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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

73164:2005/06/01(水) 17:45:28 ID:TSS5duvg
早くも4点も相手に与えてしまった。しかも全部俺のミスのせい。
是が非でも入れなければならない。見た目は多少悪くなるが、アンダーサーブに変更だ。

ぼんっ!………ぱすっ……

へろへろろ飛んでいったボールはネットに引っ掛かってしまった。ギャラリーからまた笑い声。

(ちくしょう…筋トレでもやってりゃ良かった…)

「とぉー」

(トスだ…今度こそッ!!)

―――ぼんっ!

アンダートス成功。ボールが天高く舞い上がる。
タイミングを見計らって永園が飛び上がろうとした…そのとき

「シュリケーン!!」
「なッ!?」

黒い手裏剣が永園の頬を掠めて行った。バランスを崩し、永園が地面に落ちる。

「野郎…いい度胸してるじゃねェか…」

永園が相手を睨みつける。しかしチーム『紙忍者』の面々はニヤニヤと笑っているだけだ。

「ムカツクぜ…」

6−0。ビーチバレーは1セット9点が一般的。勿論この大会でもそうだ。
後3点入れられたら終わり。なんとしてでもサーブを入れなければ…

「はッ!」

気合を入れて放ったサーブは球威十分。しかし方向は相変わらずだった。
7−0になる。
相手のサーブを何とか返そうとするが、俺も永園も手裏剣に阻まれて全く手が出せない。

「糞が…反則ばっかしやがって…!」

そしてついに8−0。マッチポイントである。このサーブを外せばその瞬間に負けが決まる。
仮に入れたとしても忍者共に勝てるとは思えない。
でもやるしかない。諦めたらそこで試合終了ですよってどっかの偉い人も言ってた。諦めちゃ駄目だ。
これが最後のサーブになったら死んでも死にきれない。入れてやる。

「はッ!!」

―――バシッ!

スピードも威力も頼り無いサーブだった。でも方向はバッチリだ。ネットも辛うじて越えている。

(入った…!)

「TOO LATE!!」

しかしそこにはギル高の誇る忍者。一瞬で落下地点まで転移する。

(マジかよ……くそ!ここで負けるのってのか!?)


          シッショー!!


―――まさか。

ありえない。会場にいる全員がそう思った。
だってアレだぞ?ビーチボールが腕に当たっただけだぞ?ビニール製で、滅茶苦茶やわらかい。
しかもアンダーサーブで球威もかなり弱かった。虫も殺せないようなボールだ。

「HEY!!DOCTOR!!COME ON!!」

もう一方のチームメイトが血相変えて医者を呼ぶ。
白衣を纏ったドクターがすぐに駆けつけ、生徒に聴診器を当てた。

「明日が峠です」

こうして俺達は一回戦をなんとか突破できたのだった。


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