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スタンドスレ小説スレッド

78N2:2003/11/13(木) 23:03

 アナザーワールド・アナザーマインド その②

 ギコ屋は自分が今何をしているのか、実の所よく分かっていなかった。ただ何かに刺されたことで力が湧き、この男に対する憎悪をぶつけんが為に自らの『超能力』を使ったのだ。男の頭上に何か見たこともないようなものが漂っていることさえも、既に当然の如く感じられた。ともかく、ギコを何としても救わねば。彼の頭にはそれしかなかった。
 「さあ、ぼけっと突っ立ってないで、早くギコを返したらどうだ!」
 (まずいぞ…こうなれば、私の真の能力を使わねばならんのかも知れん…。しかしその上で万が一こいつに逃げられてしまったなら…これから『王』となる者として…、いや、スタンド使いとして敗北することになる…。ここで消えるか、それともこいつを消すか…)
 「何にもしないんだったら、こっちからいくぞ!!クラァ!!」
 ギコ屋は、やはり当然のように自らのスタンドのビジョンを出した。流石に商売柄からか、その顔はギコそのものである。しかしながら、どちらかと言えばその全体像は人に近く…、かつその四肢は人工の物の様である。
 (こいつッ、既にここまで…)

 「クラァ!!」
 ギコ屋はそのスタンドで一気に振りかぶった。そのパンチは男の顔をかすめた。
 (危なかった…いや、違う。こいつはスタンドを発現して本当にまだ間も無い。だからこそ、その扱いに慣れておらず、まだパンチの振りが必要以上に大きいし、しかも狙いが全然定まっていない。…だが、それでいてこのスピード、このパワーは何だ?このスタンド、想像以上に…危険だ!!)
 確かに男の予想通り、ギコ屋の拳の軌道は全く定まっておらず、すぐ背後の店のショーウインドウのガラスは見るも無残に割り砕かれていた。何発打とうとも、その全てが彼の頭上とか、あるいは胴を逸れてマントに当たるだけだった。だが、初心者対ベテランの戦いではあったが、そこには大きなハンディが存在した。
 (クソッ、だがいくら初心者相手とは言え、近距離パワー型に片腕一本で立ち向かうのは余りに辛い!もしこの状態でラッシュを打ち込まれたなら…)


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