

「だめ……」
「あはっ、怯えた菜津奈ちゃんも可愛いねっ♪」

菜津奈と深空はその空気の中心にいた。
向かい合った二人は時折、視線を合わせる。その度に菜津奈が目を逸らす。
深空は笑顔のまま、人差し指で"ある一点"を押さえている。

「ここがいいの?」
「……っ…」
「イヤなの??じゃあ、」

涙ぐんだ菜津奈の目に、諦観が見え隠れする。
対して深空は小悪魔のように笑い、指をつつーっ、とスライドさせ……。
先ほどより少し奥に行ったポイントで指を止める。
そこは"穴"だった。
つまり、菜津奈からして見れば、そこは予想外だったはずだ。
それでも、菜津奈はそこの恐怖をすぐに理解する。
菜津奈は気付いていなかったが、この理解こそ、菜津奈の思考が"これ"に慣れてきている証拠だった。

「ヤ、だめ、そっちはホントにだめ…っ!!」

菜津奈は過剰なまでの反応を示した。
深空はゆっくりと指を離し、顔を逸らす菜津奈に顔を近付けた。

「ねぇ、もう、いいでしょ?」
「だめ…」
「諦めなさいって」
「ヤだ…」
「じゃあどうしたいの?」
「…………」
「ちゃんと言ってくれないと、あたし分からないよ」

そしてしばらくの時が流れたあと、

…………です。

そんな呟きが漏れた。本当に小さな声で。
それは顔を近付けていた深空の耳にすら届かなかった。しかし菜津奈が何を言ったか、深空は既に理解していた。

「もう、限界です…っ……私の、負け……です…」

菜津奈が繰り返す。深空がにやりと笑う。
そして……それまで"ただのギャラリー"にしか過ぎなかった男達が、動きを見せた。

「よし、『第7回 昼休み杯・オセロ祭り』は深空の勝ちぃーっ!!」

そして口々に、
「俺の1000円が…」
「深空たんならやってくれると信じてたZEッ!!」
「えーと、みぃは倍率1.26だから……」
などと聞こえてくる声。

「うっしゃーっ!!ババ抜き祭り、UNO祭りと、ここ最近やられっぱなしだったけど……オセロでは菜津奈ちゃんに負けないわッ!!」



明日は今日の借りを返す。
そんな誓いを立てた、水曜日の平和な昼休みだった。


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