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長編、長文支援スレ3

73</b><font color=#FF0000>(cwYYpqtk)</font><b>:2003/10/13(月) 11:37
 次第に大きくなる鬨の声に不安を覚え、私は窓をながめた。西の空が、ぼんやりと
赤く染まっている。
 だけど、ムーンブルクの兵は決して弱くはない。だから、きっとだいじょうぶ…… 

「マリア…… 」
 母は、心配そうに私を見つめている。
 彼女は身体の調子を崩すことが多く、床に臥していることもしばしばだった。
 頑健そのものの父や、風邪すらひいたことのないばあやとは対照的だ。

「大丈夫ですわ、お母様」
 精神の方も決して強靭とはいえない母を支えるために、彼女の掌を握りしめた。
 小刻みに震える手の皺が、増えているような気がする。
 残念で、悔しいことではあったけれど、兵士達に指令を出しつづける父や、
ばあやとは違って、これが私にできることの全てだった。

 重苦しい空気を残したまま、時だけが確実に刻まれていく。
 勝っているのだろうか、それとも上手くいっていないのだろうか。
 戦いの音は聞こえるのに、見えないという中途半端な状況が、心の中に生まれた
不安をどんどん膨らませていく。

 息の詰まるような状況に決定的な変化がおとずれたのは、1時間程が経った時の
ことだった。


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