したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

†RO@Chaos廃スレ避難所1 タイトル未定†

22名無しさん:2004/07/01(木) 15:04
「ここに座りなさい。」

 寸前まで自分が座っていた古風な椅子を指してみちるがいった。
「は・・・・い。」
 SGはみちるの言葉に従い椅子に身体を任せる。
(あった、、かい。)
 みちるはSGに持たせた自分のザックを覗き込み、なにやら物色している。
「いつも持たせといた甲斐があったってものね。」
「え・・・?」

 みちるの手にあった荒縄はまるで蛇のようにうねりながらSGを拘束し始める。
「ま・・・ほう?」
「私だって初歩の魔法くらいは使えるわ。あなたはどう?」
「え、だ、、って、ぼ・・」
「使えないわよね、ブタですものね。」
「あ、、、、、は、、い。ブタ・・・・・・です。」
「そう、じゃあ別に見るものもないわね。」
 言うが早いかみちるの手がSGの髪にかかる。
「え、これ・・・・」
「何も見えないでしょう?」
「はい・・・・」
「見えなくて問題がある?」
「ありま、、、、、せん。」
「ふふ」

 手も足も椅子に縛られて動けない。視界はない、音だけの世界。音がよく聞こえる。
天井から落ちる水滴の音。水辺を歩く虫の足音。そして、目の前の人の衣ずれの音。
 俯いた自分の、本来ならあるであろう視界の先に人の気配がする。

―――満月の嵐 第五章(さいりのいんさつやさん刊)より抜粋


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板