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なつやすみ

1_:2002/05/31(金) 09:25

嵐映画記念 短編小説
.

30_:2002/06/03(月) 23:03

「カズ、あんたお客さんに悪い事したらいかんで?悪戯してたら木霊山に捨てに
行くからな」
「ンなのせぇへんわ!だって俺コイツきょうみ無いもん!」
何か二宮スゲービビッてんの、ウケル!肝試しとかそういうので絶対逃げてスタート
地点に帰って来るタイプだバーカ!
「コイツさとん家に居候しとるんじゃ!なーさと!」
いきなりさとちゃんに話題ふったから俺ビビッちゃったよもー!何かホッペ赤く
なっちゃった、だってビックリしてるさとちゃん可愛いんだもん!東京に連れて
帰りたいよ。行き付けの駄菓子屋につれてってあげて好きなだけオカシ買って
あげたいっつーの!俺コヅカイ月2000円も貰ってる高給取りだし。
「そっかぁ、さとン家におるんかぁ」
黒豚が真ん丸い顔でニコニコしながらそう言ったから俺も優等生らしく(だってほら、
都会代表だし)
「はい、大野さん家にお邪魔してる櫻井翔と申します」
って挨拶してやった。(パターン2)そしたらその黒豚何てったと思う?ほんと
恩をあだで返された。オーマイゴッド!
.

31_:2002/06/03(月) 23:03

「じゃ今晩の夕飯さととウチ食いに来な、カズとも仲良くしてやってな」

その黒豚俺の頭なでながらそう言ったの、ひどい!今晩は黒ハゲの家でお食事の
予定だったのに!二宮いたら絶対さとちゃん盗られるじゃん!でもやっぱほら、
上流階級のしつけ?そういうのがもう身についてるって言うの?だから俺は
もうスッゲースマイルで
「喜んで、楽しみにしてます。」
なんて言っちゃったんだよね・・・。あーもーヤダ。で、自己嫌悪に陥ってるって
言うのにさぁ、その黒豚足元の松潤に気付いて
「あら、アンタも見ん顔やね、アンタも晩おいで」
とかって言ってんの!そしたらさとちゃんもニコニコしててさぁ!何なの?
さとちゃんってさぁ、こんなピンクのTシャツとか着てるオトコとか好みなの?
だったら俺チョーショック!もう俺はそん時何も言えなかったね。あんまり
アッタマ来てたからさぁ、帰りの道さとちゃん置いて一人で帰っちゃったよ。

さとちゃんの豚小屋が見えるころ、俺はやっと二宮の名前がカズって事に気付い
たんだよね。フン変な名前って思いっきり笑い飛ばしてやった。
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32_:2002/06/05(水) 11:52

7. 相葉ムカツク

急いでさとちゃん家まで走って帰ったら家には誰もいなかった。
勝手に入るのも失礼かなーって思ったから戸口の所でごめんください櫻井です
って言ったんだけど反応無し。合鍵とかまだ貰ってなかったからさ、ほんと
焦った。で戸口の前で仕方ないからさとちゃん帰って来るの座って待ってた。
すんッげー暑かったんだけど(避暑地よって母さんウソついた!)なるべく
日陰に入って待った。だって二宮ン家まで戻るの死んでも嫌だったし黒豚は
カマ持ってたから。ほんとここ来てからこっちさとちゃん以外田舎のいいトコ
見付けらんないよ。

さとちゃん・・・カワイイなぁ。大野さとって(漢字かな?ひらがなかな?カタ
カナでもカワイイな)かなりイケテル名前じゃない?俺、自分の名前もヒーロー
みたいで好きだけど(よくカッコイイって言われるし)さとちゃんの名前も
負けずにカワイイ、大好き。あーもーセミうるせー。
.

33_:2002/06/05(水) 11:52

「・・・あの。」
パッと顔あげたら目の前にさとちゃんが立ってた。かなり近いどうしよう!
立ち上がったらさとちゃんの顔が目の前に来てスッゲードキドキしちゃった。
マツゲ長くて口ちっちゃくてカワイイなぁ・・・。コグマみたいな顔してる。
ぎゅって抱き締めたいよ、ほんと。
「中、入らないの?」
あーもー声もカワイイ!すごいキレイな声だよなー。歌とかうまそうな声。
一緒にカラオケ行きたいなぁ・・ううん、絶対連れてってあげよう、こんな
変な所から連れ出してやるんだ!
「あ、合鍵持ってなかったからさとちゃん待ってた。」
おっしゃー!初めてさとちゃんって名前呼んじゃった!さとちゃんのほっぺが
ちょっとだけピンクになるのが分かった。さとちゃん色白いからそういうの
すごくよく分かる。
「うち、カギないのに・・。」
さとちゃんはそう言って木のドアを開けて中に入って行った。そう言えば
このドア、鍵穴無い・・。は・・恥ずかしいっつーの。俺はさとちゃんに負けない
くらいホッペが赤くなるのが分かった。俺も色白い方だからバレてるんだろう
なぁなんて考えてたらもうどっかに思いっきり走って逃げたくなったよ。
「さとちゃん待ってよ!」
でも相手はさとちゃんだし大丈夫!だって将来の俺のお嫁さんになる人だし
こんな事恥ずかしいなんて言ってらんないって。ヘッ!
.

34_:2002/06/05(水) 11:53

さとちゃんの後を追っかけて部屋に入るとさとちゃんは地面に座って(こんな
キッタナイとこ座ったらおしり汚れるよさとちゃん)何かしてた。俺は横に
座って
「何してんの?」
ってもうジェントリマンみたいなやさし〜い声で聞いたんだよね、そしたら
さとちゃんもうとろけちゃいそうなカワイイ声で
「絵・・描いてる。」
・・だって!!カワイイ!カワイイ!もうヤバイくらいカワイイ!もううつむいた
まんまだったんだけどもう惚れ直した!ヤバ過ぎだってさとちゃん!
「絵描くの好きなの?うまいね。」
正直さとちゃんの描いてる人間(妖怪?)の絵はちょっと恐かったんだけど
やっぱジョーシキだから一応褒めたらさとちゃん
「・・ありがと。」
って言ってにこって笑ったの!あ・・・もうダメ、救急車呼んでって感じ!
まだそん時は午後の4時くらいで夕飯もまだだしテレビも電波そんな来てない
からチャンネル少ないからピーコ見れないしで退屈な時間だったんだけど、
そんな事言ってらんなくなったね。この汚い部屋の中にさとちゃんの2人きりで
一生過ごせますかって言われたら絶対イエスボタン押しまくっちゃうって!ヤバ!
こんなカワイイ子世界中探したってどこにもいないよ!あーもースカートとか
はけばもっとカワイイのにー。もーセミうるせー。
.

35_:2002/06/05(水) 11:53

「・・でさ、サトちゃん・・」
「さとちゃーん!見て見てぇー!」
せっかくさ、これから会話を広げてもっと仲良くなろうって思った時にフスマの
向こうからすっごい足音。だ誰かいたのこの家?ってビックリしたんだけど
そう言やカギかかってなかったって事思い出してそれが客だって分かった。
ほら俺この前の算数のテストでも一人だけ90点台だったしその辺はね。
「さとちゃーん!見て!見てコレ!」
足音がフスマの前で止まってすぐにバターンッてすごい音がしてフスマが
こっちに倒れてきた。フスマってこう使うの?家フスマ無いからよく分かん
ないんだけど普通横に開けるんじゃないの?
「・・・あ、あいばちゃん。」
それなのにさとちゃん、全然ビックリしないでフスマ蹴倒したヤツの方に
歩いてっちゃったの!何で!さとちゃんこんな野人に近付いたら危ないよ!
噛まれちゃうよ!
.

36_:2002/06/05(水) 11:54

「さとちゃん見てよこれぇ!」
そう言うとその野人、着てたダルダルのキッタナイTシャツの首のトコロを
頭の上に引っかけて
「じゃみら。」
って言った。じゃ、ジャミラ?世間はもうタイムレンジャーの時代なのに?
ウルトラマンなんてダッサイ馬鹿しか見ないよこの時代遅れ!こいつ未だに
マリオワンとかやってんじゃないの?クリボーとかにぶつかって死んでる
タイプだよ絶対!カッコワル!
「・・フフッ」
さ、さとちゃん笑ってる!今のもしかして面白かったの?ウソ!この目が
アズキみたいにちっちゃいヤツの寒いギャグが面白かったの?いやきっと
さとちゃん優しいから笑ってやってんだよな!こんなの絶対面白くないし!
もーセミ、ミンミンミンミンうるっさい!
.

37_:2002/06/05(水) 11:54

「あれ、このチビだれ?」
ジャミラの格好のまんまでそいつがいきなりこっち指差して言ってきた。
人を指差しちゃいけませんってコイツ全然習わなかったの?しかも初対面の
人のチビ?そりゃお前よりかは背はまだちっちゃいけど小さい時伸びるヤツ
って大きくなったら全然伸びないって母さん言ってたし。バカじゃんコイツ?
「さとちゃん、この人誰?」
もうかっなりキてたけど笑顔でさとちゃんに聞いたら(オトコはちょっと
した事でカッカしちゃいけないでしょ、やっぱ)さとちゃんふにゃあって
眉毛下げて(カワイイ!)
「相葉雅紀」
ってわざわざ俺のために紹介してくれたの!そしたらその相葉ってやつ、
さとちゃんに
「新しい家来?」
って言いやがったの!バッカ!バッカ!バッカじゃん?こいつ!家来な
訳ないじゃん!ハズバンドってやつだよ!あんまりムカついたからちょっと
ギッて睨んでやったの、俺。(カッコイー)そしたらさとちゃん

「知らない」
ってニコッて笑った。・・・知らない?え?ウソ?ジョークだよね?

セミが耳が痛いくらいミンミン鳴いてる中、俺は相葉の顔に思いっきり
キッツイにぎりっぺをくらわしてやりたくて仕方無かった。
.

38ななし姉さん:2002/06/29(土) 01:03
あのー、職人さま続きはまだでしょうか?
さとちゃんの本当の素性を早く知りたいです。

39ななし姉さん:2002/07/02(火) 03:51
さとちゃんお持ち帰りしたいです。あ、ジャミラでも可です。

40ななし姉さん:2002/07/30(火) 07:51
続きが禿散らかす程楽しみです。

41_:2002/07/30(火) 10:59

8. 手ぬぐいババァムカツク

「なぁ、おまえへびとトカゲどっちがすきなん?」
「ハァ?」
せっかく俺がさとちゃんとコミミケーションしようと頑張ってんのにさぁ、
この相葉ってやつマジうるさいの。さっきからもーどーでもいいような事をさぁ、
次々質問してくんの。コイツ絶対授業中とか手あげまくってあてられたら
忘れましたとか言ってる馬鹿だぜ多分!しかもウルサイから席替えの時とか
絶対先生の目の前の席にされんの!バーカ!
「おれは‥多分へびかな。おまえへびとな、トカゲ仲間なんしっとったか?
あいつら敵ちゃうんやって。先生言うとった。」
「は、何言ってんの?」
こいつマジ何言ってんのか分かんない!ほんと頭ヤバいんじゃないの?俺もう
ついつい宍戸錠みたいな顔になっててあわててかっこいいモードに直した。
だってほら、真横にさとちゃんいるし幻滅されたら仏滅だし!
「おまえ、あほか。」
「ハァァァァァァッッ!?」
マジビビった!頭ん中もうお祭りさわぎだっつーの!このアズキ何言ってんの?
もしかして今この住所が目黒の俺に向かって馬鹿とか言わなかった?もうマジ
切れた!‥って思って俺はそいつの胸ぐらつかんで『ろくでなしブルース』の
タイソンの顔してやった。俺なめてっと火い見るぜ?今チャッカマン持ってない
けど花火用のやつがカバンの中入ってんだよオラァ!!

「さとちゃん、このチビおかしなった、どうしよう。」
目の前の相葉の顔すっげーあわててんの!目ちっちゃ過ぎて目が点になってたか
どーかは分かんなかったけど多分点になってたと思う。ていうかチビって言うな
さっきから!アズキ!
「さとちゃん、怖がらせてゴメン。でもこれは男同士のケンカだから。危ないから
下がってて。」
.

42_:2002/07/30(火) 11:00

決まった決まった決まったーッ!
俺のスーパーウィンクがさとちゃんのブルブルハートに命中!俺はもう“ケツに
火がついてた”から(この大人の言葉はこの前ドラマで見た)いったん相葉を
放してやってそれから『らんま1/2』の乱馬のポーズ取ってヒュオオオって
言ってやった。そしたらそいつ何っつったと思う?
「さとちゃん、アイスないー?」
アイスだよアイス!俺がかまえ取ってやってんのにアイスよこせとかさとちゃんに
言ってんの!バッカ、あ、バッカじゃないの?なのにさーさとちゃんってばもう
死ぬほどやさしいからーとろけるチーズみたいな笑顔で
「ない」
とか答えてやってんのー。あーもうその笑顔がまたかわいくて、口の中にかわいい
八重歯があるのが見えてさーもうプリプリの唇とかぷにぷにのほっぺとか‥あぁ、
マジほんとこんなとこ引き払ってさっさと東京につれて帰ってあげたいよ。そしたら
もうこんな体育館でずっと暮らさなくてもいいようにしてあげる。きっと婚約指輪
は給料3びゃくおくまんねん分の大費用ですっげーダイヤのやつ買ってあげて
結婚式は宇宙ステーションで空中結婚!ビルゲイツとかクリントンとか呼んだり。
あと志村ケンとみやすのんき。
.

43_:2002/07/30(火) 11:02

俺がそうやって未来の結婚式の事とか色々考えてたらまたドタタタタとか凄い
足音が聞こえてきて、フスマが無い部屋の入り口から今度はさっきの銀歯が
飛び込んできた。二宮だ、って気付く前にそいつが叫んだ。

「おい都会モン!今日の晩めしお前絶対ウチ来んなよ!」
「は?」
何言ってんのこの白ナメクジは?誰に向かって命令してんだよ!慶応幼稚舎
4年3組出席番号12番1班“幻の絶対的班長”桜井翔に言ってるわけ?
こいつ絶対俺のクラスいたらいじめてやる。牛乳の栓入れるビニール袋
来ても絶対こいつにだけはまわしてやんないし机も死んでもくっつけて
やらないっつーの。俺にさからったらどうなるか体で教えてやるよ!
俺は無意識で“無敵のポーズ”を取った。もう何が起こっても俺の
知ったこっちゃないぜ。チラリとさとちゃんを見ると不安そうにマユゲを
下げてこっちを見守っている。大丈夫さとちゃん、絶対に正義は勝つから。

「かかって来いよ、ひねってやらぁ。」
俺はギッと哀れな二宮と相葉を見て言ってやった。言ってやったのに。

「みんなオヤツやで〜今日は氷やからはよ出てきな〜!」
ってさっきの“手ぬぐい”頭に巻いた黒いおばさんの声が聞こえると
わーってすごい勢いで全員外に走って逃げていった。

だんとつ一番で走って行ったさとちゃんの背中があっという間に小さくなるのを
眺めながら、俺はピーコの真似して「この子達ダメ、全然田舎くさいわ。」
ってひにく言ってやった。(さとちゃん以外)
.

44ななし姉さん:2002/07/31(水) 01:35
職人様フッカーツですね。とてもうれしいです。
ところどころに出てくる時代をにおわすアイテムが笑えます。
さっき、「みやすのんき」がどうしても思い出せなくて、健作の旅に
出てしまいました。

45_:2002/07/31(水) 09:21

9.オヤツムカツク

「はよおいで、ほれ」
って言って手ぬぐいババァに渡されたのはカキ氷だった。何か“こうりん”とか言ってた
からど田舎特有のすんげーオヤツなのかと思ってたのにゲンメツ!マックのプチプチ
シェイクのがだいぶおいしいっつーの!しかもシロップみぞれしか無いっつーんだもん
ダサいのにも程があるぜ!やっぱ俺がおすすめしたいのはハワイアンシロップとストロ
ベリーシロップとパイナップルシロップの3色がけ!ガリガリ氷に3色きれいにかけて
それでハワイアンにあきたらパイナップル、パイナップルにあきたらストロベリーとか
そうやって食べるのね、やっぱシティーボーイはこうじゃないと!
「やっぱ氷はうまいなぁ!あ、あいばのがミツ多いおばちゃん!」
「そんな事ないがな」
「あーる!あるあるある!もっと俺のにもかけて!かけてぇ言いよるやんかー!」
あぁこの二宮ってやつ、ほんっと普段からいいモノ食ってないんだなって分かった。
だってカキ氷でこんなキャンキャンほえやがって俺が星いってつ(星ひゅうまの父親で
スッゲーキビシイのよ、友達の兄ちゃんの漫画読ましてもらった)だったらまぁこの
バカにあの鉄みたいので出来たスーツ着させてるね!ま、出されたものは黙って食う
けど(シツケがすっごいから)こんな氷削ってシロップかけただけのオヤツなんて
びんぼうの食べ物だよなー。俺は洋物じゃない汚いスプーンで真っ白の氷の山を
ひとすくいして仕方なく口に入れてやった。失礼だからね。

46_:2002/07/31(水) 09:21

「・・・あっ」
つい声をあげてしまった。一生の不覚。何かすっげーハンパなく氷がフワフワしてて
あまぁくて、すごい、めちゃくちゃうまかった。カギ無しの玄関の前に生えてるすげー
高くてでかい木の下で食べてたんだけど、外なのにすごい頭がサーッて涼しくなって
だからビックリして声が出ちゃった。
「うまいか?東京では氷とかあんまり食べんのやろ?」
「いえ、海に行った時とか花火大会とかの時に食べます。」
「花火大会なぁ、この辺そういうのなかなか無いんやわ、ほら山ン中やろ?やから
ほら、さととかカズとかマサキとか、でっかい花火いっぺん見せてあげたいんや。」
さとちゃん、花火見た事無いんだ・・・。
「えぇんやおばちゃん、こんなやつに俺らのひみつ教えてやらんでええ!こんなやつ
どーせバカにしてくるだけやもん!」
「なっ!」
って俺がムカッてバカ二宮にらんでやった時、手ぬぐいババァが俺らの間に入ってきた。
何か腕とかすっげー太くて、黒いからレスラーみたいだった。かわいいさとちゃんの
母親だとは思えない。あ、さとちゃんカキ氷おかわりしてる。カワイイ。
「ほれ2人とも、おばちゃんのうまい氷もう一杯食べな、ほらカズ、あんたさっき
から喋ってばっかで全然減っとらんでないの。」
「俺はていねいに食っとるの!」
「はいはい、ほらショウもな、氷が溶けるで。」
「・・・・。」

47_:2002/07/31(水) 09:22

そう言って手ぬぐいババァは訳わかんない首切り台みたいな機械の取っ手をグルグル
回し始めた。真ん中には四角いおっきな氷がある。その下にさっき俺が出したガラスの
器があってはらはら粉みたいな雪が降ってる。手ぬぐいババァはフウフウいいながら
ずっと手動かしててガラスの上にはどんどん雪が積もっていった。でっかい山が出来ると
その上に古臭い字で“ミゾレ”って書かれてるビンに入ったシロップを他のやつより
たっぷりかけてさっきのカキ氷は出来上がった。

――こうやって作ってたんだ。
だからあんなにフワフワしてて舌の上でとろけるようにおいしかったんだ。見た目は
すっごいダサいけど、お祭りとかで買う機械のブルーハワイのカキ氷よりずっと
おいしかった。こんなおいしいの、産まれて初めてだった。
「ありがとうございます。」
受け取るときに教えられた通りにアイサツしたら、手ぬぐいババァはウハッて笑って
「何やえらいかしこまった子やねぇ、おばちゃん何か恥ずかしいわ!」
って俺の頭をポンポンって撫でた。フン!俺の頭に触るだなんてシツレイなやつ!

48_:2002/07/31(水) 09:22

「おばちゃんおかわりー!!ふじ山みたいにして!5おく万メートル!!」
「あいばー!お前ここさとん家なんやからエンリョせぇ!」
「何それ。あーおばちゃんそのでっかい氷ちょっとだけなめてええ?」
「いかんよマサキ、皆で食べる氷やからな。」
「はしっこだけでも?」
「あいばーお前なめたら最強軍隊かいぎにかけるぞ!」
「えー」

俺は黙ってカキ氷持ってさとちゃんの隣に座った。
さとちゃん、すごいおいしそうにニコニコ笑いながらカキ氷食べてて、だからこんな
貧乏な食べ物でもスッゲー、たぶん一番おいしく感じた。セミが耳が痛いほど上の方で
ミンミン鳴いてて、でもさっきほどムカつかなかった。

だけどやっぱカッコ悪いから、我慢してわざとちょっとだけカキ氷残してやった。

49短レス:2002/07/31(水) 09:37
>>38 なるべく更新頻度をあげるようにがんがります。
>>39 両方まとめてどうぞ、食い物ですぐ釣れます。
>>40 禿散らかさせてしまって申し訳ありません。
>>44 みやすのんき検索(笑

50ななし姉さん:2002/07/31(水) 19:19
職人様ありがとうございます。
お待ちしてました〜。
カキ氷、なつやすみらしくていいですね。

51ななし姉さん:2002/08/01(木) 01:21
シティボーイ気取りの翔君が目に浮かぶようです。
氷のおいしさに感動するところがまだまだ素直で可愛いですね。

52ななし姉さん:2002/08/04(日) 03:34
禿散らかして待った甲斐がありました!(w
職人様有難うございます〜〜
かき氷を食べる4人の姿が目に浮かぶようです!

53ななし姉さん:2002/08/14(水) 23:07
職人様!ヒソーリとお待ちしてました!
あまり無理をなさらないようにといいつつ
また、期待しております!

54_:2002/12/14(土) 01:34
暫く放置してしまい申し訳ありません。
あともうちょっとしたら続きを貼りに来ます。

55ななし姉さん:2002/12/22(日) 00:58
職人様、お待ちいたしております(ぺこり

56ななし姉さん:2003/08/20(水) 01:56
もう更新はないのでしょうか・・・
続きが読みたくてウズウズしてます。

57ななし姉さん:2004/09/23(木) 02:16
ウズウズ


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