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TYPE-MOONの最萌トーナメント一回戦 Round3

1machine:2002/07/03(水) 19:43
     〃 ̄  ̄ヽ
   ∠/ ノノノ )))       ________________
    /| ヘ| l  l ハ     / TYPE-MOONの最萌トーナメントRound3の開幕です。
   ん| `|、 ワノリ    <  詳しい詳細は>>2-10をご覧下さい
     ,�堯�_ y_,ゞ ̄〕つ  \
     |__,|/    | ̄       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
     ヽつ    |
      |__∧l
      |__l|
      ( y) y)

◆トーナメント表  http://users.hoops.ne.jp/nekomizuki/project/index4.html
◇感想スレ1     http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=1561&KEY=1023535265
◇前スレRound2  http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=1561&KEY=1024669189
◆オフィシャルサイト
 TYPE-MOON   http://www.typemoon.com/
 竹箒        http://www.remus.dti.ne.jp/~takeucto/
 空の境界     http://www.typemoon.com/kara/kara.html
 Magic・Cage    http://www.magic-cage.com/top.html

■画像等の援護射撃はこちらへ■
【画像貼り付け板】
http://isweb14.infoseek.co.jp/play/studio10/ 推奨80KB以下/最大300KB
【お絵かき掲示板】
http://www3.kcn.ne.jp/~cody70/tokisyoujo/oekaki/oekaki.cgi
http://w2.oekakies.com/p/typemoon/p.cgi
http://isweb43.infoseek.co.jp/computer/hyounohi/

922七死さん:2002/07/17(水) 05:08
一子姉も捨てがたい。捨てがたいが..
やぱし<<さっちん>>で。
少女漫画に出てそうな感じがねー。

923七死さん:2002/07/17(水) 07:18
http://www16.u-page.so-net.ne.jp/zb4/fbird/satuki/index.html

さっちんSS大量ナリ。うおーー

924七死さん:2002/07/17(水) 08:05
<<乾一子>>。
姉上だから。
密かにショタだと思っているから。
庁内LAN。

925七死さん:2002/07/17(水) 08:31
<<弓塚さつき>>
がんばれ、さっちん!

926首切りななι:2002/07/17(水) 08:57
あまりに不幸な<<弓塚さつき>>に一票。
さっちんシナリオ激しくキボンヌ!

社内光ケーブル・・・かな?

927七死さん:2002/07/17(水) 09:23
<<弓塚さつき>>に一票。俺もシナリオきぼんぬ。
月姫じゃ一番萌えだよ〜。

当方CATV

928七氏さん:2002/07/17(水) 12:20
<<弓塚さつき>>に一票〜。さっちんシナリオマジで実現してくれー。
同人誌だと、ひなたぼっこ倶楽部のさっちん本がすごくお気に入り。
月姫のヒロインでは最萌キャラです。なのに不憫すぎ。。。

929七死さん:2002/07/17(水) 12:57
<<弓塚さつき>>に一票。
イチコさんも好きだが,さっちんは別格なんで。

>>928
ひなたぼっこ倶楽部のふらふら氏の描くさっちんは最高ですよね。
自分的にはHPのWeb漫画の「てのひらの宇宙」が好きっす。

930七死さん:2002/07/17(水) 13:04
あまりにも不遇な扱い、だが、それすらも魅力。
<<弓塚さつき>>嬢に一票です。
いつか彼女に、日の当たる場所で活躍する機会が与えられる事を願って・・・

当方ADSL

931七死さん:2002/07/17(水) 13:21
<<弓塚さつき>>嬢に一票。
ツインテール(;´Д`)ハァハァ

当方ケーブルです。

932七死さん:2002/07/17(水) 13:49
<<一子>>さんに一票〜。

既出かもしれませんがSSサイト支援
ttp://moongazer.f-o-r.net/himejou/dry_1.htm
ttp://moongazer.f-o-r.net/himejou/one_1.htm
ttp://www5d.biglobe.ne.jp/~sini/SS/kaisyou.htm

933七死さん:2002/07/17(水) 14:12
「さっちん祭り」が行なわれているという、スレッドはここですか(笑?

いえ、それにしても物凄い支援の嵐ですなぁ。
間違い無く、本トーナメント開催史上最大の数ではないかと。
しかも、現在進行形・・・(汗。

何気に、ここまでの支援まとめをして見ますと
先ず「画像Upload掲示板」

http://isweb14.infoseek.co.jp/play/studio10/cgi-bin/imgboard.cgi

に、さっちん党さんの「ぶるまさつき(?)」と
SS金物氏による、さつき支援画像の大量貼り付けが(「はじめのさつき」がツボでした)。

そして「TypeMoon最萌お絵かき板」

http://www3.kcn.ne.jp/~cody70/tokisyoujo/oekaki/oekaki.cgi

には、龍也さんによる「瀕死のさっちん(勝手なタイトルごめんなさい)」と
林 1貴さんの「弓塚殺き」の画像が描かれ、

さっちんSS支援は
>>890 七視さんによる「さっちんの支援SS②」
>>895 偽洗脳探偵さんの「切な系SS」
>>914 奇譚氏の『さっちんのちょっと長い散歩』
が投下、

>>923 で七死さんにより、「さっちん小祭り」への外部リンクが貼られる
といった豪華さ(滝汗。

あ、そろそろ本スレッドが950に達して、次スレッドに移りそうですので
支援まとめは次スレッドで貼った方が良かったカモ(ぉ?

934七死さん:2002/07/17(水) 14:15
一目惚れでした。
ぜったいに、最初のプレイは彼女を狙おうと思いました。
なのに・・・なのにどうしてシナリオがないんだ!?さっちん!?

そんなこんなで悲劇のヒロイン<<弓塚さつき>>に一票。
当方CATV

935七死さん:2002/07/17(水) 16:52
<<弓塚さつき>>に一票。
酔夢月を見て、四季×さっちんってのもいい感じかなとか思ってみたり…。
当方、ADSLです。

936七死さん:2002/07/17(水) 17:01
<<弓塚さつき>>に一票
何故だぁっ、何故彼女のシナリオがないんだよぅ(号泣
きっと月姫再販の再に彼女のシナリオが追加されたら知り合い全員分を買って配ってでも欲しい…
俺の中の月姫で最も萌えたキャラは同着で翡翠とさっちん…

937はね〜〜:2002/07/17(水) 17:17
もしこれほど好きにならなかったなら、こんなに悲しい思いをする事も無かっただろうに。
どうしてこんなに彼女が好きになっちゃったんでしょう。
好きです。大好きです。シナリオが無いのは悪夢以外の何者でもありません。

月姫一どころか、私のやった全ゲーム中で1・2を争う<<弓塚さつき>>に、もちろん
私は1票!! 我が愛の全てをさっちんの為にっ!!

938七死さん:2002/07/17(水) 17:43
(この手のアカは、もう取れないのかな……)
 青白く射しこむ月光の中、わたしはぼんやりとそんなことを考えていた。
 
 喉が渇いて苦しくて、それが充たされた夜のこと。
 はじめて、ひとをころした夜のこと──。
 
 
 
『銀色』風。例によって萌えポイントが違いますかそうですか。
 いいんです、好きだから。<<弓塚さつき>>に一票。
 当方社内LAN。

939七死さん:2002/07/17(水) 18:12
<<さっちん>>愛してる!
他に何と言えと!

940幾田:2002/07/17(水) 18:26
<<乾一子>>さんにいっぴょお〜。
おねーさま大好きですよ!!
乾姉弟バンザーイ!!!

941七死さん@萌え:2002/07/17(水) 18:47
<<さっちん>>にいっぴょう!

当方CATV

942七死さん:2002/07/17(水) 19:14
<<乾一子>>。さんにいっぴょぉー
おねーさま好きにはたまらないですよ。
きっと○貴くんの筆下ろしも…(ハァハァ

当方えあーえっじでふ

943クラスメイト:2002/07/17(水) 19:55
<<さっちん>>に一票
さっちんloveです

944琉皇:2002/07/17(水) 20:07
<<乾一子>>に1票。
一子お姉様好きです。

945セリア:2002/07/17(水) 20:17
<<弓塚さつき>>に一票。
あえて何も言うまい。
ただ、ラヴとしか言えない(ゑ

ADSLです。

946七死さん:2002/07/17(水) 21:29
<<弓塚さつき>>に一票。
誰よりも思い続け、そして誰よりも報われなかった
その儚さに心打たれて。

947七死さん:2002/07/17(水) 21:44
<<弓塚さつき>>に一票。
もはや「萌え」の一言では表せない。
当方ADSL。

948はね〜〜:2002/07/17(水) 21:48
こうやって、支援SS行きま〜す、って書くの本当に久しぶりだなぁ……。
では、さっちん支援の「日陰の夢」行きます! 月姫リンクで既に登録されてる物を
手直しして投下させて頂きます〜。長さは……10レスくらいでしょうか(汗)

もし、月姫本編での路地裏で、秋葉ではなくさっちんを選んでいたら……。というお話
です。それでは行きます〜。

949はね〜〜:2002/07/17(水) 21:52
【日陰の夢】


 俺は遠野志貴。遠野家の長男で高校2年生、のはずだった。つい1ヶ月までは……全てはあの日に遡る。そう、全てが変わったあの日。
「志貴君、どうしたの?」
「いや、なんでもないよ」
 そう。俺にとっての大事な約束をした日。
「ちょっと、昔の事を思い出しててね」
「ねえ、志貴くん……あのときの事、後悔してない?」
 もう何回聞いたか分からない質問。そして、いつも同じ俺の返答……。
「他の全てを後悔しても、あの時の事だけは後悔しないよ」
「うん……ありがとう。今、すごい大変だけど、でもつらくないよ。側に志貴君がいるんだもん」
 それは俺にとってもそうだ……他には何もいらない。
 俺は君のために他の全てを捨てたんだから。
「俺も、弓塚さんがいれば……」
「もう! 一体いつになったら私のこと『さつき』って呼んでくれるの? もうかなり長い間一緒にいるのに!」
 俺はいまだに弓塚の事が名前で呼べずにいる。慣れというのは恐ろしいものだ……でも、正直名前で呼ぶことに何と言ったらいいのか、理由をうまくはいえないがまだ抵抗がある。
「ごめん。どうにもまだいまいち慣れなくて。まあ、時間は無限に有るんだからゆっくり行こうよ」
「うん……そうだね。でも、はやく名前で呼んで欲しいなぁ」
 そういって上目遣いに僕のほうを見る。どうにも俺は弓塚に、こういう目で見られるのが弱……。
「って、弓塚さん! 力使ってない?」
「あはは、冗談。でも志貴君のほうが力、強いんだからあんまりきかないでしょ?」
「もう……」
 吸血種と呼ばれる存在にはいろんな力がある。その内の1つに自分の目をみた相手の意志を一時的に操る『魔眼』という能力もそのひとつ。でも、元は俺も弓塚も人間だからそんなに大きな力ではないけど。

950はね〜〜:2002/07/17(水) 21:53
「弓塚さん、そんなことよりそろそろ夜だよ。気は進まないけど行かないと」
「あ……うん」
 そして、元は人間だったものが吸血種になった場合は……生き続けるために人間の血を吸わなければならない。そうしないと体が急速に崩れて生きていけなくなるのだ。
 かくいう俺も他人の血を吸うのが嫌で最初は我慢しようとしたけれど。あれは耐えられるなんて次元のものじゃなかった。
『食事なんて言えば聞こえはいいけど、早い話が人殺しに行くんだよな』
 そう俺は考えずにはいられなかった。
「でも、もうすこし経ってからの方がいいよ。まだ明るいもん」
 弓塚の言うとおりだ。結局、俺達はその間寝る事にした。でも、俺はあまり寝るのが好きではなくなった。夢で見るものは大抵いつも悪夢なのだから……。
 屋敷のみんなは一体どうしているだろうか。前に住んでいた街から遠く離れて別の国に来てから、秋葉や翡翠、琥珀さんの事はもう俺にはさっぱりわからない。
 やっぱりみんな、俺はもう死んだと思ってるんだろうか? そんなことを考えているうちに俺はいつのまにか眠りについていた……。



『弓塚さん俺の血を吸ってくれていいよ』
『えっ……志貴くん? ……本当に……いいの?』
『いままでその為に追い掛け回していたのに、どうしてここで遠慮するかな、弓塚さんは』
『だって、そうだけど、そうしたら志貴くんは……』
『いいんだよ。これで今度こそいつでも君を助けられる』
『志貴くん、志貴くぅん……私……わたしっ!』
『これで、ずっと一緒だ……弓塚さんずっと寒いっていってたけど2人なら寒くないだろ……』
『うん……』

951七死さん:2002/07/17(水) 21:53
ただ<<弓塚さつき>>に一票を。

不憫だ・・・だが、そこが萌えるのか?(悩

952はね〜〜:2002/07/17(水) 21:54
 シキく……ん……志キくん……志貴君……
 誰かが俺を呼ぶ声で目が覚めた。
「ん、弓塚さん? ひょっとして、もう時間?」
「志貴君、泣いてたよ……どうしたの、何かあったの?」
 そっか。俺は不覚にも夢の中で泣いてたのか。
「懐かしい夢だったよ、あの時の……」
「そうだったんだ……」
 そう、君以外の全てを捨てたあの日の事。あの日からかなりの時間が経ったのに、俺は今でもよくこうしてあの日の夢を見る。
「でも、不思議だよね。あれから私たち結構多くの人の血を吸ってるけれど、誰も私達みたいにならないから。やっぱり本に書いてあるとおりだったのかな……」
 あのあと、俺達2人は色々と吸血鬼について調べてみたのだが、普通は噛まれた上で血を送られたからといって必ずこうなる訳じゃないらしい。事実俺達に血を吸われた大抵の人間はそのまま死んでしまうか、あるいはただの知性を持たない人形となってしまった。
 仮にそうならないとしても、俺や弓塚みたいに一気に力のある吸血鬼までいくのは数百万人に1人くらいらしい。全然うれしくないが。
「だろうね……だとすると俺達は凄い確率の上でこうやって一緒に話してる事になるんだろうね」
「そうかな? 私の場合は単なる偶然かもしれないけど、志貴君の場合は違うんじゃないかな……何かしら人と違う力をもとから持ってる人の場合こうなる率は違うような気がするよ」
 そうだ、俺には前から人の死が黒い点や線のようになって視える、という力がある。その力は今でも……うっ!!
「ぐ……ゴホッ!」
「あ、志貴くんっ!!」
 どうやら、派手に血を吐いたようだ……まったく、少し血を採らないだけでこうなるってのは……
「あんまり話してる場合じゃないよ志貴君、そろそろいった方がいいよ! でも大丈夫……? 私1人で行ってこようか?」
 冗談じゃない、俺はもう二度と君を一人にしないって決めたんだ……第一、ここまで弓塚に人をひきずって来させるわけにも行かない……今の彼女なら簡単にできるだろうが、そんな光景俺は見たくない。

953はね〜〜:2002/07/17(水) 21:55
「大丈夫、これくらい全然なんともないよ。じゃ行こうか……」
 そう言って、俺は無理矢理に笑顔を作って立ち上がる。
「あ、うん……」
 不安げな弓塚の表情は変わらなかったけれど……そうして俺達は夜の街に出た、獲物となる人間を狩るために……。


 ゴキンッ!
 首の折れる音はいつ聞いても嫌な音だ。目の前にはさっきまで助けをこうていた女性が死んでいるし、横にはさっき殺した男の死体が転がってる……。
 もう何十回と繰り返してきた光景が目の前に広がっている……そうして血を吸い尽くした後にはさっきまでの体の痛みは嘘のように消えた。
「終わったよ……」
「うん、こっちも」
 俺が4人、弓塚が3人……全部で7つの血を抜かれた死体が転がっている……抵抗しようとした者も
いたけど俺達に敵うわけがない。
「志貴くん、痛みの方は?」
「大丈夫、すっかり消えたよ……」
 既に罪悪感なんて非常に薄くなってしまっている。もし、毎日肉や魚を食べる度にいちいち罪悪感なんて覚えていたら気が狂ってしまうに違いない……多分それと同じ事なのだろうか。いや、それともこんな事を考えてる時点で既に俺は狂ってるんだろうか。
「よかった……じゃあ志貴君、そろそろ帰ろうか。ここにいても寒いよ」
「ああ、そうだね」
 そうして俺達がここから立ち去ろうとした時に、何か強烈な悪寒を感じた。
「誰っ?」
「誰だ!」
 2人共同時に振り返る。そこには、神父のような格好をしてそれでいて巨大な剣のような物を携えた女の人が立っていた。

954はね〜〜:2002/07/17(水) 21:56
「こんな近くに来るまで気配がわからなかったなんて……あなた誰っ!」
 確かに弓塚の言う通りだ。並みの野生動物なんかよりはるかに気配に関して鋭い俺達にこんな近くまで存在を気づかせないなんて……
「吸血鬼同士が行動を共にしてるなんて、珍しい例ですね。でも、そんな事どうでもいい事です。汚らわしい吸血鬼よ、滅びなさい!」
 いうが早いか、いきなり巨大な剣のような物がこっちに向かって何本も飛んでくる。
「うわっ!」
「きゃあっ!」
 いきなりの攻撃をなんとか避けたものの、そのせいで弓塚と離れてしまった。
「くっ、何よ、いきなり出てきて!! そんなに死にたいんなら殺してあげるわよっ!!」
 そう言い捨てて、力を解放して使い魔をはなつ弓塚。
「遅いですね……」
 そうつぶやいたかと思うと……正直見ていて俺も信じられなかったが女は弓塚の使い魔の攻撃を簡単
にかわした後、いともあっさりと切り伏せた。
「うそ……」
 まずい! 弓塚、呆然としてる場合じゃない!! 逃げるんだ!!
「死になさい……」
 くっ、させるかっ!!
「弓塚さん、後ろに飛んで!!」
 叫んで、俺は出せるだけの力を出して衝撃波をあの女にぶつけた。
「うっ……」
 まともに食らって吹き飛ぶ女。そして、思い切り壁に叩きつけられる。流石にあれだけ激しく叩きつ
ければ生きてはいないだろう。って、そんなことどうでもいい!
「大丈夫か、弓塚! 怪我は無いか!」
「うん、大丈夫だよ志貴君……。でもこんな時くらいは……さつきって呼んで欲しいな」
 よかった、大丈夫みたいだ。でもさっきの女は一体……。
「!! 志貴君、あれ!」
 どうしたんだろう、弓塚が震えている。そして、俺が後ろをふりかえった時。

955ナナシ:2002/07/17(水) 21:57
951以降は無効ですよね?
チキンレ-ス前にスレッドが移ったようでよかったです。

956ナナシ:2002/07/17(水) 21:58
はね〜〜さん割り込んでしまってごめんなさい

957はね〜〜:2002/07/17(水) 21:58
 どうしたんだろう、弓塚が震えている。そして、俺が後ろをふりかえった時。
「! そんな馬鹿な……」
 そう、確かに即死するだけの勢いで叩きつけたはずなのに、あの女は傷すらなくそこに立っていた。
「個々の力はそれほど大きくもありませんが、連携されると少しきついですね。仕方ありません、一旦出直しましょう」
「あっ、待ちなさい!!」
 ものすごい速さで弓塚さんが間を詰める。けれど、それを軽くよけると、女は夜の街へと俺達よりも速く走っていく。
「次は必ず殺します……」
 最後に俺達の方を見る女の目は氷のように冷徹だった。
「いいよ弓塚さん、追わなくていい……追いつけそうにないから」
 その俺の言葉に一気に気が抜けたのか、弓塚は座り込んでしまった。
「さっきの人なに……あれって絶対人間なんかじゃない。恐ろしいって……初めて感じた……」
「弓塚さん、落ち着こうよ。もうさっきの人はもうここにはいないんだから」
「だって!! 志貴くんがいなかったら……私多分最初の攻撃で殺されてた……絶対に間違いないよ、まだ体の震えが止まらないもの……」
 そういってまだ座り込んだままの弓塚は見ていて気の毒なくらいに震えていた。俺は、そんな彼女を抱きしめずに入られなかった。
「大丈夫だよ、俺がついてる。さつきは僕が守ってみせる……必ず」
「志貴くん……」
 そうやってしばらくいた俺達……。気がつくと、弓塚の体の震えは止まっていた。
「どう、弓塚さん、落ち着いた?」
「うん、ありがとう……でも、なんで呼び方がまた戻ってるの?」
 あ……そうか、さっきはつい弓塚の事、名前で呼んでたのか。
「あ、そ、それは……」
「うふふ、冗談だよ。帰ろうか、志貴くん」
 そして、俺達はこの場所を後にした。
 後ろにあったはずの死体は跡形もなく消えて、灰になっていた。

958はね〜〜:2002/07/17(水) 21:59
「でも、このままこの街にはいない方がいいな」
「うん、そうだね……」
 寝床に戻ってきた僕達はそんな事を話していた。
 俺達は本来やろうとさえ思えば血を吸ったあとに、自分の血をわずかでもいいから送り込む事によって自分の意のままに操れる人形を作る事が出来る。そうすれば、俺達が直接動かなくてもその人形が吸った血を力に代えて本体に送らせる事が出来る……けれど。
 前に試しに何度かやった事があるけれど、あまりにひどすぎる気がして……結局やめにした。でも、やっぱり俺達が直接動くとあんな教会の連中がたまにやってくる。以前は返り討ちにしたけれど。
「でも、前の人と違ってあの女の人……なんであれで死なないの?」 
 そうだ、確かに俺は軽く即死するくらいの力で叩きつけたはずなのに。
「見てたらわかるけど、志貴君、本気であの人に力ぶつけてた……志貴君、私より魔力強いのに……じゃあ……私達じゃあの女の人に勝てないの……」
「いや、なんか違うような気がする」
 そう俺はつぶやく。けっして慰めとかじゃない。確かにあの時あの女は『死んだ』はずなんだ。人の死が視える俺にはわかる。
「考えられるのは、1度死んだ後にものすごい速さで蘇生した、という事だろうか」
「ええっ! そんな私達でも出来ないような事、無理だよ!」
 そう、吸血鬼にだってそんな事は出来ない。でも考えられるのはそれくらいしか……。
「いずれにしても、この街は今日にでも離れよう。夜明けまでにはまだ時間もあるんだし」
 夜が明けてからの行動は俺達にはほとんど自殺行為に近い。だから、動くなら今のうちだけだ。幸い200キロくらいなら本気で走れば1時間も経たずに着く。
「うん。だけど……あ〜あ、結構このお城気に入ってたのになぁ」
 俺達がいたのは中世の古城だった。かなり汚れてたのを、掃除の為に2人で力をフル動員させて綺麗にしたのが少し前。
「どうせあちこちを転々とするんだから又戻って来れるって」
「うん。その時は2人でまた大掃除だね」
 今度、戻ってくるときも必ず2人で戻って来れるように……声には出さなかったけれど、俺はそんな事を考えてこの城を後にした。きっと弓塚も同じ気持ちだっただろう……声に出さなくてもそんな彼女の気持ちがその横顔から伝わってきた。

959はね〜〜:2002/07/17(水) 22:00
『起きなさい』
『ん?だれだ!』
『お前達吸血鬼は不浄の物……消え去りなさい……』
『何だ、お前は誰だ! 断りなく人の夢に出てきて何を……』 
『どこに行こうと、お前達に安息の場などありません』
 そういって振り向く声の主…
『お前はあの時の女神父……』
『人を殺しその血をすする悪鬼よ、お前達の存在は悪そのものです』
『うるさい!お前に俺達の何がわかるって言うんだ!!』
 何だ……何かを手に持ってるように見える……あれは一体なんだ?
『すぐにあなたもこんな風にしてあげますよ』
 そして、手に持ってる物を投げつけてくる。
 それは確かに……俺の愛する弓塚さつきの首だった。



「さつきーーーーーーっ!!!!」
「志貴くんっ!!」 
 そして、お互いに相手の叫び声で目が覚めた。
 でも、本当に夢、だったのか? まるで現実のような。
「志貴君! しきくんっ!!」
 力いっぱい全身でしがみついてくる弓塚。
「志貴くん……本物だよね……生きてるよね……幻なんかじゃないよね……」
「ああ、本物だよ……」
 そういって俺も離すまいとぎゅっと弓塚を抱きしめる。
 どのくらいそうしていただろう……小声で弓塚が話しかけてきた。
「ねえ、私もの凄い嫌な夢を見たの」
「それは奇遇だね、俺もだよ」
 ひょっとして……同じ内容なんだろうか。

960はね〜〜:2002/07/17(水) 22:01
「志貴君の方は一体どんな内容だったの?」
「俺から先に話していいかな」
「ううん私から先に話させて」
 お互いに譲ろうとしない……こんな事は珍しい。
「じゃあ2人一緒に話そうか」
「うん……」
 そして、俺達はせーので、話をした。
「志貴君があの女の人に殺される夢」
「弓塚さんがあの女神父に殺される夢」
 台詞のほとんどがかぶった。
「やっぱり弓塚さんも……」
「志貴君も同じ夢……」
 もう、間違いない、これはただの夢じゃない。
「これは絶対に、あの女神父が悪意をもって俺達の意識に入ってきたんだ」
 聞いたことがある。相手の手がかりさえあれば、力のある者ならその相手の意識に入れるって事を。
「あの女の人……ううん! もうあの女でいいよね!! なんでこんなひどい事!」
「これはすぐにでもここにもくるね、確実に」
「でも、なんでこんなに早く私達の場所がわかっちゃったんだろう」
 そうだ、普通はこんなすぐに場所がわかるはずがないんだ。
「いくら強い力があったって、なにかたどる物がない限りこんな事はできないはずなんだけど……」
「ああーっ!!」
 急に何かに気づいたように大声を上げる弓塚。
「ど、どうしたの弓塚さん?」
「ごめんなさい、志貴くん。私、その、使い魔の体戻すの……忘れてた」
「あ」
 そうか、使い魔っていっても、元は弓塚の体の一部。そっからたどったんならこれだけ早くばれるの
もうなずける。
「ごめんなさい、私のせいで……」
「いや、気にする事はないよ。どうせほっといてもいつか見つかったんだし」
 教会の連中ならどうせどうにか方法を見つけていつか追ってきただろう。早いか遅いかの違いだから別に弓塚が気にすることでもない。この場合早くなっても、こっちになんら影響があるわけじゃないし。

961はね〜〜:2002/07/17(水) 22:02
「しかし許されないな、これは」
「う、うん。そうだよね、私のドジのせいでこんな事になっちゃって……」
 いや、だから違うって。そんな落ち込まないでくれよ。
「弓塚さんを夢の中とはいえ殺すなんて絶対にただじゃ帰さない……」
 あの女、俺を本気で怒らせたな……
「あ……うん!! 志貴君を殺したあの女、絶対に殺してやるんだから!!」
「まあ、夢の中の話なんだけどね……」
 お互い、夢で自分が殺された事はどうでもいいらしい。でも、これで普通に使う気になった……死が視える、この力ならあの女でも耐えられないだろう。
「来るなら今夜、だろうね。むこうとしては可能な限り早く終わらせたいだろうし……」
 時間があけば空くほど死ぬ人間が増えるんだ、当然だろう。
「大丈夫よ、志貴君。本気になった私達の力、思い知らせてあげるんだから!」
 あ、弓塚も本気で怒ってるよ。
「今は7時くらいか。結構長い間寝てたんだな……」
 もう、日の光もほとんど沈んでいる。外に出てもなんら問題ないだろう。
「それじゃあ、今のうちに出よう、志貴君。せっかく綺麗にしたこの家を壊されるのもしゃくだしね」
「うん、そうだね。じゃあ、とりあえず決闘にふさわしい所にでも行こうか」
 と、そこで俺はある事を思い出した。
「弓塚さん」
「ん? どうしたの、志貴君」
 そう、2度と約束を違えたりしないように……その決心をこめて俺は言った。
「君がピンチの時は僕が守るからね、安心していいよ」
「あ……うんっ!」
 そうして、俺達は決着をつける為に人気のいない原野まで向かった。

962はね〜〜:2002/07/17(水) 22:03
そして、待つ事3時間くらいして。
「やっと来たわね……寒いんだからもっとはやく来なさいよっ!!」
「まったくだね、さっさと終わらせたいもんだよ」
 多分、俺達をこれだけ怒らせたのは目の前にいるこの女が初めてだろう。にしても、弓塚がこんなに怒るとは思わなかったけれど。
「おまえたちの都合など、私の知った事ではありません。それにしても以外でしたね……こんな風に、そっちから現われるとは思いませんでした。人質でも取って来る位予想してたんですけどね」
「あ、あのねぇっ!! 私達は、あなたみたいに陰険じゃないわよっ!」
「人を殺して血を吸う化け物に陰険などと呼ばれたくはありませんね」
「う……」
 その言葉に言葉をつまらせて悲しそうな顔をする弓塚。その顔が俺には痛かった。
「いい度胸じゃないか……俺達を甘く見た事、後悔させてやるよ」 
「後悔するのはお前達の方です。今日はこれをもってきましたから」
 そういうや、背中から大きな銃のような物を取り出す女。
「なんなのよ? そのへんな武器?」
「第7聖典、速射可能に改良したもの……といってもお前達にはわからないでしょう……これ以上の話は無意味です。死になさい!!」
 すると、いきなり後方にとんで、弾を撃ってくる!
「うわっ!」
 弾は俺をかすめて後ろにぶつかる、しかし……なんで弾がぶつかった後に聖書になって消えるんだ?
「無茶苦茶だな、はっきり言って」
「お前達の存在の方がよっぽど異常です」
 かまわず、連射して撃ってくる。はっきり言って避けるのもきつい。
「志貴君! あんなのにまともにあたったらきっと……」
 そんな事、言われなくてもさっきからわかってる。本能がずっと悲鳴を上げてるんだから。くそ……せめて単発撃ちだったなら何とかなるのに、これじゃあ相手の懐にすら入れそうにない。
「考え事してる場合ですか」
 その時、一瞬の隙をついて1発がこっちに飛んでくる。
 まずい、このタイミングだと避けられない……それでも、とっさに俺の周囲に気を張ってはじき返そうとしたというのに。

963はね〜〜:2002/07/17(水) 22:04
ボンッ!!
 間に何もないかのように無視して突き進んだ銃弾は、あっさり俺の左腕を吹き飛ばした。
「う……うああああっ!!」
「このっ、よくも志貴君を!!」
「だ、駄目だ不用意に近づいたら……」
 銃を構えなおすと素早く弓塚さんにむけて引き金を引いてくる。
「きゃぁっ!!」
 かわしきれずに、弓塚の右足に思いっきり突き刺さった……。
「弓塚ーーっ!」
「やれやれ、思った以上にてこずりましたね。それじゃあ、先にこの女のほうから……」
「くっ、させるかぁぁっ!!」
 この間以上の、最大の力で力をぶつける。
「その程度では不意さえ討たれなければ、どうということはありません」
 しかし、女神父は微動だにしなかった。
「そ、そんな馬鹿な……」
「でも、あなたの力の方が強いみたいですし、先にそっちを片付けましょうか……」
「志貴君、逃げてーーっ!! 今なら志貴君の足なら逃げられるから!」
 悪い冗談だ弓塚。そんな選択肢最初からないよ……。
 その言葉を鼻で笑ってゆっくりとあの女はこっちにやってくる。
「ずいぶん、美しいことですね。同情する気などありませんが」
「あんたなんかに同情してもらいたいとは思わないさ……それにしてもやけに余裕があるじゃないか……窮鼠猫をかむって……聞いた事ないか?」
「いくら噛もうと、私には効きませんよ。私は死なないんですから。死ねないといったほうが正しいか
もしれませんが」
 やっぱり思った通りだな。けど、そのあんたの油断をついてやるよ。
「何か最後に言い残す事は?」
 恐らくチャンスは一度だけ、あいつが銃を発射する瞬間……それを逃したらもうチャンスはない。
「そうだな、一太刀もあびせずに死ぬのは嫌だからせめて1度くらいは切りつけたいもんだ」
 そして眼鏡を外す俺。あいつの死の点は……心臓の少し上!!
「無駄な事を……好きなだけやって下さい。それでは、さようなら」
 そういって、あいつは引き金をひこうとする。

964はね〜〜:2002/07/17(水) 22:05
 今だ!! ここしかない!!
「うぉぉーーーーーーっ!!」
 ドォォーン!!
 トスッ。
 大きく響く銃の音。そして、静かにこっちの爪が刺さる音……狙いは寸分違わず、死の点を貫いていた。そして、銃弾は俺の腹にまともに突き刺さっていた。
「え……」
 手にもっていた銃を取り落とす女。
「なぜこの程度の傷で……」
 ひざを折って地面に倒れこむ。
「いっただろ、窮鼠……猫を……かむって」
 そのまま、女は動かなくなった。2度と動き出す事はないだろう。
 終わった……。ん、なんだろう、なにかを引きずってるような音がするな……。
「志貴君、しきくんっ!!」
 ああ、さつきか。よかった、きみだけでも無事で……。
「ねえっ志貴君!! 目を開けてよっ!! もう、終わったんだよ!!」
「さ、さつ……き……」
「志貴くんっ!!」
 いけないな、そんなに涙を流して……。そんなに泣いてると、きれいな顔が台無しじゃないか……。
「よかった……危なくおれは……に、二度も……約束を破る……ところだったよ」
「約束なんかいいから!! 志貴くぅん……ねえ、お願いだから大丈夫って……何ともないって言って一緒に……いっしょに帰ろうよ……」
「今度はいえの外も……なおしたいな……」
「うん……うん!! だから!」
 あ、そういえばもう城の方に帰れるんだから別に、直さなくてもいいのかな。
 でも……俺はちょっと無理みたいだよ、残念だな……
「ねえ、冗談なんだよね……私を驚かせようと……してるだけなんだよね、ねぇ……」
「あはは……だんだんさつきの……かおが……みえな……く……なる……よ……」
「こ、こんな時だけさつきなんて呼ばないでよ! ねえ、志貴くん、私を……一人にしないで……」
 ああ……そういえば、さつきの泣き顔を見るのって……初めてなんだ。
「志貴くん!! しきくん!!」
 そして……俺の風景はゼロになった……。

965はね〜〜:2002/07/17(水) 22:06
『ここは、どこだ?』 
 真っ暗でなにも見えない。
『誰かいないのか?』
 さつきは、さつきはここにはいないんだろうか……。
『ここにいるのは君だけだよ』
『誰だ?』
『僕だよ……』
 そこには少年がいた。どこかで会ったような気がする少年だ。
『僕は君だよ……そして君は僕だ』
『何だって!?』
 訳がわからない……何を言っているんだ?
『遠野志貴、そう呼ばれる前の君だよ。まだ七夜だったころの僕だ』
 あ……どうして俺は今までそんな事も忘れていたんだろう……。
『僕は6年前に死んだ、死んだことになったんだ』
 そうだ、それも知ってる。
『そして、遠野志貴はついさっき死んだ』
 死んだって……そうなのか。
『でもね……君がそして僕が望むのなら何とかならない事もないよ』
『そんな事ができるのか? 一体どうやって……』
 この際、方法なんてなんだっていい。ひとつでも方法があるんなら……。
『七夜志貴でもなく、遠野志貴でもない。ただの志貴として生きる事だよ』
 それは……わからない。どういう事なんだ、それは。
『君には、そして僕にはまだ未練があるんだよ。いや、僕のほうにはあまりないけれど、君の方にはか
なりあるね』
 訳がわからない。
『つまり、遠野志貴という存在だったときの未練がまだ君にはかなりあるんだ。妹の秋葉のこと、翡翠や琥珀のこと。そうじゃないかい?』
 そういうことか……。

966はね〜〜:2002/07/17(水) 22:07
『それらを全て捨ててでも戻りたいかをもう1度君に、そして僕自身に聞きたい、そう思って僕はここに来たんだ』
『もし、お前が俺自身なら……そんなの聞かなくてもわかってるだろう……』
『そうだね、わかってる。でもあえて僕は聞きたい。僕と僕達自身のその思いの強さをもう1度確認するために……』
 そうか、そうだな。
『決まってるさ、そんな事。僕は全てを投げ捨ててでも、さつきの、弓塚さつきの為だけに、あの世界に戻りたい』
 決まりきったはずの答え。でも、少し前の俺だったらもしかすると迷ったのかもしれない。でも、今この瞬間、俺には一片の迷いも無かった。
『そうか……良かったよ。それじゃあこれでさよならだね』
『待ってくれ、ここは一体どこなんだ?』
『君、そして僕そのものだ、とでも言っておくよ。それじゃあ……』
 急に世界が真っ白になった。そして……


「志貴君、志貴君っ!!目をさましてよぅ……お願いだから……」
 俺が目を覚まして最初に見た物は……さつきの泣き顔だった。
「さ……さつき……」
「しきくんっ!!」
 どうしたんだろう……さつきが随分ふらふらしているように見える……あれ?
「どうしたんだ、その手首は……」
 手首には、なにかで切ったような傷があって……服は血だらけだった……
「なんでもないよ、これくらい……それより志貴君、動いちゃ駄目……だよ」
「おねがいだ、さつき。教えてくれ」
 俺には、何が何でもさつきに聞かなければいけない気がした。

967はね〜〜:2002/07/17(水) 22:07
「ただ志貴君に……私の血をのませただけだから……」
「!!」
 確かに……俺はさつきの血が入って吸血鬼になった。だから……さつきの血を大量に飲ませれば蘇生させられるのかもしれない。
 考えは間違ってはいない……けれど……どれだけの量が必要かもわからないし、成功するかどうかも全然わからないっていうのに……
「ばか……一歩間違えたら、さつきも死んでたかもしれないだろ……」
 そんな事になったら、何のために助けたのかわからないじゃないか。
「でも……でも志貴くんがいなくなるなんて……考えられなかったから……そんな事になるくらいなら……私が死んだ方がいいから……」
「大馬鹿だよ……本当馬鹿だ、救いようがないくらい……」
「ひどいよ……志貴君……」
 どうやら怒りたかったらしい……でも、その顔も涙で崩れてしまってる。
「こんな馬鹿な女の子……俺くらいしか欲しい奴なんていないだろうな……」
「うん……私は志貴くんだけのものだよ……」
「さつき……」
「し……しきくぅん……」
 そして、俺達は力強くお互いにキスをした……どんな事があっても二度と離れる事のないように。



「ほら、志貴君、ぶつぶついわない!!」
「だって、弓塚さん……もうここは離れるんだから外観なんか直さなくても」
「駄目!! あの時直すって約束したんだから」
 で、結局……全快したあと、俺達はもうすぐ離れる家の外を直している。しかも手作業で。なんだかなあ、絶対に意味無いと思うけど。
「それに! また、『弓塚さん』なんていってる志貴君には、これくらいやってもらわないとね!」
 ぐう……しかし、前と今とではもうその台詞の意味は違うんだ。今、面と向かってさつきと呼べない訳はただ……照れくさいだけなのに。
「もう、志貴君! ほら、作業作業!」
「はいはい、今やりますよ」
 俺達はこうやってずっと同じ道を2人3脚で歩いていくんだろう。
 これまでも、そしてこれからもずっと……。
 屋根を直しながら……俺はいま、この瞬間の幸せを体全体で感じていた。これからどうなるのかはわからない。きっと多くの困難もあるだろう。
 でも、2人一緒ならば例えどんな事でも乗り越えられると……俺達は信じている。


 日陰の夢      完

968板</b><font color=#FF0000>(ItaYaZ4k)</font><b>:2002/07/17(水) 22:12
>>951さん

投票は950レス以内が有効です
951以降での投票は無効ですので、次スレで再投票をお願いします

次スレ
TYPE-MOONの最萌トーナメントニ回戦 Round4
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=1561&amp;KEY=1026888070

969はね〜〜:2002/07/17(水) 22:14
えーっと……何が10レスなんでしょう(汗)16レスも使ってしまいましてすいません〜(汗)
とりあえず、埋め立ての代わり、とでも思ってください。
あと、ナナシさん、再投票になってしまいすいませんです。こんなバカみたいに長いSS
落とした私が悪いんですから、どうぞ気にしないで下さい〜。

というわけで、投票は次スレでどうぞ〜(滝汗)
なお、余談ですがこれは続編があります(3部作になってます)、月姫リンクで、はね〜〜
で調べればわかりますんで、興味のある方(いるのかなぁ?)はそちらもどうぞ〜

そして……シエルファンの皆様、ごめんなさい(汗)

970951:2002/07/17(水) 22:29
あううっ、二重の意味で失礼しました(−−;

971浄化:浄化
浄化


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