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【アデン】リネ2世界設定を語るスレ1【エルモア】

437アデンの名無しさん:2005/01/31(月) 20:31:22 ID:zHjOodG2
<地竜謁見>戦乱を呼ぶ者たち――シーケン

‘俺は今何か言ったか?’

“フリキオス!”

人の気配を追跡して入って来た部屋の中には考えていたよりも多くの人々がいた。
シーケンは今自分が何と叫んだのか思い出せなかった。
質問を受けた当事者であるスペルハウルラー フリキオスは
息が詰まり首が折れそうな苦痛の中でも抵抗の意志を突き通しているが
シーケンは魔法師の左のまぶたがぶるぶる震えていることを逃さなかった。
フリキオス自分でも分かっていないはずだが、それはそのスペルハウルラーが心的に動搖する時見える反応だった。

‘俺は今何を言った?’

武器を抜いて持ってはいるがアンタラス遠征隊の生存者たちは彼を攻撃する意思は無いように見えた。
彼がオオカミなら彼らは恐れた羊のようだった。
皆同じに精錬された身体にすぐれた装備を取り揃えていたが
彼らには今相手を必ず抹殺しきるという力強い意志が欠如していた。
何が彼らをこのようにさせたのか分からなかったがシーケンは確信した。
ただ不審な視線でフリキオスと自分の顔を交互に観察するだけなやつらを今ならすべて殺すこともできる。

‘ところで俺は今...?’

この状況で彼の唯一の仲間だと言えるホークアイ ゴースティンの腕はやはり相変らず弦の緊張を解かなかったが
その口は馬鹿のように半ばヘラヘラと笑っていた。

“うん、オイ...”

ホークアイは荒てているのが見え見えな視線をシーケンに向けた。

“その質問には私が分からない深い意味が含まれているのか?”

くそ!今何としゃべたことか全然覚えない!

...!

シーケンは目の前に何かを感じ瞬間的に首をすくめた。
四本の指がそれぞれ二個ずつ、彼の両瞳を狙い突き入って来たからだ!
カッカとほてる感じと一緒に左の眼のふちが魔法師の爪にかかって裂けた。
シーケンは魔法師を逃した。
そして血が流れ始めた。

“小さな...目でさえも充分に突く...価値がある、 ...そうだろう?”

魔法師が咳き上げながらいつかシーケン本人が聞かせた言葉を口にした。
言葉が終わることと殆ど同時にフリキオスは底に倒れた。
シーケンは魔法師のローブ裾を引いて彼を倒してからその体の上で無慈悲に足を降り下ろした。
妙に軽快な音と一緒に魔法師は無惨な悲鳴を上げた。

“目を潰すことができなかったら万事を放り出して逃げろという話もしただろ?うん?”

シーケンは剣を選んで魔法師の腹に差しこんだ。
ローブの上で赤い染みが滲んで行った。
その次は肩。
魔法師がまた悲鳴を上げた。
そして刃先をまた胸で...

“...何のつもりだ?”

シーケンはホークアイを睨んだ。
彼の矢が他でない自分の背中を狙っていることを気づいたからだ。

“やめろ、もう死ぬぞ。”

“'ちょっと痛めつける’だけだ。”

“'殺人’は私の専門だ。お前は今そんなことをしている。それもとても生半可にな。”

常に何も心に無かったホークアイの目に生気が帰って来た。
シーケンは相手が本当に自分を撃つかも知れないと思った。
いや、返ってそのようになって欲しいのかも知れない。
ムカムカする狂信徒の集団が付けてくれたあの道案内者はとても危なかった。
もしかしたらこの席でつぶしてしまうのが後に厄介な事を阻むことかも知れない......
瞬間ホークアイの視線がシーケンの背を脱して他の所に向かった。

“...このくらいの足。”


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