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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

410169:2005/05/07(土) 00:12:47 ID:WXhBS37s
401の続きです。

私はそれから、暇があるとゲームセンターに行くようになった。
人がいないときを見計らって練習を積む。
私のキャラはジョニー。色々使ってみて、一番しっくりきたのはこのキャラだった。
織那君と一緒というのは偶然である。
ある日、そんな私に乱入が来た。
この時間帯は誰もいないはずなのに。
相手が選んだのはエディ。私が使ったときはそんなに強くなかったから、大丈夫だろう。


完敗だった。相手は空中で長い蹴りを出してくるだけ。
それに無理に対応しようとしてダウンを奪われてしまう。
そこから回転のこぎりのような攻撃を重ねられて崩されて終わり。
3ラウンドすべてパーフェクトに近い内容だった。
だが、それが逆に私のやる気を出させた。
私は負けず嫌いだったらしい。しかも、人と競争するということは初めてだ。
でも、自分じゃどうすればいいかわからない・・・どうしよう・・・

織那君に聞けばいい。明日、聞いてみよう。

二限目になっても織那君はこなかった。明日は来るだろう。

今日も来ない。
今日も。
今日も。
今日も来ない。

それからしばらくして、彼は親の都合で転校したことを知った。
それでも私はギルティをやめなかった。
むしろ、ハードとソフトを買って練習するようにまでなった。
そのお陰か、卒業する頃にはあのゲームセンターに敵はいなかった。
それでも私は強い相手を求めた。自分でもこんな感情があるんだと驚いた。
そして私は思う。ギル校に入学したい、と。
ゲームセンターにパンフレットがあったので持って帰って読んでみた。
その内容たるや凄まじい。まさかこんな学校があるとは。
入学資格は、中学校卒業と書いてある。
行ける。行きたい。とにかく行きたい。
だが親は許してくれないだろう。その夜。

「露兎・・・お前、最近ゲームセンターに行ってるようだな」
バレた。今までバレなかったのがおかしかったんだろうけど。
「そうですけど・・・なにか?」
「もう行くな。お前には害しかもたらさない。ゲームなんぞやるな」
「嫌です」
「なっ・・・親の言うことが聞けないのか!」
「親、ですか?今まで退屈でしょうがなかったのに、唯一の見つけた趣味さえ奪うのですか?それが親なんですか?」
「う・・・む・・・」
父は押し黙る。
「いい加減にしなさい。お父さんはあなたのためを思って」
「違うでしょう?お父さんが思っているのは自分のためでしょう?社長の娘がゲームセンターなんかで遊んでるとわかったら恥になるからでしょう?」
二人とも黙る。だが、流石に一筋縄ではいかない。
「ふむ・・・わかった。ゲームセンターに行くのは勝手にしろ。だが、高校、大学は私達が決めたところに入れ。」
「悪いけど、それはできないわ。私、ここに行きたいの」
バサッ、とギル校のパンフレットを机の置く。
「お前、ゲームの学校なんか・・・一体どうしたんだ?」
「どうもしてないわ。やりたい事が見つかっただけよ」
「お前のやりたい事などどうでもいい。とにかくこんな学校は許さんからな!」
「どーして!?世間体がそんなに大事なの!?」
「世間体などと言った問題ではない!ゲームの学校なんざ入って、将来どうするんだ!」
たしかに、そう言われたら答えようもない・・・
「ほら見ろ。お前は遊びたいだけなんだろ?」
「違うわ!そんなことない!」
目に涙が溜まる。自分のやってきたことが否定されたようで悔しかった。
「父さん、母さん、いい加減にしないか。」
「お兄ちゃん・・・」
二階まで叫び声が届いていたのか、兄が姿を見せる。
「露亞、お前までそんなことを」
「もう露兎は十分父さんたちのためにがんばっただろう?やりたくもない習い事にいかされて遊ぶ暇なんかなかったんだよ。でも父さんたちはそれを承知で強要してた。」
「あ、ああ・・・」
「露兎は父さんたちの人形じゃないんだ。敷かれたレールを歩く人生を露兎は拒否した。なら、露兎の好きなようにさせてあげようよ。どうしてもというなら僕が大学を辞めて今すぐ会社を継いでもいいよ。」
「・・・わかった。露兎の好きなようにさせる。まだお前には会社を譲らんよ。私はまだまだ若いからなw」
この家に、久しぶりに笑い声が響いた。
「お兄ちゃん、ありがとう・・・」
「あっち行っても、がんばれよ」

数日後、私のギル校入りが決まった。


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