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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期
970
:
64
:2005/06/21(火) 19:34:39 ID:mscgI15s
海岸の岩場に隠れる怪しさ全開の男子高校生3名。
「毅…てめェが無用心にドア開けるからこう言うことになるんだ」
「ご、ごめん…」
「もういいじゃねぇか。過ぎたことはしょうがないだろ」
「ったく…なんでオレがこんなことを…」
俺たちは蘇留に脅迫されていた。「飲酒をバラされたくなかったら下僕になれ」との事だった。
もしかしたら一番見つかってはいけない奴に見つかってしまったのかもしれない。
まだ教師に見つかった方がマシだった。
(一応断っておくが、蘇留は 警 察 に バラすというニュアンスを込めて言っていた)
「あ、郁瀬くんと蘇留が来たよ!」
「えっと…まずはなんだっけ?」
ノートを開く。紙野曰く、「これは蘇留の字じゃない」そうだ。ちなみに字はかなり汚い。
解読に一苦労した。恐らくクラスの誰かに作戦を立ててもらったのだろう。
「郁瀬くんに泳ぎを教えてもらうみたいだね」
「蘇留は泳げないのか?」
「いや…泳げるよ」
「………」
流石は紙野 蘇留。目的の為なら手段を選ばない。
「で、オレらは何すりゃいいんだ」
「『トラブルが起きないように見張ってろ』って言ってたけど」
「なんだ、楽だな。じゃあ俺らも適当に遊んでるか」
「え!まずいよ!もし何かあったら…」
「大丈夫だって!泳ごうぜ!」
・・・
「そうそう、水を後ろに送るように腕を動かして…」
「こうか?」
「いえ、そうじゃなくて…」
雹の作戦によれば「駄目な子ほど可愛く見える」らしい。正直私にはよく分からない。
運動音痴に見られるんじゃないかと思ってこの作戦は避けようと考えていたが…
なかなかどうして良い感じだ。この調子なら後は適当にやっても大丈夫なんじゃないだろうか。
「こうですよ、こう」
腕を掴まれる。
「こ、こ、こうかっ!?」
「痛っ!?」
テンパって「究極のだだっこ」張りに腕を回してしまう。
「あ、悪い!大丈夫か!?」
「はは…大丈夫っスよ」
顔を見合わせて笑い合う。
(ああ…結構いい雰囲気じゃないか…このまま行けば…)
「 痛 ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! ! ! 」
どこからか激しい絶叫が聞こえてきた。聞き覚えのある声だった。
「あ、あの声は…!!」
弓太が声の聞こえた方へ向かって猛然と泳ぎだした。
(おのれ…憎き松瀬 緒土…まだ私の邪魔をするというのか…)
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