したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

97164:2005/06/21(火) 19:35:14 ID:mscgI15s
「ったく何やってんだよバカ」
「松瀬くん大丈夫!?」
「く、クラゲに刺された…」

腕を見ると赤く蚯蚓腫れになっている。滅茶苦茶ヒリヒリする。痛い。

「兄貴ィィィィィィィ!!」
「げ!?」

凄まじい速度で泳いでくる郁瀬。まずい。郁瀬がここに来ていると言う事は、蘇留は今ひとり。
俺のせいだ。蘇留に殺される。

「逃げるぞ!!」

しかし残念なことに俺は運動音痴だ。一応泳げることは泳げるが滅茶苦茶のろい。
すぐに追いつかれてしまった。

「どうしたんですか兄貴!!大丈夫ですか!?」
「い、郁瀬…俺は大丈夫だから早く蘇留のところに戻…」

息を呑む。いつのまにか蘇留がすぐ近くまで泳いできていた。
鬼のような形相で俺を睨みつけている。死ぬほど怖い。

「松瀬 緒土…貴様ぁ…どうしても私の邪魔をしたいようだな…」
「ち、違いますっ!断じてそんなことは!!」
「殺す」

(ころ―――!?)

「ま、待ってください蘇留さん!!」
「弓太…やはりお前はそいつを庇うのか」
「いえ!ただもうちょっと穏やかに…」
「……弓太がそう言うなら仕方ないな…。おい緒土」
「は、はい!?なんでしょう!!」
「私と勝負しろ」
「勝負?」
「あそこのテトラポットまで泳ぐ。先に辿り着いた方が勝ちだ。
 これでどっちが本当に弓太に相応しいか決めようじゃないか」

そう言って蘇留は200mほど先にあるテトラポットを指した。
なんだ…簡単じゃないか。わざとノロノロ泳げばいい。要は俺が勝たなければいいんだ。

「ちなみに手加減なんかしたらどうなるか分かっているな?」
「は、はいっ!!」
「弓太もそれでいいな?」
「え、えぇ…」

こうして蘇留と水泳勝負をすることになってしまった。でも心配は要らないだろう。
紙野の話だと蘇留は普通に泳げるらしいし、俺は本気で泳いでも高が知れている。
しかも200m。泳ぎ切ることすら出来ないと思う。俺が勝つ要素はない。
むしろこの勝負で郁瀬が蘇留の彼氏だとハッキリしてくれた方が俺としてもありがたい。

(まぁ適当に頑張るか…)

「では位置に付いて…」

紙野が声を張る。

「レッツロック!!」

即座に蘇留がバシャバシャと水飛沫をあげて海に突入する。
このまま小さい体で必死に泳ぐ蘇留を見守っていてもいいのだが、本気を出さないと殺される。
俺も全力で海に向かった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板