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なつやすみ

1_:2002/05/31(金) 09:25

嵐映画記念 短編小説
.

38ななし姉さん:2002/06/29(土) 01:03
あのー、職人さま続きはまだでしょうか?
さとちゃんの本当の素性を早く知りたいです。

39ななし姉さん:2002/07/02(火) 03:51
さとちゃんお持ち帰りしたいです。あ、ジャミラでも可です。

40ななし姉さん:2002/07/30(火) 07:51
続きが禿散らかす程楽しみです。

41_:2002/07/30(火) 10:59

8. 手ぬぐいババァムカツク

「なぁ、おまえへびとトカゲどっちがすきなん?」
「ハァ?」
せっかく俺がさとちゃんとコミミケーションしようと頑張ってんのにさぁ、
この相葉ってやつマジうるさいの。さっきからもーどーでもいいような事をさぁ、
次々質問してくんの。コイツ絶対授業中とか手あげまくってあてられたら
忘れましたとか言ってる馬鹿だぜ多分!しかもウルサイから席替えの時とか
絶対先生の目の前の席にされんの!バーカ!
「おれは‥多分へびかな。おまえへびとな、トカゲ仲間なんしっとったか?
あいつら敵ちゃうんやって。先生言うとった。」
「は、何言ってんの?」
こいつマジ何言ってんのか分かんない!ほんと頭ヤバいんじゃないの?俺もう
ついつい宍戸錠みたいな顔になっててあわててかっこいいモードに直した。
だってほら、真横にさとちゃんいるし幻滅されたら仏滅だし!
「おまえ、あほか。」
「ハァァァァァァッッ!?」
マジビビった!頭ん中もうお祭りさわぎだっつーの!このアズキ何言ってんの?
もしかして今この住所が目黒の俺に向かって馬鹿とか言わなかった?もうマジ
切れた!‥って思って俺はそいつの胸ぐらつかんで『ろくでなしブルース』の
タイソンの顔してやった。俺なめてっと火い見るぜ?今チャッカマン持ってない
けど花火用のやつがカバンの中入ってんだよオラァ!!

「さとちゃん、このチビおかしなった、どうしよう。」
目の前の相葉の顔すっげーあわててんの!目ちっちゃ過ぎて目が点になってたか
どーかは分かんなかったけど多分点になってたと思う。ていうかチビって言うな
さっきから!アズキ!
「さとちゃん、怖がらせてゴメン。でもこれは男同士のケンカだから。危ないから
下がってて。」
.

42_:2002/07/30(火) 11:00

決まった決まった決まったーッ!
俺のスーパーウィンクがさとちゃんのブルブルハートに命中!俺はもう“ケツに
火がついてた”から(この大人の言葉はこの前ドラマで見た)いったん相葉を
放してやってそれから『らんま1/2』の乱馬のポーズ取ってヒュオオオって
言ってやった。そしたらそいつ何っつったと思う?
「さとちゃん、アイスないー?」
アイスだよアイス!俺がかまえ取ってやってんのにアイスよこせとかさとちゃんに
言ってんの!バッカ、あ、バッカじゃないの?なのにさーさとちゃんってばもう
死ぬほどやさしいからーとろけるチーズみたいな笑顔で
「ない」
とか答えてやってんのー。あーもうその笑顔がまたかわいくて、口の中にかわいい
八重歯があるのが見えてさーもうプリプリの唇とかぷにぷにのほっぺとか‥あぁ、
マジほんとこんなとこ引き払ってさっさと東京につれて帰ってあげたいよ。そしたら
もうこんな体育館でずっと暮らさなくてもいいようにしてあげる。きっと婚約指輪
は給料3びゃくおくまんねん分の大費用ですっげーダイヤのやつ買ってあげて
結婚式は宇宙ステーションで空中結婚!ビルゲイツとかクリントンとか呼んだり。
あと志村ケンとみやすのんき。
.

43_:2002/07/30(火) 11:02

俺がそうやって未来の結婚式の事とか色々考えてたらまたドタタタタとか凄い
足音が聞こえてきて、フスマが無い部屋の入り口から今度はさっきの銀歯が
飛び込んできた。二宮だ、って気付く前にそいつが叫んだ。

「おい都会モン!今日の晩めしお前絶対ウチ来んなよ!」
「は?」
何言ってんのこの白ナメクジは?誰に向かって命令してんだよ!慶応幼稚舎
4年3組出席番号12番1班“幻の絶対的班長”桜井翔に言ってるわけ?
こいつ絶対俺のクラスいたらいじめてやる。牛乳の栓入れるビニール袋
来ても絶対こいつにだけはまわしてやんないし机も死んでもくっつけて
やらないっつーの。俺にさからったらどうなるか体で教えてやるよ!
俺は無意識で“無敵のポーズ”を取った。もう何が起こっても俺の
知ったこっちゃないぜ。チラリとさとちゃんを見ると不安そうにマユゲを
下げてこっちを見守っている。大丈夫さとちゃん、絶対に正義は勝つから。

「かかって来いよ、ひねってやらぁ。」
俺はギッと哀れな二宮と相葉を見て言ってやった。言ってやったのに。

「みんなオヤツやで〜今日は氷やからはよ出てきな〜!」
ってさっきの“手ぬぐい”頭に巻いた黒いおばさんの声が聞こえると
わーってすごい勢いで全員外に走って逃げていった。

だんとつ一番で走って行ったさとちゃんの背中があっという間に小さくなるのを
眺めながら、俺はピーコの真似して「この子達ダメ、全然田舎くさいわ。」
ってひにく言ってやった。(さとちゃん以外)
.

44ななし姉さん:2002/07/31(水) 01:35
職人様フッカーツですね。とてもうれしいです。
ところどころに出てくる時代をにおわすアイテムが笑えます。
さっき、「みやすのんき」がどうしても思い出せなくて、健作の旅に
出てしまいました。

45_:2002/07/31(水) 09:21

9.オヤツムカツク

「はよおいで、ほれ」
って言って手ぬぐいババァに渡されたのはカキ氷だった。何か“こうりん”とか言ってた
からど田舎特有のすんげーオヤツなのかと思ってたのにゲンメツ!マックのプチプチ
シェイクのがだいぶおいしいっつーの!しかもシロップみぞれしか無いっつーんだもん
ダサいのにも程があるぜ!やっぱ俺がおすすめしたいのはハワイアンシロップとストロ
ベリーシロップとパイナップルシロップの3色がけ!ガリガリ氷に3色きれいにかけて
それでハワイアンにあきたらパイナップル、パイナップルにあきたらストロベリーとか
そうやって食べるのね、やっぱシティーボーイはこうじゃないと!
「やっぱ氷はうまいなぁ!あ、あいばのがミツ多いおばちゃん!」
「そんな事ないがな」
「あーる!あるあるある!もっと俺のにもかけて!かけてぇ言いよるやんかー!」
あぁこの二宮ってやつ、ほんっと普段からいいモノ食ってないんだなって分かった。
だってカキ氷でこんなキャンキャンほえやがって俺が星いってつ(星ひゅうまの父親で
スッゲーキビシイのよ、友達の兄ちゃんの漫画読ましてもらった)だったらまぁこの
バカにあの鉄みたいので出来たスーツ着させてるね!ま、出されたものは黙って食う
けど(シツケがすっごいから)こんな氷削ってシロップかけただけのオヤツなんて
びんぼうの食べ物だよなー。俺は洋物じゃない汚いスプーンで真っ白の氷の山を
ひとすくいして仕方なく口に入れてやった。失礼だからね。

46_:2002/07/31(水) 09:21

「・・・あっ」
つい声をあげてしまった。一生の不覚。何かすっげーハンパなく氷がフワフワしてて
あまぁくて、すごい、めちゃくちゃうまかった。カギ無しの玄関の前に生えてるすげー
高くてでかい木の下で食べてたんだけど、外なのにすごい頭がサーッて涼しくなって
だからビックリして声が出ちゃった。
「うまいか?東京では氷とかあんまり食べんのやろ?」
「いえ、海に行った時とか花火大会とかの時に食べます。」
「花火大会なぁ、この辺そういうのなかなか無いんやわ、ほら山ン中やろ?やから
ほら、さととかカズとかマサキとか、でっかい花火いっぺん見せてあげたいんや。」
さとちゃん、花火見た事無いんだ・・・。
「えぇんやおばちゃん、こんなやつに俺らのひみつ教えてやらんでええ!こんなやつ
どーせバカにしてくるだけやもん!」
「なっ!」
って俺がムカッてバカ二宮にらんでやった時、手ぬぐいババァが俺らの間に入ってきた。
何か腕とかすっげー太くて、黒いからレスラーみたいだった。かわいいさとちゃんの
母親だとは思えない。あ、さとちゃんカキ氷おかわりしてる。カワイイ。
「ほれ2人とも、おばちゃんのうまい氷もう一杯食べな、ほらカズ、あんたさっき
から喋ってばっかで全然減っとらんでないの。」
「俺はていねいに食っとるの!」
「はいはい、ほらショウもな、氷が溶けるで。」
「・・・・。」

47_:2002/07/31(水) 09:22

そう言って手ぬぐいババァは訳わかんない首切り台みたいな機械の取っ手をグルグル
回し始めた。真ん中には四角いおっきな氷がある。その下にさっき俺が出したガラスの
器があってはらはら粉みたいな雪が降ってる。手ぬぐいババァはフウフウいいながら
ずっと手動かしててガラスの上にはどんどん雪が積もっていった。でっかい山が出来ると
その上に古臭い字で“ミゾレ”って書かれてるビンに入ったシロップを他のやつより
たっぷりかけてさっきのカキ氷は出来上がった。

――こうやって作ってたんだ。
だからあんなにフワフワしてて舌の上でとろけるようにおいしかったんだ。見た目は
すっごいダサいけど、お祭りとかで買う機械のブルーハワイのカキ氷よりずっと
おいしかった。こんなおいしいの、産まれて初めてだった。
「ありがとうございます。」
受け取るときに教えられた通りにアイサツしたら、手ぬぐいババァはウハッて笑って
「何やえらいかしこまった子やねぇ、おばちゃん何か恥ずかしいわ!」
って俺の頭をポンポンって撫でた。フン!俺の頭に触るだなんてシツレイなやつ!

48_:2002/07/31(水) 09:22

「おばちゃんおかわりー!!ふじ山みたいにして!5おく万メートル!!」
「あいばー!お前ここさとん家なんやからエンリョせぇ!」
「何それ。あーおばちゃんそのでっかい氷ちょっとだけなめてええ?」
「いかんよマサキ、皆で食べる氷やからな。」
「はしっこだけでも?」
「あいばーお前なめたら最強軍隊かいぎにかけるぞ!」
「えー」

俺は黙ってカキ氷持ってさとちゃんの隣に座った。
さとちゃん、すごいおいしそうにニコニコ笑いながらカキ氷食べてて、だからこんな
貧乏な食べ物でもスッゲー、たぶん一番おいしく感じた。セミが耳が痛いほど上の方で
ミンミン鳴いてて、でもさっきほどムカつかなかった。

だけどやっぱカッコ悪いから、我慢してわざとちょっとだけカキ氷残してやった。

49短レス:2002/07/31(水) 09:37
>>38 なるべく更新頻度をあげるようにがんがります。
>>39 両方まとめてどうぞ、食い物ですぐ釣れます。
>>40 禿散らかさせてしまって申し訳ありません。
>>44 みやすのんき検索(笑

50ななし姉さん:2002/07/31(水) 19:19
職人様ありがとうございます。
お待ちしてました〜。
カキ氷、なつやすみらしくていいですね。

51ななし姉さん:2002/08/01(木) 01:21
シティボーイ気取りの翔君が目に浮かぶようです。
氷のおいしさに感動するところがまだまだ素直で可愛いですね。

52ななし姉さん:2002/08/04(日) 03:34
禿散らかして待った甲斐がありました!(w
職人様有難うございます〜〜
かき氷を食べる4人の姿が目に浮かぶようです!

53ななし姉さん:2002/08/14(水) 23:07
職人様!ヒソーリとお待ちしてました!
あまり無理をなさらないようにといいつつ
また、期待しております!

54_:2002/12/14(土) 01:34
暫く放置してしまい申し訳ありません。
あともうちょっとしたら続きを貼りに来ます。

55ななし姉さん:2002/12/22(日) 00:58
職人様、お待ちいたしております(ぺこり

56ななし姉さん:2003/08/20(水) 01:56
もう更新はないのでしょうか・・・
続きが読みたくてウズウズしてます。

57ななし姉さん:2004/09/23(木) 02:16
ウズウズ


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