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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

74964:2005/06/03(金) 17:51:16 ID:NlAuUQls
「…トスしたボールがあんなに前に飛ぶなんて…反射角度もそんなに大きくなかったのに…」
「まぁまぁ。そんなに気にすんなって」
「ん〜?何か忘れてるのかなぁ?」

「はっ!!」

―――ぼんっ!!

またアンダートスを試みる。
今度は想定よりも遥か後ろにボールが飛んだ。ラインを割ってしまう。
4−0。

(なんで?)

計算に狂いは無い。何か情報を見落としている。そうとしか考えられない。なら何を見落としているのか。

また金髪がボールを高く放る。

(―――!)

微妙に回転している…?
そうか、ドライブサーブを打っていたのか。ならボールの回転速度を計算に入れて…

―――ぼんっ!

最高のトス。ボールの回転も考慮に入れた。完璧な座標にボールを上げる。もう彼女のサーブは見切った。

「みっさー!」
「よっしゃ!後は任せろっ!」

―――バシッ!

みっさーの打球はあの金髪には及ばないが、それでもかなりのスピードだ。

「えいっ!」

三綾 俣奈(って名前だったと思う)に受けられるはずもなく、アンダートスを思い切り外してしまった。
"外した"……触れてもいない。
4−1。
ぼくの目に狂いは無かった。三綾はあの金髪より運動神経が悪い。いや、比べるまでも無い。
相当な運動音痴と見て間違いない。

「みっさー、サーブ頼んだよ」
「みっさー言うな。殺すぞ」

―――ぼんっ!


"みっさー"が恐ろしい台詞と共にアンダーサーブを放つ。
さっきの強力なスパイクを見る限り、オーバーサーブを打ってくると思ったのに…。
球威も球速もそこまで強くない。

(これなら私でも…!)

「えいっ!」

―――べちっ

「わ!?」

見間違いだったのだろうか。
アンダートスをしようとしたが、ボールが僅かに浮き上がって私の顔面にヒットした。

「あ、悪い!ワザとじゃないんだ!」
「あ、大丈夫です!大丈夫!」

球威は大して強くなかった。痛くない。それより、一体どうして浮き上がったのだろう?

・・・

「ま、間違いないッ!!あれは…ホップサーブ!!」
「あ?なんだそりゃ」
「 説 明 し よ う ッ ! !
 まず聖が撃ったドライブサーブ!これはボールに強烈な順回転を掛けることによって
 相手の手前でボールが急激に落ちる変化球を打つことが出来るのだッ!!
 そして今相手が撃ったのがホップサーブ!
 これはドライブサーブとは逆の回転を与えることによって、
 相手の手前でボールを浮き上がらせるのが可能なのだッ!!
 ちなみに熟練者でないと効果的なホップサーブを打つのは難しいぞッ!!」
「松瀬くん…いつからそんな解説キャラに…」
「役に立たねぇ知識ばっか豊富な奴だぜ……」


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