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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

77464:2005/06/06(月) 17:52:50 ID:EFK/z5iY
「はっ!」

それでも聖ちゃんはボールに向かって飛んでいた。並外れた反応。

―――バシィッ!

渾身のスパイク。ついに切り返せた。1−7。

「ごめんね…ちゃんとトスできなくて…」
「ドンマイドンマイ。あれぐらいズレたって全然平気よ」
「ありがとう聖ちゃん…それにしても、なんであのサーブが見えたの?」
「見えたんじゃないよ。読んだだけ」
「読んだって…落ちる場所を!?」
「アイツら、ちゃんとセオリー通りにコートの空いてる所狙ってきてたしね。
 わざとコートに隙を作って誘導したってワケ。
 結構時間は掛かっちゃったけど、これから逆転してやるわ」

・・・

宣言通りに聖ちゃんは強烈なジャンプサーブを次々と決め、9点取ってしまった。
最早私の出番は無いのだろうか。

「聖ちゃんはやっぱり凄いね」

本当に凄いとしか言いようが無い。

「ん…?な、なに?ごめん…聞こえなくて…」
「聖ちゃん?」

見ると汗だくで顔色も悪い。かなり辛そうだ。
よくよく考えてみれば当然だった。
実はビーチバレーという競技は想像より遥かにハードなスポーツなのだ。
足元は細かい砂で、少し動くのにもかなり体力を使う。
ましてや走ったり飛んだりボールを打ったりである。疲れないハズが無い。
さらに追い討ちを掛ける真夏の炎天下。
しかも私が運動音痴なせいで聖ちゃんにはかなり負担が掛かっていた。
今の試合も本気のジャンプサーブを連発しなければ勝てない相手だった。
相当に体力を消耗してしまっている。

「大丈夫!?」
「へ、平気…。次は決勝だし…ちょっと休めばこんなのすぐに…」

「それでは決勝戦、チーム『マッセ』 VS チーム『見誤ったな』の試合を行います!!」

「え…?なんでそんなに早いの!?」
「松瀬のチームは相手が棄権したんだって。たしかチーム『イクゼキューター』とか言ってたよ」
「ふ〜ん…そう言うこと……棄権するのも頷けるわ…」

「両チーム!コートへ!」

「聖ちゃん大丈夫…?」
「平気だって…緒土をぶっ倒して優勝するわよ」

スポーツドリンクを一気に飲み干すと、聖ちゃんはコートに入って行った。

(大丈夫かな…)

「さぁ本日のビーチバレー大会もついに決勝戦です!!
 初戦は敵に怪我を負わせ、2回戦は不戦勝!ここまで運だけで勝ち上がってきた、チーム『マッセ』!
 対するは今大会人気絶頂!人間離れした運動神経を持つ「江辻 聖」を擁する、チーム『見誤ったな』!
 初戦も2回戦も熱い試合を見せてくれました!期待が掛かります!
 優勝チームにはトロフィーと金一封、そしてディズィーランドの無料入場券が授与されます!」

ディズィーランド…海外にまで進出してたんだ…。

「誰が『運だけで勝ちあがってきた』だ!!」

松瀬が吼える。

「事実でしょ?」
「ふっ…分かってないな聖。これから俺達の真の実力をとくと見るがいい」
「テメェは俺の足をひっぱるんじゃねェぞ」
「お……」

―――ピィーーーーッ!!

「それでは決勝戦を始めます!!サーブはチーム『マッセ』から!!」


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