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【アデン】リネ2世界設定を語るスレ1【エルモア】

1アデンの名無しさん:2004/02/15(日) 06:15 ID:4uqxUDI6
このスレはリネージュ2のゲーム内の世界観、歴史、ストーリー設定について語るスレです。

!!注意!!:このスレはネタばれOKです。ネタバレが嫌な人は、覗かないか、目を細めてサッと閲覧しる。 !!!

・ ストーリーの解明に当たって、リネージュ1の内容についても多々触れられることがあると思います。
   もし、リネージュ1の内容に触れるときは、出来るだけ2からの人にも分かりやすく書いてくれるとうれしぃな。
・ 自分で推測した領域についてもせっかくなので書き込んでね。人の説を見るのはたのしぃ。

次スレは>>951ゲッターが立てると思う。

358アデンの名無しさん:2004/09/19(日) 11:15 ID:7wRLxPx.
デジャカルオロカ!

359アデンの名無しさん:2004/09/20(月) 19:44 ID:xraF8/pc
・ノーブルオーク
火の神パアグリオは「太古のオーク」を創造した。
太古のオークは赤々と燃える火と熱い溶岩で創られた体を持って
この世の混乱を治めようと現在の試練の洞窟に降り立った。
パアグリオの炎の中で派生した太古のオークは実に強い存在だった。
しかし、その存在を妬ましく思った風と大地と水の神が太古のオークを
殺してしまった。しかし死んでいきながらも
太古のオークは吐き出した最後の息で7大部族の始祖たちを創造した。
これがノーブルオークである。
後、部族は細分化し108の部族が誕生した。
*太古のオークは君主の試練の最後の方にNPCで出て来ます。

ちなみにカカイ様はオロカという言葉を「オロカの若者よ」という風に使ってました。

360アデンの名無しさん:2004/09/26(日) 19:18 ID:vXH8wHkU
なるほど、太古のオークはみんなマルタンクス様みたいな感じだったのか。
今はずいぶん縮んじまったんだな(´・ω・`)

361アデンの名無しさん:2004/09/27(月) 00:14 ID:NbEu8o3U
http://jbbs.livedoor.com/bbs/read.cgi/game/7135/1095918851/

移動汁

362アデンの名無しさん:2004/11/25(木) 18:19 ID:oiYE/RRE
そういや、新鯖のテオン(ウォーロック)と、話せる島のリリスの恋人が同じ名前だな。
テオン絡みの同名ネタで、リリスが絡む話もあるんだろうか。

363アデンの名無しさん:2004/11/27(土) 01:39 ID:r4WLZpRo
リリスの恋人のテオンはテンプルナイト
混沌の年代記のテオンはウォーロックであります。

364アデンの名無しさん:2004/11/27(土) 02:16 ID:r4WLZpRo
セレシン Seresin
冒険者で引退後、聖職者に転身し樞機卿という地位にまで早い立地戦績な人物。
若い日の経験のためかいわゆる'教団において革新的な部類'に入るがそんな理由で教壇の首脳たちとは事毎に衝突するようだ。
予見されていた混沌の時代が種族間の対立と反目から来るはずと見て
五つ種族の和合を駆逐するのに努力しある程度の成果をおさめたが、結局戦乱を阻むことに失敗する。
次の時代を導いて行く善良としてバーツに注目し、またフランツを警戒している。

タールカイ Tarkai
ドゥマーダラ部族の次期祭司候補と同時に百人近い戦争領たちの宝位を受けているウォークライヤー。
花火と火炎に盛られた霊蹟な真実を悟るために不滅の高原で冥想をしていたある日、
巨大な捻蛛形象のドゥマーダラトーテム領がその前に現われて永遠な冬に対する警告をして忽然消えてしまう事件が発生する。
クムイオッウルジも分からないこの不可思議な事件の真実を明かすため、タールカイは六大部族の祭司たちに祝福を要求した後、
ドゥマーダラのトーテム領が催す施工の捻蛛のすに付いて人間の地に旅行を始める.

365アデンの名無しさん:2004/11/27(土) 02:17 ID:r4WLZpRo
カディア khadia
ヘストゥイオーク族の次期族長を嘱望されるオーバーロードでオーク族最初の女君主が誕生する。
ゴッインジに多くの人々が注目している。遂行のために大陸を旅行した中リオナ・ブラックバードと行動を共にし、
ギランで最初のアンタラス遠征隊を指揮した。相当な水準のカバットを使うがその実力を隠すようにしている。
頭脳明晰で人をよく扱う。遠征隊はアンタラスを退けるのに成功したが、その直後彼女は姿を隠した。
シャークドーンといとこの仲。

ロイエン Roien
伝説的なパラディン、セドリック卿の弟で、一時カドモス親衛隊で国王を仕えた騎士だったが
エルモアとの戦争時負傷にあい以後引退して辺境の話せる島で後進養成に力をつくしている。
戦死には強靭な身体よりも真っ直ぐな精神がもっと重要だという教育信條によって、
無謀で血気過ぎる若者達に残酷な体力訓練と厳格な精神修養を教えている。

366アデンの名無しさん:2004/11/27(土) 02:25 ID:r4WLZpRo
年代記
ttp://www.lineage2.jp/event/c2_story.asp

367アデンの名無しさん:2004/11/28(日) 04:26 ID:dhaFR2cE
>>363
それは知ってる。

単にウォーロックのテオンの物語の中で、リリスが絡む(エルフのテオンと同名の人間に
たいし、何らかの感情の交流があったりする)ような物語はあるのだろうか。という話だ。

368アデンの名無しさん:2004/11/28(日) 13:47 ID:1i9EQ18Y
こんなスレ有ったんだ、ゲームしてるよりこっち読んでる方が面白いな・・・
先人に感謝

369アデンの名無しさん:2004/12/11(土) 19:42 ID:.M.pzdmU
ttp://www.lineage2.jp/l2fun/story/ctx4003.aspx
クロニクル2ストーリー。

Episode2アリア更新。

370アデンの名無しさん:2005/01/05(水) 20:08 ID:X5PZSgWI
シーレンの子供たち

次のものは帝国領1731年に象牙塔の史学者マテオが筆を執った"エルモアデンの隠された歴史"で抜純された文である。

“...一番下賤な種族'人間'は親無く荒野に捨てられた子供とも同じだった。
 人間の創造主グランカインは自ら失敗作と認めた種族を保護するのを拒否したし、
 人間たちはそんなグランカインに声を掛ける方法を知らなかった。
 それゆえ自祖神崇拝を中心に独自の宗教を発展させた他の種族たちとは違い人間は固有した信仰を持つことができなかったまま
 多くの宗教家が乱立する混乱を長い間経験した。

 巨人たちの神話体系をそのまま受け入れた人間たちはアインハサードとグランカインを主神で祭り、
 辺方ではシャーマニズム的自然崇拜の形態で事大元素の神々にお供えを捧げた。
 その中には死を管掌する暗黒の女神シーレンを崇拝する者もあった。

 巨人たちの沒落後エルフ、オーク、そして人間は大陸の覇権をおいて果てしない戦争を始めた。
 一日にも数千名が戦場で命を失う今までに無かった大規模の死と破滅を経験した人間たちは死と死後世界に対して囚われ始めた。
 誉れあるように戦死したオークの魂はパアグリオの炎に昇華されるという信頼のように、
 人間にも死後の希望的な約束する神が必要だった。
 自分らの創造を与えたものの失敗作と言いながら背を向けたグランカイン、
 すべての生命の根源だが人間の創造に関与しないアインハザードよりも、
 戦地で一日一日死を対面する人間たちはシーレンに祈りをささげ始めた。

 この時期から自らを'シーレンの子供たち'と称する死の崇拝者たちがその影響力を広げ始めた。
 そして熾烈な種族間戦争が破局に達しその灰燼の中で人間が最後の勝者に上がるようになった時
 シーレンの子供たちはもう人間社会の重要な一部分になっていた...”

371アデンの名無しさん:2005/01/05(水) 20:45 ID:rP7ShrJw
目覚める闇―
アナキムの降臨、そしてシュナイマンの宗教改革

"...大帝国エルモアデンの初代皇帝シュナイマンの即位式の時起きた'奇蹟'は後に彼が宗教改革を断行した訳が
 権力統合という世俗的な目的のためでなく信仰の熱情のためだったと言うのに十分だった。

 その日、3つの羽を持ち聖火の炎に包まれた少女が空から下りた。
 その存在が発する神聖な機運は誰もその神聖さを否定することをできなくした。
 少女の前でシュナイマンがひざまずくと即位式のに参列した一同も皆ひざまずいた。
 流れる水音のように清明な声で自分がアインハザードの獅子<アナキム>と明らかにした少女は
 すべての人間のリーダーシュナイマンに神の祝福を伝えるために地上に下ったと宣言した。
 彼女はシュナイマンとその子孫たちがアインハザードの意を奉ずるおおよそ永遠するように光の祝福が一緒にするであろうと約束した。

 アナキムは平伏しているシュナイマンに近付いて耳に神儀の秘密をささやいて彼の額に口を合わせた。
 それから羽を伸ばしてまた空に飛び去った。

 その奇跡からしばらくしてシュナイマンは帝国の国会でアインハザード信仰を制定しその以外のすべての宗教を異端と宣布した。
 特にアインハザードと対置される存在としてグランカイン、そして生命の破壊者という存在のシーレン、
 この二人の神を崇拝する行為を厳格に禁止した。
 皇帝の命でグランカインが人間の創造を与えとことを言及するすべての文献が燃やされ反論を申し立てる学者は皆火刑にあった。

 シュナイマンの宗教改革は理念的な次元で止まなかった。
 彼は'闇を崇拜する'すべての異分子たちに対して神聖な戦争を宣布した。
 当代の群小宗教集団たちに対する組織的な弾圧は皇室の権力基盤をもっと公告するようにした。
 しかし皇帝の絶対的な力の前に屈服せず最後まで抵抗する勢力があった。
 シーレンの子たちは皇帝の予想よりも数が多く組職をよく取り揃え、なによりも自分らの信仰に対する信念が絶対的だった。

 この脅威に対応するためにシュナイマンはアナキムから伝え受けたアインハザードの力で奇蹟を行って神聖な軍隊を組織する。
 巨大なを甲冑をまとい光の恩寵で武装した鋼鉄の戦士たちは"地上に天降った天使の軍隊"を意味する<ネピルリム>と呼ばれた。

 ネピルリム軍団の圧倒的な威力にシーレンの軍勢は敗北に敗北を繰り返えし
 幾多の信者たちがそのように見送ったシーレンの御許へ帰った。
 勢力基盤を失ったシーレン崇拝者たちはバラバラに散らばって大陸あちこちの地下深い所に隠された神殿に身を隠した。
 最後の残った異分子まで火刑に処したり辺方へ追い出した後
 皇帝とアインハザード教壇の権威に対抗するに値する勢力はすべて排除されたのだった..."

372アデンの名無しさん:2005/01/06(木) 20:55 ID:Y7hpLR9M
戦乱を呼ぶ者たち<ギラン城の攻城戦>

樞機卿セレシンの努力で小さいが信頼の実は美味しく生って行っているようだった。
それはすべての種族が近付く危機を実感したからでもある。
しかしその後大陸全体を搖るがした戦乱の種子は誰も予測するができなかった場所、
国境地帯でもモンスターたちが猛る北凍土でもない、人間の領土に根付いていた。
歴史は厳格にして粘りのある師匠だから我々に繰り返して教える。
大抵人間はあまりにも切実に少ない要するようだ。
それで彼らは少なく見えなければ横にいる誰かをいじめて敵で作るのだ。
ギラン性で開いた変事に関して入った時私の唯一無二した師匠が大きくあざ笑う音が聞こえることだけ同じだった。
人間というの者は元々神々が捨てた残物と排泄物で作られた生物だから汚いしかないと......

エルフのせりふが壮麗なアデン成文をパスする頃アデン王国成立以前からグルーディオ領地の支配権を握っていた、
ワルドナー家のルーウィン・ワルドナー男爵が玉座を追われ、新しい領主がその座に座った。
新しい領主は、身元もわからない冒険者出身の男だった。
多くの領主たちがその事件を伝え聞いてまだ驚くのも前に、
ディオンでもアシュトン公爵が叛乱軍に権力の座を奪われ、自分の娘が住むアデンへ逃げ落ちていった。
アマデオ国王の派遣した援軍はオルマフム傭兵たちの妨害によってディオン領地に到着することもできない状態だった。
攻城のルールは冷酷だった。
あの時までは叛乱軍に過ぎなかったしても正当な認定を受けた瞬間叛乱軍のリーダーはその領地の正当な支配者として生まれかわった。
国王はあくまでもその事実を人間として承認してくれるだけだ。

人々はこの事件たちを町外れで起きた喧嘩騒ぎ位に考え追い出された領主たちの支配力が弱かったからだと信じたがっていた。
しかし今では周知のとおり、その後王国が崩壊するまでの時間はそう長くはなかったのである。
運命の流れはすでに混沌に向かって突き進んでいた。
そして年代記に一線を引く重要な戦いが王国の一番富裕な地で始まったのだった。

ギラン城の攻城戦については、未だに不審な点が多い。
隣の領地であるディオンやグルーディオの領主が突然代わり、危機意識が高まっているにもかかわらず、
なぜギラン城の支配者カルモン・エストス男爵は、兵力の多くを地竜アンタラスの征伐に派遣したのか。
征伐隊の生存者たちはその後どこに行ったのか。
また、当時は一客将に過ぎなかったリオナ・ブラックバードに城を任せたまま、男爵自身はどこにいたのか。

しかし戦場で出会った者たちにとって、そんなことはどうでもよかった。
謀略家たちの支援を受けながら攻城戦へと出陣したエルモア出身の傭兵ジグハルト・アインはもちろん、
男爵の要請によって城の守備の責任を負っていた少女君主リオナにとってもそれは同じだったと信じている。
彼らはまったく同じ「戦乱を呼ぶ者たち」であったからだ。


ハーディンの弟子と同時にダスパリオンの対敵者、ヒンデミット、帝国領1640

373アデンの名無しさん:2005/01/07(金) 21:33 ID:d1Ui1VQY
目覚める闇―7編である中の一番目―啓示の封印

“...皇帝シュナイマンは表面上の脅威が消えたからといって決して警戒を緩めなかった。
 彼の命に従ってネピルリム軍団はしつこく異分子たちの後を追い掛けた。
 彼の執拗な追跡は成果を納め、シーレンの子供たちが秘密裏に立てた地下神殿六ヶ所を捜し出した。

 シュナイマンはこの地下神殿がアインハザードの意志に逆う異分子たちの最後の墓という意味で<カタコム>と呼んだ。
 それぞれ異端のカタコム、烙印のカタコム、異教徒のカタコム、魔道のカタコム、ひょうじょうのカタコム、密計のカタコムと
 名付けられた神殿はシーレンに付く無理の最後の要塞である事に間違いなかった。

 シュナイマンの軍勢はネピルリムを先頭にしてシーレンの神殿を絶えず攻撃した。
 しかし地下に降りた兵士らは毎度敗北を喫して退くしかなかった。
 神殿を守るために溢れ出るおびただしい数のアンデッド、そして天使の軍隊に少しも劣らない<リルリム>があったからだ。

 激しい戦闘の末シュナイマンの軍勢はリルリムの軍勢を退けるのに成功する。
 幾多のネピルリムとリルリム、そして彼らに付いたギガントとリシーの死骸の上で
 シュナイマンはすべての神殿に<啓示の封印>をかけてそれを封印した。

374アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:36 ID:G1tAzzjM
>>373
C3のセブンサインにはそいううストーリーがあったのか・・・
このスレまじ面白いな。あげ。

375アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:44 ID:Z.wKTFB2
目覚める闇―7編である中の二番目―宴慾の封印(1)

皇帝になる前のシュナイマンは、ヒューマンによる統一王国を構成するためには信仰の助けが必要だと切実に感じていた。
巨人たちが滅亡したのは神々への信仰を捨てたからで、
他の種族たちがたとえ弱体化し部族単位に別れようとも一つの目的の下にすぐ団結できることは、等しい信仰があるからだと考えた。
しかし巨人族の信仰は人間に十分な満足を与えることができなかった。
これは破壊神グランカインが人間の創造したということと
ヒューマンの大元が他の種族たちを作り終わった後の残りカスというのにその原因があった。

376アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:45 ID:Z.wKTFB2
人間は自分らが尊い出生であることを証明しなければならない必要があったし、
それのためには神話の再証明と信仰の助けが必須だった。
未熟な者であればあるほど自分を尊く見せれば初めて世の中に顔を上げて生きて行くことができるのだ。
今まではオーク、そしてエルフという共通の敵があったから団結していることができたが、
彼らが消えた今人間たちを一つで団結するためには変わりないイデオロギーが必要だった。

377アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:45 ID:Z.wKTFB2
そんな最中皇帝シュナイマンを訪れた人物がいた。
彼女は3枚の羽を持って聖火の炎をまとい天空から降臨した。
彼女はアインハザードが一人きりで生んだ彼女の分身で、名をアナキムと言った。
アナキムはシュナイマンにアインハザードの祝福と彼が引き受けなければならない神聖な義務について話した。
それはすなわち、シーレンの復活に関する話だった。
シーレンは神々との戦争で敗れた後、死を作って自らその中へ入って行った。
その時までも神々はシーレンを嘲笑い中傷した。
グランカインは彼女のためにすべての生物に消滅する代わりに死を迎えるようにした。
それが持って来る結果を考えもせずに・・・。

378アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:46 ID:Z.wKTFB2
死の世界に入って行ったシーレンは、自身がした所業を恥に思いまた嘆いた。
しかし同時にシーレンは何らの過ちもない自分が物質界で追い出され、
また水の神としての権威を奪われなければならないことを不当に思って悔しがった。
なによりも、父であるグランカインが認めない私生児たちを生んで、
その私生児たちが地上を荒らしているということがシーレンを悩ませた。
自分が愛した地上が自分が生んだ子供達によって荒らされることはシーレンの精神を少しずつ蝕み、
彼女を極甚な抑鬱状態に追いこんだ。
これはすなわちシーレンの二重人格を形成するようになる。

379アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:46 ID:Z.wKTFB2
シーレンは死の神として深淵の中で闇を治めた。
一時は水の神であり流れを管掌する神だった彼女は、公正でまた冷酷に死の世界を治めた。
そしてまた同時にシーレンは地上を破壊する魔物たちの神だった。
彼女は鋭敏でエゴイスティックで、非常に激しかった。
グランカインが持った破壊の権能はシーレンの身体の中で揺れ動き、
それは時々シーレンにすべてのものを破壊しようとする衝動を起こした。
魔物たちが世を破壊することはシーレンが持った怒りと絶望のせいでもあるが、
何よりその大元の種子が破壊の信義のだったせいもあった。

380アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:47 ID:Z.wKTFB2
そして歳月が流れ、より多く生物たちが死の世界へ帰った。
アインハザードは絶えず生まれる者等を創造したし、
グランカインは自分の破滅の権能の大部分を自分の長女と同時に一番目恋人であるシーレンに与えた。
だから寿命が長い恨者たちは消滅しないで死の世界、シーレンの御許に帰って彼女を崇拝した。

381アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:48 ID:Z.wKTFB2
死の世界は次第に勢力を増し、魔物の死と魔物による死は皆死の世界でシーレンを刺激した。
以前のシーレンが怒りと絶望によって戦争を起こした神としたら、今のシーレンは破壊と破滅のための神だった。
彼女が亡者たちを導いて物質界に現身すれば、地上のすべてのものを殺して地上自体を死の王国で作るかもしれなかった。
ではなければグランカインから受けた破滅の権能を発揮してすべてのものを破壊するかも知れなかった。

382アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:49 ID:Z.wKTFB2
シーレンは物質界に上って来る時を虎視眈々と狙っていて、そうするためには死の川を渡らなければならなかった。
そしてこの間まであった戦争だ―――
幾多の巨人たちがグランカインによって殺され、まもなく幾多のエルフが死んで、幾多のオークが死んで、
また幾多のエルフが死んだその時代の死骸たちが死の川を埋めて、シーレンはすなわち復活する時が来ると言う。

383アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:49 ID:Z.wKTFB2
そしてまたアナキムは戦争で増加したシーレンの追従者たちがシーレンを呼び出すために動いているとシュナイマンに告げた。
シーレンの追従者たちの中にはおそらく巨人時代から伝わり下った神官がおり、
その神官の力でシーレンが召還されているというのだ。
アインハザードの意志はその追従者たちを滅絶させてシーレンを封印し
彼女が永遠に死の世界から上って来ることができないようにすることにあった。

384アデンの名無しさん:2005/01/08(土) 14:50 ID:Z.wKTFB2
シュナイマンは分裂するヒューマンたちを1ケ所に団結するようにするための強大な力が必要だったし、
アインハザードはシーレンの復活を沮止しようとしていた。
またアインハザードはシーレンの権威が自分より大きくなることを恐怖していたし、
ヒューマンは自分らを捨てた創造主グランカインではない他の信仰対象がほしかった。
シュナイマンはその条件で自分の子孫代々に至るアインハザードの祝福と、アインハザードの権の中に対する支配権を要求した。
アナキムはしばらくの間の祈祷後に、自分の血をシュナイマンに捧げた。
そしてシュナイマンは神の兵士、ネピルリムに対する支配権を得た。
その後、アナキムはシュナイマンに口を合わせながら永遠な従属を誓った。
これによってシュナイマンは天上の軍隊を作る力と、その軍隊を支配する力を得た。
そして同時に、人間の神として光の力を布教する権利を得た。

385アデンの名無しさん:2005/01/09(日) 07:08 ID:Mx/LbV3c
7編である中の→7つの封印の
カタコム→カタコンベ
ネピルリム→ネピリム
リムリル→リリム
リシー→リリス

386アデンの名無しさん:2005/01/18(火) 21:01 ID:T0A6MfNw
目覚める闇- 5.7つの封印の三番目―戦乱の封印

“...貪欲の封印によってリリスとシーレンの軍勢が皆封印されたからといってその信徒全てが地下に閉じこめられたのではなかった。
'シーレンの子たち'は相変らず地上に残っていた。
シュナイマンの宗教改革を拒否して巨人時代の宗教を受け継いだ者たち、死の神を崇拝する黒魔術士、
エヴァに背を向けてシーレンを創造主として仕える一部のエルフ族がアインハザード教壇の絶対的な権威に挑戦した。
彼らの中で一部はリリスの啓示を受けたと申し立てたがその真偽は明かされなかった。
ただ彼らが集めた莫大な財宝で推し量れば誰かの助けがあったことだけは間違いないようだ......

387アデンの名無しさん:2005/01/18(火) 21:02 ID:T0A6MfNw
(中略)...皇帝シュナイマンが帝国の膨大な領土を治めることができたのは
彼が巨人たちが残した遺産の中で'城'とそれに付属する構造物を制御する力が秘められた'聖物'の秘密を知ったからだ。
すなわち、彼は聖物との交感を通じて城の力を支配して領地を管理する方法が分かっていたのだ。

388アデンの名無しさん:2005/01/18(火) 21:02 ID:T0A6MfNw
帝国の最高支配者、アインハザードの教皇、そして二つの封印の支配者をもって権威が確固になった時、
皇帝は帝国をより効果的に治めるために聖物を交感の秘密を自分の側近たちに教え、各地域の城を中心にグルーディオ、
ギラン、ディオンなどの領地を確立する新しい行政体制を樹立した。
これによって皇帝の支配力は人里離れた辺方にまで及ぶようになり、以前よりも絶対的な権威を発揮するようになった。

389アデンの名無しさん:2005/01/18(火) 21:03 ID:T0A6MfNw
帝国の改編に必要となる長い歳月の間皇帝が全く歳を取らなかったという記録が残っていて、
これは彼の生命力が封印の力に縛られていたからだから推測されている。
大陸を統治する強大な権力に長い寿命まで受けたシュナイマンはまさに地上の神として君臨する思いを抱いていたのかも知れない。

390アデンの名無しさん:2005/01/18(火) 21:04 ID:T0A6MfNw
皇帝の傲慢さに対する神々の懲罰なのだろうか、
帝国の新しい行政体制が整備されている頃にグレシア大陸で勢力を育てていたシーレンの子たちが
西の大海を渡って帝国領土を侵略して来た。
帝国軍の首長たちは蛮族の戦士とアンデッドで成り立った侵略軍の姿を見て嘲笑った。
長年の攻城戦経験を通じて城を持った者と持つことができなかった者の戦いでは
最初から相手にならないことをあまりにもよく分かっていたからだった。
確実に、シーレンの軍勢は帝国の城を攻略するには力不足であることのように見えた。
しかしたった一日でグルーディオ城が陷落される変事が起きた。
ディオン城も同じくあまりにも容易く敵の手に落ちた。
使臣の追従者たちは不可思議な術を使って聖物を外部から制御して攻城戦を自分らに有利に導いて行っていた。

391アデンの名無しさん:2005/01/18(火) 21:04 ID:T0A6MfNw
帝国軍の首脳部が事態の深刻さを悟った時にはもうギラン城まで奪われた後だった。
皇帝シュナイマンはこの時重大な決断を出した。
彼はすべての領地の城を制御する力を縛ってしまう封印の呪いを掛けた。
その結果自分の城に対する統制権の中で多くの部分をあきらめるしかなかったが同時に敵軍はこれ以上城を制御することができなくなった。
戦略的な優位を占めるようになった帝国軍は組織的な反撃を開始して陷落された城を取り戻して
シーレンの勢力を帝国領土外で追い出すのに成功した。
この時代に立てられた封印は啓示、貧欲に引き継いだ三番目で、大陸のすべての城と領地に対する統制権、
そして攻城戦の規則を制御する力が盛られたことから'戦乱の封印'という名前が付けられた...”


―帝国暦1731、象牙塔の史学者マテオが著した'エルモアデンの隠された歴史'より抜粋

392アデンの名無しさん:2005/01/19(水) 19:21 ID:uFrMsxG6
目覚める闇―シーレンの娘、リリス

"...リリスの素性に対してはあらゆる疑惑が囁かれているが彼女が巨人時代にシーレンを仕えたオラクルだったという説が一番有力だ。
しかしエルモアアデン時代に活動を開始した時彼女の姿が灰色の肌のエルフだったのは多くの記録が証言している。
シュナイマンの時代に彼女はシーレンの子たちに死の神の9番目の娘として崇拝され、
当時シーレン崇拝者たちの宗教的、軍事的支配権を持った核心的人物に描写されている。
カイシャの黙示録ではリリスについて次のように敍述している。

‘...怒れり神々の圧倒的な御力の前に天上の戦地でシーレンの魔物たちは一人二人と倒れけり
   敗北を眼前に据えたシーレンは深淵の底に死の国を建てその所に身を避けり
   この時シーレンは一番寵愛する娘リリスに地上に残って自分が帰って来る日を準備するように命じけり
   シーレンは死の名簿のリリスの名前を消しこれをしてリリスは永遠に死ぬことができない可憐な存在になりけり...’

リリスの指導下にシーレンの子たちは'ネクロポリス'と'カタコンベ'を建立し'リリム'と呼ばれる精鋭軍隊を編成した。
これらは短期間の内にヒューマンの帝国の脅威になるだけの大きな勢力を成すようになった。
シーレン追従者たちと彼らを牽制しようとする帝国の支配圏の間の衝突は除々に頻繁になり結局全面的な戦争につながった。
当時の状況に対して一人のシーレン崇拝者は次のような記録を残している。

‘...私たちを迫害を加える者等に死を与えなさい。
   その命を女神に捧げよう。
  敵軍の血が川と海と空を赤く染める頃、偉大なシーレン様が死の川を渡り地上に降臨なさるでしょう。
   リリムの兄弟と共に勝利を争取しなさい...’
 
'ネクロポリス'はシーレンの子たちに生活基盤と同時に神聖な殿堂、そして軍事要塞でもあった。
当時シーレン崇拝者たちはネクロポリスが現世と死の世界の中間地点の場所であったから
その場所では死んでも死ぬことができないだろう信じた。
彼ら大部分が戦争時にアンデッド化したりリリムに蘇生された点を考えればその信頼は決して間違ってはいなかった。
そして少なくともリリスにはその言葉が当てはまっていた。
シュナイマンが七つの封印の中で一番目を立てる時リリスはアナキムと一緒に
'聖者のネクロポリス'に閉じこめられてしまうようになるからだ。
彼女がまた目を開くようになるのは混沌の時代に地下に隠されたまま忘れたの遺跡が
冒険家たちによって発掘されてからだ......"

―ダークエルフの長老シフィエル著'カイシャの黙示録分析−リリスの章'より抜粋

393アデンの名無しさん:2005/01/19(水) 19:53 ID:uFrMsxG6
385のリシー→リリスは間違い

394アデンの名無しさん:2005/01/20(木) 05:31 ID:gbZXSSKY
--------ぺリオス帝国---------
エルモアアデン帝国の時代今より2000前にグレシア地方にできた帝国。
エルモアアデン帝国とは敵対関係にあり、幾度と無く戦争も起こしている。
ペリオスには巨人が残した優れた遺産が多く残されており高度な技術で繁栄していた。
エルモアアデン帝国崩壊後、グレシア南部を襲った伝染病と北部を襲った冷害が直接の原因となり崩壊する。

395アデンの名無しさん:2005/01/20(木) 05:32 ID:gbZXSSKY
-------エルモア王国---------
アデン大陸の北部エルモア地方を支配する人間の王国。
オーク王国、ドワーフ王国を従属させ、エルモアアデン帝国の皇帝の直系だと主張する。
オーク王国を攻めを不滅の高原へオーク王国を追いやり、
エルモア北部に住んでいたドワーフを騙して、スパイン山脈へと追い出した。
その後大陸の統一を目指して南進し始めたが、大陸南部で最も大きな勢力を形成していたオーレンに、阻まれ失敗する。
また幾度と無く南進するがアデン王国に阻まれ失敗する。
現在はアデン・エルモア・グレシアの相互不可侵条約が締結されている。
現在の王はアステアで王国の北側に異常気象が続いている。

396アデンの名無しさん:2005/01/20(木) 05:33 ID:gbZXSSKY
---------グレシア王国------------
アデンと海を挟んだ西に位置する国。
巨人族の遺跡などが多く残っている地域でパリスによって建国される。
首都はアルペンニノ。アデンへ侵攻するがアマデオがエルモア王国と同盟を結んだ為阻まれる。
パリスの死後クセルスの反乱により北グレシアと南グレシアに分かれている。
現在の王はカルネイア、クセルス(北、南どちらか不明)
アデン・エルモア・グレシア相互不可侵条約を締結している。

397アデンの名無しさん:2005/01/20(木) 05:59 ID:SOnMi07A
--------エルモアアデン帝国---------
現在よりおよそ2000年前ヒューマンのエティナ族の族長シュナイマンによって建国され約1000年間繁栄を誇った。
アデン大陸一帯を領土としグレシア地方とは敵対関係にあり度々戦争を起こした。
この時代にヒューマンの文化は発達し、貴族などの階級制度、魔法の研究、各地の城の建設が行われ、
また現在の君主と領主によるアデンの支配体制などが確立された。
最後の皇帝バイウムの死後に内部分裂を起こし崩壊する。

398アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:02 ID:CtHTghRM
―マフム族―

◆グレイ クロー クトゥス
オルマフム達の中で「自分たちは戦争の被害者だ」と考えている者たちが作りあげた集団のリーダーです。
自分たちは戦争に使われた道具であり、今この場所に残っていることも自分たちの意志ではないことを主張しており、
自分たちを攻撃しないで放置してほしいと切に願っている非戦闘主義者です。
ただし、自分たちの領域を犯す無法者に対しては容赦なく攻撃を行います。

◆殺戮の君主ガトウ
「殺戮の君主」と呼ばれる獣人傭兵団の隊長です。血の君主ヌルカのライバルとして有名であり、そして仲間でもあります。

◆ラグラマン
以前はヌルカの部下でしたが、戦争の中で忽然と姿を消したようです。
噂によればヌルカと秘密裏に陰謀を企んでいると言われています。

◆赤の旗の隊長シャカ
山賊の巣窟を掌握するためにチャンスを待っているオエル マフム集団の赤い旗の親分です。
利口で豪快ですが、まだ若いため多くの部下たちを集めることができないのが現状のようです。
自分が山賊の巣窟を占領し、マフムの王国を建国すると大口をたたいています。

399アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:03 ID:CtHTghRM
―リザードマン族―

◆エビルスピリット ビフロン
ランク リザードマンが神のように崇めている精霊です。

◆ランクの族長ラスィコス
グルーディオ南部地方のランク リザードマンの親分です。

◆タサバの族長ヘレナ
嘆きの草原に住んでいるタサバ リザードマンの隊長。
タサバリザードマンは水竜パプリオンに仕えており、水竜からの命令を受けて嘆きの草原に居住し神聖な水の地を守っています。

◆リザードマン リーダー ヘリオン
クルマの塔に巨人の古代兵器が隠されているという話を聞いてクルマ周辺を徘徊する獣人傭兵の隊長です。

◆嵐のウィザード テルク
ギラン南部のデルー リザードマン達を統治している魔法使いです。
人間の魔法使い(ハーディン)に会って自らも強力な魔法使いへと成長しました。
初めは人間を尊重して一緒に暮していましたが、自分達をモンスターとして扱う人間の愚かさに激怒し、
侵入者は誰でも攻撃する邪悪な魔法使いになってしまったようです。

◆レットの族長タルキン
レットリザードマンを導く族長です。

◆シャーマン イシル
リザードマンの中でも尊敬されるシャーマンであり、草原の片隅で隠居していますます。
自分たちの領地が人間によって段々狭くなっていることに対して憤慨していて、
リザードマンを攻撃する人間に対して制裁を加えます。

400アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:04 ID:CtHTghRM
―オーク族―

◆カトゥ マシナリー リーダー
ラグナ部族が中立地帯を守るために雇ったオーク傭兵。
基本的にラグナ部族の方針は休戦協約規定を破る相手だけを制裁しているようです。
しかしこれらの傭兵は荒々しく、
ラグナ部族の方針を無視し中立地帯の休戦協約を守るようにするためには初めから中立地帯の出入りする者を制裁すればよいと考え、
近付く者を皆攻撃してきます。

◆ヴクの大司祭長ガメッシュ
ブクオークたちを導いている大祭司長。
ブクの族長ドゥリコよりも強い権力を持っていると言われています。

◆ブレカ ウォーロック パストゥ
ブレカオーク族唯一のウォーロックでシルエットとシャドーを召喚獣として操ります。
元々は将来を期待されたブレカオーク族の族長の候補でしたが、陰謀に巻き込まれ同族に追放されてしまいました。
その後ダークエルフの召喚魔法を学ぶようになり、荒地で修行を行い自分の仇を討つ日をうかがっているようです。

◆グランジャー ソウル チェルトゥバ
ティマック オーク達の支配者で、「過去のオークの偉大なる魂」として尊敬された勇猛な隊長です。
誇らしい部下たちが「勇猛と名誉」を捨てて退化していく姿を哀れみ隠居していましたが、心を失った魔物と化してしまいました。

◆タイク オーク捜索隊長
同族を殺して脱走した脱走兵ベクを捜してギランまで来たタイクオーク捜索隊。

◆ケトラー ヴァン リーダー アトゥイ
元々このケトラー オーク族は北エルモア王国に基盤を成す部族です。
エルモアとアデンとの戦争によって監視と防御が疎かになったすきに、
その先鋒隊が南に侵攻して自分たちの勢力を広げる機会を待っているようです。
彼らはその先鋒隊の役目を引き受けています。

401アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:05 ID:CtHTghRM
リザードマン族に追加

◆シャーマン キング セル
セル部族を支配するシャーマンの王。
危険な召喚術を研究している途中、事故で狂気に取り込まれてしまいました。
今も部下と共に歩き回り、部族の地を越えて来る侵入者を皆殺しにしています。

◆フレイムロード シャダール
シャーマンキング セルの召喚事故の時に召喚された悪魔。
誤った召喚魔法のせいで帰る道が無くなり、冒険者を襲ってソウルエネルギーを集め自らの動く力を得ているようです。

402アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:06 ID:CtHTghRM
―シレノス族,関連―

◆猛獣王カルタ
シレノス シャーマンを部下として統率している猛獣王です。自らの領域に近づくものを嫌っています。

◆シャクラム
シレノス族の中の一人だったシャクラムは、象牙の塔の魔法使いの実験の犠牲になり、
魔力は強まったものの哀れな姿に変身してしまいました。
しかし象牙の塔の魔法使いは自分たちの実験の弊害を認めなかったため、
シャクラムは自分の慣れ親しんだオーレン北部でなく、山道が険しく人が入って来れない南部の谷間に住むしかありませんでした。
自分の姿を見られることを恐れ、近づくものを攻撃しているようです。

◆コリム
ヘルトル シレノス一族の指導者だったコリムはバイウムの狂信徒でもあります。
彼はバイウムを復活させ力を借り、大陸にいるすべての種族を一掃してシレノス一族が大陸の覇権を掌握しようと主張を行い、
一族から追放されてしまいました。
いまだに自分の考えを捨てることはできず、自分の追従者たちと一緒に傲慢の塔周辺でバイウムを復活させる計画を進行しています。
彼はバイウムを復活させるためにヒューマンとエルフの子供と乙女たちの血を集めているようです。

403アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:06 ID:CtHTghRM
―クロコダイル族、ワニ族―

◆大地の守護者パナセン
インナドリルの地を先祖の時から守っているワニ族です。
人間がインナドリルを開拓する前からここに住んでいて、他の領地とは違い神聖な力がインナドリルにあると信じています。
最近増加傾向にある大陸の人間を見ながらインナドリルを守らなくてはならないと決心しています。

◆セベク
クロコダイル アイランドを支配しているクロコダイル族の隊長です。
アテカが島に留まることを不満に思っていましたが、パプリオンが恐ろしく何もできずにいるようです。

404アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:07 ID:CtHTghRM
―ハラト一味―

◆デス ロード ハラト
死を司る君主です。

◆カーノン
ハラトの命令によって傲慢の塔の情報をアデンのあちこちで収集している上級の悪魔です。
しかし彼の忠誠心は疑われているようです。

◆ヴェルファ
カーノンの腹心であり、傲慢の塔を調査するために部下達と行動中のようです。

◆ラーハ
名目上はカーノンの部下ですが、実はハラトが送ったカーノンの監視役です。
カーノンの裏切りの兆しに対して腹を立てています。

◆カルト
カーノンによって不死の身を持つようになった古代エルモアデンの将軍です。

◆バリオン
カルトの命令によってティラックを監視していますが、ラーハによる密命を受けているようです。

◆ティラック
バリオンの部下で、傲慢の塔の調査にきています。

◆レメル
ラーハの魔力によって支配されているマーシュ スタッカート一族の女王です。

405アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:07 ID:CtHTghRM
―悪魔の島関連―

◆ハトス
ザケンがクルマで獲得した巨人の遺産の力を注いで呼び出した古の巨人です。
悪魔の島の宝物を守るためにザケンが野放しにしているようです。

◆魔女ウィメル
悪魔と契約を結んだ強力な力を持つ邪悪なダークメイジです。
悪魔の島の悪魔クリクブスと何らかの関係があるといわれています。

◆悪魔クリクブス
悪魔の島に古代から住んでいる悪魔です。海賊の侵入により眠りから覚めたようです。

406アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:08 ID:CtHTghRM
―べレス関連―

◆ベレスの使者メアナ
悪魔の島から来た女性の使者です。
グルーディオを混沌とさせるために様々な方法を模索しています。

◆セザールの召喚獣
昔々、ベレスを阻むために象牙の塔から派遣されたダークウィザードの中に召喚師セザールがいました。
セザールは黒魔法を詠唱しましたが、それに対抗する魔法の反作用で死んでしまいました。
しかし、セザールの召喚獣の魂は消えずに荒地に残った黒魔法と融合して残ってしまいました。
彼はマスターの死を悔しく思い、魔法使いに強い敵意を見せています。

◆ゾンビロード クロール
「悲嘆の廃墟」は、戦争に巻き込まれる前は平和な村でした。
その村を治めていた領主ロード クロールは戦闘で敗れた後に捕虜になり、無惨にも拷問を受けて亡くなりました。
その魂がベレスの部下を通して魂の姿で復活しました。
すでに理性は消え、自らの苦痛を他のすべての生物に与えようと考えています。

◆リタイア スパイダー クレトゥ
ベレスを封印する以前に荒地地域に住んでいたスパイダー。
ベレスの封印後、荒地に染みこんだ魔力によって急成長した蟻たちの勢力に負け、今のこの場所まで後退してきました。
いつかは蟻たちを倒し以前の住処を取り戻すため、勢力を育てているようです。

◆べレスの巫女セピア
ベレスと契約を結んだ者で、荒地の地下に隠されたベレスの遺跡を捜すために派遣されたようです。

◆ジャイアント マルパナック
ベレスの復活に備えた魔法使いが古の巨人の姿を真似た武器の失敗作です。
自分の事を本物の古の巨人だと思っています。

407アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:09 ID:CtHTghRM
―エヴァ、パプリオン関連―

◆エヴァの守護者ミレーヌ
エヴァが地上で過ごした時代にエヴァの守護役をしていました。
今も行方不明となったエヴァの居所を守るため、無断侵入する侵入者を警戒しています。

◆水中庭園のガーディアン3号機
エヴァの水中庭園を守っているガーディアンです。パプリオンの軍勢や外部からの侵入者を阻んでいます。

◆パプリオンの侍従シカ
水竜パプリオンの一番部下で、パプリオンの手足のような存在です。
パプリオンの代理として世の中を監視しています。

◆ウォーター コウアトル アテカ
シーレンが生んだ魔物の一つで、繁殖をするために世に姿を現わしたようです。
パプリオンの部下でもあり、シーレンと魔物達がまた世の中を支配する日を待ちわびています。

408アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:09 ID:CtHTghRM
―アンタラス関連―

◆血の司祭ルーデルト
アンタラスの洞窟の奥底にいる巨大な魔物です。
彼は地竜アンタラスの魔力で創造されたモンスターであり、竜の眠りを邪魔する者を始末するのが主な任務となっています。
「血の司祭」という通称は、炎の属性を持つ紅い巨体と血を好むところからつけられているようです。

◆アンタラスの司祭クローエ
アンタラスに仕え身を供にした邪教の巫女です。
黒魔法で自らを魔物に変え、自分の召喚獣と共に洞窟の中に入って来た人々を攻撃します。

409アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:15 ID:CtHTghRM
―訳あり派―

◆プリンセス モーラン
邪悪な魔法使いビゼイの呪いによって巨大な蛙に成り果てたラウル王の67番目の娘であるプリンセス モーラン。
凶暴なクマに変わってしまったプリンセスの護衛騎士ドゥガンとドゥガンの部下達と共に、邪悪な魔法の力に操られています。

◆マネス リディア
本来は村のシャーマンでした。
エルモア軍が井戸の中に毒を入れた光景を目撃したのに、脅迫によりその事実を村の住民に知らせることができませんでした。
村の住民が次々と死んで行くのを見て自分の過ちの深さから、その後発狂してしまいました。
呪われた井戸の周りに出没し、近づく者たちをすべてエルモア軍人と勘違いして無差別に攻撃しているようです。

◆処刑場の監視者ギロチン
処刑場を守っていた監視者です。呪いを受けてこのようになってしまいました。

◆農民反乱軍隊長の怨霊
数年前のバイロンアシュトンの農民反乱鎭圧の時、処刑された農民反乱軍の指導者の中の一人です。
死んでも死にきれず、バイロンアシュトンに対する憎悪を燃やしています。
死後に悪魔との契約を交わし、黒魔法を操ることができるようになっています。

◆カーズド クララ
自分を本当にきれいだと思いこむようになり、
その「自惚れ」から女神アインハザードの怒りをかってしまいメデューサになってしまった美しい娘です。
婚約者のシューは彼女の事を忘れることができなくて彼女を訪ねるものの、彼女の魔力によって石像にされてしまいました。

◆蒼空のビコン
エルモアデンの有名な魔法使いで、象牙の塔の歴史上一番最年少でマスターになったと言われています。
巨人たちの魔法を研究を自分の物としましたが、黒魔法を学んだ後、周りの魔法使いの嫉妬を買い封印されてしまい、
その際に魔法使いのペットに彼が乗り移ったとされています。

◆亡命希望者レオ
グレシアの貴族であると同時に侵攻軍であるレオは偶然にも古の巨人を配下にすることができました。
彼は古の巨人を利用してアデンを脱出し、敵国であるエルモアに亡命しようとしています。

◆キング タルク
知識を深く追求するためアンタラスを訪ね魔法を学ぼうとしましたが、
アンタラスの怒りに触れオークにされてしまったダークアベンジャー。
口先ではアンタラスを呪っていますが、アンタラスを恐れ、隠遁しています。

◆ラブ リヴァーザー カエール
旅人の生気を吸収し、永遠の命を得ようとしているサキュバスです。
元々は美しい女性でしたが、愛する人を得るために邪悪な魔法使いの助言を聞いてしまい、ライバルを殺してしまったのです。
そのことが公になり愛する人にまでも捨てられ、愛を得ることができませんでした。
その後、魔法使いに会いに行き問い詰めようとしましたが、逆に呪いを受けてサキュバスになってしまいました。
バルトナ家の王子を愛していたためか、今でもグルーディオ城周辺に現われます。

◆エルフ レノア
動物好きなエルフでしたが、戦争の弊害で自然が荒廃し動物たちが死んで行くことを非常に悲しんでいました。
その後彼女は死んでも成仏できず、幽霊になりました。
レノアは大きなイノシシ達の守護を受けていて彼らの領域中に見知らぬ人々が入って来ることを警戒しています。

◆キャット団リーダー
人間のマスターに捨てられた召喚獣が自らが生きるために集結した盗賊団。

◆クレイジー メカニック ゴーレム
マスターの無理な操作で暴走してしまったメカニック ゴーレムです。

◆クロノスの召喚獣ミュミュ
猟師の村に住んでいる賢者クロノスの部下であるミュミュです。
クロノスが調合する「嬉しさの妙薬」の材料を手に入れるためにインナドリルにやっては来ましたが、
自分がどうしてここに来たのか目的を忘れてしまい、お仕置きをされるのが怖くて帰れないでいます。

◆イカルスの実験体1号
ハーディンの私塾でイカルスが弄んだ実験生物です。
脱出後、山を越えてここまで来たようです。

410アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:16 ID:CtHTghRM
◆ジャイアント タイガー
グランカインがギラン城の南の島にばら撒いたモンスターです。

◆ドラゴン ガイ
グランカインがギラン城の南の島にばら撒いたモンスターです。

◆ウォッチャー
グランカインがギラン城の南の島にばら撒いたモンスターです。

◆ジャイアント キャタピラー
グランカインがギラン城の南の島にばら撒いたモンスターです。

◆アペピ
シーレンが生んだ魔物の一種で、世の中の秩序を壊す存在です。
シーレンに変わって水の神になったエヴァを脅かすためにインナドリルを放浪しています。

◆シーレンの使者カブリオ
シーレンに仕える死神の中の一人です。多くの怨念に溢れた魂を連れ、シーレンの復活を待っています。

◆イクンタイ
邪悪なネクロマンサー達によって作られた闇の生物です。
何か邪悪な陰謀を隠し持っているとききます。

◆キャッツアイ
グルーディオの有名な盗賊キャッツアイ団の親玉です。

◆ソウルレス ワイルド ホッグ
邪悪な勢力によって魂を奪われ、ただ殺戮を繰り返す道具に変わってしまいました。

◆ロアー スカイランサー
「アデンの災い」と呼ばれる人間の狩人に自分の子供を殺されたドレイクです。

◆腐植樹レピロ
胞子の海の毒に汚染された植物で、オルフェンの部下の一員であり、胞子の海に入って来る人間を無差別に攻撃します。

◆フェアリー クイーンの使者ベルン
フェアリー クイーンがヒューマンに派遣した使者。ギランを目標に旅をしているようです。

◆パン ドライド
遥か昔、エルフとダークエルフが対立する以前のエルフの森のガーディアンでした。
しかし対立が始まり中立の立場を貫いた結果、どちらからも歓迎されない存在になってしまいました。
他のパンたちはフェアリーの谷と北のエルモア王国へと移り住みましたが、パン ドライドだけがここに残り、
人間達の侵入を警戒しながらいつかこの地に帰って来る同族たちを待っているようです。

◆ユニコーン パニエル
神々の怒りで古の巨人が滅亡する時、ユニコーンは住む場所を失ってしまいました。
新しい地へ移住するさいにはぐれてしまった仲間達を数百年捜し続けています。

◆フューリアス ティーレス
荒地になる前からその周辺に住んでいたティミ ト ランです。
以前の美しかった自然をこのようにさせてしまった象牙の塔の魔法使いや人間たちを憎悪しているようです。

◆フェアリーの森の守護者ルエル
フェアリーの森の女王ティミニエルの命令に従って森の外郭地帯を守っているエントです。
森の秩序を乱す侵入者は絶対許さないようです。女王の力でフェアリーの森からシルフとユニコーンを召喚します

◆アトライバン
北エルモア王国にあるアルゴスの壁から出てきたモンスター。
元々エルモア王国にあるアルゴスの壁はすべてのフローティング アイが生まれた場所とも言われています。
ここで生まれたフローティング アイは各自の能力によって進化しているようです。
このアトライバンは進化のほぼ最終形態だと言えます。
アトライバンの弟子達と名付けられた者達はアトライバンに近づく為に付きまとっているモンスター達です。

◆マーシュ スタッカート クィーン ゼルナ
湿地にいるすべてのスタッカートたちの支配者である女王ゼルナ。

◆ヘカトン プライム
退化した巨人たちを支配している機械装置で、クルマの塔のコアに似ている人工知能生命体です。
周りに居るすべての退化した巨人を操ります。

◆ロングホーン ゴルコンダ
バイウムの四天王中の一人です。主人が復活する時を待っています。

◆豪炎のシュリエル
傲慢の塔上層部まで突破する悪魔を阻む第1戦線の先鋒長。ケル マフムを導いて悪魔との絶えない戦争をしています。

◆アンヘルの猛虎王
山脈地域に伝わる伝説の巨大なウルフです。
エンジェルの侍従でしたが主人を噛み殺して地上に残ったと言われています。

411アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:17 ID:CtHTghRM
その他
マジック ゴーレム ゴンヒリム、バンデット リーダー バルダ、ティマック オーク ゴスモグ、
シーフ ケルバール、モンスター シリオン、エンミティ ゴースト ラムダル、永世の救援者マルディル、
ケルブ ガラッシア、ミナス アノール、忘却の鏡、死者エレヴ、ハリツの守護者ガランキ、ゴルゴロス、
最後の下巨人 ユテヌス、盗掘屋キム、ゴースト ナイト カベド、シーレンの司祭 ヒシルローメ、
魔道士 ケニシ、ザケンの航海士ティリオン、水の精霊リアン、グウィンドール、エヴァの精霊ニニエル、
パプリオンの使者ピンゴルピン、パプリオンの手下イスタリ

412アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:27 ID:CtHTghRM
・ハーディン「種族不明」ネクロマンサー
歴史の裏舞台で暗躍するネクロマンサー。
彼の素性については諸説あり、実は悪魔べレスだとかマーシェエルフの生き残りだとか言われている。
アデン王国が成立したのも彼の功績に寄る所が大きく、最近はアインホバントの名で暗躍している。
現在はイカロスや弟子達と共にハーディンの私塾でネクロマンシーを研究している。

・イカロス「リッチ」
リッチキング イカロス。エルモアアデン帝国時代の13人のリッチの生き残りで強力なネクロマンシーの技術を操る。
以前は現在のハーディンの私塾をアジトに悪事を働いていたらしいが、
彼との試合に負けて以来束縛を受けてハーディンに協力しネクロマンシーを人間に教えている。
もっともネクロマンシーを教えているのは別な思惑があるようだ。

413アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 14:45 ID:CtHTghRM
神々の時代終わり:巨人族の滅亡

エルフxオーク戦争(B.C.400年頃〜)
|B.C.400〜600年代 ・ヒューマンの協力によりオークが敗れる(現在より2000年前)
|   *ウィンダウッド卿によると1000年前「紀元前514年」
|B.C.500〜600年代 ・ヒューマンが暴反しエルフが敗れる(現在より2000年前)

エルモアアデン帝国成立(帝国暦元年)
|帝国暦0年〜  ・皇帝シュナイマンによりヒューマンの宗教改革が行われる
|        ・エルモアアデン帝国、グレシア地方に侵攻―ぺリオス帝国成立
|        ・フェアリー族がヒューマンから逃れてフェアリー谷へ移り住む
|帝国暦400〜600年頃・べレスx象牙の塔戦争―べレスが破れ封印される(現在より約1000年前)
|        *グランカインによるとヘルハウンド島(悪魔の島らしい)へ逃れたとされる
|帝国暦400〜600年頃・ダスパリオンが黒魔法を褐色のエルフに伝える(現在より約1000年前)
|帝国暦400〜600年頃・エルフx褐色のエルフ戦争開始(現在より約1000年前)
|帝国暦400〜600年頃・マーシェエルフの呪いによりダークエルフ誕生(現在より約1000年前)
|          *族長ミトラエルがダスパリオンらによって封印される
|帝国暦1000年頃〜 ・皇帝バイウム登場―オーク王国と戦い勝利。ぺリオス帝国と戦い勝利。
|           30年の月日を掛けて傲慢の塔を築く(帝国成立より1000年以上経過)

エルモアアデン帝国崩壊(帝国暦1000〜1100年頃)
|帝国暦1000〜1100年頃・ぺリオス帝国崩壊
|  ・オーク族ノーブルオーク、下級オークに分裂
|帝国暦1000〜1200年・オークxドワーフ戦争―ドワーフがムーランで敗れ、スパイン山脈へ逃れる(現在より約500年前)
|帝国暦1000〜1200年・オーク王国、話せる島に侵攻?(現在より約500年前)

エルモア王国登場(おそらくはエルモアアデン帝国崩壊後に帝国が分裂し残った国と思われる)
|   ・エルモア王国アデン地方に南進―オーレンに阻まれ失敗
|   〜300or400年経過
|   ・オーク王国アデン・エルモアに侵攻―カカイとラウルが対決する。
↓ 
グレシア王国パリスにより建国・アデン王国ラウルにより建国
|  ・ラウル死亡、トラビスがアデン王位を継ぐ
|    ・エルモア王国アデンへ数度侵攻
|  ・トラビス死亡、アマデオがアデン王位を継ぐ
|定刻暦1440年頃  ・エルモア王国パベル領にパベル村建設
|帝国暦1479年頃  ・地竜アンタラスが暴走しギラン南部が焦土と化す(現在より10年前*プレリュード期)
|  ・グルーディオ領地の支配権を握っていた、ワルドナー男爵が失脚
|         ・ディオン領地で農民による反乱が起こり、アシュトン公爵が失脚
|帝国暦1486年頃  ・ギラン領主エストス男爵がアンタラス征伐に向かうが失敗(現在より3年前*プレリュード期)
|帝国暦1486年頃  ・グレシアxアデン戦争―アデン、エルモアが同盟を結ぶ(現在より3年前*プレリュード期)
|  ・オーク・トゥレック族グルーディオ北部に進入しトゥレック王国を宣言
|    ・パリス死亡、カルネイアがグレシア王位を継ぐ

グレシア王国クセルスの反乱により南北に分裂

アデン・エルモア・グレシアによる相互不可侵条約締結
↓ 

混沌の時代の年代記、ヒンデミット著1640,41年
エルモアアデンの隠された歴史、象牙の塔の史学者マテオ著1731年

414アデンの名無しさん:2005/01/22(土) 19:20 ID:FyNOcBSc
乙!

415アデンの名無しさん:2005/01/23(日) 05:19 ID:FD80evAI
・名も無き亡霊[アンデッド]
アシュトン公爵の「魔女狩り」で殺された娘達のアンデッド化した姿。
アシュトン公爵の圧政は有名でこの他にも数々の悪政を布いていた。

・アルラウネ[マンドラゴラ族]
ディオンでは飼いならすことができなかったマンドラゴラの頭に大きな釘を打ち無理やり洗脳していた。
やはり彼女の頭にも釘が刺さっている。
マンドラゴラにも感情があり、
この非人道的な行いを嘆き人々にそれを訴えようとしているようだ。

・預言者スーラ
正しい信仰を求めるあまりアインハザード教団を破門になった神官。
現在は荒地で自分の信仰を説いており「荒野を叫ぶ者」と呼ばれている。
彼女の弟子たちはオル マフムに布教している。

・カタリ
預言者スーラの弟子。
ダークエルフ村近辺でオル マフム達にアインハザードの信仰を布教している。

・カカン
預言者スーラの弟子。
オーク村近辺でオル マフム達にアインハザードの信仰を布教している。

・ニャクリ
預言者スーラの弟子。
ドワーフ村近辺でオル マフム達にアインハザードの信仰を布教している。

・ラムス
預言者スーラの弟子。
話せる島でオル マフム達にアインハザードの信仰を布教している。

・レモニエル
元アインハザード教団の神官。
教団の教理に不満を抱き神官であることをやめた。
その後「奇跡の理解」という本を出版しこれが話題となるが、
教団を批判する内容だったため禁書といての指定を受けてしまうのだった。

・カーディナル セレシン[Human Female]:オーレン
サーバストーリーのセレシン本人。カーディナルは枢機卿の意

416アデンの名無しさん:2005/01/23(日) 05:53 ID:FD80evAI
修正

神々の時代終わり:巨人族の滅亡

エルフxオーク戦争(B.C.400年頃〜)
|B.C.400〜600年代   ・ヒューマンの協力によりオークが敗れる(現在より2000年前)
|              *ウィンダウッド卿によると1000年前「紀元前514年」
|B.C.500〜600年代   ・ヒューマンが暴反しエルフが敗れる(現在より2000年前)

エルモアアデン帝国成立(帝国暦元年)
|帝国暦0年〜      ・皇帝シュナイマンによりヒューマンの宗教改革が行われる
|              ・エルモアアデン帝国、グレシア地方に侵攻―ぺリオス帝国成立
|              ・フェアリー族がヒューマンから逃れてフェアリー谷へ移り住む
|帝国暦400〜600年頃 ・べレスx象牙の塔戦争―べレスが破れ封印される(現在より約1000年前)
|              *グランカインによるとヘルハウンド島(悪魔の島らしい)へ逃れたとされる
|帝国暦400〜600年頃 ・ダスパリオンが黒魔法を褐色のエルフに伝える(現在より約1000年前)
|帝国暦400〜600年頃 ・エルフx褐色のエルフ戦争開始(現在より約1000年前)
|帝国暦400〜600年頃 ・マーシェエルフの呪いによりダークエルフ誕生(現在より約1000年前)
|              *族長ミトラエルがダスパリオンらによって封印される
|帝国暦1000年頃〜  ・皇帝バイウム登場―オーク王国と戦い勝利。ぺリオス帝国と戦い勝利。
|              30年の月日を掛けて傲慢の塔を築く(帝国成立より1000年以上経過)

エルモアアデン帝国崩壊(帝国暦1000〜1100年頃)
|帝国暦1000〜1100年頃・ぺリオス帝国崩壊
|              ・オーク族ノーブルオーク、下級オークに分裂
|帝国暦1000〜1200年 ・オークxドワーフ戦争―ドワーフがムーランで敗れ、スパイン山脈へ逃れる(現在より約500年前)
|帝国暦1000〜1200年 ・オーク王国、話せる島に侵攻?(現在より約500年前)

エルモア王国登場(おそらくはエルモアアデン帝国崩壊後に帝国が分裂し残った国と思われる)
|              ・エルモア王国アデン地方に南進―オーレンに阻まれ失敗
|        〜300or400年経過
|              ・オーク王国アデン・エルモアに侵攻―カカイとラウルが対決する。
↓ 
グレシア王国パリスにより建国・アデン王国ラウルにより建国
|             ・ラウル死亡、トラビスがアデン王位を継ぐ
|             ・エルモア王国アデンへ数度侵攻
|             ・トラビス死亡、アマデオがアデン王位を継ぐ
|定刻暦1440年頃   ・エルモア王国パベル領にパベル村建設
|帝国暦1479年頃   ・地竜アンタラスが暴走しギラン南部が焦土と化す(現在より10年前*プレリュード期)
|             ・グルーディオ領地の支配権を握っていた、ワルドナー男爵が失脚
|             ・ディオン領地で農民による反乱が起こり、アシュトン公爵が失脚
|帝国暦1486年頃   ・ギラン領主エストス男爵がアンタラス征伐に向かうが失敗(現在より3年前*プレリュード期)
|帝国暦1486年頃   ・グレシアxアデン戦争―アデン、エルモアが同盟を結ぶ(現在より3年前*プレリュード期)
|             ・オーク・トゥレック族グルーディオ北部に進入しトゥレック王国を宣言
|             ・パリス死亡、カルネイアがグレシア王位を継ぐ

グレシア王国クセルスの反乱により南北に分裂

アデン・エルモア・グレシアによる相互不可侵条約締結
↓ 

混沌の時代の年代記、ヒンデミット著1640,41年
エルモアアデンの隠された歴史、象牙の塔の史学者マテオ著1731年

417アデンの名無しさん:2005/01/24(月) 22:31 ID:vS2C.7lc
GJ!!

418アデンの名無しさん:2005/01/25(火) 00:55 ID:oseHsap2
修正
・バーツ レムスハト"Bartz Remzheart"[Hum/Male]Paladin
オーレンの地方貴族レムスハト家出身のパラディンで、自らの正義のためには命も捧げることができる熱情を持った青年。
皆が悪意に立ち向かって戦えばもっとよい世の中を作ることができると心より信じており、
幼少期にアインハザード教壇所属の聖堂騎士団に入団するが戦場で上官の退却命令に背いたという理由で破門の危機に会う 。
しかし彼の向こう見ずな姿に注目した樞機卿セレシンは罰を与える代りに護衛任務を彼に命じる。
樞機卿とともに議会召集のために王国巡礼に出るようになったバーツは、
多くの村を訪問しながら教壇の神官たちが皆‘不吉な未来’を予感していることを 知ることになり 、
罰だと思った自分の護衛任務が思ったよりもっと大きい意味を持つという事実を悟るようになる。

・ジグハルト アイン"Sieghardt Ein"[Hum/Male]Dark Avenger
静かにしかし堪えなく復讐心を燃やしているダークアベンジャー。
元々はルウンの貴族出身で生まれつきの能力と品性で若くしてルウン黄金騎士団の団長になったが、
政略の陰謀により騎士団は解体され家族は皆殺しにされてしまう。
部下たちの犠牲で身を守ることができたがその恥ずかしい悪夢は今までも彼に襲いかかる。
以後、傭兵団に加入し自らの生い立ちは隠しているが、騎士団長時代に身につけたリーダーシップは自然に彼を傭兵団大将にした。
ギランで‘影のオリム’という者と会い、遂に自分の復讐を果す力を手に入れるようになるが…。

・カイン"Kain"[Hum/Male]Gladiator
陰謀と計略が止まないエルモアの貴族生活に背を向け、ひたすら剣を修練するために放浪の旅に出たグラディエーター。
幼い時から剣術を学び、自分の腕には自信があったが、
シュトガルトで出くわした見知らぬ剣客に敗れた後‘強さ’に対してもう一度考えるようになる。
自分に敗北を教えてくれた見知らぬ剣客に再会し必ず勝利するという一念で日夜剣術訓練にいそしんでいる。
現在はグラディエーターのクエストの一つ‘大陸制覇’を果たすためにアデン王国を旅行しているところだ。

・リオナ(レオナ) ブラックバード"Lionna(Leona) Blackbard"[Hum/Female]Warlord
運命に導かれて苦しい君主の道を向かって歩いて行く少女ウォーロード。
本来彼女はインナドリルの商人家出身で、幼い時に君主の運命を暗示する夢を見て、
その夢を口にした事でより反逆罪で処罰されることになった。
しかし彼女の運命を感じたインナドリルの領主リオネルハンターは彼女を罷免し自分の養女とする。
その後彼の勧めでゴダードに行った彼女は火竜バラカスの手下に会って竜たちの言い伝えを聞くようになる。
その後彼女は近付く混沌の時代を備えて仲間を集めるための旅行を続けることになる。

・エリカ ケン ウェーバー"Erica ken wever"[Hum/Female]Treasure Hunter
ルウンの小貴族出身としてトレジャーハンターの仕事をする奇妙なお嬢さん。
彼女がこの道を歩くようになったのは親が中央の権力争いに巻き込まれて毒殺され
姉妹が他の貴族の側室に入って行ったのがきっかけだった。
エリカは4年間男装をして裏通りで生活をし、シーフとして活躍。
追跡者を避けて狩人の村を通り国境近くの盗賊団に加担。
ジグハルトの正体を知っているが現在は何も言わず部下として行動を共にしている。

・ゴースティン"Gustin"[Hum/Male]Hawkeye
アデン王国アデン領地狩人の村出身の憂鬱なホークアイ。
5歳のとき、アデン城村の裏通りで飢えて病に倒れ死にかけた彼はフランツに救われ、すべてのものを与えてもらった。
現在彼はフランツの手足になって動く暗殺者だが、生きる目的も、生きることに対する執着もほとんどない。
ただ、フランツの命令に従って動けば自分の魂がこの虚無から救われると信じている。
フランツの命令に従ってテオンとともにフリキオスを追跡するシーケンを見張って一緒に行動する。

419アデンの名無しさん:2005/01/25(火) 00:56 ID:oseHsap2
・ドビアンヌ"Devianne"[Hum/Male]Sorcerer
象牙の塔で正規の教育課程で学んだソーサラー。
すべての事において原理原則にこだわり、合理的に解決することができない事はないと思っているのだが、
極めて常識的なことをできない場合がある。
数年前、ギランで偶然出会った吟遊詩人ルカルと、魔法と哲学に関する論争をするようになったが、
ルカルの鋭い論理と質問に対抗することができず、結局敗れてしまう。
ドビアンヌは自分が象牙の塔で受けた学習の限界を悟り、どんな本にも出ていない‘世間’を学ぶために旅を始める。
しかしまだ、自分の判断と直観よりは本に書かれた知識に頼る習慣を直すことができず、
最近ではクロノスという年寄りに伝え聞いた‘知識の経典’を捜し出すために血眼になっている。

・ヒンデミット"Hindemith"[Hum/Male]Necromancer
ハーディンが私塾を設立する前に育てたネクロマンサー。
師匠が過去に‘アインホバント’という名前で多くの政治的陰謀と関わっていた事実を知るとすぐ、彼に別れを宣言した。
ハーディンは彼に何も話さなかった。
彼はハーディンがどんな目的を持って行動するのか何も確信できないまま彼を阻もうとする。
彼は師匠に勝って彼に認めてもらおうとする。
コアの暴走で危機に瀕したタジーフを助けた縁で二人は友となった。

・テオン"Teon"[Hum/Male] Warlock
異系の悪魔たちと危ない取り引きを繰り返すウォーロック。
昔、南方の海を渡ってきたということ以外にその出身については知られていない。
他の追従を許さない膨大な知識で'早殺しの賢者'という称号を得た彼は
アインハザード神殿のフランツに会って彼の指示どおりシーケンを助けてフリーキオスを追跡する。
フランツが彼の裏面に蟠っている闇を突き通して見たようにテオンテオンもフランツの裏面をぼんやり気づいている。
フランツは彼がカイシャの黙示録を横取りしようと思うはずだと予想しているが、
この疑わしい魔法師にはその以上の目的があるようだ。

・フランツ"Frantz"[Hum/Male]Bishop
ギランのアインハザード神殿に所属しているビショップ。
商人の家に生まれたが、6歳の時に'輝く存在の啓示'を受けて聖職者への道を歩んだ。
驚くべきな信仰心と熱情を認められて若い年にビショップとなり、戦地で倒れた戦士たちを蘇生させる奇蹟を数多く行使した事がある。
現在、殉教・自己犠牲を強要する宗教集団'輝く夜明け'を導いている。
常に善良で慈しみ深いほほ笑みをしている彼の表情の裏には多くの秘密が隠されている、と人々は噂している。

・ルナ"Luna"[Human Female]Prophet
アインハザード教団で教育受けたが教団の緩慢的な態度にがっかりしてプロフィットの道を歩き始めた女性。
彼女に進むべき道を教えたのは'荒野の予言者'スルラだったがスルラの教えの意味と違い、
彼女は光の魔法は悪を滅ぼすために神がお許し給うたことだと信じている。
急進的な態度によって教団を破門された以後ルナは王国を旅して自分の教えを皆に説破し始めた。
教壇の集会禁止令にもかかわらず多くの人々が彼女の説教を聞くために集会場で集まった。
彼女のすぐれた雄弁術と生れついたカリスマにひかれた多くの人々が彼女の信奉している。

・カスティエン"Kastien"[Elf Male]Temple Knight
一族とエヴァを守護する運命に生れついた貴いテンプルナイト。
強靭ながらも柔軟な肉体と精神を持っている。
ちょっと生真面目な性格でドワーフと人間を嫌い、そのため人間を愛するエルフィナを軽蔑する。
一生をエヴァに献身すると誓ったが死んだ友達の妻であるアイリーンに決して受け入れることができない感情を感じる自分を呪って、
危ない任務を続いて受け負う。
最後の任務で彼は世界を蝕む原因を調査するために胞子の海に発った後失踪した。

420アデンの名無しさん:2005/01/25(火) 00:57 ID:oseHsap2
・アイリーン"Airin"[Elf Female]Swordsinger
エヴァと一族のために歌う歌姫だったが戦争で家族を皆失った後、歌を歌うことができなくなったソードシンガー。
数十年の時間が流れると彼女も仲間たちと交わって話して笑うことができるようになったが心の陰は振るい落とすことができなかった。
彼女をもっと苦しめたことはカスティエンと彼女の間に流れる微妙な感情だった。
心を押えつけていた彼女だったがカスティエンの失踪の情報を聞いて彼を求めて胞子の海に去る。

・スターリス"Staris"[Elf Male]Plainswalker
冒険と浪漫を捜して諸所を放浪するプレーンウォーカー。
幼い時から流れる星明かりの魂を生れついたという話を聞くほどに
放浪癖のひどいスターリスは1ケ所に定着して平和な生を楽しむ同族たちとは違い新しい地、
未知の領域を探して出るのが好きなエルフだった。
エルフの森を保護する結界が立てられていた時代にも彼は外世界への往来を許諾受け、
人間世の中で長老アステリオスの目と耳役目を遂行した。
現在も非公式的に長老の代理人である。
最近エルフ一族の4大宝物中の一つなタリンの槍をリザードマンたちに奪取された時略奪者を追い掛け槍の行方を明かしたのも彼だった。

・セリエル"Ceriel"[Elf Female]Silver Ranger
早くから故郷を発ち猟師の村を拠点に活躍していたシルバーレーンジャー。
50年間磨いて来た弓の腕前は大陸でも五つ指中に入り、
狩人組合長ボナドやサジタリウス・ハミルも彼女の前では子供扱いを受ける。
20年前彼らがカデシーの復活を沮止するのに彼女の助けを受けたことは言うまでもない。
シーレンの子たちの後を追った彼女がカデシーの復活を警戒する手紙を二人に送ったことは最近だった。

・フェイシャル"Fehyshar"[Elf Male]Spellsinger
世の中で一番複雑な女関係を持ったスペルシンガー。
運命的な愛を感じたダークエルフの女性のために、幻の宝石を捜して竜の谷に立ち入った彼はそこでブラッディクイーンに出会う。
ブラッディクイーンは、彼に宝石を与える代わりに永遠に自分と一緒にいることを提案するが、
彼女が本気なのが分かるとフェイシャルは怖気ついて宝石も打ち捨てて逃げる。
恋人を失った後、吟遊詩人として各地を流れた彼は、リオナたち一行に出会い彼女に付きまとうようになる。
しかし意外にも彼女たちは君主の資格を試すために、ブラッディクイーンを退治に行く途中だった...

・エルフィナ"Elhwynna"[Elf Female]Elementalsummoner
精霊たちの囁きに常に耳を傾けるエレメンタルサモナー。
約100年前エメラルドの森で当時13歳だったインナドリルの領主セントハンターを助けた縁で、
大人になった彼との愛におぼれるようになる。
その後彼女は100年間眠りにつき目覚めた。
エルフの血が混じったハンターにも100年はとても長い時間だった。
彼女が昔の愛の影を捜して湖の国を訪れた時、彼女を待っていのはセントの孫であるリオネルだった。
大きな悲しみと共に彼女は引き止めるリオネルを振り離して去る。
現在彼女は枯れてゆく世界樹を生かす方法を捜すためにアイリーンと同行して胞子の海に向かっている。

・エリキア"Ellikia"[Elf Male]Elven elder
元々はエルフ森の守護者センチネル達を導く騎士だったが
ある日世界樹の呼び掛けを受けて自分の剣を弟アルベリウスに譲った後、結界士の道を歩き始めたエルダー。
一族と森に対する愛が深いがゆえ、人間とオークたちに対する不信が強く、またダークエルフは徹底的に憎悪する。
世界樹が枯れ始めたことは大きな災いの予兆であると固く信じ、
アインハザード教壇からの伝令の知らせで'光の聖女'伝説に対して執拗に調査中だ。
グルーディオ地方で聖女だと推定される少女が現われたという情報を聞いて
その真義を把握するためにその地へ旅立った...

421アデンの名無しさん:2005/01/25(火) 00:57 ID:oseHsap2
・シーケン グルムドレイク"Shikken Grumdrake"[Darkelf Male]Shillien knight
冷静で一寸の隙もないダークエルフ最強のシリエンナイト。
どんな状況でも冷静で合理的で、時には無慈悲だが一族に対する忠誠心と弱者に対する思いやりだけは確かな人物。
ギランでナイトホーク卿と一緒にグリフォン騎士団の一員として活躍をした。
大長老シフィエルの命を受けてスペルハウラー フリキオスと一緒に最近発掘された
'カイシャの黙示録'をダークエルフ村まで運ぶ任務を遂行する。
しかしフリキオスが黙示録の一部分を持って逃走した為、その後を追跡する。

・スクライド"Scryde"[Darkelf Male]Blade dancer
主君の栄光のためにすべてのものを捧げた冷酷なブレードダンサー。
10年前ダークエルフ長老たちの教條主義に嫌気を感じていた中、
霧の山脈でケン・ラウヘルに会って彼に魅かれたスクライドは、今ではパベルの領主になった彼に忠誠を誓い騎士になる。
主君の命令に従ってアリアを追跡中、部下たちを皆失いエスエンと二人だけのまま追跡を続ける。
二人は結局アリアを追い着くのに成功するが予想する事が出来ない事態に巻き込まれ
生き残るために彼女と協力しなければならないようになるが...

・フリキオス"Frikios"[Darkelf Male]Spell howler
ダークエルフの大長老シフィエルに直接魔法を伝授されたスペルハウラー。
長老の苛酷な訓練の影響か常に感情を押えつけたまま生活し鬱積した感情を魔法で解消させるように見える。
本心をわからない無表情な顔の持ち主で事実多くの秘密をその中に抱いている人物だ。
シリエンナイト シーケンと一緒に'カイシャの黙示録'を運ぶ任務を引き受けるようになるが
何か理由があるのか黙示録の一部を奪取した後足跡を消す。

・オフィーリア"Ophylia"[Darkelf Female]Phantom summoner
エルフとダークエルフが分裂される以前の遺跡を尋ねて各地を旅するファントムサマナー。
種族間の反目なんかには気を使わない性格だから他の種族たちともよく打ち解ける方だ。
比較的よく見かける外貌にもかかわらず数えきれないほど多いボーイフレンドたちがいる。
しかし感情を共有する真の友は誰もいない。
プレーンウォーカー スターリスとは愛憎が行き違うライバル関係。
冗談のように100年前愛した恋人を求めて世の中をさ迷っていると言うものの、実はその冗談が事実だ。
そして彼女の恋人は...

・シャークドーン ヘストゥイ"Shakdun Hestui"[Orc Male]Destroyer
ヘストゥイ族出身のエリートデストロイヤー。
ティマックオークたちとの戦争で上部の無理な命令を破って後退を決定、
途中予想する事が出来ない待ち伏せにかかって悽惨な敗北に喫して卑怯者の不名誉を抱いたまま追放される。
君主カカイの命令で自決さえ禁止されたまま自分を殺してくれる相手を求めて大陸を放浪する。
辛うじて死ぬ機会をつかんだ時、彼を救ったのはリオナとの戦闘で傭兵隊を導いたジグハルトだった。
彼はオーク族内部に背信者がいたという衝撃的な言葉を伝えるが...

・タジーフ"Tarziph"[Dwarf Male]Warsmith
攻城兵器に通じる不屈のウォースミス。
引退後平安な生活をしていたが不治の病気にかかった孫娘を活かす方法を捜すためにまた冒険に出る。
孫娘はドワーフの技術で14年間冷凍保存されている。
黒の鉄敷の依頼でピリエルとコンビを成してクルマ塔の発掘を助けていたが、
原因不明の事故でコアが復活すると、その件から手を引き帰還する。
現在はクルマ塔で見付けた資料を利用した新型ゴーレムの開発研究に取り組んでいる。

・アリア ファーストマター"Aria Firstmatter"[Darkelf Female]Abyss walker
封印されたダークエルフ族長ミトラエルの恋人だったアビスウォーカー。
霧の山脈のオークたちが急にダークエルフの森で大規模移住を始めた原因が
'シスラシス'という魔物のためという事実を明かしたことも彼女だ。
恋人であって一族の生存と直結された秘密を持っているミトラエルの封印を解くため、
彼女はある黒魔術士の偽りの情報を信じて古代帝国の魔法的遺産を捜し出そうと傲慢の塔に旅に出る。
しかし眠っていたバイウムの封印を解いてしまったまま自分の目的は成すことができなかった。
命からがら引き上げた彼女は霧の山脈向こうの故郷に帰ることもできなかったまま
パベルから派遣された追跡隊に追い回される羽目になる。

422アデンの名無しさん:2005/01/25(火) 00:58 ID:oseHsap2
・エスエン"Esenn"[Darkelf Male]Phantom ranger
ルウン出身の流れ者ファントムレンジャーでダークエルフよりはオーク友達が多いようだ。
スクライドと討伐隊がアリアを追跡し辿り着いた不慣れなゴダード炭鉱で道案内を任せるために雇った人物。
しかし彼の案内にもかかわらず討伐隊はゴダードの廃鉱でアリアが掘った落とし穴に巻き込まれて全滅してしまう。
生き残った雇い主を導いて黙々と追跡を遂行する。
すると廃鉱の脱出路を捜していた二人の前に足をけがをしたアリアが無防備状態で姿を現わす。
そして...

・エルカーディア"Elcardia"[Darkelf Female]Shillien elder
シリエンナイトとシリエンエルダーの間で生まれた美しくて才能ある少女で、生まれながらのシリエンエルダー。
幼くして親を失いその後大長老シフィエルの世話を受けながら育った。
ダークエルフの歴史上最年少でシリエンエルダーの地位を受けた彼女だがただ一つ、
生まれた時から目が見えなく、人々はそれを惜しむ。
グランドマスターたちの努力にもかかわらず彼女の失明は決して直すことができなかった。
目が見えないことの代償なのか、彼女は時々遠い過去の出来事を―見たりする。
普段親しく過ごしたスペルハウラー フリキオスがある日、半ば強引に彼女を連れて村を発つことで彼女の冒険が始まる。

・イアナ ネルガ"Yiana Nelga"[Orc Female]Tyrant
情け容赦ない冷酷なタイラント。
ネルガ一族の将来を嘱望される戦士でオーク一族の伝統武術であるカバットを幼い年から修練した。
シャークドーンと幼い年に婚約をしたが彼が部族を捨てて人間の軍隊に編入すると裏切り者の烙印押されてしまう。
婚約者の名誉、そして自分の体面を守るためにシャークドーンを追い討ちし始める。
自分がシャークドーンに対して感じる感情が憎悪か裏切り感か、あるいは結ばれることができない愛に対する未練に悩みながら...

・カーディナル セレシン"Seresin"[Human Female]Unknown
冒険者で引退後、聖職者に転身し枢機卿という地位にまで早い立地戦績な人物。
若い日の経験のためかいわゆる'教団において革新的な部類'に入るがそんな理由で教壇の首脳たちとは事毎に衝突するようだ。
予見されていた混沌の時代が種族間の対立と反目から来るはずと見て
五つ種族の和合を駆逐するのに努力しある程度の成果をおさめたが、結局戦乱を阻むことに失敗する。
次の時代を導いて行く善良としてバーツに注目し、またフランツを警戒している。

・タールカイ ドゥダーマラ"Tarkai Duda-Mara"[Orc Male]Warcryer
ドゥダーマラ部族の次期司祭候補と同時に百人近い戦術家たちの奉戴を受けているウォークライヤー。
花火と火炎に秘められた霊蹟な真実を悟るために不滅の高原で冥想をしていたある日、
巨大な蜘蛛の姿をしたドゥマーダラトーテムがその前に現われて永遠な冬に対する警告をして忽然消えてしまう事件が発生する。
君主カカイも分からないこの不可思議な事件の真実を明かすため、タールカイは六大部族の祭司たちに祝福を要求した後、
ドゥマーダラのトーテムが紡ぎ出す至高の蜘蛛の糸に導かれ人間の地に旅を始める。

・カーディア ヘストゥイ"khadia Hestui"[Orc Female]Overlord
ヘストゥイオーク族の次期族長を嘱望されるオーバーロードでオーク族最初の女君主が誕生することに多くの人々が注目している。
任務遂行のために大陸を旅した途中リオナ・ブラックバードと行動を共にし、ギランで最初のアンタラス遠征隊を指揮した。
相当な水準のカバットを使うがその実力を隠すようにしている。
頭脳明晰で人をよく扱う。遠征隊はアンタラスを退けるのに成功したが、その直後彼女は姿を隠した。
シャークドーンといとこの仲。

・ロイエン セイドリック"Roien Sydric"[Human Male]Paladin
伝説的なパラディン、セドリック卿の弟で、一時カドモス親衛隊で国王を仕えた騎士だったが
エルモアとの戦争時負傷にあい以後引退して辺境の話せる島で後進養成に力をつくしている。
戦死には強靭な身体よりも真っ直ぐな精神がもっと重要だという教育信條によって、
無謀で血気過ぎる若者達に残酷な体力訓練と厳格な精神修養を教えている。

423アデンの名無しさん:2005/01/25(火) 01:40 ID:HYI5AeE6
・ダークエルフ種族
元々ブラウンエルフ族はエルフ族の中の1つの部族でした。
彼らは禁止された黒魔術を学びそれを使用し
すべてのツリーエルフ族を虐殺する凶悪な犯罪を犯した後にダークエルフと呼ばれるようになりました。
ツリーエルフの長老は彼の死の前に彼らに呪いを掛けました。
その結果、彼らは明るい光の下で行動することができなくなったのです。
しかしながら長期の研究の後に魔力を使用することによって、彼らは呪いに打ち勝つことができるようになるでしょう。
それまでの間彼らは地下か森の影で生活するようになります。
他のエルフ族と比べて彼らの寿命はより短いのですが、彼らは高い繁殖力を持っています。

*呪いを掛けたのはTree Elvesの長老とされている。
ちなみにマーシュエルフはMarsh Elves=湿地帯(沼)のエルフ族。

424アデンの名無しさん:2005/01/25(火) 02:15 ID:6LhgwqXs
・外観
全体的に見て、彼らの外観はエルフ族の外観と同様です。
しかし、彼らには夜の暗黒へと徐々に移り変わるように思える非常に暗い皮膚の色しています。
彼らが性に関して他の種族より寛容な態度を持っているので、
ヒューマンの感覚では明白過ぎるように思える衣服を着る傾向があります。

・歴史
ブラウンエルフ族はエルフ族の中でもより高いクラスの種族でした。
しかしながら彼らは結局、黒魔術"禁制の力"に魅せられました。
彼らはヒューマンの密かな計画によって騙され、以前彼らの森林の兄弟であったすべてのツリーエルフ族を虐殺しました。
そして彼らの呪いはブラウンエルフ族ををダークエルフへ変える呪文でした。
その後のダークエルフの歴史はエルフ族との無限の戦争から血塗られます。

425アデンの名無しさん:2005/01/25(火) 20:22:07 ID:xnN6bd/A
・オーク族
オーク種族は彼らが炎の神パアグリオの血を引き継いだと主張しています。
その主張に合致し、炎の種族として彼らには強いエネルギーと情熱的な本質があります。
好戦的な本質のため、彼らの歴史は無限の戦争で満たされます。
エルフ×ヒューマン同盟軍部隊によって破られた後に、彼らは大陸での権威を失墜しました。
労働者階級のオーク部族は原始の状態に後戻りして怪物のようになりました。
しかしながら、高貴なオーク族(ヒューマンより高い知性を持っている)は自身の精神文化を開発し始め、
再び彼らの大陸への影響力を育て始めました。
ほどなく、彼らはエルモア王国の山岳地帯に住むようになります。

・外観
オーク族は人間よりはるかに長身です。
広い肩幅とよく発達した筋肉で、彼らは非常に強力に見えます。
まさしくそれらの不吉な外観だけで、彼らは敵を容易に恐れさせることができます。

・歴史:
オーク種族はアインハザードと炎の神パアグリオの助けによって創造されました。
古代から強力な力を利用してオーク族は戦争に従事しています。
以前にはそれらの最も強力な軍隊を使用することによって、彼らは大陸全土を一度は制覇しました。
しかしながら、エルフ×ヒューマン同盟軍部隊によって破られた後に彼らは大陸の北地域に追放されました。
労働者階級のオークがそれ以後部族を分離したとき、オーク族の影響はさらに弱くなりました。
現在彼らはエルモアのヒューマンによって制御され、不仲な関係を維持しながら陸に住んでいます。

426アデンの名無しさん:2005/01/26(水) 02:36:05 ID:g3PfAw0U
目覚める闇―神の代理者、アナキム

"...天使の本質に対しては解釈がまちまちだ。
 ヒューマンの神官たちは天使を光の神アインハザードの子供と説明する一方マジスターたちは光の上位精霊として分類している。
 カイシャの黙示録で天使の創造過程を言及する次の一文はおそらく上の二つの仮説を一緒にする一番適切な説明になるだろう。

‘...万物の中心に立ったアインハザードが天地に光を発しけり。
  四方に発散された光は自ら意志を得て自らを創造した創造主の姿に似せて肉体を成すようになり、
  これが天使になったのであった。
  彼らの光はあまりにも明るく現世に属することができなかったし
  肉体を持つ存在であったから光の世界に留まることもできなかった。
  行く所を失って迷う彼らをアインハザードは取り入れて自分の手下にし、
  新たに九人の子を創造して天使たちの統率役に立ててり...’

 この句節でリリスの対敵者、アナキムが初めて言及される。

‘...9天使の最後は'アナキム'であり、3つの羽を持った女性の姿をなさっていた。
  アインハザードは末の娘を自分の声、地上の微物たちに自分の意志を伝逹する伝令にしたという。
  アナキムは光の代理人として白金の羽に燃え盛る精霊の火をまとい地上に下って啓示の権能を遣わしけり...

  (中略)...そしてアナキムはシュナイマン皇帝に
  自分の血を分け与えてネピリムを治める力を承諾し彼の額に口付けをして光の権能を言う資格を遣わしけり...’

 アナキムが初代ヒューマン皇帝の前に現身して光の魔法を伝授し
 ネピリム軍隊を創造する秘法を教えたのは宗教的意味での'奇蹟'や同時に一つの歴史的真実でもある。
 確かにアナキムの存在はシュナイマンが自分の手の内に神聖な権威を加えるのに良い口実を提供したし、
 これは彼が手に入れた光の魔力程重要な武器だったことが間違いない。
 しかしアナキムが聖者のネクロポリスにリリスと一緒に封印される時、
 それを自分の使命だからと受け入れただろうか?
 あるいは自分を見捨てられた子と思い救済を懇願しながら泣き叫んではいなかっただろうか、
 また自分を闇の中に閉じこめたシュナイマンに呪いを叫ばなかっただろうか?...”

――ダークエルフ長老シフィエル著‘カイシャの黙示録分析、アインハザードの章’より抜粋

427アデンの名無しさん:2005/01/26(水) 03:16:04 ID:g3PfAw0U
目覚める闇―神の軍勢、リリムとネピリム

"...多くの記録で推し量れば‘リリム’はリリスが巨人時代の生命体変形技術と
  シーレンから派生される闇の魔力を利用して変形させたヒューマンたちだと見当がつく。
  彼らの体質はアンデッドに似ていて死んだ状態ではないが食べ物を食べず息をしないで身が老いることも無く病む事も無い、
  すなわち生きていると見るには困難な被造物だった。
  カイシャの黙示録より抜粋した下の句節は不死身の身を持ったリリムの属性に関して説明している。

'...シーレンに命を捧げた兵士、リリムはその名前が死の名簿で消され死んでも永遠に死ねないのだ。
  リリムが死ぬと死の世界のシーレンの御許へ帰ることはできず、
  現世と死の世界の敷居に立てられたネクロポリスとカタコンベであったので...
  その霊科魂がシーレンの神聖な殿堂に閉じ込められているのだ...’

 当時宗教的信念で殉教を不死する風潮がはびこった点を考慮して見ると
 リリムに転生しようと志願する追従者の数は決して少なくなかったはずだ。
 むしろリリムになろうと命を投げ出す者がとても多くその機会が皆に提供されず、
 戦地で功績を立証した騎士、死と破滅を治める闇の魔力に造詣が深い魔道士、
 そして女神の意志に従って敵に死を与える暗殺者が優先的に選抜されてリリムで新たに生まれる'特権'を得、
 そうではない者たちは‘リシー’と呼ばれる下級種族として作られた。
 リリムはネピリムを先に立たせた帝国の軍隊と対立して戦う軍隊の中心勢力を成し、
 リシーはネクロポリスとカタコンベの警備と管理を担当したようだ。

 リリムがシーレンの権能で作られた戦闘種族だったらネピリムはアインハザードの力に創造された兵士だと言える。
 当時記録された帝国敍事詩に次ような句節がある。

‘...そして皇帝シュナイマンはアインハザードの伝令、
  アナキムに伝授された光の魔法で当代最高の英雄たちに聖潔の祝福を与え天使の軍隊を創造してり。
  白金の鎧をまとい刃の羽をつけた彼らの威容は実に驚異的であった。
  彼らは神の命を執行する検事、神の威厳を証明する聖職者、
  神の力を証明する歴史において付与を受けてアインハザードの威厳を証明してり...’

 ネピリムの創造過程に対する記録を厳密に分析して見ると
 これらをヒューマンの身に実体がない光の精霊を融合させて作り出した魔物として見ることが妥当だろう。
 ネピリムはその役目によって歩兵、騎士、司祭に分類され、これはリリムの三種類の型に相応するようだ。
 また‘ギガント’という下位種族がいてこれらを補佐したという記録が残っている。

‘...ギガントはネピリムになる資格がないか弱い者たち、騎士の身分を持つことができなかった者、負傷者、
  あるいは奴隷たちがアナキムの神聖な恩恵を受けて作られた兵士だ。
  ギガントは異教徒を断罪する神聖な戦争でネピリムを補佐した...’

 ネピリムとギガントはその創造される過程で本来の自我を喪失して殺戮や破壊に対する意志だが残された戦闘人形に違いなかった。
 これらに対するシュナイマンの支配力は絶対的だった。
 君主に無条件従ってためらいなく戦闘に跳びこむ兵士が組み込まれた軍隊...
 これは帝国秩序を維持して反帝国勢力をとり除くのに大変有用な道具だったであろう...”

――ダークエルフ長老シフィエル著‘カイシャの黙示録分析、リリスの章’より抜粋

428アデンの名無しさん:2005/01/28(金) 21:09:45 ID:TnGIKSSQ
修正
混沌の年代記:戦乱を呼ぶ者たち <地竜謁見>

ドラゴンに'個人的'関心というものがあるか?
人々は火竜ヴァラカスを親展したリオナ・ブラックバードや、
水竜パプリオンの対敵者であるリオネル・ハンターの例えば彼らも喜怒哀楽を感じる平凡な被造物に過ぎない言う。
しかし賢明な読者たちはもう分かっているようにドラゴンたちは決してあの二人の人間を大事にするとか憎悪したりはしなかった。
ドラゴンらの思考や感情は神々のそれと同じく私たち五大種族たちが楽々と理解することができるものではない。
逆に、私たちのヒューマンと他の種族たちが竜を恐れながら憎むということは明らかだ。
ギランの災いが目覚めるやいなや――竜が寝る姿を横で見守っていた者がいないからそれさえも予測に過ぎなかったが――
領主会議は減税政策や海運条約、四書編纂などに対して論議する時とは全く異なり征伐団の構成から派遣まで瞬く間に議決してしまった。
重大政策の最終的な決定権を持っていたのは当時ギランの領主だったルーウィン・ワルドナー男爵だったが、
これには領主本人の意志よりも商人連合と地方豪族たちの圧力が大きく作用したようだ。
男爵は城の守備兵力半分にあたる4個小隊120人の兵士をヘストゥイ部族出身のオーク カーディア・ヘストゥイに任せて
ドラゴンバレーへ送った、これは多くの領地で派遣されて来た遠征隊員の中に一番大きい割合を占める数字だった。
生存者たちの証言によれば領地所属ではなく個別的に従軍した人々もいて、遠征隊員の総数は四百人を越したことに推定される。
結果的に、遠征は成功も失敗でもない奇妙な形で終結しまったから、
誰もアンタラスの首級をあげてギラン城に帰って来ることはできなかったがアンタラスがギランの大地を踏む事もなかった。
しかしこの遠征を無益な犠牲だ蔑むことは性急な上に慈悲が欠乏した残忍な仕打ちだと私は思う。
それは故郷の領地同士が急な戦乱の渦に巻き込まれお互いに対立していたが、
従軍した隊員たちが望むことはひたすらにギランの災いを寝かせて平和な日常を取り戻す事だからだ。
極僅か、の人物を除きそうだった。
スペルハウラーのフリキオスは当時に族長ミトラエルを代理してダークエルフたちを導いていた
大長老のシフィエルの命令に従って呪いの森で発掘した'カイシャの黙示録'を持って逃げた。
シーケン グルムドレイクは自分と同族を裏切った者を懲罰して問題の本を回収するために地竜の鼻先まで逃亡者を追跡した。
人間に比べて激しいダークエルフの性格を考慮しても決して健全な精神状態といえない彼の行動背景と、
彼らの運命を――おまけに世の中の運命も――搖るがしたまた他の限り人に就いては年代記の他の場で敍述する機会があるはずだ。

ハーディンの弟子と同時にダスパリオンの対敵者,ヒンデミット,帝国暦1640

429アデンの名無しさん:2005/01/28(金) 21:10:25 ID:TnGIKSSQ
修正
戦乱を呼ぶ者たち――シーケン

すべてのものが気に入らなかった。
疎ましい硫黄においを漂うこの竜の谷も、
いつからか彼の後をついて来ている軽率で出しゃばりのあのホークアイも、
道中ウジャウジャいる化け物と人々の死骸も、俺を裏切りどこかであざ笑っている魔法師も...
その中でも最悪なのはその阿呆なシリエンエルダーの小娘だ!一体なぜ...!

くそ!ダークエルフは頭を横に振った。
本当に最悪なのはこんなことに振り回されている自分自身だ。
遅々として進まない状況で指示に従い呆然と歩みを踏み出している姿だって不格好な上にみっともない。

“気に入らないね。”

ホークアイが軽薄な態度で言った。
彼の声を聞いてからシーケンは自分が今まで息を殺したまま歩いていたことを悟った。
問わなくても相手はべちゃべちゃその理由を言うだろう....
こいつはそんな奴だから。

“その魔法使いのやつ、選びに選んでよりによってこんなところで逃げるだから、見つけたら俺の腕を見せてやろう。”

シーケンの二つの目が揺れる怒りを持ってホークアイを睨む。
かすかに反感を持ってダークエルフの灰色の瞳を見合わせた‘鷹の目’が他の所へ向く。

“分かってるさ。もちろんやつの息の根を止めるのはお前の仕事だ。俺はそんなつもりで...”

“ゴーシュ、君が殺人以外に他の仕事もできるなんて知らなかったよ。”

初めにはひょろ長がったホークアイの顔が軽く歪んだ。

“おい、言葉がすぎるぜ!”

ダークエルフはそっぽを向いてまた谷の奥に向けて歩き始めた。

“俺にもできることがいろいろあるさ。”

“例えば?”

“例えば...”

毒々しい煙に腐った石が自ら重さが負けて崩れる音に二人の足音だけが加わった。
谷は静かで会話はこれ以上続かなかった。
やがて他の音が聞こえ始めた。
その音の主たちが巨大な蛇の体をひいて谷に散らばった砂利を転がして気持ち悪い音を作り出しているのだ。
ホークアイのゴースティンは嬉々として周辺を見回して片手に肩に担いだ鷹の目の伝統を持って言った。

“もうそろそろお出迎えの時間だね。
 お嬢さんたちが来たぜ。”

ゴースティンが言葉を終わる前にシーケンのファントムソードからはもう薄青い精霊の機運が立ち上っていた。

430アデンの名無しさん:2005/01/28(金) 21:11:32 ID:TnGIKSSQ
修正
戦乱を呼ぶ者たち――カーディア

オーレンから来たミルロードがマルックソルジャーの刀に胸を突かれて倒れた。
倒した敵には視線を一度も向けず機械的に次の相手を求めた、が、マルックソルジャーの首にきらめく閃光が走ると、
次瞬間その頭が首で胴体と分離して地の底を踏み鳴らした。
カーディアは元オーレン警備隊員の死骸をちらっと眺めた。
彼はこの遠征に参加する前に警備隊で服務した時代の戦友たちと
‘鉄槍小隊’という傭兵団を組織して大陸を歩き回っていたと言っていた。
しかし今彼の死により鉄槍小隊は全滅した。

“後ろを!”

誰かが叫んだ。
薄気味悪い風が吹いて来て彼女の耳元を撫でた。
カーディアズは身を翻すのと同時に片手の刃で相手の巨大な赤い刃を受けた。
鳴り響く鉄の音、痺れた感じと一緒に彼女の武器と相手の武器が同時に跳ね上がった。
手首の痛みを無視して彼女はもう片方の手の武器で相手の手首を狙った。
骨と鎧だけで成り立ったマルックバーサーカーの腕が耳に逆らう音を出して胴から分離した。

“業火の主よ...”

彼女が暗誦を始めると目の前の空間に燃えるパアグリオの印が浮び上がった。
暗誦が終わるのと同時に彼女はオークの足とは信じられない位の速度でその横の敵に駆け付けた。
残された印から炎が広がって行き、周りにいた数匹の敵に絡まって爆発した。
彼女は爆発でたじろぐ相手を蹴飛ばし倒してからはその上に乗った。
二つの刃を振り下ろしまた一振りするとマルックソルジャーの背骨が砕けた。
獣のように身をはじけさせながら起上がった彼女が次に狙った相手は、
黒い獅子団傭兵の一人をたった今惨殺し後ろ向きになっているマルックナイトだった。
彼女の口から自然に魂の泣き叫びと同じ叫びが流れ出た。
しかしアンデッドの顔からは何らの動揺の光も読むことができない。
その瞬間だった。
マルックナイトの鎧と表に突き出た骨に無数に多い小さな傷ができた。
口笛のような鋭く長い音と共にマルックナイトの鎧、そして骨片が粉々に散らばって飛んだ。

“すまなかった。オークの自尊心に傷をつけるつもりはなかった。”

全身を黒い服装で染めたスペルハウラーが彼女に向けてこっそり目礼をした。
カーディアが怒った顔で駆けて来るのを見ながらも魔法師は特別に恐れるとか退くことはなかった。
二人は自然と背中を突き合わせて周りを警戒する姿になった。

“カバットか?”

ダークエルフ魔法師が抑揚のない声で問う。
異種族の者がオークたちの伝統武術カバットに対して分かっているということに驚きはしたがあまり問い詰めたくはなかった。

“基礎だけ。”

声を出して返事をしながら初めてカーディアは自分がどの位疲れた状態なのか悟った。
全身が傷だらけだったし鎧は傷のないところがなかった。
魔法師のローブのあちこちにも血で染まってはいるもののそれは自身の血ではないだろう。
魔法使いたちが無事だったらまだ希望はあるとカーディアは自らを奮い起こした.。

スペルハウラーの指先が魔法書を手早く捲り止める。
彼の手先がページの一部分をつくと深い血の色の謳歌がこちらを向けて槍を投げようとしていたプランドを食うように襲った。
トカゲのように見えるプランドは槍を持ち上げた姿勢そのまま地面に倒れて死んだ。

フリキオスという名前のこのスペルハウラーは今度の遠征に一人で従軍した、
常に独りだったしオーレンから来た他のダークエルフたちとも滅多に会話しなかった。
しかし彼は有能な隊員だったし他人と一緒に戦うのにも慣れたように見えた。
なによりも彼は生き残った。
彼は戦友だ。

“切りがないな。もっと奥へ行った方がいいぞ、オークのお嬢さん!”

二人の向かって中年のドワーフが一人短い足を忙しく動かして走って来ながら叫んだ。
彼は巨大なケーブビースト二匹に追い回されていて本人は気を使わないようだったが見守る立場では気遣うしかなかった。
カーディアと魔法師がいる場所に通じる洞窟の狭小な入口をドワーフが通り過ぎ、
続いてケーブビーストたちがその所を通ろうとする瞬間だった。
タイヤのついた大きな銀色のヤカンみたいなものが早い速度でその間に割り込んだ。
腕のようなヤカンの両側に付いていた斧槌が何回も軌道を描いた、
しばらくすると、入口辺りにはあちこち振り撤かれた化け物たちの押しつぶされた肉片だけが残った。

“残った人々を呼び集めてもっと奥へ行こう!”

ドワーフが示す方を見ると、洞窟の狭苦しい側壁の向こうに巨大な竜の骨が
天井の岩が割れた所から射している光線を反射して薄黄色い光を発していた。

431アデンの名無しさん:2005/01/28(金) 21:13:12 ID:TnGIKSSQ
修正
戦乱を呼ぶ者たち――シーケン

ドワーフの女の死骸はまるで子供の体のように見えて気味が悪かった。
シーケンはわざとそれを見なかったよう無視して辺りに倒れていた他の死骸に近付いた。
しかし彼と同行したホークアイにドワーフはすぐ発見された。
シーケンは自分の前にうつ伏せに倒れている死骸をつま先で覆した。
三十をちょっと過ぎるぐらいのヒューマンの男だった。
左腕にはオーレン警備隊のマークが描かれたスカーフを巻いている。
あちこち負傷を負っているが、彼を死に至らしめたのは胸にささったマルックソルジャーの刀だった。
そのマルックソルジャーも男の仲間に復讐にあったのか頭が無い状態で倒れていた。
男性のオークたちが好みそうな奇妙な模様の護符と戦いに用いられるだろう何種類かの道具、
そして判読できない文字が刻まれた正方形の石を遺品で残した。
シーケンは最後に捜し出した石を拾って上着の胸幅に入れた。
是非それを使う事がないように願うが...

彼は戦闘にくたびれた身を壁に寄り掛けて魔法師のことを思った。
黙示録を手に入れる前から、いや、初めてスペルハウラーと会い任務に就いた時から
彼らは元老たちの言葉に細心の注意を持たなければならなかった。
元老たちの勧告と言うのはすなわち警告だ。
従わない者に血と死を与えるだろうという脅威だ。
もちろんシーケン自身は主に脅威を受けるよりは与える方だったが、
さまざまな理由によって大長老シフィエルの意見だけは尊重したかった。

‘決してその本を読んではならぬ。’

彼はいつ誰によって書かれたのかも分からない古くさい書物の端っくれの内容には関心がなかった。
彼は一年弱自分と一緒に旅した魔法師にも関心がなかった。
その時に彼はシフィエルの特別な待遇を受けているというその模範生な魔法師も問題の本に関心がないと断定していた。
間違えなくそう断定していた.....
呪い受けた森に到着する数日前、刃に似た月を霧が不鮮明に浸食した夜、スペルハウラーはカイシャの黙示録と一緒に影をひそめた...

“石はあったか?”

振り返ると、ドワーフの死骸をすべて調査したのか、ホークアイが何かを手の上で遊ばせながらこちらに来ていた。
シーケンが先程捜し出したものと同じ四角い模様の石ころだった。
ドワーフの死骸が従順な姿で横たわっているのを見て彼はちょっと意外だと感じた。

“いつも思うのだが、ドワーフの女の死骸は見るのは胸糞悪い。”

意外な不平にシーケンが何か答えようとした瞬間、
急に洞窟内のそう遠くない所で気合いと悲鳴、鉄と鉄がぶつかる音、岩が割れて風の搖れる音が聞こえてき始めた。

“俺達は迷う心配がなくて良いね。”

シーケンを追い抜いてホークアイが先に立ち、洞窟の奥へ颯爽と飛んでいった。
新しい侵入者の登場を気づいた化け物たちが近くの他の洞窟から溢れ出た。

“さっそくか!”

狩人が弓を引くと青い光彩を含んだ矢が走り、前を塞いで立っていた女の額を貫いた。
続け様に次の矢が飛んで首にめりこむ。
女の真っ赤な目が信じられないというように射手を睨んだ。
飛びかかった狩人は彼女を蹴飛ばして倒した。
女の背中のコウモリを似ている羽が力無く地底を叩いた。
巨大な刃物ように見える女の手が自分を踏んでいる敵の足を狙ったが彼はもう三番目の矢を準備していた。
最後の矢を射るとそれでブラッディクイーンの動きは止んだ。
ゴースティンは止まらずにもっと奥へ向かった。

シーケンの背後に巨大な黒色鎧を着たマルックバーサーカーが脅迫的に近付いた。
バーサーカーの巨大な武器が頭の上に振りかぶる形で上がっていた。
シーケンは呆然とバーサーカーの刃を眺めていた。

“遅い...”

頭で考えるより早く彼の腕が反応した。
右の方の腰から左側肩まで、短剣が相手の鎧を突き通して鋭い軌跡を描く。
しかしバーサーカーの名前の通りアンデッドは胸が裂かれることも苦にしなかった。
刃が振り下ろされる瞬間シーケンは舌打ちをしながら身を転がした。
彼が立っていた所に小さな窪みができた。
彼は短剣を捨てて代わりに腰に携えていたファントムソードを選んで相手の胸を目標にもう一度勢いよく切った。
初めて巨大な体が力を失って崩れる。
シーケンは雑言を吐き出してゴースティンを追い掛けて走った。

432アデンの名無しさん:2005/01/28(金) 21:14:06 ID:TnGIKSSQ
修正
戦乱を呼ぶ者たち-カーディア2

まるで竜の骨になめした竜の皮を丸ごと被せた様に、その橋の質感は奇妙だった。
ある古代生物の一部分が侵食された骨がアーチのように橋を覆い被せて遠征隊を歓迎していた。
同じくベールのように垂れ下げた死んだ生物の巨大な赤い羽。
その上には小さな穴から入ってきた日の光が当っていた。
羽の上で古いほこりが舞い降りて微かな血の色で洞窟を染めた。
そして橋を塞ぐように彼らが立っていた。

その生物は全身が熔岩のように赤く無惨で巨大な両腕には地獄で鍛えられたような鋼鉄の篭手をはめていた。
山羊のように見える一番の大きな角の下に万事を冷酷に見据える小さな目をやっと見付けることができた。

“期待できるな。”

“自分の死がか?”

“あれを見ろよ、ちょうど我らはもうアンタラスのお守役をすることにくたびれたところだったよな。
 その豚みたいなトカゲ野郎はこの向こうにいる、言うまでもないか?”

そのグラディエイターはにこりと笑ったように見えてからは盾を橋の下へ投げ捨てた。
彼はギラン城の村の闘技場のチャンピオンだと言ったが
実はカーディアはギラン城の村に留まっている間、一回も闘技場で彼の姿を見た事がなかった。
しかし生きて帰ることだけできたら彼はまさしくチャンピオンになるだろう。

‘シャークドーンと良いライバルになる。’

持っていたもう一つの剣を左手に構えた剣闘士の姿を見て、
カーディアは今は行方がわからない従兄弟を思い浮かべた。

“もうすぐだ...”

同じく制約の剣を持ったソードシンガーがつぶやいた。
彼女はエルフらしくないように口調が凄く荒かった。
見かけも先ほどの戦闘で血を被って優雅で可憐な森のニンフにはとても見えなかった。
エルフというよりかえってドレバヌルみたいだと思ったがカーディアはそんな言葉を口にするつもりはなかった。
オークたちは勇猛さに自尊心をかけて、エルフたちは美しさに自尊心を掛けるということが知っているからだ。

カーディアは残っている人々の数をおおよそ推し量ってみた。
ギランを去る時400人を超えた遠征隊の数がドラゴンバレーを通る時半分に減り、今はその半数も残っていなかった。
いくら寝起きで不十分な状態だといってもこの人数で竜の巣から出た地竜に対するということは無謀だろうか...?

“心配はいらんよ。たぶんな...”

グリフォン騎士団のゴッドフリー卿は彼女の葛藤を気づいたように肩を叩きながら言った。
ギラン城の村を出る時10人だったグリフォン騎士たちも今は彼と他の三人だけだった。
彼は領主の前で生きて帰って来るつもりはないと誓ったと言う。
死が栄誉なことであるとしたらそれは勝利を熱望して純粋に戦い死んだ戦士たちだけの栄誉だろう。
不名誉を脱ぎ去る為にに自ら死を選ぼうとしていた彼女の従兄弟が一族から追放された時、
自決を禁止した炎の君主の真義もその所にあると彼女は思っている。
例の誓いに関する話が事実ならカーディアはこの騎士を戦友と信じることができそうもなかった。

“そう、とにかくあの赤い筋肉の塊どもさえ処理すれば結界の心臓だか膀胱だかに着くのではないか!”

銀の車輪で走るやかんを操るドワーフの職人が全然くたびれない声で言った。

“カリック。”

思いがけない声が介入した。
遠征隊員たちはまるで初めて聞くという表情でその声が聞こえて来た所を眺めた。
マルックバーサーカーの巨大で重い死体の上に座って休んでいたフリキオスはゆっくり指をあげて橋の方を示した。

“カリックです。”

“あいつらの名前か?”

ドワーフは気に入らないという表情で問った。

“魔界の軍団長として各々数百数千の魔軍を導くとても偉大な方々でしょう。”

その言葉を聞いた遠征隊員たちの顔が一斉に歪んだ。

“多分あの二体が全部ではないんです。角を曲がるともっといるでしょう。”

遠征隊員たちの顔はさっきよりもっと歪んだ。
皆が沈黙する時間が経って初めに動き出したのはゴッドフリー卿だった。
しかしカーディアは彼を引き止めた。
それより先立ってキルツという名前のアビスウォーカーが彼女に目配せを送ったからだ。
アビスウォーカーはまるで水中を歩くようにどんな雑音も立てないで動いた。
それだけでなく人々は距離が離れるに従ってアビスウォーカーの身が少しずつ闇の色で染まっていくを確認した。
橋をすべて渡った頃カーディアは彼の姿を見失ってしまった。
彼らは待った。

433アデンの名無しさん:2005/01/28(金) 21:22:47 ID:TnGIKSSQ
“失敗したか...?”

黒い鎧を着た騎士たちが武器を準備して隊列を取り揃え始めた。
ギラン領地を脱する頃連中に合流したその騎士たちはアンタラスを打ち破る大業に意味を一緒にする者たちとだけ自分らを明らかにした。
今残っている黒い騎士たちの人数は二人だった。
初めに合流した人員が15名であったからその被害は一番深刻な部類に入ると見なければならないだろう。
カーディアはその理由が分かっていた。
一人一人が遠征隊員の誰よりもすぐれた技量を持っていたが、彼らはいつも戦闘が一番ひどい所で自らを顧ず戦った。
もし彼らがいなかったら遠征隊はこの橋まで到逹することができなかったはずだ。

“彼らの舞踊はまるで伝説のブラックレギオンのようだな。”

ギラン出身の枢機卿、ドリア師は先行して三人ずつ団結してお互いに背中を突き合わせ、
周りに化け物たちの死骸を城壁のように積んで前進して行く黒い騎士たちの姿を見てからそう言った。
枢機卿も何か気配を感じたのか自分の杖をついて座った席でかろうじて身を起こした。
かつてアデン最初の女性枢機卿としてその高い徳の賞賛を受けた彼女は
もう年を取って衰え同行した若い従者の助けがなければ身動きさえすることができない状態だった。

槍をまっすぐに立てて待機している騎士たちの正面から素早く何かが近付いた。
騎士たちは槍を正面に狙って進み始めた。
騎士たちの間をかきわけて鳥のように飛んで来たその何かは底に落ちて人間の肩幅位になる真っ赤な痕跡を残しながら滑った。
血!再び見るとその跡の終りには偵察に出たアビスウォーカーが帰って来て倒れていた。
マンティコアの皮で作った鎧と一緒にわき腹が割れて滝の水のように血を吹き出していた。
あっという間に彼の周りで小さくて赤い沼ができた。
樞機卿が従者を急き立ててそのそばに慌てて駆けて来た。
キルツという名前で呼ばれていたダークエルフはたった今彼が通り過ぎた所を向けてかろうじて手を伸ばした。

“奴らがとても...沢山いる...その...場所で‘心臓’を...見たんです...竜の頭蓋骨の下を通り...上った...、右側に...”

ダークエルフの手が落ちた。
その手をまるで大事な神さまの贈り物でもなることのように枢機卿が取り上げた。
彼女は最後までも開いていた呪い受けたエルフの二つの目を閉じてやりやや低く祈祷文を詠じた。

“ダークエルフとしてはそんな祈祷はあまり有り難くないでしょう、枢機卿様。
 彼の魂は今頃死の女神の御許へ駆け付けているかも知れないですね。”

狩人の村から来たオルリビーニはわざとつっけんどんな言葉でアビスウォーカーの死骸に惜別を告げた。
若い従者は狩人に怒った顔をしたが矢を背負っている狩人の背中は見られなかった。

カーディアも武器を持って橋に向けた。
彼女は呼吸を整えようとわざとゆっくり走った。
アビスウォーカーを追跡して来た魔物たちが橋の向こうに姿を現わして、戦闘が始まった。
討伐に出てから何回目の戦闘だろう...
それがあまり嬉しくもないように感じられて、他の種族たちに余りにも染まった様だと呟きながらカーディアは苦笑した。
狩人たちの護衛が歌って二刀の者が踊る。
騎士たちの鎧と盾は絶えず自分らの境遇に対して不平を吐露した。
魔界の天武将たちは見るにも巨大で重い身体を兎のように身軽くからかう様にあちらこちらに走り回る。
遠征隊員たちの首になった頭が転がって四方で飛んだ血は元からもやや赤い洞窟中を真っ赤に染める。

カリックたちは無視して結界の心臓を捜して走りなさいと叫ぼうとしてカーディアは酷い違和感を感じて堪えた。

エルフ野郎とグラディエイターが前を争って走って行き他の人々が後に従った。
ダークエルフの遺言どおり橋の向こうにはかなりの家より大きな頭蓋骨が置かれていた。
カーディアは羊のように曲がっていた角の下を通る時ふと後を見回した。
一番後に遅れていたのは気遣っていた足の短いドワーフたちではなかった。
ドワーフたちは短い足をとても忙しく動いて騎士たちすぐ後に従っていた。
もっぱら最後尾を来るのは老いた枢機卿とその随行人だった。

434アデンの名無しさん:2005/01/28(金) 21:31:43 ID:TnGIKSSQ
“急いで!はやく!”

意味ない催促が繰り返される間にいよいよ追跡者が現われた。
両側に刃が付いた巨大な槍を振り回しながら死の騎士たちが早く二人を向けた。

“ばばあ!死にたくなければ走れ!”

渡った橋を戻ったオリビエが叫び声を張り上げた。
彼と他の狩人たちは相次いで矢を放った。
彼らが弓を射る速度がとても早くて弓を一回引く間に矢を二本ずつ飛ばしているのではないか疑ってしまう位だった。
彼らの射撃は正確な上に力強かった。
矢は追跡者たちの鎧をまるで薄い皮のように貫いた。
追跡者たちは執拗に枢機卿と同行者を狙ったがその前にハリネズミになって倒れた。
やっと無事に橋を渡った枢機卿は息が息苦しいように胸を引っつかんでいた。
枢機卿は狩人たちに感謝するというものを言おうと思ったが狩人たちは間を置かず洞窟の奥へ駆けて行った。

“長く堪えることはできない!はやく先に心臓がある所へ!”

高く飛び上がったカリックを巨大な金槌で殴り落としてゴッドフリー卿は叫んだ。
カリックは底を一回り転がったが直ぐに立ち上がって巨大な腕でゴッドフリー卿を殴り飛ばした。
何やら折れる音と一緒にグリフォンの騎士が洞窟の底に倒れ込んだ。
盾を持った彼の左腕の鎧が引き裂かれていた。
腕が折れたように見えた。
倒れた時に止めを差そうとしていたカリックのわき腹を前後と左右で黒い騎士たちの槍が十字に貫いた。
カリックは無惨な咆哮と共にひざまずいた。
もっと多くの戦友たちを失った後に遠征隊は二つの橋を渡った。
橋の向こうに典型的なオークなら歓呼の声をあげるに値する光景が展開されていた―――
限りない数の強大な敵が前を争ってこちらへ渡って来るために喚き立っているのだ。
そして彼らを阻んでオークの楽しさを邪魔しているのは二人のあの黒い騎士たちだった。
カーディアはその騎士たちの靴でも磨いてやって、
オークと敵の間を塞いだ彼らの無礼に対する報償を思案してみたいという気持ちだった。

“来ますよ!”

黒い鎧の中で意外な美声が飛び出した。
騎士は巨大なグレートソードを振り回して近付いた敵を退けながら叫んだ。
もう一人の騎士はハルバードを持ってその横を守った。

“くそ!陣形を組んでやがる。”

闘技場のチャンピオンが腕を捲り上げる振りをして橋に帰ろうと思ったが誰かの叫びが彼を留まらせた。

“結界の心臓だ!”

橋の向こうで魔物たちはまるで赤い波のようにざわめきを繰り返してこちらを睨んでいた。
すぐでも攻撃を再開したいが橋を塞いでいる二人の騎士を警戒しているようだ。
全身に黒い甲冑を纏った二人の騎士が狭い道の上で幾多の敵を向い合っているその姿は古代の壁画のように壮麗だった。
遠征隊員たちがなかなか動くことができないでいると美声の騎士がカーディアに手招きした。
彼女が近付くと騎士は一歩しなやかに近付いて黒い兜のバイザーをこっそり持ち上げた。

435アデンの名無しさん:2005/01/28(金) 21:53:07 ID:TnGIKSSQ
“...!”

“...お分かりになりますか?”

カーディアは混乱しながら首を振った。

“私たちは大丈夫です。”

騎士は手早くバイザーを下げた。

“お早く、敵が来ます!”

その言葉を合図のように赤い波が橋を覆い被せた。
巨大な剣裁きが波を割った。
カーディアは我を忘れている最中に誰かの催促を受けて我に返った。
彼女の指揮下でギランから同行した警備隊員中の一人だった。
やっと彼女は歯を噛み軋ませて素早く大きく後退し叫んだ。

“結界の心臓へ!”

うねる赤い波が今にも二つの黒い姿を飲み下そうとしていたがカーディアはそれを無視した。
他の領地から来た遠征隊の生存者たちも彼女の叫びに従った。
彼らは短い通路に沿って走り垂れ絹のように赤い被膜が周りを覆っている小さな部屋に少ししてから到逹した。
追跡はなかった。
その部屋の真ん中には石で作られた祭壇があり、その上には人の背丈くらいになる奇妙な模様の水晶が浮かんでいて、
その表面でへ血のように赤い光が当っていた。
誰も教えてはくれなかったが皆それが結界の心臓ということが理解ができた。
カーディアは‘心臓’を一回見て通り過ぎた道の方を一回眺めた。
橋がある方を目測してみたが落ち残った二人の黒い騎士と化け物たちがどうなったのか推し量ることができなかった。
ただどんな音も聞こえないという点で二人の騎士の勇戦を見当付けるだけだ。

“治療を...”

警備隊員が包帯を持って心配そうにカーディアの前に現われた。
彼女は周辺を見回したがどう見ても警備隊の生存者は―悲しいがその一人だけのようだった。
名前を問うとリハンだと言う。
地竜の洞窟入口で警備隊員の大半は地底の王を接見する用意ができていなかったと
地竜の監視人たちに追い出されてしまったが、リハンはあの時残った何人か中の一人だった。
一方、ギラン城、そしてドラゴンバレー入口で会ってあいさつを言い交わした‘ブルーシャーク’や‘鋼鉄の薔薇’のような
いくつかの少人数の傭兵隊、‘白銀座’、‘ゾーンカラー’といった騎士団の姿も見えなかった。
オーレンとインナドリルから来た遠征隊も事情は似ていた。
残ったことはおおよそ6〜70人...

“有り難いがそんな必要はなさそうだね。”

カーディアはばっさりと言葉の最後に年を取った枢機卿を示した。
彼女の祈祷で隊員たちは早く体力を回復して行っていた。
折れたゴッドフリー卿の左腕を含めて、切られたり割れてにじられたりした隊員たちの傷もあっという間に癒えて行った。

“猛り狂う心までは注文することができないか...”

オークの胸の中でさえ冷たく凍えて切々たるものなのに他の者たちなどは言うまでもない。
遠征隊員たちは肉体に負ったものよりもっとひどい負傷を精神に負った。
奇跡的な治癒を体験してからも彼らは何か―戦意が高揚するとか―もなかったし誰も結界の心臓へ我先には近寄らなかった。

酷い無力感の霧が室内に漂った。
もしかしたら戦友を無欠に捨てて来たという罪責感が彼にひとかどをしていることも同じだった。
ある人は先に立って遠征隊を橋で去るようにした彼女を疑念に満ちた目つきで眺めるまでした。

“誰か来る。”

436アデンの名無しさん:2005/01/28(金) 23:40:51 ID:TnGIKSSQ
タッタッタッタッ......。
洞窟につながる入口辺りに座りこんで機械人形をきれいに手入れをしていたドワーフがふと伸ばした手をを止めて声を出してつぶやいた。
人々の手が武器を構えた。
彼らは恐ろしさに満ちた視線を取り交わしながら敵を迎える準備をした。
遠征隊の数が減ったとはいっても赤い帳幕で仕切られた小さな部屋を一杯に満たす程にはなっている。

“二人だ。”

二本のエルブンソードを持ったソードシンガーが耳を動しながら入口すぐの壁に駆け付けて張り付いた。
やっと二人が...カーディアはそのように思おうと思った。
オークの果てしない勇気さえ浸食するようだった...

“もしやあの二人なのか?”

誰かの願望が混じった独り言。
その独り言は他の人々の同意を求めて、熱烈な応答を受けた。
皆の顔に笑みが立ち上がり武器を取った彼らの腕がそっと下に落ちた。
その言葉が事実ならいくら良いか...
黒い兜の中を見たカーディアは決してそんなわけがないことを分かっていた。
彼女が否定しようとした瞬間、

“違う。”

エルフが言った。

“プレートアーマーの足音ではないよ。”

足音はますます近くなってたちどころに誰もが、それが二人の出す音なのを聞き分けることができるほどになった。
魔法師たちは本を広げて杖を力をこめて握った。
弓手たちは弓に矢をつがえた。

“くそ、どんなやつでも頭だけでも出してみなさい...”

狩人の村から来た女の弓手がゴムのヤニを噛みながら石弓を入口に向けた。
もう直ぐと思った瞬間足音が止んだ。
荒てる時間はとても短かった。
足音の持ち主が残った距離を一気にジャンプして室内で跳びこんでしまったからだ。
女弓手が引き金を撃ち離す瞬間、また他の狩人のオリビエが彼女の石弓を打ち上げた。
矢は目標を失って洞窟の天井に飛んでめりこんだ。
攻撃を開始しようとしていた残り遠征隊員たちも二歩ほど走ってからぎこちなく歩みを止めた。
現われたのは一人のヒューマンの弓手だった。

“何だ、生き残った人がいたのか?”

誰か安堵の一息を吐き出しながら声を掛けたが弓手は答えなかった。
代わりに彼は目を細くして遠征隊員皆に向けてゆっくり視線を回した。
カーディアもその弓手の姿を一瞥した。
ギラン遠征隊の将として他の遠征隊を訪問する時も、
そして竜の谷と洞窟を通りながら戦う内にも一回も見た事がないことを確信した。
その時弓手の影が飛び出した。

“誰...”

まだ言葉を言い終えるのも前に影は集まっている遠征隊員の真ん中で跳びこんで
瞬きする間に隊員一人の首を堅固にしっかり握りしめていた。
カーディアは影の瞳を見た。
燃える炎のようなオークの怒りがあり氷柱のように冷たくて鋭い怒りもある。
遠征隊員を見据えている弓手と同じく初めて見るダークエルフの戦士だった。
そして彼に捕まっているのは...

“フリキオス!”

ダークエルフの五つ指が二度と広がらないように縮んだ。
魔法師の首で筋肉と骨が軋む音が聞こえ始めた。
常に無表情だった魔法師の顔がまるで他人のように歪んだ。
魔法師を取ったダークエルフの口元が奇妙に拗じれ上がって青白色の歯が現われた。
オークでも幼い子供なら泣いてしまいそうな無惨なほほ笑みだった。
微笑みがたちどころに憎悪に替わり眼光が鋭くなった。
自分の隠した感情を治めようというのか、ダークエルフはとても細く、長い間息を吐き出した。
しかしその努力は数秒も持続することができなかった。
壊れた陶器の破片で岩を引掻くように濁って逆立ったは声が結界の心臓の前に鳴り響いた。

“あの盲目の小娘...エルカーディアはどこだ!”

437アデンの名無しさん:2005/01/31(月) 20:31:22 ID:zHjOodG2
<地竜謁見>戦乱を呼ぶ者たち――シーケン

‘俺は今何か言ったか?’

“フリキオス!”

人の気配を追跡して入って来た部屋の中には考えていたよりも多くの人々がいた。
シーケンは今自分が何と叫んだのか思い出せなかった。
質問を受けた当事者であるスペルハウルラー フリキオスは
息が詰まり首が折れそうな苦痛の中でも抵抗の意志を突き通しているが
シーケンは魔法師の左のまぶたがぶるぶる震えていることを逃さなかった。
フリキオス自分でも分かっていないはずだが、それはそのスペルハウルラーが心的に動搖する時見える反応だった。

‘俺は今何を言った?’

武器を抜いて持ってはいるがアンタラス遠征隊の生存者たちは彼を攻撃する意思は無いように見えた。
彼がオオカミなら彼らは恐れた羊のようだった。
皆同じに精錬された身体にすぐれた装備を取り揃えていたが
彼らには今相手を必ず抹殺しきるという力強い意志が欠如していた。
何が彼らをこのようにさせたのか分からなかったがシーケンは確信した。
ただ不審な視線でフリキオスと自分の顔を交互に観察するだけなやつらを今ならすべて殺すこともできる。

‘ところで俺は今...?’

この状況で彼の唯一の仲間だと言えるホークアイ ゴースティンの腕はやはり相変らず弦の緊張を解かなかったが
その口は馬鹿のように半ばヘラヘラと笑っていた。

“うん、オイ...”

ホークアイは荒てているのが見え見えな視線をシーケンに向けた。

“その質問には私が分からない深い意味が含まれているのか?”

くそ!今何としゃべたことか全然覚えない!

...!

シーケンは目の前に何かを感じ瞬間的に首をすくめた。
四本の指がそれぞれ二個ずつ、彼の両瞳を狙い突き入って来たからだ!
カッカとほてる感じと一緒に左の眼のふちが魔法師の爪にかかって裂けた。
シーケンは魔法師を逃した。
そして血が流れ始めた。

“小さな...目でさえも充分に突く...価値がある、 ...そうだろう?”

魔法師が咳き上げながらいつかシーケン本人が聞かせた言葉を口にした。
言葉が終わることと殆ど同時にフリキオスは底に倒れた。
シーケンは魔法師のローブ裾を引いて彼を倒してからその体の上で無慈悲に足を降り下ろした。
妙に軽快な音と一緒に魔法師は無惨な悲鳴を上げた。

“目を潰すことができなかったら万事を放り出して逃げろという話もしただろ?うん?”

シーケンは剣を選んで魔法師の腹に差しこんだ。
ローブの上で赤い染みが滲んで行った。
その次は肩。
魔法師がまた悲鳴を上げた。
そして刃先をまた胸で...

“...何のつもりだ?”

シーケンはホークアイを睨んだ。
彼の矢が他でない自分の背中を狙っていることを気づいたからだ。

“やめろ、もう死ぬぞ。”

“'ちょっと痛めつける’だけだ。”

“'殺人’は私の専門だ。お前は今そんなことをしている。それもとても生半可にな。”

常に何も心に無かったホークアイの目に生気が帰って来た。
シーケンは相手が本当に自分を撃つかも知れないと思った。
いや、返ってそのようになって欲しいのかも知れない。
ムカムカする狂信徒の集団が付けてくれたあの道案内者はとても危なかった。
もしかしたらこの席でつぶしてしまうのが後に厄介な事を阻むことかも知れない......
瞬間ホークアイの視線がシーケンの背を脱して他の所に向かった。

“...このくらいの足。”

438アデンの名無しさん:2005/02/02(水) 20:24:20 ID:dgdO7faM
―中断―

目覚める闇―9 シーレンの地下神殿、ネクロポリスとカタコンベ


次は黎明の君主ドビアンヌ エトバルが聖者のネクロポリスと密計のカタコンベを掘り出す時に記録した旅行日誌から抜粋された内容だ。

“...ネクロポリスの建築様式はエルモアデン帝国初期に広く広がった古典様式が変化した形に見える。
規格化された規模の通路と通路が不規則につながっている構造から推し量ると、多くの年月をかけて建て増しされたようだ。
構造物や装飾の細部の保存状態はとても良好な方なのは、これがその時代のの呪術師たちが施した保存の呪文のためであると見当がつく。

ネクロポリスがシーレンの追従者たちが宗教的な目的のために立てた建築物にも関わらず
ここにはシーレンを描いた彫像や紋章は捜して見ることができない。
これは宗教的素材に対する直接描写を避けた死者の文化の影響だろう。
代りに神殿の守護兵を描いた石像が多数配置されているのは
これが装飾的な目的よりも上で言及した保存の呪文と関連されて呪術的な用途で用いられたことだからと考えられる。
次の一文は聖者のネクロポリスから発掘した粘土書板の内容の中の一部であるが
当時シーレンの追従者たちにこの建築物がどんな意味を持っていたのか顕著に表している。

‘...ここはシーレンが死の地から生命の川を渡って現世に帰って来る時に臨在する最も神聖な殿堂、
 死者の女王として君臨する不死の宮殿...
 ...光の偽善者たちの迫害を耐え忍びシーレンに付く信者たちよ、
 君がここで異教徒の刃の前に死んでも永遠に死ぬことはないだろう
 シーレンの権能で此処に留まり不死の生を営むことができる...’

シーレン崇拝者たちにネクロポリスは単純な神殿以上の、死の地と生者の地の中間に置かれた聖地と認識されたし、
また自分らが死ねば死後世界に行く代わりにネクロポリスで
シーレンの加護を受けて在世と変わらず生を営むことができると信じたようだ...

(中略)...カタコンべはネクロポリスより時期的に百年ほど遡った原型といえる。
建築様式では大きく差がなく見えるが構造物の摩耗と破損程度が大きく違って見える。
これはカタコンベが立てられる当時シーレン追従者たちが
これ程大きい規模の建築物に保存の呪文を施すことができる呪術的力量を保有することができなかったからのようだ。

皮肉なことにネクロポリスに比べて保存状態が良くなかったカタコンベでより多くの歴史の痕跡を読める。
カタコンベの損傷した構造物に帝国軍とシーレン追従者たちの戦いの跡がそっくりそのまま残っていて、
これは当時戦闘がどれ程激しかったのか見当をつけることができるようにしてくれた。
異教徒の墓という意味で此処をカタコンベと名付けたシュナイマン皇帝は自分が行う血生臭い私戦争の結末を
最初から分かっていたのだろう...”

439アデンの名無しさん:2005/02/02(水) 20:50:33 ID:WWhAQx4w
目覚める闇―10.封印石の破片たち


"...七個の封印を治める力を持ったシュナイマン皇帝は地上の神に違いなかった。
しかし彼は世の中を破滅に向かわせることができる莫大な力が
ただ一人の運命に掛かっているということがどんなに危険か分かっていた。
未来を通して自分の寿命が無限ではないという事実を悟ったからだか、
政権末期に至ってシュナイマンは封印を治める力を子孫に譲る方法を捜し始めた。
その研究が結実を収め皇帝の血を受け継いだ者が封印を支配する能力を受け継ぐようになった。

正しくこれが黎明の君主たちが言う‘帝国血統に厳密に保管された秘密’である。
シュナイマン死後千年近くエルモアデン皇室家門の長子は七封印を支配する能力を生れつき持っていて、
それを活用する秘法に対して徹底的に教育受けた。

しかし皇室血統の遺産はバイウム皇帝の時にその脈が切られるようになる。
もっと大きい力を切望したバイウムは初代皇帝の時にリリムとネピリムの創造に使われた力までも自分の物にしようと思った。
傲慢の塔は大陸あちこちの地下に封印されているリリムとネピリムからその力を吸収するための装置だったのだ。
しかし彼の無謀ながらも壮大な計画は聖者ソリナの介入によって失敗に終わり傲慢の塔が崩れる時に魔力が逆流し
バイウムの血管を焼きながら流れた力は彼が自分に吸収しようと思ったネピリムとリリムの身に込められるようになった。

バイウム皇帝の没落と同時にエルモアデンの直系血統につながった封印を治める力が永遠に消えたようだったが、
混沌の時代に封印の秘密を追った一連の集団によって
その力は消えずネピリムとリリムの身体に‘封印石’の形態で残っているという事実が明かされるようになる。

封印石が多量に集まれば七封印の力を制御する能力を発揮するようになる。
傲慢の塔で発掘された古文書を通じてこの秘密を一番先に明かした者たちはたちまち勢力を形成して
‘黎明の君主たち’と‘夕暮れの革命軍’を結成して各地のネクロポリスとカタコンベに遠征隊を派遣して
お互いに相手より多くの数の封印石を手に入れようとする争奪戦をするようになる。
封印を争取するための二つの決死団の熾烈な競争はこの時から始まったのだ..."


―帝国暦1731、象牙塔の史学者マテオ著‘エルモアデンの隠された歴史’より抜純

440アデンの名無しさん:2005/02/06(日) 20:10:09 ID:zm/Jtoxs
背中後から聞こえて来る低い女の声!
シーケンは反射的に声の主人を狙って剣を振り回した。
しかし武器は相手の武器に当たって跳ね返った。
同時に左側わき腹に強烈な衝撃が訪れた。
鈍器ではなく身体、具体的には蹴りによる打撃だった。
彼は左手一つで地面をつきながら身を翻して衝撃を流した。
相手はこれ以上攻撃して来なかった。
シーケンは初めて自分の未熟者の姿を見られた。
相手は血を流しながら倒れているフリキオスとその間を阻んで立っていた。
鎧を着けたヒューマンの騎士なんかよりずっと堂々な体躯の女オークだった。
刃先が円形の二つの武器を右手に集めて持ち彼女は左手で自分の眼のふちを示しトントンと示した。
フリキオスに付けられた左目の傷おかげで今彼には死角が生じている。
オークはそれを指摘したのだ。
それがなければ動きが鈍感なオークなんかに彼が背後をつかまる事は決してなかったはずだ。

“司祭枢機卿、魔法師を。”

オークが言いつけると年を取ったヒューマンの聖職者が急いで魔法師の状態を見始めた。

“あのスペルハウルラーを連れて行く。”

オークは眉をひそめ考え込んだように視線を下げた。
しばらく後オークは首を左右に振った。

“承諾することはできない。”

シーケンは鼻でせせら笑った。

“君の許諾は必要ない、オークよ。”

“カーディア ヘストゥイ。”

オークは自分の名前を言ってから直ぐに格式を取り揃えて片手を胸に当て腰を厳かに下げた。
この意外な礼儀はどんな脅威よりもシーケンを慌てるようにした。
そしてつながるオークの言葉は焦燥を越して当惑で彼を追い立てた。

“恋人を奪われて悔しい心は理解が出来るが、必ずしも今此処でその仕返しをしなければならないか?”

また口を開くためにシーケンは心の中で二十回程、そのオークを無惨に殺害しなければならなかった。

“その病身みたいな声を摘み片付けるんだ!ふざけるのも大概にしろ!”

“そんな事は出来ない。”

“ヘストゥイの関係する事ではない!”

シーケンはわざわざ炎の種族のリーダー格であるヘストゥイの名前を口にあげた。
いつか若い年齢にも関わらず将来炎の君主の後を引き継ぐ素材と推挙されるオーバーロードがいるという噂を聞いた事がある。
もしオークにも外交感覚というものがあったら彼女は彼が意味することを気づくはずだ。
――これはダークエルフの問題で、オークの関与する事ではない。

“ダークエルフよ...,炎の君主だと言っても他人の恋愛をどうこうお節介をする権利...”

“この間抜け野郎!恋愛問題ではないと言っているのだ!
 もう一回でもその言葉を口に出せば誓ってその口を引き裂く!”

カーディア ヘストゥイは他のオークたちと同じく岩のような顔の上に
しばらく鼻白んだ顔をしてから脹れっ面をしているように答えた。

“それじゃそうだと言っておく。”

シーケンは彼の長い人生の中でも最悪の敗北感と挫折感を味わわなければならなかった。
聖職者に治療を受けていたフリキオスがククク、と奇妙な笑い声を出した時シーケンは目から炎が溢れ出るように怒った。
彼の背中の後でホークアイが先に出なかったら彼はまさしく魔法師に飛びかかって後のことは考えずに、
今度こそその頭を飛ばしてしまったはずだ。

“彼は私たちが何ヶ月も前から追っていた逃亡者です。
 私たちもギラン政府の命令を受けたのです。
 すなわち、奴は領主の、ひいては王室の敵という意味です。
 あなたたちがその者を保護しなければならない理由はないです。”

オークは魔法師を眺めた。

441アデンの名無しさん:2005/02/06(日) 20:24:53 ID:zm/Jtoxs
続いて彼女は結界の心臓の前に集まっているすべての人々に目を通して、この部屋に通じる洞窟の方に視線を投げた。
脅迫的に彼女の胸を狙っているホークアイの弓を見て最後にシーケンと目が合った。
シーケンはその眼光が少し前と全く変わったことを感じた。
判決を下すダークエルフの元老のそれのように彼女の眼光は断固たって一切の反論を受け入れないという意志に満ちていた。

“ポータルストーンは持っているか?”

“何?”

このうつろな反応はシーケンやフリキオスだけではなくこれらを見物した周辺のすべての人々が共通的に取った態度だった。

“何だ?”

“私たちはこの心臓によって地竜に会いに行く。”

彼女はフリキオスの方に一歩退いた。

“もしお前達の問題を解決したいのであれば、一緒に行くか私たちが出るまでここで待つように。”

“話にならない!”

シーケンは思わず叫んだ。

“彼は...”

カーディアはこの話をする瞬間を待っていたというように視線を左右で振ってからは穏やかにほほ笑んだ。

“私たちの戦友だ。”

ふっと取るに足りなく見えるこの宣言は萎びれた羊の群れのようだった遠征隊員たちにまさに劇的な変化を引き起こした。
壁が寄り掛かって座りこんでいた剣士たちがよたよたと立ち上がり武器を誇示した。
弓手たちは矢を準備し魔法師たちは魔法書を素早く捲った。
奥の場所で老けたドワーフが鉄線を引っぱって彼の変な人形に生命の火を吹き入れた。
オーバーロードがどんな呪いを使ったのか分からないが、遠征隊員たちはこれ以上自らを同情する生贄ではなかった。
彼らは群れ成して敵を狩るオオカミであり今その歯はシーケンとゴースティンに向けられていた。

442アデンの名無しさん:2005/02/11(金) 00:17:50 ID:rmJS3ozQ
<地竜謁見>戦乱を呼ぶ者たち――カーディア3


結界の心臓の送ってくれた場所は途方もなく広い空洞が広がっていた。
どこを見ても遥かにそそり立つ壁だけが見えるだけでその他に建造物などを見つけることはできなかった。
壁は上に上がって少しずつ細くなりそのまま天井になっている。
一方の橋に口を開けている巨大な穴がなかったら方向さえ壮語することができなかったはずだ。
その根拠なしに大きな密室内で遠征隊員たちが探すことができるのはお互いだけだったし、
それで彼らは声を低めてひそひそ雑談をした。

“橋を通って来たのか?”

カーディアは横に立っていたダークエルフに聞いた。
しかし彼の目は十余り歩み下った所で象牙塔の魔法師たちと話を交わしているスペルハウラーに釘付けになっていた。
彼女はシーケンという名前のダークエルフがあのスペルハウラーに飛びかかることができないように警戒していた。
相手について理解したかった彼女は今まで幾つかの質問を投げかけたが皆きれいに無視された。
今度はどんな質問をしようか悩んでいる時ダークエルフは首を振った。
視線はどこまでもスペルハウラーに固定させたままで。

“誰だか派手にやらかした後だった。
 言葉その通り化け物たち死骸を踏んで行かなければならなかった。”

“黒い鎧を着た騎士たちもいたか?”

ダークエルフは頭を横に振った。

“橋が切れていた。”

“...!”

“しかし自然と直っていったよ。”

443アデンの名無しさん:2005/02/26(土) 00:44:08 ID:XHvRUKlM
カーディアはギョッと驚いたあげくひょっとすればダークエルフの肩をひっ掴むところだった。

“この洞窟全体がまるで生物の骨と肉...,組職のようだという考えなのか?”

シーケンの言葉が当たっていたら帰る道は心配する必要がない。

“本当に...有り難いね。”

彼女は危機の度に彼女を救ってくれた幸運を信じることができなかった。
黒い騎士たちの勇猛さは遠征隊を危機から一番救ってくれた。
そして遠征隊員たちが皆失意にうな垂れている時現われたのが正しくこのダークエルフだった。
そのおかげでカーディアは遠征隊員たちの胸の中に消え失せていた火をまたくべることができた。
シーケン自分は自らがどんな仕事をしたのか夢にも考え着かないだろう。

“過去エルモアのバラカヤという村を苦しめたダークエルフ海賊に関して聞いた事がある...”

“忘れろ。”

“シーケングルムドレイク...竜と竜が争うようになったな。”

しかも彼は驚くべきことにアンタラスの巣の中にまで付いて来てくれた。
兵力の大半を失った遠征隊においてシーケンともう一人の加勢は本当に有り難い事だった。
この世の中にただ二人で竜の谷を通って地竜の洞窟奥深くに足を踏み入れることができる冒険者が何人いるだろう?
此処の洞窟のあちこちをよく見て来たローグたちはどうしても出口が見つけられないようだと言った。
ただ一つ不審なこと、壁にある巨大な穴はその終りがどこにつながっているのか分かることができなく今調査中だと言う。
力の強い何人が綱を取って穴の前に立っている姿が見えた。
彼らは中に入って行った仲間のためにゆっくり綱を解いていた。
突然綱を取っていた二人が倒れた。
彼らは穴入口まで綱を取ったまま引かれて行き途中洞窟端で綱を逃した。
綱は素早く穴中に勢いよく入って行って消えた。
とても遠く落ちていたからカーディアは何事が起ったのかよく実感が出なかった。
ガン!洞窟全体が大きく鳴った。

“地震...?”

444アデンの名無しさん:2005/02/27(日) 14:00:04 ID:v.X113No
読んでる人いる?
いるなら続ける.....

445アデンの名無しさん:2005/02/27(日) 14:57:49 ID:5p2DrSCA
時々ですが、チェックして読んでますよ。

446アデンの名無しさん:2005/02/27(日) 16:49:31 ID:TKCZOHU6
ありがたく拝読しています。

447アデンの名無しさん:2005/02/27(日) 18:13:35 ID:jlUQ0wyk
よんでますよん

448アデンの名無しさん:2005/02/27(日) 22:55:41 ID:2JRpIufY
楽しみに待ってますよ

449アデンの名無しさん:2005/02/28(月) 10:41:19 ID:bADsNU4M
すごく楽しみにしてるよー

450アデンの名無しさん:2005/02/28(月) 20:04:07 ID:RRwQsQh6
いつも続きがすごい楽しみです!

451アデンの名無しさん:2005/02/28(月) 22:32:42 ID:Ed0LQRQE

さりげなく、このスレが更新されるのが楽しみだったり

452アデンの名無しさん:2005/03/01(火) 19:27:19 ID:55nCSiIk
お願いします!
このままでは続きが気になって寝れませぬ…

453444:2005/03/01(火) 23:51:47 ID:lU.lLzpc
まさか読んでくれてる人がいるとは......
とてもありがたいです!!
まったり行きますので末永く見守ってください。
―――――――――――――――――――――
しばらく静かになり轟音と共にまた地面が搖れ始めた。
頭上でも大きな地鳴りによって石が落ち始めた。
落ちた石は底を殴り地面に土埃を立て始め視野を遮られた。

“中心部では危険だ!端へ!”

隊員たちは盾を持って頭上を阻みながら壁に向かって走った。
地震は何分も続きアンタラスが現れるよりも前に地震のため皆殺しになるってしまうぞと泣き叫ぶ声が聞こえた。
しかし地震はしばらくした後止まり時間が経つと土埃も沈んだ。

“被害状況を...”

カーディアは彼女のそばで落石を避けていた警備隊員に言ってから、相手が自分の言葉を聞いていないことを気づいた。
彼女は何かを予感してゆっくり頭に向けた。
穴が空いていた所、そこには穴がなかった。
その場所には岩壁なかった。
その場所には天井も、底も、本来その場所にあったものは何も見えなかった。
彼女は首を精一杯に上げるまで自分が見ているものが何か分からなかった。
遥か遠く高い所で彼女を見下ろしてカッカと燃える二つの目と、鋭いと言うよりただ大きいだけの歯の間で炎気を吹いている口。
今まで考えていた作戦や戦術はあっという間にすべて飛んでしまう瞬間だった。

“......ああ、パアグリオよ!”

彼女はアンタラスの声を聞いた。
いや、それは声と言うよりはただ意志の表明だった。
アンタラスは自分の寝所につまらない俗物が入って来た事実を知って彼らを皆殺しにしなければと考えていた。
アンタラスの登場でそれは非常に合理的で容易く判断された。
彼は対話を受け入れなかったし、したがって交渉の余地は無かった。
当たり前の事だ。
一方こちらは不合理で、不可能な成果を薦める状況にいた。
アンタラスは前足の片方を持ち上げた。
彼女はアンタラスが何をしようとするのか悟った。
極めて単純な事だった。
アンタラスは全く偉そうに振舞うことも、もったいぶる事もせず手当たり次第に攻撃を開始したのだ。
彼の前足に踏み潰される終わりまでも精神が抜けたまま立っていた隊員三人が巨大な洞窟の底の赤い染み三つに変わってしまった。
虚しいという考えさえできない程に虚しい死だった。

“攻撃!攻撃!”

454アデンの名無しさん:2005/03/02(水) 00:17:32 ID:Cr1cFF2M
グレシアxアデン戦争――
帝国暦1486-87におこったグレシア・アデン両国間の戦争。
グレシア王パリスはその強力な軍隊を率いグルーディオへの海路から
アデン大陸へ上陸すると瞬く間にグルーディン村を占領した。
パリスは一方でオエルマフム族の傭兵隊を雇い北の陸路よりこれを前線に投入し、グルーディオに陣を敷いた。
一方アデン王アマディオは兼ねてからグレシアの侵攻を警戒しグルーディオ城要塞を事前に築いていた。
彼は此処を防衛線とし激しい戦いが行われた。
オエルマフムとその部下のオルマフム部隊は遊撃隊としてその威力を奮い、
ロストン村、バーニス村を廃墟にするなどその戦いは凄惨を極めた。
グルーディオ城での攻防戦はグレシア軍が優勢に進み遂にグレシア軍はこれを落とす。
続いてギランへと攻め入ったパリスだがここで異変が起った。
アデン王国軍の援軍としてエルモアの軍隊がそこへ現れたのだった。
アマディオは以前より敵対していたエルモア王国と同盟を結んだのだった。
事態を重く見たパリスは退却を決定し自国へと引き上げ戦争は終わりを告げた。
この戦争はアデン各地に多くの傷跡を残し現在でもその跡を見ることができる。

455アデンの名無しさん:2005/03/05(土) 05:02:19 ID:Peyt0VTY
翻訳GJ.
いつも楽しみにしてますよ。

456アデンの名無しさん:2005/03/05(土) 20:12:40 ID:ign6JwUI
警備隊員リハンが他ではないカーディアの耳にしきりに叫んだ。
カーディアは彼を押しのけもう一度長く全員攻撃を叫んだ。
弓手たちがアンタラスの目を狙って矢を飛ばし始めた。
魔法師たちは火と冷気と疾風を投げてアンタラスを少しでも傷つけようとした。
眼の淵にいくつかの矢がめりこんだがそれらがアンタラスに塵ほどの打撃でも与えたのかは疑わしかった。
アンタラスは頭を大きく掲げて洞窟中を目通しすると集まっている魔法師たちに向けて移動し始めた。

“騎士団!パランクス!”

グリフォン騎士団の残存兵を中心に残っている騎士たちが魔法師たちを保護するためにアンタラスの前を塞いだ。
彼らは槍をまっすぐに立てて長方形の防御陣を構築した。

“アインハザードとアデンの栄光のために!前進!”

陣は完璧に構築され、騎士たちはヒューマンの勇気を誇示するようにアンタラスに向けて一歩一歩近付いた。
整然と立てられた彼らの槍が斜めに寝かされて竜の巨躯に向けられた。
その姿は50個の針を持った巨大なハリネズミを連想させた。

“あいつら...死ぬな。”

片手で口を覆ったままシーケンが不吉な予言を吐き出した。
カーディアは戦闘の頌歌を吟じ始めた。
その歌には神々の大戦でパアグリオが水の竜パプリオンと戦った様子の内容が盛られていた。
アンタラスの前足が再び抱え上げられた。
騎士たちは竜の腹部を狙っていた。
アンタラスがしばらく動きを止めた時カーディアは一抹の期待を抱いて騎士たちを応援した。

“いっそ飛び掛かって行くか。”

シーケンが独り言をつぶやいた。
アンタラスの片足がパランクスの後列に覆い被さった。
子供が蟻を苛めるようにアンタラスは前足で騎士たちを踏み潰したまましばらく彼らを観察した。
幸いにアンタラスは子供よりずっと慈悲深かった。
彼はあまり間をおかずそのまま前足を下げた。
足の下で赤い血が流れ出た。
アンタラスは残っている騎士たちの方へ頭を巡らしながら口を大きく開けて吠えた。
竜の噴き出す超自然的な恐怖は人の理性を完全に麻痺させる。
既に自分らの勇気を証明した騎士たちさえアンタラスの咆哮を聞いた瞬間一人抜けると次々と隊列を崩し逃げ始めた。
アンタラスは逃げる騎士たちを無視して最初の目的どおり魔法師たちのいる方を向けて歩くことに移った。
彼はもう死んだ騎士たちを完全に無視して踏み付けつつ通り過ぎようと思った。
ゴッドフリー卿はアンタラスの最初の攻撃を避けることができなかった。
彼の下半身は竜に踏まれて都合なしに踏みにじられた。
しかし彼はまだ生きていた。
アンタラスが彼がいる所に足を下ろそうと思った瞬間、彼は自分の槍を真っ直ぐに持ち上げた。
精霊の青い光が彼の槍を包んでいた。
ゴッドフリー卿の生命が切れた瞬間アンタラスは数百年ぶりに初めて苦痛を感じた。
カーディアは他の隊員たちと一緒に地竜の背後を狙って突撃した。
彼らの狙うのは剣が触れることができる高さにある竜の足首だった。
先立って走ったカーディアは視野の端、頭上の高い所で何かが巻き上がるのを見た。

“伏せろ!”

彼女は何かに足を取られて倒れた。
シュィイイイッ!
空気を裂く音と共に長くて巨大な何かが彼らの頭の上を掠って過ぎ去った。
悲鳴と一緒に後に従った戦士の半分ほどが虚空に飛ばされた。
彼らの中で何人かは底に倒れ転び何人かは飛んで壁にぶつかった。

“...尾か?”

カーディアの足首を取って生命を救ったシーケンは地底に横になったままつぶやいた。

“どうも死角はない様だな。”

457アデンの名無しさん:2005/03/05(土) 21:07:15 ID:ign6JwUI
彼は治療を終えてもう小さな傷跡だけ残っている自分の眼の淵を指先で
綺麗に手入れをしてから身を翻して立ち上がった。
地竜の尾が方向を変えてまた飛んで来た。
残った隊員たちが皆底に伏せていたから今度目標になったのはシーケン一人だった。
ダークエルフは伏せる代わりに素早く走り黒い鳥のようにジャンプして尾を飛び越えた。
彼は身を転がしてアンタラスのすぐ下まで近付いた。
尾が地底を殴ると洞窟全体に鳴り響く大きな音と一緒に破片と土埃が舞い上がった。

“酷いな。同じ母神を持った仲なのによ...”

砂埃の中でシリエンナイトが楽しんでいるように笑っていた。

“苦しいだろう!”

彼の剣が頭の上で高く抱え上げられて振り下ろされた。
彼の刀は柄の部分まで地竜の足首の中にめり込んで入って行った。
アンタラスが足を振り回すとシーケンは剣を持ったまま空中に投げ出された。
刃が抜かれて竜の血が吹き出た。
シーケンはこの攻撃でアンタラスの関心を初めて魔法師たちから引き離して置くことに成功した。
アンタラスは巨大な体躯を回して背後に集まっていた戦士たちに向けた。
アンタラスの口から血のように熔岩が流れ出た。
アンタラスは頭を一回突き上げてから炎が渦巻く口を戦士たちの中心に立っていたソードシンガーに向けた。
戦友たちのために戦闘の歌を歌っていたソードシンガーには攻撃を避ける余裕がなかった。
その時闘技場のチャンピオンが地竜の口の下へ跳びこんで彼女を遮って押しのけ出した。
その場所はたちどころに火の海に変わり避けることができなかった人々はチャンピオンと同様に熔岩に埋もれて消えて行った。
フュィイッ!
シーケンがアンタラスに向けて口笛を吹いた。
そこらの雑輩たちを挑発するようなこの行動にカーディアは疑惑が満ちたが驚くべきことにアンタラスは頭をまたシーケンに返した。
もしかしたらはじめからアンタラスは彼を狙ったのかも知れない。
アンタラスがまるで彼をしっかり握りしめようとするように前足を振り回したがダークエルフは身を翻して避けた。
アンタラスは二回攻撃をしたがその度に攻撃は外れた。
最後にアンタラスが前足を振り下ろした時それを避けたシーケンは足指と足指の間に剣を振り下ろした。
もう一度彼はアンタラスの血を流させることに成功した。

“残ったのは後ろ足一つ!”

シーケンは間髪おかずにアンタラスの二つの前肢の間に飛びかかって行った。
彼がアンタラスの腹下をすり抜けて後足に一撃を飛ばそうとしていた瞬間だった。
アンタラスが立ち上がった。

“なんと...!”

山が立ち上がるとしたら光景はこんなだろう!
アンタラスは怒った熊のように後ろ足だけで堪えて立ち上がった。
猟師の村の弓手たちはアンタラスの腹部が現われたその瞬間を逃すまいと雨の降るように矢を飛ばした。
大部分は厚い皮をくぐることができずに遮断され抜け落ちたが何足の矢は竜の鱗と鱗の間、とても細い隙間に深くめりこんだ。
シーケンはボーっと目の前にそそり立っている竜を呆然と見上げていた。

“危険だ!”


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