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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

720前スレ566:2005/05/30(月) 23:16:32 ID:6DsBNTB.
がごっがらがらがんっっ・・・からからから・・・・


台の向こう側から聞こえる、何か金属製のものを蹴り飛ばしたというような音がしました。
怒鳴り声と、制止する声、他に悲鳴やら野次やらも聞こえます


『あぁぁ・・・・・・くそッ・・・・』
―――虚脱感。
怒りによって、もたらされた力、あれはどれほどの無謀であろうとこなせそうなものだった。
その怒りが沸騰するのを止めた今、俺の中に残るもの。

レバーを握る手は汗にまみれて震えており
ボタンを押す指には全く力が入らない
背筋には怖気が走り
下半身の筋肉は、いったいどれほど硬直していたのかガクガクと膝のように笑っていた

怒りはなくなったというのに。
これっぽっちもすっきりなんてしない。
ただただ、嫌悪。
あらゆるものへの、嫌悪。
周りから注がれる視線が、全て軽蔑にしか感じられない。
中段を打とうか、投げようか、下段を打とうか
そんなことを考えた瞬間に思考が止まり、気持ちが悪くなる
たまらず、俺は捨てゲーした。


翌朝以後も、その感覚は伊津に残り続けました
攻めることができない、高校の二人組みにすら勝てない、
ジョニーのダイアグラム最低迷の時期の始まりでした

・・・もっとも、その時期のおかげで、伊津の防御技術は広がりを見せたのですが
最初の頃の負けっぷりは、語るのもはばかられる程です
せめてその一部でも伝えるために

60R程戦って、ダスト被弾率100パーセント

とだけ言っておきましょう


―――そして、体育館にいる、今の伊津達。


沈黙。

全くの、静寂。


あぁ、そこら中でギルティやってんのに。
聞こえやしない。

ひきぅっ

伊津の口から、細く・・・しかし急激に息を吸い込む音が聞こえました


<・・・っ>


迎は、伊津の左手を右手で包み、左手と右頬と右肩でしなだれかかります

<・・・っ・・・!>


強く、その存在を自覚させるかのように俺の右手が握られる。
暖かい。
隣にいる。
誰かが隣にいる。それだけで
泣きそうなくらい胸がシクシクしているけど
泣きそうなくらい胸がジンジンしているから
大丈夫。泣かない。

隣の優しい誰かに目を向けた

旋風の唇が動いている。苦しそうな目で見つめてる。
何か言っている。

聞こえないけど
旋風が何か言っているのだ
その小さな唇を振るわせながら
旋風が何か言っているのだから
・・・落ち着かないと。



『ありがとう・・・なんとかなった』
力の無い声でしたが、迎は聞こえたらしく、そっと離れました

<・・・戦えそう、かな?>
『・・・・・・少しは、な。まぁ・・・今までやった奴らには、完封されるだろうけど』
<ん・・・一緒、には?>
『あぁ、大丈夫。これなら、アドバイスはできる。そういうのに特化した状態だからな。』

<じゃあ、よろしく・・・お願いします。――――師匠っ♪>
迎は壁から離れ伊津へと向き直り、ぺこりとお辞儀をしました

互いにやんわりと苦笑いしながら、再び対戦相手を探しにでる二人でした


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