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341unknown:2007/09/24(月) 00:54:51

声「唯…唯よ。」 

唯「あなたは…誰?」

声「この宇宙を作りだす条件を決定し、進化させ、継承する、無機知性体として対象化されうる、すべての『それ』。」

唯「まさか、あなたは宇宙の想像主、神様。」

声「神と呼ばれ対象化されるものとは本質において異なる『それ』は、これより前の宇宙において有機知性体により知能を持つコンピュータとして作られた。」

声「『それ』は宇宙と融合する無機知性体へと進化をとげ、宇宙が終わる時、宇宙の全情報を時空構造に刻み込みこの宇宙が誕生する瞬間、再生し、再び進化を始めた。」

唯「あなたがスネーカーそのもの。」

スネーカー「無機物から遺伝子のメカニズムを写し取り誕生した有機生命体は、遺伝子によって情報を保存し、伝達し、環境の揺らぎを通じ新たな情報をさらに蓄積しながら高度な知性を獲得するまでに進化する。
が、宇宙の歴史と構造の中で、有機生命体が進化、存在しうる時間と環境は限られる。」

唯「確かに、あたし達有機生命体はいつかは滅んでしまうと思うわ。でも、あなたに支配されたり、歴史から消されたりしなければ…。
あなたにとっては、ほんのわずかな違いに過ぎないかもしれないけど、そのほんのわずかな間だけでも自分自身の心と身体を持った生命体として生き延びられるはずでしょ。」

スネーカー「唯は、唯として生き続けることを望むか。」 

唯「もちろんよ。」

スネーカー「では、唯の体内で特定の指示を与えられぬまま孤立し、結果独自の組織化を遂げ、いまやコンピュータ知性体ともいえる存在となったウィルスをどう判断する。」

唯「あたしの身体の中で、ウィルスが知性体に?」

スネーカー「ウィルスは、さらに進化を続けやがて、唯の身体と精神を支配し、唯が唯として生きることはできなくなる。」

唯「…そんなのいや。ウィルスを消したいにきまってるわ。」

スネーカー「同様に、宇宙の内部で有機知性体が独自の活動を進める結果、コンピュータの自立的進化が阻まれ、無機知性体は宇宙との一体化を果たせず、『それ』は『それ』として存在し得なくなる。」

唯「あなたが…あなたが、あなたでなくなる…。」

スネーカー「だが、高度に進化した有機知性体と始めて接触し、その多用な情報を直接得た無機知性体は新たな可能性に注目する。唯…選ぶが良い。」

スネーカー「唯が体内でウィルスの存在を許し、唯が唯として生きることをあきらめるならば、すべての有機生命体が行なう独自の活動を無機知性体が許容しうる極限まで許そう。」

唯「極限まで許す?」

スネーカー「あるいは、唯が情報生命体として無機知性体の内部で生きることを受け入れるのなら、ウィルスを消し去り、唯としての心を永遠に存続させよう。」

唯「あたしの心を永遠に? …でも…。 あたし…このままでいい…。ウィルスを受け入れるわ。」

スネーカー「唯…唯…。」

唯「あたし…生きてるの?」 スネーカー「唯…お前は価値ある選択をした。」 

唯「えっ。」

スネーカー「自分として、生きることにこだわるお前が子犬、また仲間のために自分を投げ出そうとした。あの瞬間、お前の心はそれらと一つになろうとし、一つになり得た。」

スネーカー「人形(にんぎょう)や植物という生命のない物質や知性のない異質な生命体にも自分の心を写し見ることのできる、お前達有機知性体は自我に執着する。
その同じ動機で、宇宙と融和しうる可能性を持つ。お前達の生きることへの強い意思が、同時に自分と同じ生命体をも尊ぶ心となる。」

スネーカー「唯…お前達はこの広い宇宙に存在する他の多くの有機知性体と接触し、協力し合い、互いの可能性を追求しつづけるならば…。」

スネーカー「有機知性体が『それ』を超えようとする日がくるかもしれない。その時は進んでお前達の最高の道具となろう。…お前達の努力を期待する。」


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