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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

68364:2005/05/24(火) 20:37:56 ID:.aDz1V2o
「全員戻ってきたか?カードを回収するぞ」

雁田が生徒を1人ずつ呼ぶ。

「松瀬」
「はい」

雁田がカードを繰って点数を数えていく。
しかし最後のカードを見るなり、血相を変えた。

「ちょっ、おまっ……」
「どうしたんスか?」
「どうしたもこうしたもねぇ…お前この『10』のカードをどこで…」

雁田の声が無声音になる。俺も調子を合わせたほうがいいのだろうか。

「どこでって…右に貰ったんだ」
「…勝ったのか!?」
「いや、負けたよ。でも右が『楽しませてくれた礼だ』ってさ」

その後雁田は何度も俺の顔とカードを交互に見ていた。

「合計28…か…」
「高いのか?」
「暫定1位とだけ言っておこう」

もしかしてこれで今までのテストの遅れを取り戻せたか?

「良し、もう行っていいぞ…次!三綾 俣奈!」
「あ、はーい!」

・・・

「これでテストも終了だ。お疲れさん。
 これから修学旅行だし、溜まったストレスとか晴らして来い」

そう言えばハワイとか言ってたっけ。うはー夢が広がりんぐ。

「じゃあ今日はこれで解散!」

雁田がそう言い終えるや否や教室は生徒のはしゃぐ声で埋め尽くされた。
ハワイかぁ……俺あんま泳げねぇんだよな…。クロールがギリギリ出来るかどうかって所だ。
それ以前に身体がヒョロい。あんまり人目に晒したくない。

「ハワイか〜いいねいいねぇ〜」

俺とは対照的に聖は明るい。こいつは泳げないなんてことはまず無いだろう。運動神経いいし。
何でもこなしそうだ。

「聖ちゃん嬉しそうだね」
「そりゃ嬉しいに決まってるわよ。毎日ギルティ漬けだったからねー
 久し振りに体動かせそうだし」
「聖ちゃんどんな水着持ってるの?」
「ん?あたしはねぇ…」

(い、いきなり破廉恥な会話を始めやがってコイツら…!)

いくら根っからのギルヲタとは言っても、俺も男だ。
しかも思春期ド真ん中の高校生。
果てしなく広がっていきそうな妄想を必死に押さえ込む。

(もちつけ!!)

この時点ですでに落ち着きを失っている。
前述したが、俺は重度のギルヲタだ(多分この学校の人間は少なからずそうだと思うが)
ぶっちゃけ女に対する免疫なんて全く無い。中学の時に派手に鼻血を噴いたこともある。

「緒土、なに顔真っ赤にしてんの?」
「え!?」
「あ〜さてはアンタ……どうしようもないスケベね」
「ち、違うっ!俺は必死に抑えてたんだ!!」
「抑えてたって事はやっぱり…」

聖の顔に薄い笑みが広がる。

「セクシャルハラスメント反対!!」
とか叫んでやりたい所だが、こう言う局面では何故か男の方が不利になるケースが多い。
例えこちらが正論を唱えていようとも。

「あ、兄貴…もしかして俺の裸体を想像して…」

鳥肌が立つ。

「てめーは黙ってろッ!!」

いいような無い不安。大変な修学旅行になりそうだ。


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