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TWのシナリオについて考えてみる

129『das Bild』その8@28:2004/03/10(水) 17:29
 しばらくして、目の前の木の影からナヤトレイが出てきた。
 「シベリン。これでいいの?」
 そう言ってシベリンの前まで戻ってきたナヤトレイの姿を見て、シベリンはあんぐりと口を
開けた。
 バンダナを外して後ろの三つ編みを解いた姿を見るのも初めてだが、青色のワンピースが
これまたナヤトレイの可愛らしさを引き立てていた。
 「あ……ああ……。」
 「……?もしかして、似合わない?」
 反応が曖昧なシベリンを見て、ナヤトレイはシベリンを見上げながらそう質問した。また
そういういつもはしない仕草をしているナヤトレイは、どこから見ても十五才の普通の
女の子だった。
 「ち、ちちち、違うっ!逆だ、逆!すっっっごい似合う!」
 どもりながら答えたシベリンは、後ろを向いて喜びのガッツポーズを小さく決めた。
 「そう、良かった。じゃあ、後ろお願い。」
 そう言って後ろを向いたナヤトレイの洋服の間から見える白い素肌に、シベリンは頭の中に
血がのぼってクラクラした。
 (ナヤの背中なんて、よく考えたら見た事なかったな。)
 寝る時はシベリンの方が早く寝るし、起きるのもシベリンの方が後だった。しかも、
ナヤトレイは家の中で水浴びをする事はなく、出先でもシベリンが気付かないうちに
済ませていた。
 (そうか……。ナヤも女の子なんだよな……。)
 危険な任務を自分と同等にこなしているのを見ていると、ナヤトレイが十五才の
女の子というのを忘れがちだった。そして、ナヤトレイはそういう事を感じさせないように
していたのもあった。
 シベリンが背中の紐を締める終わると、ナヤトレイはブーツを脱いで靴下と靴を履いた。
 (ぐわ〜っ!ナヤって、無茶苦茶可愛いじゃないか。)
 きちんと洋服を着た姿を見て、シベリンは心の中で感動と涙を流していた。
 「これでいいの?」
 「うんうん。じゃあ、行ってこい。」
 「うん。行ってくる。」
 ヴァンダンの方に走って行くナヤトレイを見ながら、シベリンはガックリと肩を落として
しゃがみ込むと、両手を地面についた。
 (こんなに近くに可愛い子がいたのに気付かなかったなんて、俺って駄目すぎ……。)
 心の中の涙を感動から後悔に変えて、シベリンはナヤトレイの姿を見ていた。
 「おまたせ。」
 ナヤトレイの声に顔を上げたヴァンダンは、上から下まで見て笑顔になった。
 「ああ、やっぱり可愛いね。良く似合っているよ。」
 「ありがとう。じゃあ、座ってくるね。」
 ナヤトレイは素直にお礼を言うと、切り株まで走っていった。
 (こうだったかな。)
 ナヤトレイは昨日のように座ったが、今日は短剣を持ってはいないので手は自然な位置に
しておいた。そうしてナヤトレイは自然の音に耳を傾けた。
 ヴァンダンはナヤトレイの用意が終わったので、昨日と同じように木炭をスケッチブックに
走らせた。


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