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アクエリアンエイジ小説書きALLスレ

678/13 ねこ:2005/02/18(金) 18:10:48
「3人とも何好き勝手に話し合ってるのよ! 主役は私よ、ワ・タ・シ!!」
 と、一方的に宣言。
「ちょっ…」と口を挟もうとしたブランシュには小声で「バトルをしに来るんじゃないって言ったでしょう。勝手に付いてきたんだから私の言うことを聞きなさい」と早口で言って黙らせ、小声でいくつかの指示を与える。
 再び声を張り上げて、
「それじゃあ、始めるわよ!!」
「何を――」と問い返す氷上の無粋な声を無視して、
「One! Two! One-Two-Three-Four!!」
 かけ声と共に胸元から取り出した一枚のカードを投擲、狙いはシャ・ノアールたちを照らすライトのケーブル。
 ぶつんっ、と歯切れのいい音がして辺り一面が闇に覆われた。
「うあ暗ッ!」
「ライトをやられた! 後ろに逃がすな、入り口をふさげ!」
「わかった! 薫は灯りを!」
「……いや、待て!!」
 突然の暗闇に軽い混乱に陥る2人だったが、すぐに『それ』の姿に気付いた。
 展示室には割と大きな天窓があり、そこから明々と月光が入り込んでいた――そしてその自然のスポットライトの中で、展示台の上にスッと立った少女。逃げるどころかむしろ目立つ場所に立っている。どこから取り出したのかマイクを抱え、綺麗な声を響かせる。
「本日は、シャ・ノアールのShow-Timeへようこそ! お客様は、暴走・オブ・正義! の氷上純様ー!」
「お、私、正義だって、正義!」
「褒められてねーよ」
 あきれ顔で突っ込む安倍薫。
「もうお一方。 オールドミス・フロム・阿羅耶識! 安倍薫様――!! 私たちはお客様を歓迎いたします!!」
 と、口上を述べるシャ・ノアールの足下で、小さな影が動く。氷上の安倍薫が見えない位置から、囁き声。「マドは強化ガラスだから一瞬で割るのは無理。割れても枠が狭くて怪我しそう。次の行動に移るよ」…と。
 無言の返事をかえし、、彼女はマイクを構え直す。
「では世紀の美少女大怪盗、“シャ・ノアール”のマジックをとくとご覧あれ!!!!」
 腕を前に伸ばし、ピシリと人差し指が天を指す。
 ――そして。
「ジャグリング・オブ・ピーヘン!!」
 しゅボッ――!
 閃光。
 光線が。照明が。プリズムが。一瞬の輝き。ライト。光の帯が、目まぐるしく部屋の中を駆けずり回り、絶えることの無い千変万化の様相は万華鏡のようであった。
 視野が暗闇に慣れていた2人は一度に入り込んできた膨大な光の情報を解析しきれず、一気にパニック状態に陥った。そして同時に流れ出す大音量の雑音。ベースとドラムがおどろおどろしく鳴り響くそれは、音楽と言うにはほど遠い、獣のうなり声のようであった。
「目を焼かれた! 薫、見えるか!!??」
 うるさい音に負けじと氷上は声を張り上げる。
「見えるわけねーだろ!!!!」
 さらに混乱に拍車をかける、エコーがかったシャ・ノアールの声。
「お楽しみいただけてますでしょうか?
 今回は特別に、E.G.O.カラーと阿羅耶識カラーの、夢のコラボレーションを御用意しました!!」
 そして悪夢のような時間が始まった。


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