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アクエリアンエイジ小説書きALLスレ

737/13 ねこ ごめんなさいいいいい:2005/02/18(金) 18:40:05
 ブランシュの言葉に促される形で音もなく扉が開き、、スポットライトを割る形で一人の女性が部屋に入ってきた。
 腰まで届く長い黒髪、時代錯誤な平安装束。
(…とりあえず、隠れていた能力者を暴いたことからブランシュがスパイの可能性はゼロになったけど…)
 と、シャ・ノアールはうんざりした顔で考える。
(氷上のバカ、まぁた阿羅耶識の口車に乗ってるしなー。もう、これだからあの人は……)
 氷上純。優秀なのは間違いないのだが、なまじ正義感が強いだけに他人から騙されやすく、しょっちゅう暴走している、とE.G.O.の末端まで噂が轟いている。
 そもそもE.G.O.のトップが仲間であるシャ・ノアールを捕まえろなんて命令を出すわけ無いのだから氷上の行動はそれだけでおかしいのに、挙げ句阿羅耶識の登場である。まず奴が黒幕と見て間違いない。
「……陰陽師“安倍薫”と申す。
 よくぞ我が隠形を見破った」
 と、ブランシュを睨みつけて名乗る。
「ニオイでわかる」
「……まあ、それもそーよね」
 即答したブランシュに、納得して答える氷上。
 安倍薫はチッ、と舌打ちをして懐から数枚のヒトカタを取り出し、戦闘態勢に入る。
「正直“シャ・ノアール”がダークロアの小娘を飼っているとは驚いたが……まとめて捕まえてやるよ、覚悟しな!!」
(なるほどねぇ、じゃあ“シャ・ノアール”がE.G.O.の一員だって事はバレてたわけだ…… それを知っていて氷上に協力を仰ぐ阿羅耶識もムカつくけど……E.G.O.の諜報員は論外ね。何やってるのかしら)
 シャ・ノアールが胸の中で毒づいていると、嬉しそうに指先を舐めながらブランシュが一歩踏み出す。
「オモシロくなってきたね。 どんなヤツでも、このブランシュが八ツ裂キにしてあげるよ」
「……ブランシュだと!?」
 安倍薫と氷上はにわかに色めきだつ。
「……おい、氷上。 少々荷が重いぞ」
「し、知るかよ。 ……泥棒は泥棒、絶対に捕まえる! 正義の為に! そうだろ!?」
 そう言って取り出した愛用の銃を構える。
 ブランシュは大して驚いた様子もなく、むしろ淡々と、そして挑戦的な口調を返す。
「テッポウか。 いいよ、どこからでも撃ってきなよ」
「いい覚悟だ!! いくぞ、泥棒ども――」
 今まさに戦いの火蓋が切って落とされる瞬間。

「ストップ・ストップ!! スト――ップ!!!」

 良く通る大声は、美術館中に響いた。


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