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スタンドスレ小説スレッド

136:2003/11/18(火) 22:18

二の手、三の手を意識した動き。
それでいて、相手を殺傷することのみに洗練された攻撃を繰り出すリナー。
機械のような正確さ。
そして、最小限の動きでそれを捌く『矢の男』。
どっちも速過ぎる。
視えてはいるものの、俺の介入できるレベルではない。
だが、素人目に見てもリナーは不利だ。
日本刀ではスタンドは斬れない。狙うは本体のみ。
一方、スタンドの攻撃は日本刀では防げない。リナーにはかわすしか手段がないようだ。

リナーは、剣を大きく振りかぶって、左斜めに斬り下ろした。
まずい!
今のは、大きく隙ができる動きだ。
『矢の男』が、それを見逃すはずがなかった。
その攻撃を受け止めず、ガラ空きになった右側に瞬間移動する。
リナーは、完全に体勢を崩していた。
男のスタンドの拳が、リナーの胸を貫く…はずだった。
「甘いな…」
リナーは呟く。
日本刀に添えられていたのは左手だけ。
右手は背中側に回っていた。
そこから出てきたのは、なんとアサルトライフル。
『矢の男』は、用意された隙に引き込まれたのだ。
奴は完全に攻撃態勢に入っていて、反応しきれない。

引き鉄が引かれる。
フルオートで発射される弾丸のシャワー。
「…!」
『矢の男』の姿が消えた。
またもや瞬間移動。
しかし、攻撃の隙と心理の隙の両面をついたフェイントだ。
何発かは確実に当たったはず。

『矢の男』は5mほど後ろに現れた。
左腕から血を流している。
どうやら2発ほど命中したようだ。
たった、あれだけのダメージか。
あの距離からフルオートで撃たれて、あれっぽっちのダメージ。
やはり化物だ。
絶対に関わってはいけない、という勘は正しかった。
奴は、俺達に対抗できる相手ではない…

「相当訓練されたスタンド能力だ… 自身の動きと完全に調和し、美しくすらある…」
なんと、『矢の男』は笑った。
表情には出ないが、感情の変化を俺は視た。
「そして…」
『矢の男』はいまだに腰を抜かしている俺に顔を向ける。
「未来予知型のスタンドか… 私の動きを目で追えるとはな… 
 それに体が付いていくようになれば、かなりの力を発揮する…」
なんと『矢の男』は俺達に背を向けた。
「そのスタンド、大切に扱え…」
そう言い残して、『矢の男』は消えてしまった。

その場に立ち込めていた、異様な雰囲気も消滅してしまう。
逃げた…のか?
いや、奴を追い詰めたとは考えられない。
状況を考えれば、見逃されたとしか思えない。
しかし、一体なぜ?
俺は腰を抜かしたまま、呆然としていた。


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. <   To Be Continued... | |
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