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●近況連絡●

381ふじ認定:2004/05/18(火) 02:00
それでも、彼女はまだ鋏を持ったままでした。
刃先に茶色い私の髪がついているのが見えると、このまま逃げ出して後ろから刺された方が楽かもしれないと思うくらい怖かったです。
それでも、まあ。死ぬのはやっぱり嫌です。
本当に死ぬかもしれない状況でもう一度エレベーターに乗り直して正気でいられる自信はなかったので
誰かに会うことを祈りながら校舎の真ん中のエスカレーターで階下へと降りました。
が、やはりその時間まで残っている人は研究室に籠もっているようで誰の姿も見えません。
街中に出てから助けを求めた方が良いようです。
その間にもてづかはご機嫌らしく、本当に嬉しそうににこにこしながら私にあれこれと話しかけてきます。
未だに耳の奥にこびりついている声、キャンプに行こう、だとか一緒に九州に、だとか。
私の通っている学校は校門を出れば比較的街の中心に出られます。そこまでの辛抱だと自分に言い聞かせていました。
彼女が手の中でしゃかしゃか音を立てさせている鋏よりも、本当に楽しげなこの様子が何より怖いのです。
本気でこんな風になれるなんて、どうしてしまっているのでしょうか。
校門を出ると、擦れ違う人皆が私たちの方を振り返ります。
傍から見ても、秋口にノースリーブ姿、滅茶苦茶に不揃いな髪、明らかに足元もおぼつかない私と
鋏を鳴らしながら歩いているてづかの組み合わせはおかしかったのでしょうね。
街の開けた方へ開けた方へ、彼女と一緒に歩き、駅前の派出所の前を通りかかった時
思い切り彼女を突き飛ばして派出所の中へと駆け込みました。
中に警官がいるのを確認はしていなかったのですが(今思うとぞっとします)幸運にも何かの打ち合わせ中の警官がすし詰め状態。
背中からてづかの叫び声(この辺りはもうよく覚えていません)がしました。
鋏を滅茶苦茶に振り回しながら私を追ってくる彼女を警官3人で取り押さえたのだそうです。
その際にひとりの方が腕と額に軽い切り傷を負われたそうですが、私の被害は幸運にも髪の毛だけでした。


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