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長編、長文支援スレ3

80</b><font color=#FF0000>(cwYYpqtk)</font><b>:2003/10/13(月) 15:23
 私達は、すっかり囲まれていた。
 周囲は薄暗くて、種族は分からないが、二十匹以上はいると思う。
 その全てが敵意のこもった視線を向けているが、同時に、ばあやの強力な魔法に
警戒心を抱いているようでもあり、すぐには襲いかかってこない。
 しかし、時間の問題だろう。
「ばあや…… 」
 すっかり、気力が萎えてしまった私は、彼女にすがりついた。
 
「時間を稼ぎます。先にお逃げください」
 ばあやは冷静だった。絶望的な状況に対して、落ち着きすぎていた。
「そんなの嫌よ! ばあや、一緒じゃないといやあ」

 パチーン……
 頬が鳴った。
 呆然として、左手で赤く腫れたほっぺたを抑えながら、私は、彼女の顔を
見つめた。
「わがまま、言うんじゃありません」
 自分が、どれほど馬鹿なことを言ったのか……
 叩かれなくては、分からなかった自分が、とても情けなかった。
 
 だけど……
 限りない愛情を注いでくれたばあやに、感謝の想いだけは伝えたくて、
彼女の身体を抱きしめ、唇に振れた。

 2度目の、そして、おそらく最後の口付け。
「大好きよ、ばあや」
「貴方が好きです。王女様」
 二人の好きは微妙で、決定的に違っていたのだけど、今となってはどうでも
よいことだった。
 ばあやが微笑んでいるのを見届けて、私は、二人で作った隙間に身体を
滑りこませた。
 ごめんなさい…… ばあや。


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