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長編、長文支援スレ3

74</b><font color=#FF0000>(cwYYpqtk)</font><b>:2003/10/13(月) 11:37
「陛下! 」
 甲冑が軋む音を響かせながら、飛びこんできた伝令兵が大声をはりあげる。
「敵、撤退していきます! 」

 ざわっ……
 謁見の間に集結している近衛兵から、ざわめきがあがり、直後に弛緩した空気が
ひろがっていく。
「ほっ…… 」
 私も小さく息を吐いた。心なしか剣戟の音も遠ざかったように思える。どうやら、
ムーンブルクは危機を脱したらしい。
「現在、どうなっている」
 しかし、国王は厳しい表情を変えないまま、伝令兵に向かって更なる報告を求めた。

「はっ、魔物どもを全軍で追撃しております」
 その時の、父の顔の急激な変化は、今でも忘れられない。

「馬鹿者っ! それは罠だ」
 思わず立ち上がった国王は、普段はほとんど上げたこともない、怒鳴り声を
叩きつけた。
 表情からは威厳が消え失せ、焦燥だけがあらわれている。
「引き返せ…… 」
 父は、うめくような声を絞り出した。
 しかし、国王の異様な様子に、伝令兵は反応できず、ただ当惑するばかりである。
 誰もが呆然と立ち尽くしている時、2番目の伝令が駆けこんでくる。
「敵に新手です。味方は挟撃されて苦戦中!」
 間髪入れず、ばあやが先程放った斥候が、よろめきながら戻ってくる。矢傷を
負った右腕が赤く染まっている。
 
「魔将、ベリアル率いる一隊! 城門を突破しました」
 よく通ったその兵士の声は、城内で最も広い謁見の間の隅々までに響き渡った。


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