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Sammy社立ギルティ専門高等学校二学期

27764:2005/04/25(月) 19:43:05 ID:QQcLtxnQ
「気分転換だよ」

のほほんと言う。何も考えてないなこいつ。

「独りでいけ」
「松瀬も一緒」
「なんで俺がそんなところに行かなきゃならんのだ」
「ふっふっふ〜実はねぇ、明日私の誕生日なんだ〜」
「だから?」
「祝って」

こうもストレートに誕生日を祝ってくれと言われると流石に反応に困る。

「それにね、松瀬は私の言うことは絶対聞かなきゃいけない理由があるんだよ」
「な、なんだよ?」
「この前松瀬が風邪引いた時に看病してあげたでしょ」

そう言えばそんなことあったっけ…。
ま、別にいいか。三綾には本当に世話になったし、恩返しの一つや二つするのは当たり前だよな。

「わかった。俺もお前に何かお返ししないといけないもんな」
「ほんと?」
「ああ、好きなところに引きずりまわしてくれ。どこに行くんだ?」
「じゃあね、私ディズィーランドに行きたいな。ミッギーマウス凄くかわいいんだよ」

―――ミッギーマウス―――!?

「三綾さん、それは駄目ですよ!!」
「なんで?」
「ミッギーマウスとか言っちゃ駄目ですよ!!版権ギリギリじゃないですか!!」
「ん?なにが?ディズィーランド駄目なの?版権って何のこと?」
「ああああああああああああ!!だから言っちゃ駄目だってぇぇぇぇ!!
 早く撤回して下さい!!怖い人達が来るー!!」

あまりのショックでキャラがおかしくなる。

「ミッギマウス♪ミッギマウス♪ミッギミッギマウス♪」
「おおおおおお願いやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

・・・

次の日―――

俺はディズィーランドに来ていた。
入り口の前には精一杯お洒落した三綾が立っていた。一瞬誰だか分からなかったくらいだ。

(…って、あれ…?あいつ誰と話してるんだ?)

三綾は男2人組みと話していた。紙野?郁瀬?いや、ちがう。見た事無い。

「おい三綾ー!」
「あ、松瀬おそ〜い!」

俺が三綾に話し掛けると、男2人組みは顔をしかめて去って行った。

「時間通りじゃねぇか」
「えへへ、言ってみたかっただけだよ。じゃあ行こっか」
「今話してたヤツら誰だ?」
「ん?一緒に遊園地行こうって言われたの」

ナンパか。こいつ良くDQNに声掛けられるな…騙されやすそうな顔してるもんな…。

「でも断ったから大丈夫だよ」
「当たり前だ」

俺たちは版権ギリギリの名称の遊園地へ入った。
中には長髪で2足歩行のネズミがあちこちにいた。
三綾はその奇怪な着ぐるみを見るなり「ミッギーマウスだ〜!」と歓喜の声をあげて走り寄っていった。
多分中の人もビックリしたであろう。いまどき小学生だってこんなものに騙されない。

(っつーかこれ…かわいいか?不気味としか言いようがない…)

俺はそんなことを考えて三綾とミッギーマウスが並んだ写真をとった。(俺の分も取られらた)

「今日はいっぱい遊ぶよ〜!まずは何に乗ろっか?」
「任せる」

遊園地なんて来たのは初めてだ。乗り物とか全然知らん。
それにこんな所にきているのは子供連れの家族やらカップルばっかりだ。
高校生が友達同士2人っきりで来るというのは場違いな感じがする。

「じゃあFUJIYAMAに乗ろっか」
「なんだそれ?」
「ジェットコースターだよ。乗ったことある?」
「いや、ない。そもそも遊園地にきたのなんて初めてだからな」
「じゃあ行こ。面白いよ」
「あんまり怖いのは勘弁してくれよ…」
「ん、大丈夫だよ。日本の数あるジェットコースターでも一番怖くないやつだよ」
「ほんとかよ…」
「だってフジヤマだよ?」

その一言で納得してしまう俺は根っからのギルヲタなんだと痛感した。
だが…チップ=弱いという考えと同時に、チップ=シッショーという考えも脳裏を掠めていた。

(まさかな……)


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