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【場所】『窓が割れたままの家々』【スラム街】

395『我々は皆運命に選ばれた兵士』:2005/07/31(日) 23:56:19
「・・・・馬鹿は死ななきゃ直らない・・・か・・・・」

『彼』は呟く・・・・・・今度は声に出して・・・。      
月が照らし出す路上に交錯するはいかなる想いか・・・・・。


「何だとォッ!?」    
  「オイッ! ヤッちまおうぜッ!」   「・・・・殺す・・・・・」   ――ザッ!

『彼』の言葉は影達の目に殺意の光を呼び起こさせた。影達は鈍く光る刃物を手に『彼』に飛び掛るッ!


――分かりやすいな・・・・・

自分に向けて飛び掛る影達を目にしても『彼』は動じない・・・・。
それどころかその表情にはニヒルな笑いを浮かべていた。


『ドゴォッ!』   『ドゴォッ!』   『ドッゴォォオオンッ!』

「ウゴッ!」  「ウグゥッ!」  「ウゲェェエッ!」     ――ドンッ!

見えない何かに弾かれたようにして吹き飛ぶ影達・・・・・。  ――カラン・・・・・・
影達は崩れかけた壁に次々と打ち付けられ、刃物はその手から転がる。


「・・・・ウウゥゥ・・・・」
  「・・・勘弁してくれェ・・・・」    「俺達が悪かったよ・・・・・な?」

状況の圧倒的不利を悟った影達は口々に命乞いを始めた。
先程までの勢いは何だったのか・・・・?  闇に紛れてしか行動出来ない輩は所詮こんなものなのだろうか?

――コツ・・・コツ・・・・

壁際で謝罪を続ける影達に向かって『彼』は歩みを進めた。

「・・・おい!?」  「止めてくれよ・・・・・」  
  「もう何もしないから・・・・・」

――コツコツ・・・・・・・・コツ・・

命乞いを続ける影達の手前数十センチで『彼』はその歩みを止めた・・・・。

「・・・・・お前らには実験台になってもうらうよ・・・・・・コイツのね・・・・・」

そう言った『彼』はスラックスのポケットから何かを取り出した。


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