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スタンドスレ小説スレッド

55N2:2003/11/12(水) 18:22

 「サムライ・スピリットッッッ!!!」モ蔵が目にも留まらぬ速さで突きを連発する。人間技とはとても思えない。しかも、かつてのそれよりも格段にスピードが上がっている。
 「くっ…、うおおおおおおおおッッッ!!!」耐え切れず、『矢』の男は後ろに倒れ込みながら自らのスタンドでラッシュを打ち込む。近距離パワー型、しかもその中でもトップクラスの能力だ。
 「かつての試合のときはまだ直接戦闘の能力が完成してはいなかったッ!がしかし、今ではお前の突きに対抗できるッ!!」
 「…甘いッ!!」強い口調で叫んだ直後、モ蔵はラッシュの一発一発を全て避けながら、突きの速さを加速させた。――こいつ、まだ本気を出していなかったのか!!まずいッ!!
 突きは簡単にラッシュの間をすり抜ける。ふと『矢』の男が自らの腕に目をやると、そこには鋭い切り傷が幾筋も入ろうとしていた。緋色の鮮血がそこから勢いよくほとばしる。

 「う…うおおおおおおおお」吹き出す血を見て、気が動転する。
 「貴様の足跡を追う中で…」モ蔵はゆっくりとこちらへと歩いてくる。
 「貴様がどれだけの悪事を働いてきたか、否が応でも知る羽目になった…。貴様は何の目的かは知らんがッ!一般凡人に『矢』を打ち込むことによってッ!スタンド使いを増やそうとしているッ!同時に数多くの人々の命を奪ったッ!」
 息を荒くしながら『矢』の男は答える。「それは…君が私に対して偉そうな口を…利けることでは…ないんじゃない…のか?」
 「違う。確かに私も多くの者の命を奪った。しかしそれは、数多くの人々の平和を維持する為のこと!私利私欲の為だかは知らんが好き勝手に人を殺す貴様とは違う!」彼は厳しくも自信に満ちた表情で答えた。
 「フン…私の受け売りじゃ…ないか…」
 「確かにな…。だが貴様の言った事は確かに真実だった。だからこそ貴様は今こんな状況に陥っているのではないか?」モ蔵は『矢』の男から幾らか距離を置いて立ち止まり、見下すようにこう言った。
 「確かにそうだ…私の目的はその過程で…大きな犠牲を払うことは決して…避けられない。しかしその先には私なりの理想があるのだよ…」
 「…己の為だけに!人を殺して得ようとする理想が理想と呼べるか!」
 「なるほど…君の心はかつてと同じ、自分の信念へと真っ直ぐに向いているな…」
 「そして貴様の心は目的に向かって更に捻じ曲がった」皮肉と怒りを込めてモ蔵は返した。
 「…残念だよ、モナ蔵。こんな形で再会しなければならないなんて…」
 「それは…貴様の自業自得だッッッ!!!!」再び斬りかかるモ蔵。『矢』の男は反射的にスタンドでパンチを打ち込まずにはいられなかった。そうしなければ、まず命は無いからだ。しかし…刃に真正面からぶつかった拳には、いとも簡単に、そう、言うなれば包丁で豆腐を切るように、その中程までに鋭い隙間が出来た。
 「…っぐああああああああああ!!!!」
 「…喚け、叫べ。そして自らが殺めた者達と同じ気持ちを知るがいいッ!!」


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