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ミッション『アンドロギュヌスの陰謀』

154七市 敬司『クリア・ザ・デックス』:2006/08/22(火) 03:56:36
>>152
凝視しても、目の前の人物は男なのか女なのか七市にはわからなかった。
ただ、釣りが趣味だったと話すその姿が、妙に印象的で不思議と安心が出来る。
それが、悟りというヤツに近いものだと確信するのに時間はかからなかった。

「……そうか、和歌山のヤツ、案外多趣味だったんだな。そうだ、ビリヤードも凄腕だったな?
 アイツともう一度勝負して勝てるかどうか。俺にはわかりそうもないな。」

病室のベットの上で見舞いの客人でも来たように七市は話していた。

「趣味を心から楽しんでいるヤツの話は必然と楽しいさ。そういうもんだろ?
 それに、俺もヤツと違う形で出会えているなら、良い友人になれたとも思っているよ。」

目の前の人物は『主催者』、つまりトップ。また、ハズレ籤を引いたらしい。
そして、七市は己が聞いた和歌山の結果的に最後の言葉。
『歓喜の歌』は次の段階に移行したということの意味をおぼろげに理解する。

「……これはこれは。アンタが主催者だったのか。
 しかも、俺の名前を知っていると言うことは、背後にも調査はついているということだな。
 素晴らしい組織力だな。即興の雇われチームが勝てるわけがない。
 
 その通り。我々が知りたがっていたことは、そういうことだよ、アンドリューさん?」

のぞき込む視線の中にあるのは威圧感。悟りの正体は目の前の死神に命を取られる覚悟。


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