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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期
802
:
64
:2005/06/08(水) 18:18:13 ID:IrFv4z8Q
「オラッ!!」
懸命に三綾が手を伸ばすが、変化するサーブには届かない。6−3。
「オラァッ!」
「聖ちゃん!左!」
「はっ!」
―――ぼんっ!
聖がボールを上げる。
「聖のやつ…まだそんな体力が…」
しかしもう体力は完全に切れているようだ。肩で息してるし、呼吸の乱れも激しい。
この状態では強烈なスパイクも打てないだろう。
「えいっ!!」
―――ばしっ!
「な!?」
(三綾がスパイク…!?)
完全に虚を付かれた。6−4。
「私がサーブ撃つよ」
「大丈夫?」
「聖ちゃんは休んでて」
(私だって…)
「えいっ!」
三綾のサーブは俺のに勝るとも劣らないひょろひょろサーブだった。
いくら運動音痴の俺でもこれは取れる。絶好球だ。
腕を伸ばしてトスしようとしたその時、
「あー!足が滑ったぁぁ!!」
―――ずさぁぁぁぁぁぁぁ!!
「ぶほぉっ!?」
聖のスタンディッパーFRCが炸裂した。砂が目やら口やら鼻に入りまくる。
口の中がジャリジャリして痛い。
「ぶ…ごふっ!ごほっ!」
「何やってんだ馬鹿!!」
永園の叱咤が飛ぶ。6−5。
「反則だろ!!」
「だから滑っちゃったんだってば」
「思いっきりスライディングしてたじゃねぇか!!」
くそ…聖のディッパー青は警戒する必要があるな…。
「えい!」
三綾のへろへろサーブが飛んで来る。普通なら余裕で取れる球だが……聖のスライディングがある。
「永園!前に出ろ!2人で掛かるぞ!」
「言われるまでもねェ!」
聖はどちらか一方しか潰せない。俺を潰せば永園が、永園を潰せば俺がスパイクを決められる。
このへろへろサーブだ。俺でもダイレクトで打ち返せる。
もし聖がスライディングすれば体勢も滅茶苦茶になるから、返すのは不可能だ。
(さぁ、どっちを潰す!どっちを潰しても結果は同じだ!!)
―――ゴンッ
鈍い音が海岸に響き渡った。
聖はスライディングしなかった。だから俺は構わずボールに向かって飛んだ。
―――永園も飛んでいた。
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