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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

82764:2005/06/10(金) 17:51:21 ID:k4SqjPKk
「……ああ、なんだあれか…あれはただの嘘だ」
「本当ですか兄貴ィィィィィィィ!!」
「ま、マジだ。だから落ち着け」
「良かった…」

さめざめと涙を流す郁瀬。悲しんだり喜んだり忙しい奴だ。

「じゃあテメェに女はいねェんだな?」
「そう言うこと」
「なら丁度いい。お前明日ナンパに付き合え」

―――は?

「なんでだよ!!」
「別にいいじゃねェか。1人だと色々勝手が悪ぃんだよ」
「郁瀬とか紙野もいるじゃねぇか!なんで俺が!!」
「ホモはいらねェ。毅は話術も無いし、無理に決まってる」
「俺だって無理だ!!」

生粋のギルヲタで高校に入るまでロクに女子と話したことも無かった。
そんな俺がナンパだって?出来る訳ない。

「江辻とか三綾とは普通に喋ってるじゃねェか」
「それはそうだけど……」
「ん?なんだよオイ。お前もしかしてどっちかに惚れてんのか?
 それとも付き合ってないってのはやっぱ嘘か?」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?」

郁瀬が絶叫する。
さっきまでネガティブペナルティくらってテンションゲージ空っぽだったはずなのに。
まるで金サイクを当てたかのようだ。

「んなワケあるか!!」
「正直に言えよ」
「どうなんですか兄貴ィィィィ!!本当なんですかぁぁぁ!?」

いくらギルヲタとは言え、男子高校生が4人も集まればこういう会話が発生するのも至極当然である。
しかも舞台は修学旅行。夜の宿の一室。会話に歯止めが掛からなくなる。

「違うって言ってんだろ!それにお前には蘇留がいるだろうが!!」
「フォ…」

郁瀬の動きが止まる。
そうか。なんだ、簡単なことじゃないか。こいつがフォモードになったら蘇留の名を出せばいい。

「なんだ?コイツ女いんのかよ」
「ビーチバレーに行く前に部屋に女の子が来ただろ?アレだ」
「マジかよ…こんな変態野郎に…」
「し、しかしですね兄貴…」
「あ〜あ…お前のこんな姿を見たら蘇留のヤツ泣くぞ?っつーかお前蘇留の事どう思ってんだ?」
「どうって…?」
「好きか嫌いか」

単刀直入に聞く。コイツは今まで蘇留に引っ張られる形で付き合ってきた。
実際郁背が蘇留をどう思ってるのかは謎だった。

「兄としても気になるよなぁ?」
「ははは…僕が口出しすることじゃないよ。…でもやっぱり気になるね」
「ほら、どうなんだ郁瀬」

郁瀬が照れたように頭をポリポリと掻く。

「ま、まぁ…正直最初はなんとも思ってませんでしたけど…」
「お!?って事は今は…?」
「す、好き……ですかね…」

あの郁瀬が。
どうしようもなく馬鹿で、変態で―――ハードゲイの郁瀬が。
ついに真人間としての一歩を踏み出したのだ。
嗚呼!!俺は今猛烈に感動している!!

「祝杯だー!!今宵は無礼講だー!!」
「お?酒か?」
「ちょ、ちょっと2人とも!まずいよ!」
「良し、オレが買って来る」
「ちょっと永園くん!やめた方がいいって…」

紙野が止めるのも聞かずに永園は部屋を出て行った。時計の針はすでに12時を回っていた。


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